化石燃料からの脱却は新しい産業の幕開け 石鉱連、ＣＣＳバリューチェーンセミナー

石油鉱業連盟は29日、都内でCCSバリューチェーンセミナー2024を開催し、松岡俊文京都大学名誉教授・深田地質研究所顧問は「CCS産業の幕開け」をテーマに講演し、「昨年のCOP28で化石燃料からの脱却という表現がなされたことは、上流業界にとっては影響は大きいが、これは時代の終焉ではなく、CCS産業の幕開けととらえるべきだ」「その旗振り役は石鉱連が担う」などと強調した。
なお、石鉱連の北村俊昭会長は冒頭の挨拶で、「昨年はCCS元年と呼ぶにふさわしい年だったが、今年は将来の巡航高度・速度に向けて急上昇する挑戦の年となる。政府とともにCCSバリューチェーンの構築を図っていきたい」と語ったほか、エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）の髙梨真澄CCS・水素事業部総括・国際連携課担当調査役が海外CCSの動向について講演。資源エネルギー庁資源・燃料部燃料環境適合利用推進課の佐伯徳彦CCS政策室長が最新のCCS政策動向について、CCSのメカニズムを交えて説明しながら、「社会実装に向けて、今年は重要な課題を控えている」との認識を示した。後半はCCSに関する様々な分野で社会実装を目指す民間企業による、ディスカッション形式のセミナーも実施された。

石油通信社