無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

私は、幸福(フェリシテ)

2018-02-15 | 2018外国語映画評


「私は、幸福(フェリシテ)」アラン ゴメス監督 仏ベルギーセネガル独レバノン合作◯

 コンゴのキンシャサ近くに住むシングルマザーで歌手のフェリシテを通してコンゴの今を描きました。
 冷蔵庫が故障し修理を頼んだものの次々故障が見つかりなかなか直りません。そんな時、一人息子がバイクの事故で大怪我をして入院します。しかし、手術の費用を先に工面しないと治療をしてもらえません。フェリシテはあちこち金策に回るのですが・・・。果たして息子の怪我は?冷蔵庫は?どうなるのでしょうか。
 ロボットが活躍する交通信号が自慢のひとつですが、お金がなければ治療もしてもらえない現実もあります。フェリシテのバンドの楽器は民族楽器が中心の伝統音楽ですが、交響楽団もあれば、聖歌隊もあり、音楽は多様です。フェリシテのまわりに起きることを通して観客はコンゴの人びとの生活を知ることができます。
 埃っぽい現実の描写に対して緑と水が豊かな夢想の場面が対象的です。
タバコは、後ろ姿で煙が映りましたが、タバコそのものは映らなかったのでおまけの◯です。


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はじまりのボーイミーツガール

2018-02-13 | 2018外国語映画評


「はじまりのボーイミーツガール」 ミッシェル ブジュナー監督 仏 ◯

 視覚に障害のある少女と彼女を応援する少年の初恋を描きました。
 劣等生のヴィクトールと優等生のマリーはお互いに気になっていました。マリーの方から勉強を教えましょうとヴィクトールに近づきます。ふたりは親しくなりますが、実はマリーは2つの問題を抱えていました。一つは目の病気のこと、もう一つはチェロを続けるため音楽院への入学を父親が反対していることでした。ヴィクトールとその仲間たちはなんとかしようとしますが・・・。
 子役たちの演技がそれぞれ個性的で魅力があります。両親の宗教の違いを明るく乗り越えている家族や、子どもへの教育方針の違いで衝突する両親、出ていった妻をいつまでも忘れられず子どもにたしなめられる父親などが描かれます。教師たちも一長一短あり人間的です。いずれにせよ初恋は甘く切ないものですね。
 タバコは、なし。無煙です。


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マンハント

2018-02-10 | 2018外国語映画評


「マンハント」 ジョン ウー監督 中国 ◯ ☆

 「君よ憤怒の河を渉れ」をアクション映画の名匠ジョン ウー監督が、福山雅治、チャン ハンユーのダブル主演で日本を舞台に再映画化しました。
 製薬会社の弁護士ドゥ チウ(チャン ハンユー)は会社のパーティの翌朝社長秘書の死体と共にベッドの上にいました。彼は殺人の容疑者となり拘束されますがすきをみて逃亡します。追っ手の一人刑事の矢村(福山雅治)は新人の百田(桜庭ななみ)と事件の謎に迫ります。そして単なる殺人事件ではないある大きな陰謀が隠されていることに気がついてゆくのでした。
 佐藤純彌監督の「君よ憤怒の河を渉れ」に似ている場面はいくつかありますが、設定が全く変わっているのでリメイクではなく「再映画化」です。アクションシーンが見どころなだけでなく事件の根幹にある社会的な問題提起も現代的です。それでいて娯楽映画としても楽しめます。
 映画の後、福山と監督が「動画パンフレット」と評し、解説をするオマケ映像がありますが、撮影の裏話や、監督の思いなどが伝えられ大変効果的でした。作品中も映画に関するセリフなどが生かされ監督の映画への深い愛情が感じられました。
 映倫区分が「G」なので誰でも楽しめることも評価できます。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)こちらも評価できます。(☆)


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ゴーギャン タヒチ、楽園への旅

2018-02-09 | 2018外国語映画評


「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」 R15+ エドゥアルド アルック監督 仏 ☓☓

 ゴーギャンの後半生を描いた伝記映画です。
 19世紀末のパリで株式の仕事に失敗したゴーギャン(バンサン カッセル)は心機一転画家として生きていこうと家族を残し単身「楽園の地」タヒチへ移住します。そこで自給自足の満ち足りた生活をしている人々と出会い同じように暮らし始めます。そしてあるとき森の中の集落で暮らすある女性と出会います。彼女をモデルとすることでゴーギャンは後に代表作となった数々の作品を描くのでした。
 タヒチという楽園にもキリスト教は浸透し、いわゆる西洋的な倫理や価値観がかつてのアニミズムの世界を変えていく様子も描かれています。こうして植民地化が進められたのでしょう。ゴーギャンの人生そのものよりもそちらの経緯のほうに興味が持てました。
 タバコは、貧しくてキャンバスも買えないのにどういうわけか常にタバコだけは吸っていました。(☓)心臓病で発作を起こしてもタバコは止めず、喫煙者の医者(☓)もタバコについては何も触れず、恐ろしい時代を描いていました。
 ところでこの作品はR15+でそちらの期待も(?)あったのですが、「え?あれだけ?」という印象でした。映倫の規定にはいまひとつ納得しかねることが多いのですが、もしかして「タバコの扱いが倫理的に問題である。」という理由なのでしょうか。それならば確かに未成年には見せたくない喫煙シーンがありましたが・・・。

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デトロイト

2018-02-07 | 2018外国語映画評


「デトロイト」 キャスリン ビグロー監督 米 ☓☓☓☓☓

 1967年、「デトロイト暴動」の際、町外れの小さなモーテルで起きた白人警官による不法な取締と殺人事件を再現しました。
 黒人社会に蔓延していた差別待遇への不満が一気に噴出し暴動に発展していた晩、町外れの小さなモーテルでは黒人も白人も男も女も酒やダンスに興じていました。悪乗りしていたずら半分に競技用のピストルを放ってしまいます。それがきっかけとなり銃撃を受けたのち常軌を逸した白人警官による人権を無視した強引な自白強要や暴力的な取り調べとついには殺人まで犯してしまいます。隣接のビルの黒人の警備員ディスミュークス(ジョン ボヤーガ)はすべてを目撃し証言するのですが・・・。
 60年代の人種差別の実態を告発した作品です。ウィル ポールターが差別主義者のデトロイト市警役を見るからに憎々しげに好演しています。悪役が効果的に生きています。
 差別主義が再興しつつある世界に問いかける作品です。
 タバコは、時代を考慮しても喫煙率が高すぎでした。タバコに関しては白人、黒人の別なく殆どの登場人物が喫煙していました。(☓☓☓☓☓)テーマが鋭いのにタバコには寛容過ぎることが残念です。


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スリー・ビルボード

2018-02-06 | 2018外国語映画評


「スリー・ビルボード」 マーティン マクドナー監督 ☓ NTS ☆

 娘を殺された母親が警察を叱咤する看板を立てたことから起きる人間ドラマを描きました。
 被害者の母親ミルドレッド(フランシス マクドーマンド)は警察が犯人逮捕できないことに苛立ち家の近くに朽ちて放置されていた看板に大きく署長や警察を告発する広告を出します。小さな田舎町では署長は尊敬されていて、看板を設置したミルドレッドの方が町中の人を敵にしてしまい、広告会社まで嫌がらせを受けるようになります。特に白人の警官ディクソン(サム ロックウェル)は暴力的な行動まで取るのでした。
 娘のために闘う母親をフランシス マクドーマンドが笑顔を封印して熱演しています。看板の設置がきっかけとなって人びとのそれぞれの思惑が表に出てくる過程が緊張感のある展開でスリリングに楽しめます。予想外のラストは母親の笑顔が救いです。1回しか笑わないのでお見逃しなく。
 さまざまな差別主義と闘う姿勢が垣間見え作品を重厚にしています。(☆)
 タバコは、出てきます(☓)がそれほど広告的でもありませんでした。


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バダッド・カフェ

2018-02-05 | 2018外国語映画評


「バダッド・カフェ」(ニューディレクターズカット版) 
              パーシー アドロン監督 米 △ ☆☆
 
 1987年に公開された「バグダッド・カフェ」を2008年に再編集したデジタル版です。
名作を再上映する「午前10時の映画祭」で上映されました。
 小さなモーテルを舞台に白人と黒人、アメリカ人とドイツ人、といった違いを超えて友情を育む二人の女性を中心に二人を巡る人々を描いた人生賛歌の名作を復活させました。
 ラスベガスから200キロほど離れた砂漠の中のモーテル「バグダッド カフェ」に、旅行中に夫と喧嘩したドイツ人のジャスミン(マリアンネ ゼーゲブレヒト)がやってきます。モーテルを経営しているブレンダ(CCH パウンダー)もその朝夫と喧嘩して追い出したばかりでイライラしていました。はじめは「あやしい女」と保安官まで呼んだブレンダでしたが、少しずつ理解し受け入れていくのでしたが・・・。
 奇妙な住人と大雑把なブレンダときちんとしたジャスミン、それぞれの個性をお互いに受け入れあっていく過程が丁寧に描かれています。折々にあの名曲「コーリング・ユー」が効果的に流れます。冒頭で流れた時は日本語訳がついていましたがラストでは省略されていました。ラストでもう一度あの歌詞の意味を確認しながら聴くことができたらより感動できたと思うのですが、ちょっと残念でした。
 タバコは、冒頭でドイツ人の夫が車内で葉巻を咥えます。ジャスミンがそれを取り上げて投げ捨てる場面がありました。マイナスイメージでした。その後もう一度その夫が喫煙する場面あり。しかし、モーテル内のカフェでも誰も喫煙せず、喫煙率の高かった時代を考えれば奇跡的でした。(△)


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ゾウを撫でる

2018-02-04 | 2018日本語映画評


「ゾウを撫でる」 佐々部清監督 ☓☓☓
 
 映画製作に関係する人びとを群像劇で描きました。
 久々に映画を撮ることにした映画監督、それに関わるわがままな中年女優、出演を迷う俳優、子役あがりで行き詰まっている俳優、離婚した妻の孤独死に戸惑う老年俳優、大型のセットをロケ地に運ぶ運転手、その上主役の新人女優は雲隠れ・・・。果たして撮影はできるのでしょうか。
 映画業界「あるある」物語です。観客は完成した作品をいつも気軽に楽しんでいますが完成まではいろいろ大変なようです。
 「ゾウを撫でる」のタイトルは映画を「ゾウ」に例え本来の故事の意味とはちょっと違うような気もしますが、映画というゾウにはさまざまなパートがあるという意味として捉えているのでしょうか。
 タバコは、映画業界のタバコ事情が紹介されていて、ベテランでわがままな女優は禁煙の楽屋でメイクの人がそばにいても平気で喫煙(☓)。この女優は撮影が始まって「待ち」の禁煙のテント内で他の俳優もいる中「吸ってもいいかしら?」と断られるわけはないという態度で喫煙(☓)し、実際の現場でもきっとこういうわがままな行動がまかり通っているのだろうとうんざりさせます。
また、バーの場面でも喫煙(☓)。飲食店禁煙は日本では無理なのか、悲しいです。


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2018-02-04 | 2018日本語映画評


「光」 河瀨直美監督 ◯

 映画の音声ガイドをする人びとを描きました。
 視覚障害者が映画を楽しむことができるよう、音声ガイドというシステムがあります。その作業ではモニターからさまざまな意見を聞いてよりわかりやすい表現ができるよう修正をしていきます。思い込みの解釈を語らない、セリフにかぶらない、など制約があるなか少しでもわかりやすいガイドにするために悩み工夫する姿を描きました。
 音声ガイドや聴覚障害者のための日本語字幕などはビデオで体験したことがあります。聞き取りにくいセリフが字幕で確認でき、見落としてしまうような場面も音声で紹介されわかりやすくなっていました。
 タバコは、いつも喫煙する永瀬正敏が主演でしたが今作では喫煙しませんでした。(◯)


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羊の木

2018-02-03 | 2018日本語映画評


「羊の木」 吉田大八監督 ☓

 山上たつひこ原作、いがらしみきお作画のコミックが原作です。
 海辺の地方都市に、あるプロジェクトで元殺人犯の男女6人が移住してきます。彼らの過去を知らず市職員の月末(錦戸亮)は受け入れを担当しますが、なんとなく違和感を感じるのでした。一方、高校時代の同級生も都会からUターンしていました。移住した6人はそれぞれの落ち着き先でさまざまな対応をされますが、とりあえずはつつがなく過ごしていました。漁港で遺体が発見されたことから疑いの芽が芽生えるのでした。
 勧善懲悪のハッピイエンドではなくなんとなくもやもやとした想いを残したまま終わってしまいます。観客それぞれの人生観や道徳観を照らし合わせながら何度も考えさせられる作品です。
 公開初日の東京での舞台挨拶を全国の映画館に生中継するというイベントがあり、地方でも舞台挨拶を楽しめてそれはそれでいい企画でした。ただ、折角俳優7人と監督が揃っているのに映画とは直接関係ないような質問をして時間の無駄になっていました。もっと撮影の裏話とか工夫したところなどを聞かせてもらった方が映画の宣伝にもなったのではないかと思います。役者揃い踏みの舞台挨拶にしてはいまひとつ盛り上がりに欠けて残念でした。
 たとえば「何度も反芻して考えてほしいです。」と監督が言っていましたが、「反芻すると羊じゃなくて牛の木になっちゃいますね。」くらいのツッコミはいれてほしかったですね。
 タバコは、月末のバンドの仲間が一人だけ2回喫煙しました(☓)。「幼稚園の娘がいるなら家族のためにさっさと禁煙しなさい。」と言いたいですね。


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