木津川市の国道24号線開橋を東方へ向かい、山間部へ入り、暫く走ると神童寺に着く。さらに細い道を山の方へ入っていくと天神社がある。
ここは境内全体が京都府文化財環境保全地区に指定されている。 創建は不明だが奈良時代以前にはあったらしい。 江戸時代にはこの街道は伊賀から伊勢へ通じる、お伊勢参りの街道で多くの人が往来していて、交通の要衝として賑わっていたという。
非常に静かな山麓にある神社は長い歴史を感じさせ、本殿は京都府登録文化財。すぐ横にある石造十三重塔が 国の重要文化財となっている。約800年前に作られたもの。基礎の部分に「建治三丁丑十月三日」の刻銘があるとのことだが、自分にはそこまで確認できなかった。まだまだ修行不足だ。西暦では1277年となり、鎌倉中期。ひっそりとしたこのような場所だからこそ、長年にわたって保たれてきたんだと思う。
天神社は正式には天神神社といい、本殿も非常に綺麗に整備されていて、感じのいい境内だ。他にも小さな石塔があって、おそらく十三重塔と同じ頃のものだと思われる。特に何の説明書きも置いてないけど、どこかの神社の宮司さんが兼任でやっているんだろうと思う。涼みに来るのにいい場所と言える。
でもこんなところにも民家があるというのは、まあ不便と言うか、静かでいいと言うか、微妙なところ。
ところで、各地のお寺や神社を回っていると、石造十三重塔をよく見かける。あきらかに新しいものもあるが、古くて重要文化財に指定されているものも多い。このブログでも先日紹介した、京田辺市の法泉寺の十三重塔もそうだし、精華町の新殿神社の十三重塔も重要文化財。
この石造十三重塔について少し調べてみた。基本は供養塔としての意味合いが主なところ。他にも平安時代以降、各地に作られた塔にはいろんな意味合いが込められたりしている。
ちなみに日本最大で最古の石造十三重塔は何と、我が家の近くにある。これも重要文化財。あるお寺のものだが、境内外に建っていて誰でもすぐ目の前で見ることができるし、何分にも観光地で、休日には多くの人が訪れるが、この十三重塔については、大半の人は多分知らないと思う。説明書を読めば納得できると思うけど 。自分もその十三重塔がそれほどのものというのは、何度も見ていながら、知ったのはつい数年前。灯台元は暗かった・・・