Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

散財日記

2017年07月22日 | CD批評
角松敏生「SEA IS A LADY 2017」
名盤「SEA IS A LADY」が世に出て早30年。今年となってそのリメイク盤「SEA IS A LADY 2017」が出ると聞いた時には、年初来の新譜がいずれも不冴えであったこともあり「今年一番の内容か!!」と一瞬心踊ったが30年、しかも日本経済的には「失われた20数年」を含む30年間では音楽制作環境も大きく変化しており、プリ=バブルで絶頂期に録られた原盤とは資本投下量も相当違うと想像されることから冷静にトーンダウン。予定調和的に「別モノとして非常に楽しめる」だろうと想定して聞いたが、結果として「沈」。Expectation Controlが巧くなかったのは百も承知だが、ギターはさすがに良くなっているものの、バック、特段ベースはヤバい水準。最後「OSHI-TAO-SHITAI」は某大学の音楽サークルの1年生の方が巧いのでは…? 内容の乏しさと冗長さもあり、一回聞いたらもう聴けなくなってしまった…。全般的にギターが良くなっている印象なのは、コーラス系モジュレーション+リバーブで大きく広がる原盤から、モノっぽくセンターに集中している新盤の方が音像クッキリでニュアンスが分かりやすい面が大きいが、一方で歌えないのか待てないのか暇持て余し気味で不要と思われるトリルの多用に加えて、サックスとのユニゾンやハモリもピッチやバランスにかなりな違和感。サビをオクターブ下で弾くといったオトナの意外さはあるが、これも突っ走り感に欠けてイマイチ。敬意と忍耐を持って所定の曲順通りに拝聴するに、1曲目(WAY TO THE SHORE)から2曲目(SEA LINE)までは期待と高揚が持続するも次第に減退し、8曲目(MIDSUMMER DRIVIN’、これが一番の秀テイクかも知れない)で相応に回復するも、最後(OSHI-TAO-SHITAI)で大きくストール(失速)して墜落、誠に残念。
この記事についてブログを書く
« 玉肌日記 | トップ | 散財日記 »
最新の画像もっと見る

CD批評」カテゴリの最新記事