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最終日。やはり朝早く起きて朝食へ向かう。 M 君は予想通りと言うか、気の毒に2人からのいびき合唱攻撃あまり眠れなかったようだ。ややお疲れ気味という感じ。昨日の朝と同様 バイキング形式の中から野菜や焼き魚、あとサラダ、ヨーグルトその他色々と取っていく。でも友人3人たちの分量と比べると私のは明らかに少ない。残念ながらこの分量で十分というこれはもう悲しいとしか言いようがない。
食べ終わってしばらくすると、Y 君が自宅からやってくるので、急いで部屋に戻り帰り 仕度。鞄の中に色々と詰め込んで、私の場合は朝食後の薬をたくさん飲んで出発準備完了。 O君や F 君、 M 君も準備完了。昨夜は何だかんだで2人が部屋のキーを一時無くしてしまったが、そのこともあって忘れ物がないか、きちっと2部屋を確認する。部屋のキーも持ったしスマホも確認。ロビーに出て支払いを済ませる。
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すぐに Y 君が到着し、この日は特にどこかへ行くという予定も立てていなかったので、疲労感もあってこの場で解散ということになった。 F 君が自宅から車で来ていたのでお互い無理をせずということで、最後に全員で写真を撮り F 君とおさらば、ということになる。
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残りの4人は新山口駅へ向かう。ところがその最中、M 君がわざわざ要請に応じて持ってきてくれたギターを全く披露していないことにやっとこさ気付き、これはミニコンサートをしなければならないということになった。一旦新山口駅に到着し、どこで演奏しようかということになったが、まさか 駅前ではどうにもこうにも恥ずかしいし、ひょっとして許可がいるかもしれないので、 Y 君によれば駅の近くにかなり広い公園があるということで、そちらへ向かうことにした。
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新山口駅は新幹線が開通してからこの名称になったものであり、それ以前は山陽本線の小郡駅という名前だった。その時代にこの駅を利用したことがあるが、駅前は比較的閑散としていてあまり何もなかったような気がする。しかしやはり新幹線効果なのか、かなり開発が進んでいてビジネスホテルや観光ホテルなども建ち並び、マンションや民家などもそして道路も整備されて見違えるようになっていた。3年半前のこの同窓会では、新岩国駅で解散したために、新幹線の時刻表を見るとなんと1時間に1本しかない。そのためにすぐにやってくる列車に乗るために、私は急いで切符を買って階段を駆け上がっていくが、他の2人は切符を買うのに手間がかかり、乗れなかったという苦い思い出がある。新山口駅は1時間に4~5本は止まるので、その点随分ましだと言える。
さて近くの広い公園に到着し、 M 君はギターを持って東屋へ落ち着く。少し休憩して M 君のミニコンサートを開始する。
M 君はもともと大阪市の中学校に勤務していたが、家の都合で岡山県を受験し直し無事 採用され、倉敷市の中学校の教員となった。後年家の近くに転勤届を出したのだが思いもよらぬことに養護学校に転勤となった。今ではどうかわからないが、当時の岡山県では教育委員会が小中高の各先生方に、教員生活の 一時期を必ず養護学校を経験させるという意味での転勤が義務付けられていたようだ。 M 君もそれに該当してしまったということだ。
ところが養護学校で勤務を始めたところ、職員室内では中学校や高校など様々な学校から来た先生方の一部が不満をあちこちで口にしており、知的障害のある子に一体何を教えるというのか、といった信じられないような会話が公然となされていたという。彼はそれに反発し、教員がこんな状態で教育が成り立つ はずがないと自分なりに工夫して、障害のある子たちへの教育に立ち向かうようになったという。
その方法の一つとして音楽を利用して教育をするという方法があり、およそ楽器に縁のなかった彼が唯一できそうなのがギター ということで、30代半ばにしてゼロの状態からギターに取り組み始め、それを弾き語りをしたりそのうち自分で作詞し、さらに 作曲もして 生徒たちに受け入れやすい歌を次々に発表し、教室にも笑いが増えたという。
このような努力の結果、 M 君の作詞作曲によるフォーク長の歌は曲数が増え、音楽仲間の人たちとミニ ホールで披露することもあったという。さらに曲をまとめて CD に録音し、今までに3枚の CD を発表している。本当に大したものだと思う。
O君の司会のもとミニコンサートが始まった。私は撮影役。O君とY君は拍手などで盛り立てる。やはり30数年も歌っているので、改めてギターの扱いと歌声に驚かされた。ボイストレーニングまでしたかどうかは知らないが、張りのある声がよく通る。長い曲は5分間にも及ぶ。コンデジとスマホで録画した。スマホを持っている仲間には LINE で動画を転送する。これまた非常にいい思い出となった。あれだけ歌えるならば中規模ホールだって十分だと言える。写真といい、 Sing Song ライターとしても本領発揮の M 君だ。本当に本当に地道な努力が実って教育にも生かし、偉いとしか言いようがない。
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ミニコンサートが終わって新山口駅前に戻り、 Y 君とはここでお別れ。宇治、枚方、岡山からやってきた3人は昼が近づいたので、駅前の海鮮どんぶりの店に入って早めの昼食ということになった。私には分量が多すぎるのは分かっていたが、注文することにしていざ食べ始めると、どんぶりの上に乗っかった様々な 刺身のあまりにもの美味しさにびっくり。京都のような内陸部ではスーパーの握りでもとてもこうはいかない。やはり海の近いところの新鮮な刺身は食べ応え十分だ。私は分量の多さに途中でご飯の部分をギブアップ。 M 君は2晩よく眠れなかったこともあって途中でギブアップ。O君は食欲旺盛であっという間にたいらげてしまった。
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帰りはもちろん新幹線なのだが、私は割引切符なのでのぞみ号には乗れない。ところが もう間もなくのぞみ号がやってくる。私が乗ることのできるさくら号は1時間近くも待たなければならない。駅員に訪ねてのぞみ号に乗るにはいくら追加すればいいのか聞いてみると、 1000円だというわけで、3人でのぞみで帰ることにした。帰りも3人であれこれ喋りながら来年度は岡山 あたりではどうかなどと話したりして、全員が健康でまた揃って会えることを楽しみに、各駅で降りて行った。私が自宅に着いたのは午後6時少し前だった。
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それにしても各自、老後生活をかなり有効に過ごしているのがよくわかった。市役所に勤めていた Y 君は、今は古代史の勉強を続けている。彼の脳みそはかなり高性能を保っており、古代の人物の名前もすっと出てくる。私も同じく今、古代史を勉強しているが目的は飽くまでも日本人の精神形成がどのようになされてきたのか、ということを知りたくて平安時代までを一つの区切りとして、今勉強している最中だ。O君は相変わらず小論文などの執筆に忙しく、人から頼まれるとその課題に関する下調べや調査・文章化などなどを精力的に行っている。 F 君は独自に経済学の勉強をしているが、今のマクロ経済についてはやはり 独学というのはかなり敷居が高い だろうと思う。数学の勉強もしなければならないし、なかなか困難であることを以前聞いていた。 M 君は写真と作詞・作曲・演奏にマイペースで取り組んでおり、そのうちまた写真で入賞するかもしれないし、 CD もさらに出すかもしれない。
そういった意味では皆さん、本当に大したものだと思う。老後を特に何もせず部屋の中でゆっくりし、たまに散歩して1日が終わっていくというのではあまりにも寂しい。やはり頭がしっかりしてるうちは、自分自身の興味のあるものをどのような方法で、どれだけ追求していくのか。さらにできればその成果を何らかの形で発表する、残すということも大きな目標に設定できる。こうしたモチベーションをいかに保つかという点では、やはり何でもかんでも興味を持つということが大切であり、自分自身の気持ちの中に何らかの 怒りや許せないなどといった気持ちをどれだけ持ち続けることができるのか、ということがポイントだと思っている。こういったものをなくしていくと、ただ単に体だけではなく頭も急速に衰退していくだろう。それだけは絶対に避けたいことであり、普段は自分なりに勉強してブログを書いて発表し、写真を撮るということも単なる趣味というよりは、ブログの材料として位置づけている。そして たまにこのように友人たちと会うことによって、また勇気をもらうことができると思っている。来年もまた一人も欠けることなく、この同窓会が実施できればと思う。
(以上、終わり)