無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「孤狼の血LEVEL2」 R15+ 白石和彌監督 ☓☓☓・・・

2021-08-28 | 2021映画評


「孤狼の血LEVEL2」 R15+ 白石和彌監督 ☓☓☓・・・。

 2018年の「孤狼の血」の続編で今作はオリジナルストーリーです。(脚本 池上純哉)
 刑事日岡(松坂桃李)の裏社会内部に入り込むやり方でなんとか平穏を保っていた広島でしたが、上林組の成浩(鈴木亮平)が出所したことから激震が走ります。刑務所で「お世話になった」看守の家族を酷い方法で殺害しますが、なぜか「証拠がない」ということで犯人は逮捕されません。一方過去に敵対していた組織も今は「ビジネス」を主張し、成浩は時代遅れと牽制されます。しかし、成浩は徹底的な暴力でのし上がります。
 警察は、日岡に元公安でもうすぐ定年の瀬島(中村梅雀)を組ませます。瀬島は最後の仕事と張り切り日岡と個人的にも親しくなりますが・・・。

 ブラックコメディですか?と思うくらいの暴力の連鎖でその上日岡は刺されても撃たれても「ダイハード」で、途中からは笑ってしまいました。周囲のヤクザのみなさんも絵に書いたようなヤクザファッションで美しさが全くありませんでした。
 児童虐待とか在日韓国人の生きづらさなどが背景にあるのですがそれを伝える作品にはなりませんでした。で、何が目的だったの?政党「公○党」のポスターが映りましたが映画で選挙運動してもいいのかな?
 ニホンオオカミにはぜひどこかで生き延びていて欲しいですが、こちらの「狼」はもう十分です

 タバコは、冒頭から松坂桃李がほとんどの場面で喫煙していて、出所後すぐに一服する鈴木亮平、高齢の吉田鋼太郎など幹部役、記者の中村獅童も喫煙させられ、映画撮影も命がけですね。
 また、前作で役所広司が使っていたライターが何度も映りました。
 観客者プレゼントで鈴木亮平が描いた日岡をモデルにしたポートレートのポストカードでもタバコを咥えていました。ここまで徹底するとタバコ会社は嬉しいでしょうね。


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「妖怪大戦争 ガーディアンズ」 三池崇史監督 △

2021-08-27 | 2021映画評


「妖怪大戦争 ガーディアンズ」 三池崇史監督 △

 2005年に公開された「妖怪大戦争」を再び映画化しました。
 ケイ(寺田心)は度胸試しで小さな祠の奇妙なおみくじを引くと次々不思議なことが起こります。フォッサマグナから妖怪獣が現れ妖怪の世界とケイが住む世界のどちらにも危機が訪れます。ケイと妖怪たちはなんとか妖怪獣の進路を阻もうとしますが力が及ばず、沈黙している武神を目覚めさせるのですが、それはある家の一族でなければできないことだったのです。果たして危機を救うことはできるのでしょうか?

 子どものころに確かに見た「大魔神」が復活したことが嬉しかったです。妖怪たちもいろいろ工夫をしているのですが、誰が誰だかよくわからなくてちょっと残念、というか「この人だれ?」って考えることが多く話に集中しづらかった。北村一輝と安藤サクラはすぐにわかったけど・・・。
 次回作があればせめて妖怪の名前くらいは字幕とかで教えて下さい。妖怪初心者もいますので、よろしくね。
 武器をもって戦うことを否定する内容は大変素晴らしいです。もっと多くの子どもたち(戦争好きな大人にも)にみてほしいです。
 三池監督には血糊ドバドバの作品よりこちらの系統の作品をもっと撮ってほしいです。

 タバコは、妖怪「ぬらりひょん」(大森南朋)がキセルを持っていました。煙は映らなかったので(△)です。


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「ドライブ・マイ・カー」 PG12 濱口竜介監督 ☓☓☓

2021-08-26 | 2021映画評


「ドライブ・マイ・カー」 PG12 濱口竜介監督 ☓☓☓

 村上春樹原作の短編小説を映画化し、カンヌ映画祭で「脚本賞」受賞しました。
 演出家の家福(西島秀俊)は脚本家で浮気がちな妻(霧島れいか)をくも膜下出血で突然亡くしました。2年後、地方の演劇祭の演出を頼まれた折に専任のドライバーみさき(三浦透子)と出会います。また、オーディションで妻の浮気相手の一人高槻(岡田将生)を主役にします。みさきは寡黙でよけいなことはしゃべりませんが、毎日家福が車内で「ワーニャ伯父さん」のセリフを聴いていることや演劇祭の担当者の家によばれたりしたことで少しずつ打ち解けていきます。そしてお互いが抱える大きな胸のおもりを語るようになるのでした。

 家福の演出が大変面白いです。さまざまな言語を話す役者が自分の言語でセリフを言いそれで劇を進行させます。国際的な映画祭ではこれだけでも☆が増えそうです。特に韓国語の手話が力強く圧倒されました。
 ただ、ラストが理解できません。どうしちゃったのでしょう?自分で人生を生きるということ?
 とりあえず、韓国と日本それに他の国の人ももちろん含めて協力して一つのことをやり遂げるということについては文句なく大賛成です。

 タバコは、問題大アリで、まず打ち解けた二人がそれまでは禁煙だった愛車の中で二人一緒に喫煙しルーフを開けてそろってタバコを持った手を外に出す、というタバコがなければできない演出(☓☓)、タバコを二人で吸うことで親近感を表現する昭和風演出、高校生でもあるまいし、ちょっと理解に苦しみます。野暮なことですが、片手ハンドルは道交法違反じゃないですか。
 プロのドライバーが勤務中に喫煙するっていうのも仕事なめるなよ、です。それとも二人の関係が変わったってことなのか?わかりません。
 岡田演ずる男もバーで家福と喫煙しました。(☓)


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「ハニーレモンソーダ」 神徳幸治(しんとく こうじ)監督 ○

2021-08-18 | 2021映画評


「ハニーレモンソーダ」 神徳幸治(しんとく こうじ)監督 ○

 村田真優原作の人気少女コミックを実写映画化しました。
 以前からいじめられていた石森羽花(吉川愛)は高校生になっても自分は「石」になって誰にも関わらず生きていました。そんなある日三浦界(ラウール)と出会います。モテモテの界ですが、なぜか自分を出さない羽花が気になり「石森係」になります。羽花の生活は変わり友だちもできますが、実は界にも人には言えない深い苦しみがあったのです。

 青春キラキラ映画そのものですが、金髪のラウールの魅力で作品を押し上げています。レモンソーダの宣伝映画でもありますが、汚らしいタバコ宣伝映画よりはずっと人道的かな。
 気になるのはいつも女子が手の混んだお弁当を作って好きな男子に食べていただく・・・。というパターンはそろそろなんとかしませんか、作者の皆さん!
 主役以外に、脇にいる若い才能がこれからどう成長するのか楽しみでもあります。

 タバコは、なし。無煙です。ただ、作品の中でたびたびキリンレモンが出てくるとなんだか飲みたくなるのですよ。タバコもきっとこういう効果があるのでしょうね。怖っ!


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「竜とそばかすの姫」 細田守監督 ○

2021-08-15 | 2021映画評


「竜とそばかすの姫」 細田守監督 ○

 高知を舞台にした心に屈託のある女子高生がヴァーチャルの世界で開放され結果としてリアルな世界でも問題を解決しようとする姿をアニメーションで描きました。
 自然豊かな田舎に住むすず(声 中村佳穂)は幼い頃事故で母親を亡くしてから歌を歌うことができず一緒に暮らす父親ともしっくり行かなくなっていました。友だちの勧めで「U」というヴァーチャルの世界で「ベル」というアバターとなり自作の歌を歌います。大きな反響を呼びますが、その世界には恐れられている「竜」というアバターがいてベルと竜は出会います。傷ついている「竜」を助けたいと思うすずでしたがリアルな世界で50億の中からどうやって本人にたどり着けるのでしょうか。

 日本の九寨溝と言われている「仁淀ブルー」がメジャーになってしまいました。コロナ後には聖地巡礼者がたくさん訪れて汚染されそうでちょっと残念ですが、大人にも楽しめるアニメの制作に海外のクリエーターたちが参加していることも評価できます。(海外向けマーケティングの一手であったとしても)見たこともない美しい映像が新鮮です。

 タバコはなし。無煙です。


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「東京リベンジャーズ」 英勉監督 △

2021-08-14 | 2021映画評


「東京リベンジャーズ」 英勉監督 △

 和久井健原作の人気コミック「東京卍リベンジャーズ」を実写映画化しました。
 「すんません」ということでなんとか生きているフリーターの武道(北村匠海)はニュースで高校時代の人生唯一の彼女だった日向(今田美桜 いまだみお)と弟のナオト(杉野遥亮)が最凶の組織東京卍會に殺されたことを知ります。次の日地下鉄駅で武道は誰かに背中を押され転落しそれがきっかけとなってヤンキーだった高校生にタイムリープします。そして10年後に日向が死ぬことをナオトに教えたことで少しずつ未来が変わっていき、10年後の世界で刑事になったナオトと再会するのでした。はたして未来を変えることはできるのでしょうか?

 ヤンキーってこんなに喧嘩ばっかりしているのでしょうか。これでもかと続く暴力シーンのてんこ盛りでウンザリですが、魅力的な間宮祥太朗や吉沢亮のおかげで微妙にバランスを保っています。でも、バイクに乗るときはヘルメットをしましょうね。
 「すんません」しか言えないカスのような人間でもできることはある、未来は変えられるというテーマのおかげで人気があるのかな。でも、暴力反対!
 英勉監督には暴力のない安心して見られる作品を期待します。

 タバコは、ヤンキーたちは吸わないのですが、ナオトが絡まれる場面でタバコを吸っている不良がいました。顔も映らないくらいでしたので(△)です。
 なお、武道と日向が出会うコンビニの場面ではカウンターの後ろのタバコの陳列棚がボカシがはいっていました。宣伝はしない、ということですね。



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「映画 太陽の子」 黒崎博監督 日本アメリカ合作 ☓

2021-08-13 | 2021映画評


「映画 太陽の子」 黒崎博監督 日本アメリカ合作 ☓

 第二次世界大戦中、国内で後の「原爆」を開発していた物理学者集団とその家族を描きました。
 1945年、京都大学の研究室では原子核爆弾の開発に取り組んでいます。修(柳楽優弥)は材料を調達するため陶器作家(イッセー尾形)から硫酸ウランを分けてもらうため奔走していますが、思うようにならず研究は停滞していました。一方弟の裕之(三浦春馬)は戦地から一時帰宅し、幼馴染の世津(有村架純)は住宅を撤去され疎開して来ていて久しぶりに三人が揃うのでした。

 結局アメリカに開発され日本は最初の被害国となりますが、もし先に開発できアメリカに落としていたら報復として日本は多分跡形もなく爆撃されていたのではないでしょうか。
 世津のように「戦後」を見据えて生きていた人がどのくらいいたのかわかりませんが戦後の子どもの教育を考えていた世津は作者の希望の存在でしょう。
 ところで、その後の彼らがどうなったのか知りたかった。

 タバコは、イッセー尾形が喫煙、研究者の一人宇野祥平も喫煙していました。(☓)


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「キネマの神様」 山田洋次監督 ☓☓PP

2021-08-12 | 2021映画評


「キネマの神様」 山田洋次監督 ☓☓PP

 原田マハ原作の同名小説を題名と主人公のみ拝借しストーリーは大胆に変更した作品です。
 ゴウ(沢田研二)は競馬にはまり借金の取り立てで娘の歩(寺島しのぶ)や妻の淑子(宮本信子)を困らせています。そんな彼は「あなたにも競馬以外に映画っていう好きなものがあったでしょう。」と妻に諭されます。実はゴウは若い頃助監督をしていたのです。情熱的に映画製作をしていた当時のゴウ(菅田将暉)を見守る人に、食堂の淑子(永野芽郁)、女優の桂園子(北川景子)がいました。その淑子にゴウの親友で映写技師のテラシン(野田洋次郎)が恋をするのでした。
 現在のテラシン(小林稔侍)は夢だった映画館を経営しコロナ禍の中経営にあえいでいます。そんな折歩の息子勇太(前田旺志郎)が昔のゴウの脚本「キネマの神様」を見つけるのでした。

 コロナで主役の急な変更や撮影の延期などあれこれのトラブルを乗り越えてやっと完成、一般公開にこぎつけた、という印象です。とりあえず松竹100年の記念作品が公開できてよかったですね。そんなわけでご祝儀を含めても評価は平凡なものになってしまいました。良かったのは北川景子の魅力がより引き出されたこと、山田監督らしい労働問題の用語が張り出されたり、セリフに含まれたりしていたこと、コロナの被害を大きく受けている映画館の現状を訴えたこと・・・。などは評価できます。特に歩が面接に臨むとき靴をハイヒールに履き替える演出は女性労働者の現実を表していました。しかし、原作ファンとしては「ぜんぜん違うじゃん!」という印象は否めません。その歩こそが主役だったはずなのに・・・。
 沢田研二の健闘は称えますが。

 タバコは、昔の場面で映画監督役のリリー・フランキーが何度も喫煙しわざわざ缶の銘柄までしっかり見せていました。コロナの中喫煙させるなんてクラスターの一因が喫煙所なのにいつまでたってもタバコと縁が切れないですね山田さんは。
 その他にも食堂で喫煙している人がいました。撮影所内には「禁煙」の表示もありましたが。


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「犬部!」 篠原哲雄監督 ○

2021-08-01 | 2021映画評


「犬部!」 篠原哲雄監督 ○

 青森県の獣医学部に実在した動物保護サークル「犬部」を描きました。
 花井颯太(林遣都)は犬が大好きで獣医師になる学校の学生です。ある単位を取るために生きている犬を使った実験をしなければなりません。ところが「犬を殺す」なんておかしいじゃないかと拒否をします。その上「すべての犬の命を守る」ことを目標に偶然知り合った柴崎(中川大志)らと「犬部」を立ち上げます。そして16年後獣医師になった花井はある事件で逮捕されてしまい、それがきっかけとなり再びかつての犬部員が再会するのですが・・・。

 犬も猫も飼ったことがありませんが、それぞれの可愛さはよくわかります。だからこそ「飼わない」という選択をしているとも言えます。無責任な飼い主が多すぎます。飼うための研修で「殺処分」の現場を体験させ「最後まできちんと添い遂げる。」覚悟をさせてから許可を出すような仕組みにしてほしいものです。
 また、ひとりの行動から慣習を変えることができた好例を紹介する作品です。疑問を感じた事柄には黙っていないで言葉にしたり行動を起こしたりしましょう。
 
 タバコは、なし。無煙です。動物愛護の映画でタバコを吸わせて俳優を虐待するわけにはいきませんよね。


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