「ほかげ」 塚本晋也監督 ◯ ☆
戦後焼け残った小屋で春を売って暮らす女(趣里)と居着いた少年(塚尾桜雅 つかお おうが)、復員兵などで混沌とする闇市を舞台に描きました。監督のオリジナルです。
女は斡旋する男から客をとってなんとか生きていましたがある時少年が大事な食料を盗みます。その後その少年と客で来た復員兵との奇妙な生活が数日続きます。ところが、女は病気になり少年を病気が感染るからと追い出します。少年は謎の男(森山未來)に一緒に仕事をしてくれと頼まれますが・・・。
「ほかげ」というタイトル通り「火影」の光と陰が画面を覆っています。戦争から帰ったものの病んでいる人々が描かれ、男と仕事で出かけた田舎では天気もよく明るい光に包まれますが実は男が少年に手伝わせた仕事は戦争の酷い現実を明らかにするのでした。少年には女が願ったように犯罪を犯さずなんとか職を得てたくましく生きていってほしいと観客みんながきっと願っていることでしょう。塚尾桜雅の成長が楽しみです。
タバコは、なし。無煙でした。