無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

怒り

2016-09-22 | 2016日本語映画評


「怒り」 PG12 李相日監督  ☓☓☓

 吉田修一原作で「悪人」と同じ李監督です。
 夫婦惨殺事件から1年、「怒」という血文字を残した犯人はまだ逮捕されていません。東京ではゲイの優馬(妻夫木聡)の前に直人(綾野剛)が、千葉の漁港には田代(松山ケンイチ)が槇(渡辺謙)の娘愛子(宮崎あおい)と暮らし始めていました。そして沖縄の孤島には田中(森山未來)が探検にやってきた泉(広瀬すず)と出会っていました。それぞれが「素性が知れない」という事情を抱え「もしかしたら犯人なのではないか」という疑念が浮かぶのでした。
 「虐げられた派遣社員」「施設育ち」「自己破産」などの自分ではどうにもならない社会に対する「怒り」があります。舞台の一つを沖縄にしたことで「沖縄県民の怒り」が大きく取り上げられています。原作を読んでいないので映画だけで判断すると、監督はこの「沖縄の怒り」を世に問うためにこの作品を撮ったのではないかとも思えます。「泉の苦悩」を日本人全員が味わわなければならないのではないでしょうか。名優揃い踏みの中でも、泉を演じた広瀬すずの演技が素晴らしかったです。3ヶ所の独立したドラマを抵抗なく1本にまとめた演出がお見事です。
 タバコは、主役級は喫煙しませんが、妻夫木の仲間が喫煙(☓)。刑事のピエール瀧が喫煙(☓)。このピエール瀧の喫煙シーンは予告編でも度々見せられ筆者は「怒り」ました。(☓)


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にがくてあまい

2016-09-22 | 2016日本語映画評


「にがくてあまい」 草野翔吾監督  ☓
  
 少女コミック原作の実写映画です。
 仕事はできるけれど、私生活はガサツでだらしがないマキ(川口春奈)は、ひょんなことからゲイの渚(林遣都)と同居することになります。有機野菜を使って弁当まで用意してくれる渚と暮らすうちに野菜嫌いだったマキは渚が作るものはなんでも食べられるようになります。そんな折、マキの実家から野菜が届きます。そのダンボールをみて渚は大喜びし、家をでてから一度も帰省していないマキを実家に連れて帰るのでした。
 料理が脇役の作品ですが、林遣都がなかなか上手な包丁さばきを見せていました。ゲイの研究や料理などあれこれ鍛えた成果が発揮されていました。マキの母親役の石野真子のホンワカぶりも味わいがありました。渚がこだわっていた兄との関係が不明なままだったのがちょっと気になります。
 タバコは、渚の友人でインド帰りのアラタ(渕上泰史)が喫煙(☓)。換気扇の下で吸っても有害物質を減らす効果はほとんどありません。野菜はオーガニックに拘っているのにタバコの煙にはむとんちゃくなのはわけがわかりません。
 

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教授のおかしな妄想殺人

2016-09-16 | 2016外国語映画評


「教授のおかしな妄想殺人」 ウッディ アレン監督 米 ◯

 ウッディ アレン監督らしい皮肉なコメディです。人生を投げ出してしまった哲学の教授が「殺人」という目的で元気を取り戻すというお話です。
 エイブ(ホアキン フェニックス)はアメリカ東部の大学に赴任し、哲学の教授として授業を受け持ちます。女生徒のジル(エマ ストーン)や同僚のリタはエイブと話をするうちになんとか彼を立ち直らせたいとそれぞれの方法で試みますが、なかなかエイブの傷は深いのでした。そんな時、ジルとコーヒーを飲んでいる時に隣席の会話が聞こえ、エイブは、話に出てくる悪徳判事を殺す「完全犯罪」を思いつきます。その妄想はエイブを再生させ、やる気ムンムンの男に変わるのですが・・・。
 程々に面白いのですが、ラストがあの名作のパクリに思え、ちょっと残念です。もう、新しいアイディアは浮かばなくなったのでしょうか。
 タバコは、なし。無煙です。


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裸足の季節

2016-09-16 | 2016外国語映画評


「裸足の季節」 デニズ ガムゼ エルギュベン監督 仏トルコ独 ◯

 北トルコを舞台に古い慣習に縛られながらも、自由を求めて奮闘する十代の5人姉妹を描きました。監督自身の体験が元になっています。アカデミー賞外国語映画ノミネート作です。
 夏休み前の学校の帰り、開放感から5人姉妹は海岸で男の子たちと制服のまま水遊びを楽しみます。しかし、近所の人から祖母に伝えられます。両親亡き後、10年育てている祖母から「なんとふしだらな。」と叱られた上に親代わりの叔父から外出禁止となり家に閉じ込められます。そんな時、女性と子どものみに開放されるサッカーの試合が行われ、近所から送迎バスが出ることを知ります。家を抜け出てなんとかバスに乗りサッカー場で5人は盛り上がりますが、なんとその場面がデレビに映しだされてしまいます。叔父に見られる前に気づいた祖母などの機転でその場はなんとか収まりますが、長女から順に縁談が進められるようになってしまい、家は抜け出せないよう格子を張り巡らされどんどんと刑務所のようになっていくのでした。
 少女たちが家の中だけで見せる手足がのびやかで清々しい美しさがあります。「海へ行こう」と姉妹で布団の上で泳ぐ真似をする場面などは逆境にもめげないたくましさを感じさせます。不幸な出来事も起き、真の自由を求め旅立つ姿には心から応援してしまいます。ラスト近く自身が強固にした鉄柵のため家に入れずオロオロする叔父さんの姿は女性を因習で縛ろうとする権力者の姿のようで滑稽でした。
 「裸足の季節」という邦題が生きています。原題は「ムスタング(野生馬)」
 タバコは、なし。無煙です。


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超高速参勤交代 リターンズ

2016-09-15 | 2016日本語映画評


「超高速参勤交代 リターンズ」 本木克英監督 ◯ ☆

 前作「超高速参勤交代」の続編です。時代劇離れが進む中、世代を超えて楽しめるコメディタッチの新しい時代劇のスタイルです。
 「超高速」で江戸に着き、のんびりと帰路についた湯長谷藩の藩主内藤(佐々木蔵之介)のもとに故郷で一揆が起き、そのうえ城も奪われたという情報が届きます。すべてはあの悪老中(陣内孝則)が仕組んでいたのです。内藤らは「また、はしっど」と走り出します。途中には刺客も現れ、最後には奪われた城を取り戻すために、七人の侍たちが千人相手に切り込むのでしたが・・・。
 痛快時代劇です。コメディでありながらもチャンバラも結構見せてくれます。「七人の侍」は笑えましたが、ニセ一揆で田んぼや畑を踏み荒らされて嘆く百姓の姿は舞台がいわきだけに「放射能で汚染された田畑」を彷彿とさせ泣けました。
 時代劇というと歴史上の偉人伝ばかりですが、時代劇の伝統を維持するためには、この作品のような現代風時代劇も面白いと思います。(☆)難を言えば、女性たちの着物が新品のようにきれいすぎました。着古された味を出して欲しかったです。
 タバコは、なし。無煙です。


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君の名は。

2016-09-09 | 2016日本語映画評


「君の名は。」 新海誠監督 ☓☓

 新海監督によるオリジナルアニメ映画。
 田舎町に暮らす高校生の三葉(みつは:上白石萌音)と東京の高校生瀧(たき:神木隆之介)は時々心が入れ替わります。夢を見ているような記憶しか残っていません。それぞれの友人やバイト仲間は奇妙に思いながらも大きな問題にはなりませんでした。ある時瀧はバイトの先輩奥寺(長澤まさみ)とデートをしたときにある絵画と出会います。それはある田舎の風景を描いたものでしたが、それがきっかけとなり瀧は飛騨高山を訪れます。
 飛騨地方が舞台と思われ、まろやかな方言と、神社の巫女という立場の三葉らが行う「口噛み酒」や美しい組紐のいわれなど、伝統的な文化を織り交ぜ、タイムトラブルの世界とうまくバランスが撮れています。新海監督らしい風景描写の巧みさもお見事です。
 タバコは、奥寺が喫煙し、ご丁寧に若い女性をターゲットにしているタバコをきちんと描いています。「(タバコを吸うことを)やめていたんだけどね。」という言い訳までつけて禁煙者を再喫煙に誘導しています。(☓)また、滝らがお世話になる高山ラーメンの店主も喫煙者で軽トラの車内で未成年者を同乗させているにもかかわらずためらいもなく喫煙していました。(☓)高山ラーメンは食べる気がしないですね。
 また、直接的な問題ではありませんが、「田舎のカフェ」ドリンクの自販機に「BOSS」のパイプをくわえたおじさんがしっかり描かれていました。
 この作品はスタッフにもアジア人の名前も多く国際的にマーケットもひろげることを予測していると思いますが、アジア各地のタバコ規制をきちんと把握していないと「日本の常識」は「アジアの非常識」になりかねません。恥さらしにならないよう気をつけたいものです。


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後妻業の女

2016-09-09 | 2016日本語映画評


「後妻業の女」 鶴橋康夫監督 ☓☓☓☓☓

 「後妻」として金持ちの高齢者の財産を奪い取る小夜子(大竹しのぶ)とそれを裏で操る男柏木(豊川悦司)の悪行の数々を一応コメディタッチで描いています。原作は黒川博行の小説です。
 シニアの結婚相談所の所長柏木は資産と持病がある男を小夜子に紹介して遺産相続の権利を得させ、その後はうまく始末してしまいます。今回もうまくいくはずでしたが、娘二人が探偵(永瀬正敏)を使って小夜子の過去を洗い出し逆にふたりは脅されるはめになってしまいます。天罰は下るのでしょうか。
 大竹しのぶが「趣味は読書と夜空を見ること」とロマンチストなふりをしたり、ふてぶてしく居直ったり、表情を自在に操って演じています。それだけ見ていれば「さすが名女優」という評価もあるでしょうが、内容がえげつなさ過ぎて、いくら関西が舞台とはいえ「金目当ての連続殺人事件」をはしゃいで撮りすぎた作品になってしまい、後味が良くないです。大竹の名演技を「感動させる作品」で楽しませてほしいものです。
 タバコは、主役の二人が度々喫煙し(☓☓☓)、永瀬(☓)、娘役の尾野真千子(☓)なども喫煙していました。その点もえげつない作品でした。水上バスでは禁煙マークが1度映りましたが。 


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ゴーストバスターズ

2016-09-08 | 2016日本語映画評


「ゴーストバスターズ」 ポール フェイグ監督 ◯

 1980年代に一世を風靡した作品を女性をメインにして復活させたアクション・コメディです。
 大学講師のエリン(クリスティン ウィグ)は昔仲間と出版した「幽霊本」が仇となり、大学を首になってしまいます。仕方なく昔の親友アビー(メリッサ マッカーシー)の研究所を訪れます。アビーの仲間ジリアン(ケイト マッキノン)と地下鉄で幽霊を見たパティ(レスリー ジョーンズ)が加わり4人で幽霊退治をすることになるのでした。一方、あるホテルの作業員の男は昔の「幽霊本」を元にして幽霊を収集していました。科学の力でエネルギーを大きくし、ニューヨークを破壊する計画を進めていたのでした。パワーアップした巨大な幽霊たちを退治することはできるのでしょうか。
 お馴染みの曲が流れると気分はウキウキしてきます。演技はうまいけど主役ではなかった女優たちがのびのびと演じています。緑のスライムまみれになるのはお気の毒でした。騎士役がお似合いのクリス ヘムズワースがお茶目キャラで怪演しました。エンドロールのクリスダンスは見逃さないように。
 タバコは、なし。無煙です。


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グランド・イリュージョン 見破られたトリック

2016-09-08 | 2016外国語映画評


「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」 ジョン M チュウ監督 米 ◯

 不正に搾取された資産を派手な演出で奪い返すイリュージョニスト集団「フォー ホースメン」が今回はハイテク企業をターゲットにします。しかし、そこに天才エンジニアが立ちはだかるのでした。
 敵側には催眠術の専門家がいて、今回の作戦は失敗しますが、それだけでなく敵側のウォルター メイプリー(ダニエル ラドクリフ)がしかけた策略にまんまとはめられてしまいます。その上FBIにも追われますが、そこは彼らの絶妙なプランと手品の技を駆使して大逆転をして、めでたしめでたしです。ネタバレですが、ストーリーよりも技を楽しむことがこの作品の面白さなので勘弁して下さい。「ハリーポッター」シリーズの名子役ダニエル君がヒゲなんか生やして悪役を演じているのも見どころです。
 タバコは、なし。無煙です。


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シン・ゴジラ

2016-08-26 | 2016日本語映画評


「シン・ゴジラ」 庵野秀明監督  ◯

 かつてのゴジラシリーズからは独立した作品でその意味では「新ゴジラ」です。
 東京湾から新生物(後にゴジラと命名)が上陸し暴れます。内閣総理大臣を筆頭に対策を練りますが、人間の思惑をあざ笑うかのようにゴジラは時とともに進化していきます。科学者たちはゴジラが放射性廃棄物を餌にして成長し、放射能を拡散していることを掴みます。防衛大臣(余貴美子)の進言のもと自衛隊の最新兵器が投入されます。しかし、どのような攻撃にもびくともせず都内の破壊が進みいよいよ霞が関も危なくなるのでした。
 完全CGのゴジラの登場でその意味でも「新ゴジラ」です。モデルは野村萬斎ということでさすがに動きが神がかっていました。そういう意味では「神ゴジラ」です。ゴジラ自体は期待を裏切らなかったのですが、対応する人間たちは登場人物が多すぎて把握しきれず、科学的な話にはあのテンポでは一般人はついていけず、後半のオリガミ論はさっぱりわかりませんでした。ただ、放射能を原因にしたことはどう考えても福島原発が結びつき、特にラストのゴジラ像は人の屍のようで、その点だけは評価できます。その意味では「SIN(罪)ゴジラ」と解釈できます。期待程ではなかったのですが、ハリウッド版よりは良く出来ていました。
 タバコは、なし。無煙です。ピエール瀧が自衛隊員で登場している場面では「いつタバコを出すか」そればかり気になりましたが、今作ではタバコを吸いませんでした。(◯)


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