無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

2018-12-18 | 2018日本語映画評


「銃」 R15+ 武正晴監督 ☓☓☓☓☓ PP

 芥川賞作家中村文則のデビュー作を実写映画化しました。
 大学生の西川(村上虹郎)は偶然一丁の拳銃を拾います。大事に保管し磨き上げる行為はある種の興奮と人格変化を与えるのでした。その影響は女性に対しても積極的になり、暴力的にもなるのでした。そんな折、西川のもとを刑事(リリー フランキー)が訪ねてきます。そして、ある恐ろしい予告をしていくのでした。
 白黒の画面に服も白か黒のモノトーンでサスペンス風の雰囲気だけはあります。主人公だけでなくて監督自身がその雰囲気に酔っているのか現実性の乏しい作品です。例えば、母親に捨てられ里親に育てられたようですが、大学生なのにアルバイトもせず合コンに明け暮れていて今どき仕送りだけでは遊んでいられないでしょう。その上付き合っている女性たちもいい部屋に済んでいて現実感がありません。刑事も普通一人では聞き込みはしないし、ネタバレになるけど缶コーヒーには指紋だって着いているだろうし、マークしていた割には野ばなしで真実味がありません。
 ひとつだけ良かったのは、大学での講義の内容が原作者の思いがさりげなく反映されていたのは評価できました。
 タバコに関しては、ツッコミどころが満載で、スマホ時代(普通にスマホが登場している時代設定ということ)に、タバコが吸える学生食堂がある大学ってどこにあるの?刑事が聞き込み中にタバコ吸うわけはないでしょう。珈琲専門店で主人公と周囲の客が喫煙していましたが、珈琲がまずくなるし、店は臭くなるしありえません。ベビーカーを押していた両親がタバコを嫌がって避ける場面がありそれこそが虐待です。最後に笑えるのは、「動物を虐待していません。」の字幕で出ましたが、無意味なタバコを吸わされていた村上や広瀬などは虐待されていいわけでしょうかね。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボヘミアン・ラプソディ | トップ | グリンチ »
最新の画像もっと見る

2018日本語映画評」カテゴリの最新記事