無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「劇場版 ルパンの娘」 武内英樹監督 ○

2021-10-31 | 2021映画評


「劇場版 ルパンの娘」 武内英樹監督 ○

 人気テレビドラマの劇場版です。
 泥棒一家「Lの一族」の娘三雲華(深田京子)は警察一家の桜庭(瀬戸康史)との間に家族間のあれこれはあるものの娘の杏(小畑乃々)とともに幸せに暮らしていました。華の父親(渡部篤郎)は泥棒稼業を引退することにし、記念に家族旅行にでかけます。ところがそこに謎の女が現れ杏を誘拐してしまうのでした。
 
テレビドラマを見ていなくてもざっくりとした紹介があり、それほど込み入った関係ではないので十分人間関係は理解できます。人情話もありアクションもあります。深田京子は魅力的で観月ありさもがんばっているし、テレビドラマをスクリーンで楽しめたということで暇つぶしにはなりますね。

 タバコは、なし。無煙です。


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「最後の決闘裁判」 PG12 リドリー・スコット監督 米 ○

2021-10-30 | 2021映画評


「最後の決闘裁判」 PG12 リドリー・スコット監督 米 ○

 マット・デイモンとベン・アフレックが脚本を書き巨匠リドリー・スコットが監督をした、フランスで14世紀に起きた最後の決闘裁判を映画にしました。
 フランス100年戦争が始まり領土が混沌としている時代、ピエール伯爵(ベン・アフレック)の支配する土地をめぐり荒くれ者の騎士カルージュ(マット・デイモン)は教養があり伯爵に信頼されている戦友のジャック ル・グリ(アダム・ドライバー)とトラブルになります。そんな折夫や家族が留守のときにカルージュの妻マルグリット(ジョディス カマー)はジャックに強姦されます。マルグリットは裁判に訴え国王は「決闘裁判」を許可します。神の力で真実を語るものが勝利するという裁判は負ければ重罪人で訴えた妻自身も火炙りになるのでした。

 夫の母親からは「強姦なんてみんなやられているのに大げさにして・・。息子が死んだらどうするの。」と咎められ、親友からも「もう友達だと思わないで」と避けられます。それでも命がけで訴えるマルグリットの姿が現在にも引き継がれていけばと願わずにはいられません。
 快楽主義者で問題を起こされてうんざりしている伯爵役のベン・アフレックが好演しています。名前はわかりませんが、ちょっとおバカっぽい国王も大変うまかったです。

 タバコは、なし。無煙です。


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「DUNE 砂の惑星」 ドゥニ ヴェルヌーヴ監督 米 ○

2021-10-28 | 2021映画評


「DUNE 砂の惑星」 ドゥニ ヴェルヌーヴ監督 米 ○

 フランク ハーバート原作のSF小説を映画化しました。
 西暦1万190年、一つの惑星を一つの領家が支配するシステムになっていました。アレイデス公爵はアラキスと呼ばれる惑星を支配していました。ここは別名砂の惑星と呼ばれていましたが、老化を防ぐ妙薬メランジを採掘できる唯一の惑星でした。メランジを狙って皇帝と陰謀を企むハルコンネン家が公爵の命を奪います。跡継ぎである息子のポール(ティモシー シャラメ)と母親(レベッカ ファーガソン)はなんとか悪の手から逃げ出すのでした。
続きはこの次にね・・・。

 西暦1万年とは言うものの何故か階級社会は中世的で衣装もこの作品の前に見た「最後の決闘裁判」の14世紀と似ていて人間はあまり変わらないものだと妙に納得してしまいました。砂漠の怪獣サンドワームは巨大な蟻地獄の変形型、羽型飛行機は巨大なトンボとありそうな存在でこちらも妙に納得してしまいます。「スターウォーズ」では奇々怪々な宇宙人が賑やかしかったのですがその点はこちらの作品のほうがずっと馴染めそうです。
 ところで、あの砂嵐の砂はまさか本物ではないですよね。本物だとしたら「動物に危害を与えていません。」とは言えませんよね。はったい粉なわけもないか・・・。

 タバコは、なし。無煙です。ただ、メランジという秘薬が闘いを招いているという点が現代のタバコ戦争とも似ています。


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2020年無煙映画大賞

2021-10-22 | 2020年無煙映画大賞
2020年無煙映画大賞の発表です。
先日、大分県で開催された日本禁煙学会で報告されました。

**2020年無煙映画大賞**

<作品賞> 「スパイの妻」 黒沢清監督  

<主演俳優賞> お笑い芸人バカリズム 「架空OL日記」 住田崇監督

<話題賞> 「鬼滅の刃 無限列車編」 外崎春雄監督

<特別賞> 「はりぼて」 五百旗頭幸男、砂沢智史監督
 
<東日本大震災10年記念賞> 「風の電話」 諏訪敦彦監督

推薦理由
<作品賞> 「スパイの妻」 黒沢清監督
 第77回ヴェネチア国際映画祭で「最優秀監督賞」受賞作としても有名です。
 1940年軍部が社会を掌握する中、貿易商の夫は仕事で訪れた満州で掴んだ情報をアメリカに流すため画策します。命をかけ夫とともに戦おうとする妻を描きました。
 権力にとって都合が悪い情報をコントロールするのは今も同じです。時代を超えた普遍性のある作品です。
 
<主演俳優賞>  お笑い芸人バカリズム 「架空OL日記」
お笑い芸人として活躍しているバカリズムさんが自身で脚本を書きOL役として主演しました。変にかまえず、会社で働く女性職員の本音のアレコレをコメディタッチで女性の一人として自然に演じました。ラストで本人役を演じている姿もあり「女優」「男優」と区別する必要もなく第1回の「主演俳優賞」に選びました。
 なお、来年以降も性別に対する時代の変化を踏まえ「主演俳優賞」といたします。

<話題賞> 「鬼滅の刃 無限列車編」 外崎春雄監督
 第44回日本アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞作です。
 2020年の映画界を語る上でこの作品をはずすことはできません。320億円を超える興行成績はコロナで青息吐息だった映画館をこの一作が救ったと言っても過言ではありません。2021年4月現在も上映継続中)

<特別賞> 「はりぼて」五百旗頭幸男(いおきべ ゆきお)、砂沢智史監督
 富山県のローカルテレビ局のスタッフが地元の政治家の不正を明らかにし、次々議員辞職に追い込まれます。その顛末と自身のその後を描いたドキュメンタリー映画です。
 税金を自分の懐に入れたり、税金で美味しいものを食べたりする議員さんが国会にもいるようですが貧しさの現れですね。
 自身の姿もさらけ出した監督たちには拍手をおくりましょう。

<東日本大震災10年記念賞> 「風の電話」 諏訪敦彦監督
 東日本大震災で家族を亡くした17歳の少女が育ててくれた叔母と住んでいた広島から福島までを辿ったロードムービーです。
 壊れかけた魂が出会った人々によって少しずつ回復していく姿をドキュメンタリー風に描きました。

*汚れた灰皿賞(モクモク賞)
・「影裏」(大友啓史監督 ソニー)
・「酔うと化け物になる父がつらい」(片桐健滋監督 ファントムフィルム たばこと塩の博物館協力)
・「ミッドナイトスワン」(内田英治監督 キノフィルムズ)
・「窮鼠はチーズの夢を見る」R15+(行定勲監督 ファントムフィルム)
 
 

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「17歳の瞳に映る世界」 PG12 エリザ ヒットマン監督 △

2021-10-22 | 2021映画評


「17歳の瞳に映る世界」 PG12 エリザ ヒットマン監督 △

 予期せぬ妊娠をしてしまった女子高生の旅する姿を暖かな眼差しで描きます。第70回ベルリン映画祭で銀熊賞受賞しました。
 ペンシルベニアの高校生オータム(シドニー フラニガン)は友達は少なく発表会で歌えば意地の悪いヤジで挫けそうになりながらもなんとかとどまり仕返しもちゃんとします。そんな彼女が予期せぬ妊娠をしてしまいますが、親とはそんな話ができる関係ではなく、相談できるのは同じスーパーでバイトをしているいとこのスカイラー(タリア ライダー)だけでした。両親の許可なく中絶ができるニューヨークへお金もなんとか工面して古臭いスーツケースを引きずりながらふたりでバスに乗り出かけるのでした。

 タイトルが原題は「Never Rarely Sometimes Always」でこれは「決してない、めったにない、時々ある、よくある」の意味です。この言葉は中絶をする医療機関でスタッフがする質問で何度も使われます。質問が進むことでオータムの体験があらわになり表情が変わっていき彼女の辛さが観客に伝わってくる見せ場となっています。ただ、邦題の「17歳の瞳に映る世界」というのも二人の顔を映す場面が多く観客は「今、何をかんがえているのだろう?」と彼女たちに寄り添うことになります。どちらのタイトルも的を射ていると言えます。

 ところで、本作は今年話題の女性映画の一つです。この作品でもある意味では女子高校生にしてはたくましくもありますが、女性だから負わなければならない苦しみが痛々しくもあります。犬にしか相手にされない義父をはじめ、バイト先のセクハラ上司や地下鉄内の露出男などどうしょうもない男ばかり登場します。

 タバコは、その存在感の無い義父が隣の部屋で喫煙する場面がありましたが、遠景な上にだらしがない男の小道具なので△です。


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「護られなかった者たちへ」 瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督 ○ 松竹

2021-10-19 | 2021映画評


「護られなかった者たちへ」 瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督 ○ 松竹

 中山七里原作の同名小説に東日本大震災を絡ませて映画化しました。
 仙台の郊外でテープで縛られ餓死させられた遺体が発見されます。刑事の笘篠(阿部寛)と若手の蓮田(林遣都)は現場に向かいます。被害者が判明した直後に二人目の犠牲者が発見されるのでした。二人(永山瑛太、緒形直人)に共通するのは生活保護の担当で、ある時期同じ職場にいました。その当時トラブルを起こしていた利根(佐藤健)は服役していましたが出所し鉄工所で働いていました。そのトラブルの原因となった遠島けい(倍賞美津子)について調べると被害者と結びつく生活保護に関するある事実が浮かび上がるのでした。

 刑事ふたりが生活保護の現場を知るために保護課の職員円山幹子(清原果耶)と訪れる不正受給者や生活が逼迫しているにも関わらず「人様の迷惑になる」と遠慮してしまう高齢者の姿などが生活保護に対しての社会の捉え方を映像化しています。
 笘篠をはじめ登場人物の多くが震災で家族に被害者がいるという設定にしたことは東日本大震災から10年という節目の作品としての価値を加える効果となりました。
 ところで、利根役の佐藤健が震災時の食料配布場面でトラブルとなり泥水に顔を押し付けられる場面がありました。迫真の演技で「コーヒー牛乳で泥水にしたのかな。」と思っていましたらパンフレットによるとなんと本物の泥水だったようです。それも自分から言ったとか・・・。役者魂を感じます。

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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「MINAMATA 水俣」 アンドリュー レピタス監督 米 ✗✗

2021-10-18 | 2021映画評


「MINAMATA 水俣」 アンドリュー レピタス監督 米 ✗✗

 アメリカの写真家ユージン・スミスが水俣を世界に知らしめた足跡をジョニー・デップ主演で描きました。
 1971年、写真家のスミスは沖縄戦従軍のトラウマから家族とも離別し、タバコと酒に溺れ荒れた生活を送っていました。そこへ日本のフィルムメーカーの広告の仕事が入り通訳のアイリーン(美波)という日本女性から水俣の話を聞きます。「ライフ」の編集者(ビル ナイ)を説得しカメラを手に水俣を訪れるのでした。貧しい被害者たちの近くで一緒に暮らしながら撮影しますが、さまざまな嫌がらせや買収、暴力にさらされ挫けそうになるのでした。

 社会的に大きな問題で、現在進行系でもありすべてが好意的に評価されているわけではないようですが、「地球上で起きている大きな環境問題のひとつ」として捉えれば日本で撮影されていないなどといった批判は当たらないのではないでしょうか。
 浅野忠信、國村隼、真田広之など日本から参加した俳優陣の健闘も評価できます。
 とりあえず、「のさり」のお茶を飲みながらじっくり考えましょう。

タバコは、スミスが多くの場面でタバコを吸っていました。伝記物ではモデルが喫煙者だとどうしても喫煙場面が増えますが、本当に喫煙する必要があるのでしょうか。タバコも環境問題のひとつなのはわかっていないようで残念です。(葉タバコ栽培の土壌汚染、児童労働などなど)


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「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」 キャリー ジョージ フクナガ監督 米 ✗

2021-10-17 | 2021映画評


「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」 キャリー ジョージ フクナガ監督 米 ✗

 ダニエル・グレイグが5度目のボンドを演ずる007シリーズです。
 現役引退後ジャマイカでのんびり暮らしていたボンドのもとに昔の仲間から連絡があり再び命がけのお仕事に復帰します。
 誘拐された科学者救出ミッションでしたが、そこにある男が立ちはだかります。能面の男(ラミ マレック)はボンドの恋人と過去の因縁があったのでした。果たして恋人を人質に取られたボンドは与えられた任務と恋人救出というふたつの仕事を達成することができるのでしょうか。

 冒頭の一騒動で見どころをほとんど見せたのではないかというくらいで「つかみ」は大成功です。
 毎回ワクワクさせられるオープニングクレジットとあのテーマ曲は今作でも健在でした。 
「007」のコードネームを巡ってのこだわりのやりとりが笑えます。
記憶によれば2019年の年末くらいから予告編で「能面男」を見ていたと思いますがやっとの公開となりました。内容的にもパンデミックと重なる部分がありコロナ下での上映はちょっと遠慮したようです。
 ラストの思わせぶりな一行で、次回作ボンドはどうやって登場するのかそちらの方が気になってしまいました。

タバコは、葉巻が小道具として何回か使われ銘柄などもセリフにありました。実際に俳優が吸う場面は殆どありませんでしたが、煙が出ている葉巻そのものなどが使われました。(✗)


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「マイ・ダディ」 金井純一監督 ✗✗

2021-10-16 | 2021映画評


「マイ・ダディ」 金井純一監督 ✗✗

 芸達者な俳優ムロツヨシ初主演で父親と娘の親子愛を描いたドラマです。
 教会の牧師一男(ムロツヨシ)は8年前に妻江津子(奈緒)を亡くしシングルファーザーとして生活のためガソリンスタンドでアルバイトしながら中学生の一人娘ひかり(中田乃愛)を育てていました。思春期の娘と多少のトラブルはあるものの幸せな日々を過ごしていました。ところが、最愛の娘が白血病で倒れてしまうのでした。それがきっかけで妻の過去が表に出され一男は傷つき苦しむのでした。

 妻と出会った過去と現在が行き来する展開ですが、ムロツヨシの髪が多少白いものがあるくらいの違いだけですがわかりやすく混乱はしません。牧師でありながら神が負わせる荷の重さに苦しむ姿が人間的です。教会の炊き出しに集まるホームレスの口は悪くても人情のある男たち(光石研ら)の存在が効果的で、牧師が主人公ですがそれほど説教臭くなりませんでした。
 江津子の昔の男の妻(臼田あさ美)のきっぱりとした判断が素晴らしかったです。
 映画の後、食品売り場でいつもは買わないチクワが目に入りつい買ってしまいました。

 タバコは、妻の昔の男(毎熊克哉)が歌を歌っているにも関わらず喫煙者でした。(✗)興信所の探偵役の小栗旬がクライエントの前で平気で喫煙します。(✗)どちらの役もだらしない性格の小道具として扱われていると言えなくもなくマイナスイメージです。


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「いとみち」 横浜聡子監督 ○ アークエンターテイメント ☆

2021-10-09 | 2021映画評


「いとみち」 横浜聡子監督 ○ アークエンターテイメント ☆

 越谷オサムが青森を舞台に描いた少女の成長物語を同じく青森出身の横浜監督が映画化しました。
 高校生の相馬いと(駒井蓮)は母親を幼い頃に亡くし母方の祖母ハツヱ(西川洋子)と民俗学者の父親(豊川悦司)と暮らしています。祖母の津軽三味線を幼い頃から聴いていて今ではいとも三味線が得意でした。しかし、津軽弁が強く話すことにコンプレックスがありクラスでは浮いていました。
 このままではまずいなと思っているときふっと「メイドカフェ」のバイト募集が目に入り電話をするのでした。

 いわゆる「メイドカフェ」のイメージよりもずっと家庭的で、シングルマザーの同僚やはっきりものを言う漫画家志望の同僚と人をよく見ている店長らに囲まれ少しずつ成長していく姿が爽やかに描かれています。父親といとがけんかすると「頭さ冷やしてこい。」とふたりとも外に追い出してしまう大胆な祖母がいいですね。それぞれに干し餅を持たせるところが温かいです。
 また、飢饉の歴史や青森空襲の話を重くなりすぎずに織り交ぜたところも良かったです。故郷への愛がさり気なく感じられます。
 パンフレットの内容が充実していて勉強になるだけでなく、色使いやレイアウトも落ち着いていて大変良くできていました。(☆)

 タバコは、なし。無煙です。(○)


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