ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

含羞の人

2014-01-11 | ほとほと日記
今日は寒い一日でした。
昨夜の職場新年会でけっこうお酒を飲んでしまって、一旦朝の6時に起きたものの、またウトウトしてしまい、この一ヶ月以上欠かさず続けていたテレビ体操をサボってしまいました。
でも、今日は仕事はお休みなので助かりました。


夜、スマホでyoutube を見ていると、作年末に亡くなった大瀧詠一さんがALFEEの坂崎幸之助さんのラジオ番組に去年の9月に出演されたときの録音がありました。
一時間以上の長い番組でしたがとても味わい深く聞きました。

大瀧詠一さんは英米ポピュラーミュージックに途方もなく造詣が深いだけでなく、野球、相撲、落語など様々な趣味に精通していることで知られています。
番組でもそう言った会話がたくさん出てきますが、ひけらかすのではなく、あくまで大人の含羞が感じられます。

彼は岩手県の出身で、子供の頃からラジオやレコードでアメリカのポピュラーに夢中になったそうです。
母子家庭だったとも知り、昭和三十年代半ば、東北に住む詠一少年がラジオ音楽放送にかじりついている姿が浮かびました。
高卒で上京して就職した会社をすぐ辞め、翌年大学に入ってから音楽活動を始めて、やがて『はっびいえんど』という伝説のバンドを結成します。
バンドを解散してからはCM 音楽の作曲や『君は天然色』など自身のヒット曲、アイドルや演歌歌手など幅広いヒット曲の提供など大活躍をしました。

放送では「舞台が岩手なので『おはなはん』以来久しぶりに朝のテレビドラマを観てます」と、『あまちゃん』について語っていました。
でも考えてみると、大瀧詠一さんは『あまちゃん』に出ていた小泉今日子や薬師丸ひろ子、そして小泉今日子が演じた天野春子の部屋に貼ってあったポスターの主、松田聖子にも楽曲を提供していました。

本当に一時代を築いた人だったのですね。

でも、どこまでも冗談混じりに恥ずかしそうに「どうでもいいウンチク」を語る。
それはやはり地域性が大きいのでしょうね。
私が知る限り東北出身の男性はそもそも自分のことを語りませんから。


大瀧詠一さんの病気は解離性動脈瘤だったようです。
これは高齢者に多い疾患です。
まだ若い印象でしたが65歳、やはり体には老いが忍び寄っていたのでしょうか。

急逝はご家族には残念でしょうが、もし障害を残して存命した場合とどちらがご本人にとって幸せかは、神様にしか分からないこと。
ただ、あのような含羞の人が亡くなったことに寂しさを感じました。