家計の消費支出に占める食費の割合を示す「エングル係数」が2023年は27・8%に達し、同数字だった1983年に並び40年ぶりの高水準となった。
22・9%で最も低かった2005年に比べると4・9ポイント上昇。
相次ぐ食品値上げに所得の伸びが追いつかず、家計を圧迫している実態が浮かび上がった。
エングル係数は総務省が家計調査で算出している。
生きる上で不可欠な食料への支出割合が高いエングル係数は総務省が家計調査で算出している。
生きる上で不可欠な食料への支出割合が高い状況とされ、暮らしの豊かさや逼迫の度合いを把握するのに役立つ。
比較可能な全国のデータが残る1963年以降では、最も高かった1963年の38・7%から経済成長とともに徐々に低下。
2005年を底に緩やかな上昇基調に転じ、新型コロナウイルスの感染拡大でレジャー消費が減った2020、2021年には27%台に達した。
2022年は26・6%にいったん下がったものの、2023年は1・2ポイントも急上昇し、現在の集計方式となった2000年以降で最も高い水準となった。
2023年はロシアのウクライナ侵攻や円安ドル高などの影響で輸入小麦が最高値を記録。
他の輸入穀物や肥料などの価格高騰も続き、パンや菓子、麺類など食品の値上げが相次いだ。
内閣府が昨年9~10月に行った食品購入時の意識調査(複数回答)によると、値上げを受けて安価な食品に切り替えた人がI59・5%に上った。
「外食機会を減らした」が42・2%」「購入量を減らした」が39・0%、「嗜好品を減らした」が29・7%で、生活防衛意識の高まりを示す結果となった。