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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

米軍が最も恐れた男 2 カメジロー不屈の生涯

2019-12-28 | 2019日本語映画


「米軍が最も恐れた男 2 カメジロー不屈の生涯」 佐古忠彦監督 ○(おまけ)☆

 2017年の「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー」の題2作目で、今作ではカメジローの日記をもとに瀬長亀次郎の生涯を描きました。
 戦後沖縄で米軍の圧政と厳しい弾圧の中牢屋に入れられても、被選挙権を奪われても、パスポートが取れなくてもめげずに「不屈に」戦いつづけるその姿には学ぶべきものがあります。前作と重なる映像があったのかもしれませんが独立した作品として改めて感動します。「小異を捨てずに、大同につく」というカメジローのことばは当時から沖縄の人々を鼓舞してきましたが、現在も「オール沖縄」として脈絡と続いています。年に一度は無理でも2,3年に一度はカメジローさんからパワーを貰えるよう定期的に上映してほしいものです。
 今作の見どころは、カメジローさんが国会で当時の首相佐藤栄作と対峙する場面です。鋭く迫るカメジローさんに対し内容に問題はあるもののそれでも逃げずに、またはぐらかさずに一応真摯に答弁する佐藤首相の姿です。今国会でまともな答弁もせず逃げ回っているどこかの国の首相に見せてやりたい場面です。
 2018年の直木賞受賞作「宝島」(真藤順丈著)と歴史的に重なる時代でもう一度読み直してみたくなりました。
 タバコは、過去の写真の中で写っていましたが、おまけの(○)です。タバコを吸っていなければ健康年齢がもう少しは長くなったのではないかと思うと惜しいです。
 

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メランコリック

2019-12-22 | 2019日本語映画


「メランコリック」 田中征爾監督 ☓

 田中征爾の長編監督デビュー作で、第31回東京国際映画祭スプラッシュ部門で「監督賞」を受賞しました。主演した皆川、磯崎との3人による映画製作ユニット「ONE GOOSE」第1作目でもあります。
 東大卒の和彦(皆川暢二)は定職についたことがありません。偶然でかけた銭湯で同級生百合(吉田芽吹)と再会し同窓会に誘われ、いきがかりでその銭湯でアルバイトをすることになります。
ところが、その銭湯は夜中になると人殺しと死体処理の副業をしていました。和彦は同期採用の松本(磯崎義知)と共にその仕事も手伝うようになります。高額な特別手当をもらいウキウキし百合をデートに誘うのでした。闇の仕事になれた頃同僚の松本、銭湯のオーナーそして大物のヤクザとのトラブルに巻き込まれるのでした。
 「いきがかり」で危ない仕事をためらいながらも淡々とこなす和彦が妙に説得力があり、悪いことをしているにも関わらず血の色が素人っぽい色だったり、言葉使いがお互いに君付けで呼び合うなど子供っぽさがあったりするためか、禍々しさが感じられず不快感のないサスペンスになりました。名前も顔もほとんど知らない俳優さんたちでこれだけ面白い作品ができるなんて日本の映画界もまだまだ可能性があると嬉しくなります。中でも吉田芽吹の笑顔はニコニコマークの絵文字のようで魅力的です。
 殺しがメインの内容でありながら「生きていることの素晴らしさ」を描きそれも笑えます。ニートだったり、変な仲間を連れ込んだりしても優しく接していた両親との食事場面がおいしそうでした。
 タバコは、ヤクザが1回喫煙しました。(☓)悪役なのでマイナスイメージですが、残念です。また銭湯の脱衣所でタバコの煙がみえましたが、実際は都内の多くの銭湯は禁煙になっています。
 

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ヒキタさん!ご懐妊ですよ

2019-12-20 | 2019日本語映画


「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」 細川徹監督 △

 作家のヒキタクニオが自身の妊活を書いたエッセイを映画初主演の松重豊と北川景子の共演で笑えて泣ける作品に仕上げました。
 49歳のヒキタさん(松重豊)は年の離れた妻サチ(北川景子)と二人の生活を楽しんでいましたが、サチのひとことがきっかけとなり妊活を始めます。簡単にはいかず原因はヒキタさんにあることがわかります。そこから元気な精子を育てるためのちょっと笑える苦闘が始まるのでした。
 松重や仕事仲間役の濱田岳などの個性が生かされ、普通に聞くと生々しい話題でも笑えてしまいます。また、うまくいったかに思えたあとの胎児のトラブルに泣かされたり苦しんだりする感情の落差を主演の二人が好演しました。北川景子が若い頃の吉永小百合を彷彿とさせる目をしていてきれいな女優だなと再認識しました。
 水槽のクラゲや桜並木、そして奇妙なラーメン屋、サウナなどの脇の演出も個性的で効果的でした。ヘタなイラストも笑えました。
 難を言えば、サチは仕事をしているようでしたが、通院するために仕事を休むとか時間を調整するなどの現実的な話題を取り上げていなかったのはやはり原作が男性で、それも自由業の人だからでしょうか。仕事しながらの不妊治療は結構職場の協力がないと厳しいという現実があり、それで諦めてしまう人も多いので、そのあたりをチラリとでも触れられていると妊活映画として完璧でした。ちょっと残念です。
 タバコは、こちらもちょっと残念なことに居酒屋の場面で隣の席の男性が喫煙していて煙が流れていました。(△)

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カツベン!

2019-12-19 | 2019日本語映画


「カツベン!」 周防正行監督 ☓☓☓ 東映

 新作ごとに目の付け所が個性的な周防監督が今作では日本にしかいなかったという「活動弁士」を取り上げ、映画が発明されてからトーキーになるまでのほんの一時期にスポットを当てコメディに仕上げました。
 子どもの頃から活動映画に魅せられていた染谷俊太郎(成田凌)はおとなになってからはなんとニセ弁士として泥棒一味の片棒を担いでいました。ある時、大金とともに逃げ出した俊太郎は潰れかけていた小屋青木館の夫婦(渡辺えり、竹中直人)に拾われます。呼び込みや掃除などの雑用をしていましたが、泥酔して眠り込んでしまった弁士(永瀬正敏)の代役として舞台に上がり観客の喝采を浴びるのでした。弁士として活躍が期待された矢先、かつての泥棒仲間が大金を取り戻しに現れます。一方青木館はヤクザが牛耳るライバル館に次々弁士を引き抜かれていくのでした。どっちを向いてもトラブルだらけの中、幼馴染の梅子(黒島結菜)との再会が俊太郎の心を揺さぶるのでした。
 あれこれ事件がてんこ盛りすぎです。泥棒一味とのいくつかのエピソードはいくつか割愛し、「活動弁士」の魅力をもっと見せても良かったのではないかと思います。フィルム映画については「編集が自由にできる」といういい点も燃えやすいという弱い点もストーリーの中でわかりやすく見せていました。
 タバコは、主役級では売れっ子弁士役の高良健吾が一度喫煙したくらいですが、観客席からいくつもの紫煙がモクモク上がり、そればかりが気になってなかなか内容に集中できませんでした。確かに当時はそうだったのかもしれませんが、タバコの場面だけ忠実に再現するのはなにか別の意図があるのではないかと勘ぐってしまいます。特に俊太郎が子役の場面でも同様に煙が上がっていて職場で無理やり受動喫煙の健康被害を受けている姿は子役たちへの虐待、それも監督という権力を持つ立場の大人からのパワハラではないかと思います。こういう作品に芸術文化振興財団から助成金が出ているのも納得しかねます。


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午前0時、キスしに来てよ

2019-12-18 | 2019日本語映画


「午前0時、キスしに来てよ」 新城毅彦(しんじょう たけひこ)監督 ○ 松竹

 みきもと凜の同名コミックを片寄涼太、橋本環奈の共演で実写映画化しました。
 日奈々(橋本環奈)は朝5時に起き、両親を助け家事や妹の世話をし、学校では真面目に勉強をする高校生でした。が、実は妹に読んであげている「シンデレラ」のお話のように素敵な王子様が現れることを夢見ていました。ある時高校で映画のロケが行われエキストラとして参加した日奈々をスターの綾瀬楓(片寄涼太)がみそめます。お互いに引き合うものがあり、トップスターと女子高生という禁断の恋に落ちてしまいます。そして大事件が起きてしまうのでした。
 よくあるキラキラ映画ですが、舞台が湘南界隈なことと、二人が観るモノクロ映画の「Fin」マーク、映画撮影の現場が映画内で見られたのは面白かったです。
 導入部分のコーラのコマーシャルから本編が始まるというのはアイデア賞ものです。
 遠藤憲一の「若者たち」独唱は助演歌唱賞というのがあれば受賞間違いなし。
 タバコは、エグザイルが関係しているせいか無煙でした。(○)
 

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作兵衛さんと日本を掘る

2019-12-15 | 2019日本語映画


「作兵衛さんと日本を掘る」(2018年) 熊谷博子監督 ○ ☆☆

 2011年日本初のユネスコ記憶遺産に指定された山本作兵衛が描いた記録画と日記を元にして明治から昭和にかけての筑豊炭鉱の盛衰と、記録画を発見し様々な形で社会に紹介した人々の姿をドキュメンタリーにしました。
 元炭鉱夫で閉山後は警備員として働いていた山本作兵衛は60歳半ばを過ぎてから「子や孫に炭鉱の姿を伝えたい。」という思いから絵筆を取り書き始めました。その数数千枚と言われ山本は請われればその絵を様々な人にあげていたので専門家の眼に触れることになりました。そして画集が出版され表舞台に登場します。しかし、市井の人である山本は酒さえ飲めればご機嫌で有名になることなどには全く関心はなかったようです。
 一方、エネルギー転換を迎え、職を奪われた労働者が原発へ吸収され時代は変わったかに見えましたが、山本は「底の方は何も変わらない。」という言葉を残しました。その真意を考えさせることばです。
 絵画の勉強などは受けたこともなくただ「絵を描くことが好きだった」という山本の絵は炭鉱夫、炭鉱婦への愛にあふれ見るものに「労働の神々しさ」を思い起こさせます。カンテラの灯りに浮かび上がる子どもを連れた母親の炭鉱婦の絵は炭鉱のマリア」と評されているそうですが、まさに慈愛に満ちた眼差しが秀逸です。
 日本初の記憶遺産指定は、本来ならばもっとメディアで大きく報道されるべき事柄でしたが、2011年5月という日本中が大混乱の中だったので一部の人にしか伝えられずそれが残念でした。この作品をきっかけにもう一度多くの人に関心を持ってほしいものです。
 2018年の作品ですが、やっと鑑賞することができました。桜坂劇場ありがとう。

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i 新聞記者 ドキュメント

2019-12-14 | 2019日本語映画


「i 新聞記者 ドキュメント」森達也監督 ○ ☆☆

 映画監督の森達也が東京新聞の社会部記者の取材姿を追ったドキュメンタリー映画です。
 劇場公開映画「新聞記者」の原案者でもある東京新聞の望月衣塑子記者は、菅官房長官の記者会見での諦めない質問姿勢が話題となっています。質問の途中「質問をしてください。」と何度も嫌がらせを受けたり、誠意がまったくない菅長官の態度や彼女を孤立させている他社の記者たちにもめげず納得できる回答を得るまで食い下がる彼女の姿は記者魂にあふれています。そして、逆に見えてくるのは他社の記者たちの不甲斐なさです。この作品では使われませんでしたが記者集団にはびこる「同調圧力」や「権力への忖度」、それこそが前向きな議論を阻み、健全な報道姿勢を貫くことへのしばりになっているのではないでしょうか。
 望月記者を描いているように見せ、監督が見せたかったのはその他の記者たちです。記者を名乗っているみなさんもっとがんばって!!(☆☆)
 タイトルの「i(アイ)」は大勢で群れるのではなく、「一人称単数」で社会と向き合いたいという監督の意思を表しています。小文字なのは「権力を持たない、一市民」ということを強調していると思われます。
 タバコは、なし。無煙です。

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決算!忠臣蔵

2019-11-28 | 2019日本語映画


「決算!忠臣蔵」 中村義洋監督 △ ☆ 松竹

 山本博文の『「忠臣蔵」の決算書』を原作に、ほとんどの人がおおよその流れは知っている「忠臣蔵」について算盤勘定を中心テーマにし「感動的なコメディ」に仕上げました。
 赤穂藩主の刃傷沙汰で居場所をなくした赤穂藩士たちはそれでも生きていかなければならないため筆頭家老大石(堤真一)が中心となって始末をつけようとします。勘定奉行の矢頭(岡村隆史)はそろばん片手に「退職金」などひとつひとつ予算を考えていくのですが、世間が期待する「仇討ち」をするには全く予算が足りないのでした。江戸と赤穂と往復するにも結構な金額がかかります。思案の挙げ句頼ったのは藩主の妻瑤泉院さま(石原さとみ)のお化粧台でした。結果、無事みんなが知ってる「討ち入り」となるのでした。
 面白いです。義理人情はさておきとりあえず「いくらかかんねん?」という発想がユニークです。基本単位をそば一杯16文=480円としたレート計算も合理的です。また、多くのセリフを赤穂弁にしたことも言われてみれば確かに現実的な上、関西弁は上方演芸のキモでもあり、これだけで半分コメディです。そのうえ、いつも疑問に思っていたあの討入のときの衣装の由来までよくわかり大変勉強になりました。茶人大高役の濱田岳がひょうひょうとして笑わせてくれました。
 時代劇といえばチャンバラだった常識を変えている中村監督の取り組みは映画界での「時代劇の伝統」を維持するためにも大変貴重な仕事です。「ファミリーで楽しめる時代劇」のジャンルができました。(☆)
 タバコは、大変残念なことにキセルを使った場面が一度ありました。(△)


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ひとよ

2019-11-27 | 2019日本語映画


「ひとよ」 PG12 白石和彌(しらいし かずや)監督 ☓☓☓
 
 「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を映画化しました。「ひとよ」は「一夜」の意です。
 タクシー会社を営む稲村家の妻こはる(田中裕子)は子どもを夫の暴力から守るため夫を殺害し、「15年後に戻ってくるけれどそれまで自由に生きなさい。」と言葉を残し、警察に出頭します。
 そして15年後、長男の大樹(鈴木亮平)次男の雄二(佐藤健)娘の園子(松岡茉優)は、なんとかそれぞれの生活を営んでいました。そこへ、母が帰ってきたという連絡が入り家族が揃います。素直に喜びきれないものの長男と娘は母を受け入れますが、次男は大きなわだかまりを抱いていました。家族は再生することができるのでしょうか。
 裁判のことは全く触れていませんが、素人判断では、情状酌量、執行猶予で済まなかったのか、大きな疑問が起きます。また、雄二一人が悪者で、周囲の人々が優しすぎるのもちょっと現実的ではないような気がします。本当にこの映画のように周囲が優しければ犯罪者の更生ももっと進むと思いますが・・・。そういう点では佐々木蔵之介の存在が現実的で光っていました。
 タバコは、白石監督ですからタバコが出ないわけがなく、兄弟3人が揃って喫煙する場面を設定するとは・・・でした。あるインタビューで主演の佐藤健は「汚れた人格」を演じるため予めタバコを吸って体の内部から汚して撮影に臨んだそうです。たしかに眼とか肌とか汚かったです。俳優って大変ですね。きれいな体に戻すのは結構時間がかかりますよ。
 タバコネタでは、タクシー会社の事務所内に「車内の匂いに気をつけましょう。」という内容の張り紙がありました。タバコはもちろんですがタバコ臭を消すための消臭剤の匂いも困ります。


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ある船頭の話

2019-11-17 | 2019日本語映画


「ある船頭の話」 オダギリジョー監督 ○

 俳優のオダギリジョーが初監督した長編ドラマです。
 山奥の川の渡し船の船頭をしているトイチ(柄本明)は毎日様々な人を載せて川を渡ります。「」と子どもたちから石を投げられることもありますが、村人にとってはかけがえのない存在でもありました。村の青年源三(村上虹郎)が時折やってくるほかは訪れる人もなく、暇なときには釣りをして川岸の小屋で穏やかに過ごしていました。
 ある時、川上から少女(川島鈴遥)が流れ着きます。事情があるようでしたが、何も語りません。少女の登場と川にかかる橋の建設で穏やかな日常に波がたつのでした。
 渡し船の利用者として出演する俳優たちがそれぞれ社会のひとつの側面を端的に表現しています。オダギリ監督の交友関係の広さと深さを感じさせるキャスティングです。また、スタッフには世界から才能を集め日本の小さな山奥の姿を美しく描きました。特にクリストファー ドイルの撮影はお見事でした。「残したい日本の風景」です。
 難を言えば、トイチのセリフが説教臭いのと説明しすぎなことでした。気持ちの変化などはベテラン俳優の演技力を信じて表情だけで観客に伝えられたのではないかと思います。観客にもそれくらいの推察力、洞察力あると信じてほしかったです。
 タバコは、なし。無煙です。出演者の中には喫煙しそうな俳優も多かったのですが、タバコに関しても国際水準で対応できていて、その点は評価できます。


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