和英特許翻訳メモ

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拾った用例は必ずしも典型例、模範例ではありません。

ダイオード領域

2022-10-09 17:53:30 | 半導体

[0013] (第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置について説明する。本実施形態にかかる半導体装置は、基板厚み方向に電流を流す縦型のIGBTとFWDとが1つの基板に備えられたRC−IGBT構造により構成されている。この半導体装置は、例えば、インバータ、DC/DCコンバータ等の電源回路に使用されるパワースイッチング素子として利用されると好適である。具体的には、本実施形態にかかる半導体装置は、以下のように構成されている。

[0014] 図1に示されるように、半導体装置は、セル領域1と、このセル領域1を囲む外周領域2とを備えている。

[0015] セル領域1は、図1、図2、図3Aおよび図3Bに示されるように、IGBT素子が形成されたIGBT領域1aおよびFWDが形成されたダイオード領域1bが交互に形成されている。また、IGBT領域1aとダイオード領域1bの間に境界領域1cが形成された構成とされている。

[0016] 具体的には、これらIGBT領域1aとダイオード領域1bおよび境界領域1cは、図2、図3Aおよび図3Bに示すように、ドリフト層11として機能するN- 型の半導体基板10に形成されることで1チップで形成されている。IGBT領域1aとダイオード領域1bおよび境界領域1cは、半導体基板10の一面10aの一方向、図1で言えば紙面上下方向に沿って延設されている。そして、IGBT領域1aとダイオード領域1bが延設方向と直交する方向に交互に繰り返し形成され、その間に境界領域1cが形成されている。

[0017] ドリフト層11の上、つまり半導体基板10の一面10a側には、P型のベース層12が形成されている。そして、ベース層12を貫通してドリフト層11に達するように複数個のトレンチ13が形成され、このトレンチ13によってベース層12が複数個に分離されている。

[0018] なお、本実施形態では、複数のトレンチ13は、半導体基板10の一面10aの面方向のうちの一方向、図2で言えば紙面奥行き方向に沿って等間隔に形成されている。また、半導体基板10の一面10aは、ベース層12のうちのドリフト層11と反対側の一面などによって構成されている。

[0019] ベース層12は、IGBT領域1aとダイオード領域1bおよび境界領域1cとでP型不純物濃度が変えられており、IGBT領域1aでは、ダイオード領域1bおよび境界領域1cよりもP型不純物濃度が高くされている。以下、IGBT領域1aに形成されたベース層12を第1ベース層12aといい、ダイオード領域1bおよび境界領域1cに形成されたベース層12を第2ベース層12bという。

[0020] 第1ベース層12aは、チャネル領域として機能しつつ、ボディ領域としても機能する。この第1ベース層12aの表層部には、図2および図3Bに示すように、部分的に、第1ベース層12aよりも深さが浅くされたN+ 型のエミッタ領域14が形成されている。

[0021] エミッタ領域14は、ドリフト層11よりも高不純物濃度で構成され、第1ベース層12a内において終端し、かつ、トレンチ13の側面に接するように形成されている。本実施形態の場合、エミッタ領域14は、各トレンチ13の間において、トレンチ13の長手方向に沿って等間隔に複数個点在させられている。換言すれば、エミッタ領域14は、半導体基板10の一面10aに対する法線方向から見て、複数のトレンチ13の長手方向に対して交差するように、より詳しくは直交するように延設されている。そして、複数のトレンチ13の間に位置する各エミッタ領域14が、隣り合うトレンチ13の両方の側面に接した状態となっている。

[0022] なお、複数のトレンチ13の長手方向に対する垂直方向において、隣り合う各エミッタ領域14を繋げると直線状となっているが、各トレンチ13によって分断されているため、各エミッタ領域14は矩形状となっている。そして、各エミッタ領域14は、トレンチ13の長手方向両端よりも内側に配置された状態となっている。

[0023] また、第1ベース層12aは、エミッタ領域14が形成されていない部分において半導体基板10の一面10a側まで形成されており、この部分が後述する上部電極19とオーミック接触させられる第1コンタクト領域15aとされる。トレンチ13の長手方向における第1コンタクト領域15aの幅は、例えば同方向におけるエミッタ領域14の幅と等しくされ、これらの面積比が1:1とされている。

[0024] 第1コンタクト領域15aは、第1ベース層12aの一部によって構成されるが、部分的に表面濃度が高くされた領域であっても良い。本実施形態の場合、第1コンタクト領域15aは、半導体基板10の一面10aに対する法線方向から見て、エミッタ領域14と同様の上面レイアウトとされており、エミッタ領域14とされていない部分が第1コンタクト領域15aとされている。すなわち、第1コンタクト領域15aは、複数のトレンチ13の長手方向に対して交差するように、より詳しくは直交するように延設されており、複数のトレンチ13の間に位置する各第1コンタクト領域15aが隣り合うトレンチ13の両方の側面に接した状態となっている。

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ダイパッド

2022-07-12 20:47:48 | 半導体

WO2022080134A1
図1~図17に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置A1について説明する。半導体装置A1は、第1半導体素子11、第2半導体素子12、絶縁素子13、第1ダイパッド21第2ダイパッド22、複数の第1端子3、複数の第2端子4、複数の第1ワイヤ51、複数の第2ワイヤ52、複数の第3ワイヤ53、複数の第4ワイヤ54、および封止樹脂6を備える。半導体装置A1は、たとえば電気自動車(またはハイブリッド自動車など)のインバータ装置の配線基板に表面実装される。半導体装置A1のパッケージ形式は、SOP(Small Outline Package)である。ただし、半導体装置A1のパッケージ形式は、SOPに限定されない。図2では、理解の便宜上、封止樹脂6を透過している。図2においては、透過した封止樹脂6を想像線(二点鎖線)で示している。

 半導体装置A1においては、第2半導体素子12は、第1半導体素子11に要求される電源電圧よりも高い電源電圧を要する。このため、第1半導体素子11と第2半導体素子12との間に著しい電位差が生じる。そこで、半導体装置A1においては、第1半導体素子11を構成要素に含む第1回路と、第2半導体素子12を構成要素に含む第2回路とが、絶縁素子13により互いに絶縁されている。半導体装置A1においては、第1回路が相対的に低電圧であり、かつ第2回路が相対的に高電圧である。その上で絶縁素子13は、第1回路と第2回路との信号の送受信を中継する。たとえば、電気自動車(ハイブリッド自動車の場合も同様)のインバータ装置においては、第1半導体素子11のグランドに印加させる電圧が5V程度であることに対し、第2半導体素子12のグランドに印加される電圧が過渡的に600V以上となることがある。

 

ダイパッド:「半導体素子を支持固定」リードフレーム、光技術用語解説、ウシオ電機

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