無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち

2016-08-24 | 2016外国語映画評


「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」 ポール アンドリュー ウィリアムズ監督 
    英 ☓☓☓☓☓

 南米でナチの幹部アイヒマンが逮捕されイスラエルで裁判にかけられることになります。ホロコーストの実態を世界に伝えるテレビ中継の実現に奔走する関係者たちを描きました。
 1961年アイヒマンの裁判が決まります。テレビが世界に浸透し始めた時期で、その機能を活かしてホロコーストの実態を世界に伝える絶好のチャンスと考えたプロデューサーのミルトン(マーティン フリーマン)はアメリカで赤狩りの犠牲になっていたテレビ監督のレオ(アンソニー ラパリア)を招聘し共にテレビ中継の成功を目指します。レオはアイヒマンがホロコーストの生存者の証言に対し人間的な後悔や謝罪の反応を示すことを期待しますが、アイヒマンは最後まで表情を変えませんでした。
 実際のフィルムと組み合わせてドキュメンタリータッチで描いています、この中継の成功が世界の人々に何が起きていたのか知らせるきっかけとなりました。
 タバコは、1961年が舞台とはいえほとんどの場面で男性のほとんどと女性の一部が喫煙していて、「ガス室」を糾弾している人々が自らタバコの煙で職場をガス室にしていました。


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最高の花婿

2016-08-24 | 2016外国語映画評


「最高の花婿」 フィリップ ドゥ ショウブロン監督 仏 ☓☓電子タバコ

 3人の娘の結婚相手がユダヤ人、アラブ人、中国人で合うたびにそれぞれの価値観が対立しうんざりしているカトリックの両親が4人目の娘だけはカトリック式の結婚を望んでいました。そして紹介された希望通りのカトリックの相手とは・・・。
 移民を受け入れてきたフランスの現実をコメディタッチで描きました。「差別主義者」が軽蔑されるフランス社会の中で「平等」は国家的な目標ではあります。しかしながら、それは一般論であり、自分の問題となった時にはその人の真実が暴かれてしまいます。それでも「人は理解し合える」とこの作品は訴えています。
 フランスの多文化社会を描いていてそれは興味のあるところです。ただ、当事者たち、特に両親や妻たちが弁護士や医師などで経済的には大変恵まれているため生活を脅かされることがないからより理解が進むのではないかとも思えます。また、言語的にもフランス語に不自由していないので理解しやすいこともあるでしょう。裏を返せばフランスのかつての植民地主義の遺産ではありますが。
 タバコは、男性たちが何人も喫煙していました。(☓☓)また、電子タバコも使われていました。


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かんとりーどーろ

2016-08-18 | 2016日本語映画評


「かんとりーどーろ」(自主上映作品)大内靖監督 ☓

 茨城を舞台にご当地映画を撮っているカミスガフィルムクリエイトの5作目。
 都会で自転車便をしているハジメ(川崎優太)は、元仲間が帰った福島へ自転車で向かったところ茨城で迷子になります。拾ってくれた軽トラの助手席には可愛い子がいました。そこでハジメはその村へ「田舎暮らし応援隊」として住み着くことになります。父親が議員をしているタケルの協力もありあれこれイベントを企画しますが、はたしてうまくいくのでしょうか。
 この作品はそのものが「地域おこし」になっているらしく地元の人々がボランティアで出演しています。しかし、どんな趣味道楽もお金がかかるのは当たり前で「近所のおじさんが出ているから見に行こう」とわざわざ会場に足を運んでくださるお客様には普通は手土産がつきものです。ところがこの作品はなんと前売りで1200円も料金を支払わなければならないのです。演技とも言えないようなやり取りに2時間も付き合わされるとは・・・。百歩譲って内容に説得力があるのなら未熟な演技もご愛嬌にもなりますが、結局何を伝えたいのやら全然わかりませんでした。ただひとつ学ばせていただいたのは「プロの俳優はすばらしい。」ということです。
 タバコは、原作と製作総指揮の菊池一俊が俳優としても登場していて、なんと彼だけが喫煙するのです。それも狭い車内でも平気で喫煙していました。(☓)他の場面では居酒屋などでも無煙だったのに「なんでお前だけがタバコを吸うんだよ。」社会の変化をもっと勉強しなさい、と言いたい。
 

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ロスト・バケーション

2016-08-02 | 2016外国語映画評


「ロスト・バケーション」 ジャウム・コレット=セラ監督 米 ◯

 人喰いザメと闘う女性サーファーを描いたサバイバルアクション作品です。
 ナンシー(ブレイク ライブリー)は、ガンで死んだ母親がサーフィンを楽しんだメキシコの秘密のビーチに出かけます。地元の青年二人とともにサーフィンを楽しんだナンシーですが、二人が引き上げ一人になった時大きな鯨の死骸を見つけます。鯨を襲ったのはサメで、ナンシーもそこでサメに襲われます。すきを観てナンシーは引き潮の時だけ現れる岩礁に逃げますが足にキズを負ってしまいます。血の匂いがするせいかサメは岩礁の周囲から離れません。医学生のナンシーは身に着けているもので応急処置をします。翌日、昨日の二人がやってきます。「海に入るな」と大声を上げるナンシーの言葉を理解できずサーフィンを始めた二人ですが、あっけなくサメの餌食となってしまうのでした。ナンシーとサメの勝負はここからはじまるのですが・・・。
 キャストはナンシー以外数人という予算的には楽な作品ですが、久しぶりに怖いサメが復活し見応えのある作品となりました。闘うナンシーもサメと同じくらい利口で緊張感のある場面の連続でした。サメも怖いけれど、傷口を身に着けていた耳飾りとネックレスで縫合する場面がリアルで鳥肌が立ちそうでした。救助を待つのではなく(というか、救助を諦めて)闘うナンシーがなかなか見ものです。
 タバコは、なし。無煙です。


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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

2016-08-02 | 2016外国語映画評


「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」 ジェイ ローチ監督 米 ☓☓☓☓☓

 米ソの冷戦期、ハリウッドの「赤狩り」の犠牲になりながらも、戦い続け名声を取り戻した脚本家ダルトン トランボの半生を描きました。
 1947年、アメリカ下院の非米活動委員会は公聴会で証言を拒否したトランボ(ブライアン クランストン)を監獄に収監してしまいます。服役後もジョン・ウェインや女性コラムニストから敵視されます。それでも家族を守るため偽名を使って安い仕事をこなしていきます。忙しすぎて娘との関係が悪くなることもありましたが、賢明な妻が間に入り、家族みんなで逆境に立ち向かうのでした。実はトランボの脚本である「ローマの休日」や「黒い牡牛」がアカデミー賞を受賞し、映画人の中からカーク・ダグラスらがトランボの実名で脚本を依頼するようになりました。そして代表作「スパルタカス」をケネディ大統領が「大ヒット間違いなし」と太鼓判を押したことがきっかけとなりトランボの名誉は回復されていくのでした。
 トランボの名作の一つに「ジョニーは戦場へ行った」がありますが、権力に寄って手足や口を抑えこまれていたトランボ自身がモデルだったのかもしれません。
 テレビの報道番組に横槍を入れるようになった日本の権力が、いずれ映画界をも抑えこもうとすることでしょう。日本の映画人がトランボとなることを期待します。
 タバコは、久しぶりにアメリカ発のモクモク映画でした。時代が1947年頃で、実在のトランボが喫煙者だったのは事実だとしても俳優が気の毒でした。(トランボは70歳で没)ほとんどの場面で喫煙していました。特に仲間の脚本家は肺がんになって手術後に再び病院内で喫煙していたのにはびっくりです。当時の医師たちも喫煙の害を知らなかったのでしょうか。
 おかしかったのは、仲間の俳優の名画が飾られている部屋は「絵が痛むから」と禁煙になっていました。絵が痛むなら人間も痛むのではないでしょうか。


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インデペンデンス・デイ リサージェンス

2016-07-28 | 2016外国語映画評


「インデペンデンス・デイ リサージェンス」 ローランド エメリッヒ監督 米 ◯NTS

 1996年公開のエイリアンが地球を襲うというSF作品「インデペンデンス・デイ」から20年後、再びエイリアンに襲われます。
 20年前にエイリアンを捕獲し厳重に隔離管理していましたが、そのエイリアンはSOSを発信していました。その信号に応えエイリアンの女王を司令官にした大軍団が救出のため地球に再び攻撃をしてくるのでした。地球人もエイリアンの技術を応用し、軍備も拡大して再来に備えていましたが、今回の攻撃は予想以上のパワーで襲ってきます。戦闘パイロットたちは命がけで、迎え撃つべく戦場に向かいます。果たして地球防衛は可能なのでしょうか・・・。
 ハリウッドの作品はどれもこれも敵を準備して闘うことしかネタがないのでしょうか。どの場面もどこかで見たようなものばかりで、特にエイリアンの姿は1979年のリドリー スコット監督の「エイリアン」から全然変わっていないし、新鮮さがありません。女王の兵士のエイリアンはハリウッド番の「ゴジラ」で登場した「ムートー」にそっくりです。どうみても人カマキリ頭の着ぐるみでしかありません。発想が貧困で途中で笑い出したくなりました。ラストも定番で予想通りでした。
 タバコは、なし。(◯)


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リップヴァンウィンクルの花嫁

2016-07-26 | 2016日本語映画評


「リップヴァンウィンクルの花嫁」 岩井俊二監督 ◯ ☆☆

 岩井監督自身が主演の黒木華をイメージして脚本を書いたオリジナルストーリーです。
 派遣で非常勤教師をしていた七海(黒木華)はSNSで知り合った男性と憧れていた結婚までこぎつけます。結婚式の招待客の数合わせのため何でも屋の安室(綾野剛)を頼ります。その後、夫の浮気が疑われ調査を安室に依頼しますが、奇妙な経緯で七海が悪者になってしまい、離婚されてしまいます。路頭に迷った七海は再び安室に頼ります。いくところもない七海に住み込みのメイドの仕事を紹介し、そこで以前安室の紹介のバイトで知り合った真白(Cocco)と再会します。女優の仕事もしている破天荒な真白と七海は仲良くメイドの仕事をするのですが・・・。
 生徒から「声が小さい」とバカにされたり、安室の勢いに流され続けている七海ですが、ラストにはしっかりと自分の意志が育ってゆく「ふわふわと生きていた若い女性がさまざまな困難に振り回されながらも成長していく物語」です。黒木、Cocco、綾野がそれぞれ好演していますが、なんといっても体を張って演技したリリイの怪演がお見事でした。(☆)
 「コミック」原作が多い邦画界ですが、やはり監督が自身で「撮りたい」と考えた脚本は予想できない展開の面白さがあり、これこそ映画でしょう、と映画の面白さを再確認できる作品です。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。(◯)無煙映画賞候補です。
 

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さざなみ

2016-07-26 | 2016外国語映画評


「さざなみ」 アンドリュー ヘイ監督 英 ☓☓

 結婚45年を迎えた夫婦のもとに届いた一通の手紙が二人の絆にさざなみを起こします。(原題は「45年」)イギリスの自然豊かな田舎を舞台に描きました。
 週末に「結婚45年パーティー」を予定しているケイト(シャーロット ランプリング)とジェフ(トム コートネイ)のもとにスイスからドイツ語の手紙が届きます。「夫の元恋人の遺体が氷河から発見された」という内容でした。以来ジェフは登山中に亡くなった恋人カチャの思い出にとりつかれてしまいます。ケイトも自分と知り合う以前の関係だったと理性では納得できるものの、隠れて昔の写真を取り出したりしているジェフの姿を見ると一体自分の45年は何であったのだろうかと穏やかならぬ気持ちになるのでした。無事45年パーティーは開かれるのでしょうか・・・。
 教師の仕事をしていたケイトですが、パーティーの挨拶は夫のみが「妻への感謝」を述べるというのはなんとなく、イギリスですらまだまだ男中心の社会なのだ、とがっかりでした。
 タバコは、禁煙していたふたりが心の落ち着きをなくすとそれぞれが喫煙してしまうという、その姿もタバコ対策が遅れていると言われている日本と変わりません。特に5年前に心臓のバイパス手術をしているジェフが喫煙するのは当時治療に携わった医療スタッフに対して大変失礼な行為なのではないかと思います。(☓☓)
 

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つむぐもの

2016-07-22 | 2016日本語映画評


「つむぐもの」 犬童一利監督 ◯

 福井県越前和紙の頑固な職人と、韓国人のヘルパーが出会ったことで起きるさまざまな問いかけを描きました。
 職人の剛生(石倉三郎)は妻亡き後ひとりで頑なに工房を守っていました。しかし、病で半身不随となり一人での生活は困難になります。一方、韓国(かつての百済)では大学卒業後仕事が続かず家でぶらぶらしているヨナ(キム コッピ)に別居している学者の父親が「日本で働いてみないか」と勧めます。深く考えずに来日したヨナを迎えたのは、心を開こうとしない剛生と堅苦しい介護福祉士でした。型破りなヨナでしたが、体は動かなくても必死になって和紙作りに取り組む剛生の姿や、「まあまあ、剛生さんは頑固だからお手柔らかに」とヨナを庇ってくれる和紙組合の仲間や見習いの職人などに励まされながら少しずつ打ち解けていくのですが・・・。
 韓国人差別、介護現場のさまざまな問題、伝統工芸の後継者育成の取り組みなどを絡ませ、「なぜ韓国人が嫌いなのか」「介護現場の虐待はなぜ起きるのか」「後継者を育てるには」と。この作品なりの回答が用意されています。ご当地映画でありながら観光案内にとどまらず社会性のある内容にしたことは評価できます。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)


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マジカル・ガール

2016-07-22 | 2016外国語映画評


「マジカル・ガール」 PG12 カルロス ベルムト監督 西 ☓☓

 12歳の白血病の少女の願い事を叶えようとした無職の父親と、夫婦仲がしっくりしていない美人妻とが偶然出会ったことから起きる悲劇の連鎖を描いています。
 12歳のアリシア(ルシア ポシャン)はアニメの「魔法少女ユキコ」に憧れています。余命が幾ばくもない娘の「願い事ノート」をたまたま読んだ父親ルイス(ルイス ベルメホ)は、「ひとつの願い事」を叶えてやりたいと思います。しかし、それには日本円で90万円もかかるのでした。元教師のルイスは蔵書を売ったり、友人に借金を頼んだりしますがなかなか集まりません。一方、バルバラ(バルバラ レニー)は精神科医の夫と何不自由ない生活を送っていましたが、生きる希望を失っていました。そして自殺をしようと薬物を大量に酒で流し込みます。その直後、ルイスとバルバラは出会います。そして二人の歯車ともう一人、バルバラの教師だったダミアン(ポセ サクリスタン)が二人の間にからみ不幸へ向けて進んでしまうのでした。
 偶然のもたらす出会いや誤解がハッピーになるのならいいのですが、この作品では不幸へ不幸へと進んでしまいます。いわゆるフィルムノワールといわれるジャンルとしてのおもしろさは十分あります。救いはアリシアを演じた(ルシア ポシャン)の美しさです。特にラストの場面は最高に美しいです。次回作にはハッピーエンドを期待します。
 タバコは、男性登場者が精神科医を含めほとんど喫煙者(☓)でした。アリシアが「タバコを吸ってみたい。」といった時にだまって父親が吸わせます。(☓)ただ、バーなどでは外に出て喫煙していました。スペインではバーも禁煙で、それが当たり前なのですね。


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