金色銀色茜色

生煮えの文章でゴメンナサイ。

(注)文字サイズ変更が左下にあります。

白銀の翼(四面楚歌)98

2011-12-25 09:50:04 | Weblog
 夜中、奇妙な気配に目覚めた。
これは、・・・。
何者かの侵入、・・・。
 違った。
どうやらヒイラギとサクラ。
毬子の睡眠を妨げないように気遣い、
脳内の最下層でもって会話しているではないか。
盗み聞きしようにも、よく聞き取れない。
 それとは別に、空気の揺らぎをも感じた。
天井付近。
何かが動いている気配がした。
 そっと薄目を開けた。
室内の灯りは消してあるが、小さな頃から夜目が利いた。
その目に映ったのは宙を泳ぐ物体。
フリーマーケットで買った「耳長のピンク猫」であった。
縫いぐるみが天井付近を鳥のように飛んでいるのだ。
 驚きが走った瞬間、ヒイラギとサクラも毬子の目覚めに気付いた。
「起こしたわね、ゴメンね」とサクラ。
「アレはどうしたの、飛んでいるようだけど」
「見たまんま。飛ばしているのよ」
「それは分かるわ。なんで縫いぐるみが飛ぶのよ」
「だから、アタシが飛ばしているの。分かった」
「・・・、超能力。念力とか言う奴なの」
 小馬鹿にしたようにサクラが答えた。
「超能力。念力。
ふん、馬鹿にしないでよ。
アタシが誰だか忘れたの。
言霊から生じた精霊よ。これでも神様の端くれなのよ。
その気になれば何だって」と嘲笑い、
縫いぐるみを毬子の顔の上に落下させた。
そして、掴もうとする毬子の手より早く、飛び跳ねる魚の如く宙に浮かせた。
「もしかして、それがアンタが言う触手という力なの」
「そうよ。アタシ達はリアルな身体を持たないでしょう。
手も足も出ない存在なんだけど、
代わりに“見えざる手”というモノを持つのよ。
神の見えざる手、分かるよね。
それでリアルな物を掴んで持ち上げたり、殴ったり叩いたりとかをする分けよ」
「触手は何本持っているの」
「失礼な娘ね。蛸とか烏賊とか同列に扱っているわね、絶対に。
そんな娘よね、アンタは。
まあいいわ。教えてあげる。
個々の持つ力によるけど、アタシの場合だとラッキーセブンかな」
「七本か。
それで、どこまで伸ばせるの」
「それも個々の力によるわよ。
アタシだと江戸の内に限られるけどね。
あっ、手を伸ばすとは考えないでよ。
お化けじゃないんだからね。
あくまでも“神の見えざる手”よ。
遠くまで力を及ぼす場合は、触手を分離して飛ばすのよ」
「分かったわ。
で、暇潰しに夜中に遊んでいるの」
「それは違う」とヒイラギ。「俺が頼んだ」
 珍しい。ヒイラギがサクラに頼み事とは。
 弁解するようにヒイラギが続けた。
「いざという時に何も出来ない自分が嫌なんだよ。
マリの目を通して見ているだけ。
そんな事がこれまでも何度もあった」
 否定は出来ない。
「まあ、あったわね」
「なかでも辻斬り。そして今日の喧嘩。
辻斬りは日本刀。
今日の喧嘩はナイフ。
普通の女子高生では滅多に遭遇しないだろう。
・・・。
毬子は厄介事に巻き込まれる運命なのかも知れない。
そして俺の存在は、それを見越しての天の配剤。
マリを助ける為に時空を越えたとしか考えられない。
だから触手を直に感じさせてもらった。
マスターできれば何時でもマリを助けられる」
「気持は嬉しいけど、触手は“神の見えざる手”でしょう。
サクラは精霊なのに対し、アンタは怨霊とは言わないけど、
成仏出来ない彷徨う亡霊なんでしょう。
亡霊に“神の見えざる手”がマスター出来るというの」
「今は彷徨う亡霊かも知れない。
しかし生前は、生ける武神と呼ばれていた。
武の神だ。戦う神だ。
戦いとなると全身が沸騰するんだ。
自分でも信じられぬ力が身内から湧き上がってきた。
・・・。
だからというわけじゃないんだが、触手も何とかなると思ってる」
 ヒイラギの気持を壊したくはない。
サクラに願う。
「何とかしてくれる」
「ふっふ、アンタの願い事なんて初めてだね」と軽やかなサクラの声。

 毬子達の喧嘩現場に駆け付けた地元署の連中は、
逃げ出した者達を直ぐに逮捕できると踏んだ。
一人残った被害者の証言で高校生らしき男女四人の逃げた方角と、
外人少年の逃げた方角が分かったので、それぞれの交番に連絡すると同時に、
巡邏の警官を増員した。
 四人の被害者は救急車で病院に運ばれた。
死亡するほどではないが、軽傷でもないという。
手酷く痛め付けられたらしい。
加害者が女子二人を含む年少者とはいえ、喧嘩慣れしていることは確かだ。
 ところが、
事件から間もない手配だというのに、一人として逮捕できなかった。
発見にすら至っていない。
日曜日で人出が多いせいかも知れない。
 そこで目撃者達にモンタージュ作成を頼んだのだが、意外な事が判明した。
逃走したのが被害者で、救急車で運ばれた側が加害者であるとか。
年上の男五人が喧嘩を売り、それを年下の男女四人が買ったのだそうだ。
外人少年は喧嘩を見かねて介入したらしい。
 目撃者達は口々にモンタージュ作成への協力を拒否した。
「悪いのは五人組の方だ」
「女の子達を逮捕するのなら協力はできません」
 加えて五人組のうちの三人の前歴が判明した。
いずれも補導歴、逮捕歴のある者ばかり。
現在も素行不良で各署にリストアップされていた。
 事件から三日目には地元署の熱が冷めた。
「加害者側が病院送りになったのは自業自得」とばかりに。
 実際、書類だけが残されようとした。
 埃を被る予定の書類に目を付けた者達がいた。
「辻斬り事件」の捜査本部だ。
 警察内部では辻斬りが鳴りを潜めたので事件はお宮入りと見ていた。
のみではない。
成り行きからバンパイアの一件にも関わることになったのだが、
そちらでも何らの成果も挙げられなかった。
逆に蘇ったバイパイアによって死傷者が出る始末。
それらのことから捜査本部は近々解散させられると噂されていた。
ところが「辻斬り事件」捜査本部は焼け太りした。
 大分から姿を消したバンパイアが関わったと覚しき死体が、
広島や大阪、名古屋付近で何体か発見され、
その足跡から東に向かっているではと推測された。
つまりは、理由は不明だが東京へ。
だからといって事実や推測を公表すれば、都民が混乱し生活に支障をきたすだけ。
密かに対処することになった。
新たに本部を立ち上げれば憶測を呼ぶおそれがあったので、
選ばれた部署は今や日陰者扱いの「辻斬り事件」の捜査本部。
人員が拡充され、不審事件の洗い直しが開始された。
勿論、新しくて珍しい事件ばかりが選ばれた。



クリスマスでしたか。
それは、それは・・・。
離婚して一人となった今の私には、完全に別世界の話しです。
今では、「クリスマスって悪魔の風習」とでも思うしかありません。
 クリスマスケーキもここ暫く買ってはいません。
味も忘れました。
 そう言えば、
顔馴染みの某ドラッグ店の店長に声掛けられました。
「クリスマスケーキはいらんかね」と。
即答で断ると次には、
「ビール詰め合わせのギフトはいらんかね」
これも即答で断りました。
すると第三弾で、
「正月のお節セットはどうだろうね」
申し訳ない事に立て続けに三つとも断りました。
「すまない。家族が無いから何も必要ないんだよ」と。
 店長が愚痴るんです。
「今年はノルマがきつい。この調子だと、自分でお買い上げだな」と。
金額として四、五万の出費を覚悟しているそうです。
 そんなこんなですが、
家族があった頃のクリスマスは楽しいものでした。
特に二人の息子のプレゼント選び。
男三人で相談したものです。
どんなゲームソフトにするのか。
 そんな息子達も今ではすっかり大きくなりました。
スクスクと三メートルにも、四メートルにも。

 TVのCMで山本五十六が流されています。
日米開戦に反対した男として。
その絡みの話しです。
 時の政権が日米開戦に備え、シミュレーションを密かに行なったのです。
招集されたのは各省庁の若手、中堅官僚達。
いずれも選りすぐられたエリートばかり。
日本最高の働き盛りの頭脳が集結しました。
討議される土台となる資料も一級品。
そこから導き出された答えは、「日本の敗戦」。
・・・。
 いつの時代も威勢がいいだけの空っぽな連中がのさばるのです。

カラカラの
空っぽ頭は
悩まない
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白銀の翼(四面楚歌)97

2011-12-18 09:28:07 | Weblog
 立ち寄った古着屋は表通りから一歩脇に逸れた小路にあった。
狭い間口ながら奥行きが広く、所狭しと古着が吊されていた。
昭和年代物が豊富で、平成世代の客で賑わっていた。
彼、彼女等にとって昭和物はレア物なのかもしれない。
 田村美津夫のTシャツが喧嘩で破れ、一部が血で汚れていたので、
着替えさせようと野上百合子が提案したのだ。
 川口義男がアニメキャラのTシャツを指差した。
「これは。似合いそうだけど、どうかな」
 猫が卑猥そうな顔で手招きするプリント。
「良いかも」と毬子は他人事なので同意したのだが、
田村が、「巫山戯んな」と川口の脇腹に裏拳を一発軽く入れた。
お気に召さないらしい。
 百合子が、「これが良いわ」と指差したのは派手な柄のアロハシャツ。
赤い鳥、青い魚、黄色い波、緑の太陽、橙の三日月。
美意識とは無縁の色使いに違い無いのだが、
大柄で無骨そうな田村には似合っているかも知れない。
 家族以外の女性に衣服を選んでもらうのは初めてなのだろう。
田村の両頬が緩み、今にもずり落ちそう。
思っていることを直ぐに口にするタイプであれば、
「キャー、嬉しい」とでも言うだろうが、
生憎と田村は口数の少ないタイプ。
言葉にせずに喜んでいた。
 百合子が即座にお買い上げ。
レジで値札を外してもらい、田村にTシャツの上にアロハを重ね着させた。
 川口に、「馬子にも衣装」とからかわれるだが、
田村は、「誰が死に装束や」と返すので一杯いっぱい。
百合子に買ってもらった嬉しさで、いつもの裏拳を忘れてしまったらしい。
 店から出ると毬子は田村と川口に告げた。
「駅前には警察の手配が回ってるかも知れない。
美女二人と無愛想男二人の四人連れで。
売られた喧嘩だけど面倒はゴメンだわ。
だからここで二手に分かれる。
アンタ達には悪いけど、男の足だから大丈夫でしょう。新宿駅に向かって」
 不承不承ながら頷く田村。
「あるかもな。
俺達は手加減したつもりだが、彼奴の跳び膝蹴りは強烈だったからな」
 彼奴とは、喧嘩に飛び入りした外人少年のことだ。
確かにあの遠間からの跳び膝蹴りは格段の破壊力だった。
プロの格闘技の試合でも滅多に見られるものではない。
下手すれば首の骨を折って死亡。
最低でも顎は砕いたのではなかろうか。
 田村が手加減したのかどうかは知らないが、
毬子は力の限り戦ったつもりでいた。
「戦うと決めたらからには、相手を殺すつもりで死合え。
最初から手加減するつもりで戦えば、相手を倒すことなど出来ない。
技に緩みが出、逆にこちらが倒されてしまう。
だから、確実に相手を地に倒してから、仕留めるかどうかを思案すれば良い。
人というものは、そう簡単に殺せるものではないよ」
とは師であった祖父の言葉。
「殺そうとしても普通の人間であれば、どこかで力が無意識にセーブされる」
とも言っていた。
 百合子達の傍を離れがたそうな川口の背中を田村が引っぱたく。
「バシーン」と。妙に音が良い。
 田村に遠慮が無いと言うより、川口の肉質の為せる技なのだろう。
「行くぞ、無愛想男」と川口の肩を鷲掴み。
嫌がるのを無理矢理振り向かせて、新宿方向に連れ去った。
 二人の姿が遠ざかるのを確認した毬子は百合子に尋ねた。
「時間に余裕があるから、どこかに寄ろうか」
「いいわね。この先の茶店はどうかしら」
 表通りは平日でも賑わっているが、日曜ともなると別物。
左右から来た蟻の行列が衝突し混乱したような有様であった。
車道にまで人が溢れても不思議ではない。
 百合子が案内したのは表通りの二階にある小綺麗な喫茶店。
入った瞬間に甘いクリームの香りがした。
ケーキが売り物なのだろう。
その証拠か、女子客ばかり。
さっきまでの無愛想男二人と喧嘩沙汰を忘れさせてくれる。
 幸い窓際の席が空いていた。
 テーブルに両肘をつき、両手で両頬を支える格好で百合子が問う。
「あの子、フリーマーケット会場の近くで擦れ違った子よね」
 不意に喧嘩に介入し、跳び膝蹴り一発で立ち去った外人少年のことだ。
「覚えていたの」
「というと、マリもね。
もしかして少しは気にしていたの。可愛い子よねとか」
 毬子は片手を上げて、「違う、違う」と軽く左右に振った。
「都合良く現れたものね」と言いたいのだが、
それでは百合子を不安にさせるだけ。
ストーカーと勘違いさせては彼女があらぬ心配をしてしまう。
 それに、あの妖しげな気配。
どこにでもいる不良少年とは色合いが全く違う。
百合子とは別世界のままにして置かねばならない。
ここは黙るしかない。
 ヒイラギが囁いた。
「それで良い。いらぬ心配はさせぬものだ」
 サクラが言う。
「そうだ、余計な心配はさせぬもの。それが男の役割だ」
 思わず毬子は聞き咎めた。
「誰が男なのよ。私は立派な女よ、花も恥じらう乙女よ」
 サクラが吹き出した。
「喧嘩大好きな乙女なんているのかい。
それに、アンタは男のような目で百合子を見ているのよ。それが分からないの」
「えっ、・・・なんてこと言うの」
「自分で気づかないだけよ。
周りに惚れたくなるような良い男がいないから仕方ないけどね」
 そう言われると否定が出来ない。
確かに幼稚園時代に初恋はあったが、
それ以降、心ときめく男子に遭ったことがない。
情け無い男子なら無数に見た。
言葉だけで行動の伴わない男子のなんて多いこと。
 もしかしてと思った。
居候しているヒイラギの影響かと。
脳内で彼と会話することにより、自分の思考までが男子化しているのかもと。
 あるいは。
ヒイラギが自分の目を通して百合子に感心を抱いているのではと。
 ヒイラギの声。
「俺を疑うな。
・・・。
人が人を好きなるのは自然なこと。
相手が同性だろうが、異性だろうが、良かったじゃないか。
大好きな相手に巡り会えたのだから」
 いつものヒイラギとは違い、言葉に真剣味があった。
 脳内会話中とは知らずに百合子が割り込む。
「マリ、また自分の世界に入ったの」
 時折だが、毬子は脳内会話に時間をとられて無口になる。
その度に居合わせた百合子は笑いながらも心配をした。
 毬子は、
「生ける武神と言霊が寄り集まって生まれた精霊が煩いのよ」
と言いたいのだが、それは百合子でも信じてくれないだろう。
「御免ゴメン」と答えるしかない。
 毬子は運ばれて来たコーヒーを一口飲み、ショートケーキに手を伸ばした。
苺を摘む。




清水寺で今年の漢字が発表されました。
「絆」
なんだそうです。
 でも、私的には「忍」かな。
震災に始まり
放射能拡散
政府の復興復旧の遅延ぶり
開示される情報は信頼性の欠片もなく
それによって生まれるのは風評被害のみ
のみならず、円高から
消費税増税
TPP推進
そして浮世離れした国会論議
 ずっと耐え忍んでいます。
いつまで我慢すればいいのでしょう。
 
 「忍」つながりです。
昔の人が詠みました。

しのぶれど
色にいでにけり
わが恋は
ものや思うと
人の問ふまで

 簡潔に表現すれば

しのぶれど
色香に染まる
我が身体




何時もいつもランキングをクリックしていただき感謝しています。
毎日の更新ではありませんが、お陰様でポイントも順位も、高位置にあります。
望むべくもない位置です。
でも、・・・。
それを意識する自分がいます。
何だか嫌です。
ランキングに目を奪われてしまうのです。
狭いジャンルで競争相手も多くはないというのに、・・・。
はあー、・・・、どこまで行っても、どんなに年齢を重ねても、
人間は競争が好きなのですね。
まるでテストの成績に一喜一憂し、
クラスメートと比べっこする小学生のようです。
・・・。
そんなこんなで、
暫くランキング参加を休止しようと思います。
勿論、ランキング参加を休止するだけで、ブログ小説は続けますよ。
なにしろアイデアだけは有るので、書く材料には事欠きません。
心配は遅筆なので全てを書き終えるかどうかだけです。

 これまでランキングをクリックされていた方々、本当に有難うございました。
とてもとても感謝です。
お陰様でランキングの上位にランクされ、アクセス数が予想外に増えました。
それもこれも、みなさま方のお蔭です。
 ありがとう。
これからも、よろしく。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白銀の翼(四面楚歌)96

2011-12-11 09:36:28 | Weblog
 アンネとクララの二人は疑問を抱えながらも、
ルドルフの説明に異は唱えない。
バンパイアの生態が分からないから、それも無理はない。
ここは彼の説明を黙って聞き入れるしかない。
 二人は大事な事を忘れていた。
人間は人間を解剖して、人体を理解していた。
 比べてバンパイアは、
吸血鬼とかの類も含めてだが、それを解剖したという話しを聞いた事がない。
それはそうだろう。
解剖するほどに世に溢れた存在ではないからだ。
もし目にしたら、斃す以外にない。
そして蘇らないように、斃したら急いで焼き捨てる。
解剖よりも恐怖が先走る。
今も昔もそれは変わらない。
 ルドルフは自分自身の理解の範囲のみを言葉にしていた。
説明不足ではあるだろうが嘘は一片もない。
 アンネが次の質問に移った。
「魂のようなモノの寿命はどうなの」と。
「そんな事は知らないし、考えた事もない。興味自体がない」
「そう。
よかったら記憶を遡ってみて。
一番古い記憶はどのあたりなのか。
毛皮を着てマンモスを追っていた時代。
それとも絹の衣服を身に纏っていた時代。
石の斧を振り回していたのか。
鉄の剣を振り回していたのか。
それくらいは覚えてるでしょう」
 ルドルフは困ってしまった。
人間はというか、アンネは妙な事を知りたがる。
「知ってどうする」というのか。
自分としては気にも留めない事柄だし、
新たな肉体を手に入れる度に、その魂に同化、上書きしてきた。
上書きに次ぐ上書きの繰り返し。
古い記憶は、記憶の海の底にあり、
どの辺りに何が沈んでいるのかよく分からない。
 困っていると、アンネが疑いの眼差しで催促してきた。
「どうしたの。
まさか、長生きし過ぎて物忘れしたとか。
それとも、上書きの繰り返しで自分が分からなくなったとか。
ねえ、どうなの」
 こういう所が遠慮を知らない祖父のオールマン博士に似ていた。
他人の思惑など歯牙にもかけず、無遠慮にどこにでも手を突っ込む。
よく言えば、探究心の塊。
 ルドルフは渋々ながら、アンネの期待に応えるべく、
記憶のサルベージを始めた。
一番古い記憶はと、・・・。
アンネの言うように、衣服や武器から探ってみた。
と、と、・・・。
どういう分けか記憶の海の底から、あの少女の顔が現れるではないか。
フリーマーケット会場の手前で擦れ違い、
裏通りで男達と喧嘩をしていた少女だ。
 次第に彼女の姿形が顕わになってゆく。
記憶の海の中で時間の経過と同時に、大人として成熟する肢体。髪形も変化。
目映いばかりに美しく妖艶な顔となり、ルドルフに微笑む。
その長身は軽装の防具で覆われていた。
武器は腰に下げた長剣のみ。
さっそうと乗馬して駆け出す。
女兵士の一隊を率い、長い黒髪を風に棚引かせて平気で敵陣に突入する。
立ち塞がる兵士あらば、剣を抜いて一閃。真っ二つ。
血飛沫を全身に浴びても動じない。
 東洋の古の時代。騒乱の真っ直中。
確かに自分は東洋人として、あそこに存在した。
その時の自分の名は、・・・。
・・・。
幾ら考えても思い出せない。
 しかし、あの妖艶にして問答無用に敵兵を斬る女の名前だけは覚えていた。
虞姫。
「生ける武神」と呼ばれた男の傍に寄り添い、数多の戦場を駆け抜けた女。
血塗れの佳人。
敵だったのか、味方だったのか、そこらの関係までは分からない。
それでも覚えているということは、
彼の積み重なった記憶の中で強烈な印象を残していたに違いない。
 疑問は、あの少女は一体何者。
虞姫とは時代がかけ離れ過ぎているが、・・・。
血を引いている。
それとも生まれ変わり。
・・・。
少女が成熟した女となれば、虞姫と瓜二つになるのは明白。
猛々しくも美しく、並み居る者達を圧倒する存在になるだろう。
それがどうして今、自分の目の前に。
 不意に、「ルドルフ」と呼ばれた。
気がつくと、アンネがこちらの顔を覗き込んでいた。
「どうしたの、自分の世界に入っていたようだけど。何か思い出した」
 アンネの期待には応えられない。
「いや、幾ら考えても駄目だ。記憶が錆び付いている」
 虞姫の名と、少女の存在を教えればアンネが興味を覚え、必ず動く。
何としても少女を探し出そうとするだろう。
オールマン財閥の力を持ってすれば、可能かもしれない。
だが、ルドルフはそうはさせたくなかった。
手にしていたビールを飲み干し、一息ついて、窓の外に目を遣る。




遺児を支援しているNPO、民間団体「あしなが育英会」の調査です。
それによると高校生遺児らの世帯のうちの六割以上が、
「教育費が不足している」状態なのだそうです。
 思うのですが、多くの各種奨学金は返済義務があります。
つまり大学を卒業した時点で五百万円近い借金を背負っているのです。
なかには大学とか学科によっては一千万円という例もあるそうです。
就職氷河期にコレは・・・。
就職先のない人は卒業と同時に自己破産しかねません。
 回避する為には返済不要の給付型奨学金制度が必要でしょう。
学ぶ子等は将来の納税者なのです。
彼等が新しい技術を開発し、文化を牽引するのです。
優遇しても国家の損失ではないでしょう。




ランキングです。
クリックするだけ。
(クリック詐欺ではありません。ランキング先に飛ぶだけです)
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白銀の翼(四面楚歌)95

2011-12-09 21:28:17 | Weblog
 ルドルフとアンネの白熱した議論にクララが水を差した。
「ビールにでもしようか」と。
 差されたのは水ではなくビールであった。
 クララはダイニングキッチンの大型冷蔵庫を開けた。
下の段は缶ビールで一杯。
常に五十近い本数が並べられていた。
「そうか、アンネ様は車だったわね」と残念そうなクララ。
 ところがアンネの手がビールに伸びた。
「気にしなくて良いのよ。ビールは水のようなものなんだから」
 手早くプルトップを開け、ビールを流し込んだ。
 ルドルフは明るいうちのアルコールは好みではないが、付き合うことにした。
数種類あるうちのドイツビールを選んだ。
とっとと口をつけると、アンネが茶々を入れてきた。
「子供がビールを飲んで良いのかしら」
「おいおい、俺は君よりも先に生れているんだが」
「どう見ても子供なんだけど」
 平気でバンパイアを子供扱いにした。
血縁のなせる技に違いない。
彼女が妹の孫でなかったら今頃は殴り倒していた。
たとえ相手が女といえどもだ。
 喉でも渇いてたのか、肴もなしにアンネは立て続けに二缶飲み干した。
「渡米の話しは一先ず置いといて、
一つ、二つ素朴な質問があるんだけど、答えてくれるかしら」
 面倒臭いので頷いた。
「お前がエバに似ているのは、見かけだけだな。
中身はオールマン博士そっくり。図々しくて遠慮を知らない」
「お褒めの言葉として聞いておくわ。
まず一つ、アンタの正体は何なの。
バンパイアと括られているけど、本当にそうなの」
「お前はどう思う」
「バンパイアといえば、吸血鬼か人狼の類よね。そう人獣。
でもアンタは何だか違う気がする。
殺されても直ぐにその場で別人に乗り移るなんて、
まったくバンパイアの範疇を超えてるわ。
まるで怨霊の類みたい」
「怨霊扱いとは。お前は重ね重ねに失礼な奴だな」
 疑いの眼差しのアンネ。
「そうかしら。・・・、では何なの」
「どういう表現をしたらよいのか分からないが、・・・。
そう、人間。人間の別の形態としか言いようがないな」
「人間、・・・予想外の答えを聞いたものね。全く理解出来ない。
どうして人間なの。
どこが人間なの」
 ルドルフは冷静にアンネとクララに目を遣った。
「どうしてもと言うのなら、敢えて言わせてもらう。
・・・。
人が人である所以は入れ物である肉体に非ず。
さりとて姿形の定まらぬ魂のみにも非ず。
肉体をハードに喩えれば、魂はソフトそのもの。
理解して欲しいのだが、二つ合せての人間だ。
ここまでは分かるだろうね」
「取り敢えず分かるということに」とアンネ。クララも頷いた。
「俺はバンパイアと呼ばれているが、その実態は姿形のない魂のようなモノ。
肉体を持たないで生まれたが、生存し続けるには肉体を必要とした。
だから乗っ取る。
こういう表現で良いかな」
「んー、・・・肉体は持たないが、肉体が無いと生存できない。
だから他人の身体を乗っ取ったという分けね。
何んだか酷い話しね」
「俺はそういう生き方をするように作られている。
肉体に侵入し、元の魂を乗っ取り、記憶を上書きするというように」
「他人の魂を乗っ取って同化するのには手間がかかるでしょう。
記憶の上書きで不具合は出ないの」
「なるだけ肉体の持つ記憶を優先させるようにしている。
それでも、どうしても不具合は避けられない。
だから暴走する。
暴れて憂さを晴らす、と言うか、ストレスを吐き出す。
人を傷付けると満足するようだ」
 クララが呆れた。
「他人事ね」
「申し訳ないが、その通り。他人事だよ」




一川防衛相と山岡消費者行政担当相の問責決議案が、参院で可決されました。
何のかのと噂された二人。
当然かも知れません。
 さて、「適材適所で大臣に任命された」そうなのですが、
それは、「適当な人材を、適当な大臣に任命した」という事でしょうか。
 もう一つ、臨時国会が本日閉会したわけですけど、法案成立率は僅か34%。
本気で仕事する気があるのかな。
ないか。
クリスマスや正月が近いからな、とっとと休むのですね。




ランキングです。
クリックするだけ。
(クリック詐欺ではありません。ランキング先に飛ぶだけです)
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白銀の翼(四面楚歌)94

2011-12-04 09:58:09 | Weblog
 幸いにも先方はルドルフの視線に気づかない。
四つの目はビルの出入りに注がれていた。
アンネが出て来るのを今か今かと待っていた。
 ルドルフは木陰に身を寄せ、誰かと待ち合わせといった体で、
車内の二人を繁々と観察した。
顔の造作からすると東洋系と言うよりは、
正真正銘、この国の人間ではなかろうか。
フロントガラス越しではあるが、怪しげな気配が一杯。
 五分くらい経ったろうか。
ビルから出て来た男が迷うことなくアンネの車に乗り込んだ。
きちんとしたスーツ姿の白人。
車泥棒ではないのだろう。
本鍵を所持していたのだから。
「どうしたのか」と訝しがりながら見ていると、
男はアンネを待つ事もなく、エンジン音高らかに路肩から車を出した。
 ようやくルドルフは事態を理解した。
アンネは最初からここで尾行を撒き、
別の手段で移動するつもりだったのだろう。
おそらく、あの男はアンネの部下。
「ビルの裏手に別の車を待機させておいた」という事も考えられる。
 尾行していた二人は大慌て。
一人が車から飛び出してビルに駆け込んだ。
残った一人は車を急発進させ、手前の路地に入った。
裏に回るつもりらしい。
 もう手遅れだろう。
ルドルフは込み上げる笑いを押さえながら木陰から離れた。
「アンネには油断するな」と常々、自分を戒めていたが、
出し抜かれたのが他人だと大いに嬉しい。
「これが肉親の情」というものなのだろうか。
 あの二人の目に触れぬように迂回し反対側の歩道へと渡った。
途中、警官の職質に遭う事もなく無事マンションに戻れた。
辺りに監視の目は感じ取れない。
 案の定、アンネはクララと談笑していた。
ルドルフの帰宅を知ると先頭に立って出迎えてくれた。
「この街に慣れたみたいね。大いに結構な事よ」
 大げさにハグされた。
両腕を腰に回し、両頬にキスの雨。
ルドルフはアンネの祖母の兄にあたるのだが、見掛けから年下扱いであった。
文句を言うより早く、アンネが問う。
「どう、身体の調子は」
 ルドルフは決まり悪そうにクララを横目で見ながら、
「聞いてるだろう」と答えるしかなかった。
 クララがベッドを共にしているのはアンネの指示と推測していた。
 アンネとクララは顔を見合わせて苦笑い。
「まあ、良いわ。単刀直入に聞くけど、私と一緒に渡米しない。
勿論、クララも同行するわよ」
「この国は以外と住み良い。
日本語を喋れなくても生活が出来る。おまけに外国人に親切ときている。
わざわざアメリカに行く必要はないだろう」
「確かにね。生温い国よ、ここは。生きてるのか、死んでるのか」
「生温くて良いじゃないか。静かに暮らす、それが一番だ」
 アンネが呆れたような表情をした。
「アンタがここで静かに暮すって、馬鹿言うんじゃないわよ。
殺して血を流さないと満足しないくせに。
とっととアメリカへ行くわよ」
「俺をアメリカに連れ帰って、何をさせるつもりなんだ。
邪魔な人間を殺させるのか」
「アンタを殺し屋だって。
笑わせないでよ。かえって騒がしくなるだけじゃない」
「それならどうして」とルドルフはアンネを正面から睨め付けた。
 退かないアンネ。
逆に睨み返してきた。
「バンパイアに身を崩したとはいえ、アンタは血族の一人。
世話を焼いては駄目なの」
 語気は強いが、信憑性が全く感じ取れない。
腹に一物も二物もあるに違いない。
かと言って女相手の論争は面倒臭い。
そこで話題を変えた。
「尾行していた連中に心当たりは」と。
 アンネの片頬が歪む。
「そう。
・・・。
見られていたのね。
それなら声掛けてくれても良かったのに」
「声掛けるのは拙いだろう。で、連中は誰なんだ」
「吸血鬼ギルドよ」
「ほう、疑われぬように手を打ったと思っていたが」
 アンネの身体が心なしか小さくなった。
「まあ、・・・そのつもりだったんだけどね。
表向きは疑ってないようだけど、しっかり監視されてるわ」
 ルドルフは身を乗り出した。
「俺に任せてくれば、速攻で潰す。任せてくれるか」
「やめてよ。連中と表だって争う気はないの」
「怖いのか」
 途端にアンネの表情が改まった。
射抜くような鋭い目。
「無理に敵を作る必要はないの。
それにアンタのやり方だと、
バンパイアが東京に隠れていますと教えるようなもの。
いい、分かった」
「分かった、分かった。俺はここで静かにしてる。
でもな、必要な時は一声かけてくれ」




野田サンが3日夜に、若手企業経営者らの会合に出席し、
TPP交渉参加、消費税率引き上げ、安全保障問題(沖縄)を挙げ、
「自分の代で国難をしっかりと受け止め、
不退転の覚悟でやりたい。
捨て石になってケリをつける」と言ったそうです。
 どうやら、捨て石になるのは国民ではないのかと、・・・。
誰を守る為の捨て石なのでしょうか。

「これから犯す前に、犯しますよと言いますか」
と沖縄防衛局長がオフレコ発言し、大問題になりました。
 これに対し、
一部のマスコミ人が庇おうとしています。
「記事にすべきではなかった。オフレコのルール違反だ」と。
オフレコというのは、
「発言者の名を出さずに記事にしろ」という意味では、・・・。
これまでも記事になってますよね。
消息筋とか、政府高官とか、与党首脳とか、・・・。
 今回の発言は品がなく、政府の沖縄に対する根本思想が明らかなので、
記事にするのも、実名にするのも OK でしょう。
マスコミは報道する義務がある筈です。
そして、なによりも国民の知る権利が優先します。
是非を判断するのは国民です。




ランキングです。
クリックするだけ。
(クリック詐欺ではありません。ランキング先に飛ぶだけです)
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白銀の翼(四面楚歌)93

2011-12-01 21:09:11 | Weblog
 ルドルフは少女の目を避けるように路地を曲がった。
誰かが追ってくる気配はない。
それを確認して小さな店構えの喫茶店に身を隠した。
 実際、十四、五人も入れば満員になるだろう。
美味しそうコーヒーの薫りが店内に充満していた。
客は五、六人。
カウンターの内には人の良さそうな白髭の老人。
 ルドルフは止まり木に腰掛け、「ブラック」と老人に。
日本風英語の発音には慣れていないが通じたようだ。
老人はニコリと笑って仕事を始めた。
 クララはベッドを共にするだけでなく、この首都での慣習も教えてくれる。
日数は浅いが、お蔭で長期滞在者としての立ち振る舞いが出来た。
 出されたコーヒーの湯気と薫りが鼻を擽る。
クララの淹れるインスタントコーヒーとは比べようもない。
 飲みながら少女の事を考えた。
彼女から発せられるモノは尋常ではなかった。
明らかに普通の人間には持てないモノを持っていた。
目に見えぬ触手でもって彼に絡み付き、
身元を探る為に内部への侵入を図ろうとしていた。
しかし、方術師とか魔女とかの類ではない。
当然ながら吸血鬼でもない。
バンパイアの仲間でもない。
となると、・・・。
 あの時の女剣士も明らかに異常であった。
まるで悪霊にでも取り憑かれていたかのように、
人間離れした剣技でバンパイアに挑んできた。
年月が経ちすぎて比べようもないが、何やら彼女は女剣士に似ていた。
 ルドルフはコーヒーを飲み干すと支払いを済ませて店を出た。
足はマンションではなく、少女の居た道へと向かう。
それ程の時間は経っていない。
追いつける筈だ。
 ところが喧嘩現場が騒々しい。
パトカー、救急車が集まり、
警官や救急隊員達が忙しく立ち働いているてはないか。
ルドルフは慌ててビル陰に身を寄せた。
これではルドルフの身元は不明でも、姿格好は手配済みだろう。
幸いな事に少女は捕まっていないようだ。
 ルドルフはもと来た道に戻ることにした。
少女の心配より自分の心配をしなければならなくなった。
絶対に警察とは関わり合いたくない。
 足早に表通りに出ると、思っていたように人、人の波。
日曜はいつもこんな調子だ。
木を隠すなら山か森。
人を隠すには都会。
 人混みに紛れて歩いていると、車道に見知った顔を見つけた。
こちらに向かって来る高級外車の運転席にアンネ・オールマンがいた。
 離れているがルドルフにとっては視界の内。
顔の表情は勿論、ネックレスの形状までがはっきり見えた。
 アンネはルドルフに気づかない。
手前で減速し、歩道沿いに車を停めた。
ブランドショップの前であった。
颯爽と車を降り、そのビルに入って行く。
 アンネはクララやルドルフのもとを訪れる予定の筈。
その手土産でも購入するのだろうか。
 木陰からアンネの後ろ姿を追っていると後頭部が疼いた。
危険信号。
周辺を見回した。
すると不審な車を見つけた。
 アンネに続いて車を歩道沿いに、少し離れて停めた車であった。
エンジンをかけたままで誰一人として降りてこない。
車内には二人の男。
前部座席から険しい顔でブランドショップの出入りを見ていた。
 その様子から護衛でない事は明らか。
尾行しているのが、この国の警察なのか、吸血鬼ギルドなのかが分からない。
それとも別の誰かなのか。
分かるのは尾行者の目的のみ。
アンネを泳がせて置いて、バンパイアに辿り着こうというのだろう。
他に考えようがない。




11月29日の東京新聞に気になる記事がありました。
「言いたい放題」というコラムです。。
書いたのは「シネモンド代表」の土肥悦子さん。
 金沢での映画上映とトークイベントでのこと。
ゲストの福島の高校教師が生徒の言葉を紹介しました。

見知らぬ誰かさんへ、
私達を心配をするくらいなら、
野菜とかの風評やめてください。
一番心配で、
気になって仕方ないのは、
私たち福島県民です。
安全性なんて保証されてないのに、
ほかの県では売れないから、
「福島の野菜は大丈夫」
「地産地消」って福島県民が買わされ、
食べているんです。
あなた方に
私達の気持が分かりますか ?
本当のこと何も知らないのに、
「頑張れ」とか無責任なこと言わないでください。
じゃあ、
何を頑張ればいいんですか ?
頑張れば、
放射能がなくなりますか ?
教えてください。




ランキングです。
クリックするだけ。
(クリック詐欺ではありません。ランキング先に飛ぶだけです)
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ




にほんブログ村 小説ブログ ライトノベルへ
にほんブログ村
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

* フォントサイズ変更

* フォントサイズ変更 * drop here