ほとほと通信

独居中年の日記です。
孤立しない、させない
生き延び合う…を合言葉に、
一日ずつ生きています。


二本の映画

2018-01-04 | 映画
今日も仕事はお休みでした。


朝、いつものように5時半に起きたので、6時過ぎから、昨日TSUTAYAから借りてきた映画を観ました。

昨日は昨年の米アカデミー作品賞の『ムーンライト』と、一昨年カンヌ映画祭で最高賞を取った『私は、ダニエル・ブレイク』を借りてきました。

『ムーンライト』は昨日観ていたので、今朝は『私は、ダニエル・ブレイク』を観ました。

どちらも貧しい無名の人々を描いた作品ですが、鑑賞後の印象はかなり違いました。


『ムーンライト』は母親が薬物中毒でゲイの黒人男性の幼年期、高校生時代、大人になってからを章分けして描いているのですが、とにかく「救いがない」と言う気持ちになりました。

独特の色調など、映像作品として優れているのは分かるのですが、主人公だけでなく、登場人物全てから鬱屈と社会的底辺のどん詰まり感が伝わって来て、ツラくてかないませんでした。

それが一般的なアメリカ黒人社会の実情なのかも知れませんが、この先の人生に不安いっぱいの身としては、正直もう良いです…と感じたことでした。


『私は、ダニエル・ブレイク』は、心臓病で医者から仕事を止められている59歳の大工の男性が、社会保障制度を利用しようとして、役所のいかにも「小役人」的な対応に振り回される…と言う筋書きです。

悲劇的な最後を迎えるなど、エピソードはツラいものばかりなのです。

でも鑑賞後は、不思議とむしろ少し温かい気持ちになりました。

ケン・ローチ監督らしい淡々としたドキュメンタリータッチの作品ですが、登場人物を肯定的に捉えるセリフなどもあり、それが観るものに一縷の希望を感じさせるのかも知れません。


同じように社会の底辺で苦しむ人々を描いた二本の作品の印象の違いは、アメリカの黒人男性とイギリスの白人男性が置かれた絶望の深さの違いだろうか…とも思ったことです。
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怪作鑑賞

2017-07-06 | 映画
今日は仕事はお休みでした。


洗濯、買い物、スポーツクラブ、料理…とスタンダードな休日でした。


昼食後、ヤフー映画で、『卍』と言う作品を観ました。

谷崎純一郎原作で、監督が増村保造、脚本新藤兼人と言ういかにも濃そうな布陣ですが、やはりとても「濃い」作品でした。

人妻と若い女性の同性愛、それに惹きこまれる人妻の夫の淫靡で倒錯した関係…と言ういかにも谷崎純一郎ワールド。


岸田今日子と若尾文子が主演です。

若尾文子は言わずと知れた日本映画史でも屈指の艶のある美人女優ですが、岸田今日子さんも気品と艶、そして持ち前の不気味さもまた妖しい美しさで、唸りました。

昭和39年の大映映画ですが、昭和三十年代の映画俳優はいかにも「スタア」と言う佇まいで、それだけで絵になります。

お人よしの人妻の夫を演じる船越英二氏が、困りながらも妖しい性の倒錯に耽溺していく中年を演じていい味を出していました。


LGBTの表明が高らかに進む現在では、本作の「道ならぬ関係」への暗く隠微な描写はいかにも時代遅れな印象を抱く人もいるでしょうが、50年以上前の作品を今の価値観で評価するのも野暮な話です。

上映時間90分で、「妖しすぎてお腹いっぱい」になる前にどんどんシーンが切り替わるテンポも良かったです。

端的に言って名作と言うより怪作ですが、当代の人気俳優や巨匠がこういう作品を作った時代もあったのか…と感じられる意味では、特にやることのない昼下がりなどには一見の価値があると思いました。

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80代の快作

2017-06-19 | 映画
今日は仕事はお休みでした。



洗濯、買い物、スポーツクラブ、料理…という標準的な休日を過ごしました。

昼食と夕食を兼ねて「鶏むね肉のジンジャーケチャップ炒め」と言う料理を作りました。

文字通り、鶏のむね肉をしょうがやケチャップを主としたソースで炒めるのですが、玉ねぎとピーマンも刻んでいっしょに。

なかなか美味しく、ごはんが進みました。



午後からは久しぶりにTSUTAYAに行って映画を借りてきました。

そのうち、クリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』には、とても感心しました。

2009年の1月に、乗客150人以上を乗せた旅客機かニューヨークの中心地を流れるハドソン川に着水し、全員無事に救出された…と言う実際に起きた出来事をもとにした作品です。

題材からしていくらでも「感動的」なシーンを盛り込めるだろうに、全体に抑えたトーンで語られます。

その「抑え加減」が渋く知的でカッコいい。

上映時間も1時間40分くらいと、決して長くなく、でもしっかりと余韻があり、心を満たします。

これは去年の作品ですが、イーストウッドはおととしの『アメリカン・スナイパー』に続いて、80歳を過ぎて精力的に傑作を作り続けています。

高齢になっても作品を作り続けた有名監督は他にもいますが、たいていはテンポやテーマがボケてしまって(やっぱり老いたなア…)と言う印象になるものです。

80代でこれだけ芸術性と娯楽性を兼ねた作品を作る映画監督は、過去にいなかったのでは?と思うほどです。

そして、現状の実写の日本映画には、映画好きのオジサンが観れるものはほぼ皆無だ…と、TSUTAYAの棚の前で改めて感じたことです。

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夢ランド

2017-03-03 | 映画
今日は仕事はお休みでした。


新宿で、話題の映画『ラ・ラ・ランド』を観て来ました。

ミュージカル映画ですが、歌や踊りの場面はさほど多くありません。

映画女優を目指す女性と、ジャズピアニストを目指す男性。

夢を持って生きながらなかなか成功を掴めない若い男女の、出会いからの一年…が物語の中心です。

いかにも「映画オタク」っぽい雰囲気の監督ですが、ストーリーはとても真っすぐでした

ラストがちょっとビターテイストだけれど、後味は悪くありません。

色彩の美しさと、何より主演のエマ・ストーンの豊かな表情と仕草がチャーミングでした。

誰が観ても感動する…と言うタイプの作品ではないと感じましたが、お金を払って観る価値は充分あると思います。


金曜の午後二時くらいから観ましたが、500人近く入るシネコンが八割くらい埋まっていました。

このところ興行収入が上昇しているという映画界ですが、確かに手軽に「いっときの夢」を観れるので、私にとっても重要な心の滋養源になっています。


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巨匠たちの旧作

2017-02-21 | 映画
今日も仕事です。


昨日は仕事から帰って来て、BS放送でマーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』を観ました。

だいぶ前にDVDを借りて観た記憶があるのですが、すっかりストーリーを忘れていました。

スコセッシ監督らしい凝った撮影や音楽の使い方をしていましたが、いかにも人が殺されすぎに感じました。

『沈黙』の方がずっと優れた作品のように思いました。


しばらく前には、やはりBS放送でスティーブン・スピルバーグ監督の『プライベートライアン』を観ました。

この作品は封切りのときに観たのですが、再見して、無類の戦場映画であると共に、重層的に人物や組織を描いていることを改めて知り、感動しました。


スコセッシ、スピルバーグ、コッポラ、ルーカスなどは、気鋭の若手時代から巨匠となるまで、リアルタイムで作品に接してきた監督たちです。

見始めは中学生だった私も、彼らの作品と共に年を取り、あと二年三ヶ月で還暦です。

彼らの旧作に触れるときは、ただの映画観賞とはちょっと違う気分になります。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で過ごせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します。
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