無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

真実

2019-10-28 | 2019外国語映画


「真実」 是枝裕和監督 仏日合作 ☓☓☓

 カトリーヌ ドヌーヴとジュリエット ビノシュを迎え是枝監督のオリジナル脚本で母と娘の確執と和解を描きました。
 大女優のファビエンヌ(カトリーヌ ドヌーヴ)が自伝を出版したお祝いにアメリカで暮らす娘リュミール(ジュリエット ビノシュ)が夫(イーサン ホーク)と子どもを連れて母親の元を訪れました。自伝を読んだリュミエールは「書くべきこと」が書いていないため母親を責めます。一方ファビエンヌの秘書も「自分のことが一行も書いていない」ということで、故郷に帰ってしまいます。リュミエールは秘書代わりとなってしばらくファビエンヌの撮影現場に付き添うのでした。
 映画の中で撮影されている母親と娘を主人公にした物語が現実の母と娘の問題を浮き彫りにし落ち着くところに落ち着くという、めでたしめでたしの内容です。
 それぞれの記憶にはズレが有り誤解したまま大人になってしまうことも仕方がないことですが、できればこのふたりのように自然に誤解が解けるチャンスが有るといいのですが。
 時間の都合で日本語吹き替え版を観てしまい、主人公二人の女優の日本語に馴染むまでしばらく戸惑いを感じました。
 タバコは、カトリーヌ ドヌーヴがたびたび喫煙していました。あの齢であの体での喫煙は命がけですね。
 

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空の青さを知る人よ

2019-10-27 | 2019日本語映画


「空の青さを知る人よ」 長井龍雪監督 △

 秩父を舞台に、勉強や進路はそっちのけで、ベース演奏に日々明け暮れる高校生相生あおい(声 若山詩音)と早くに両親を亡くしたため親代わりの姉のあかね(声 吉岡里帆)を描いた長編アニメ映画です。
 高校生だったあかねはお堂で練習するバンドのメンバーのしんの(声 吉沢亮)から一緒に東京へ出ようと誘われますが、幼い妹がいることもあり地元で就職します。そして13年後お堂でひとり演奏をしているあおいの前になんと高校生のしんのが現れます。その頃町では音楽祭が企画され大物演歌歌手がやってきます。なんとそのバックバンドにあの慎之介がいたのです。お堂にいる(不思議なことにお堂から出ることはできない。)しんのとは違い大人になった慎之介はふてくされていてやさぐれていました。あかねは再会できたことと慎之介の変化に心が揺れました。
 あおいは二人の関係をなんとかしようとするのですが・・・。
 姉妹それぞれに絡んでくる父子の存在が物語の幅を広げる効果を出しています。それぞれが自分の気持に正直なのが爽やかです。
 冒頭で「♫そこに行けばどんな夢もかなうというよ♫」とどこかで聞いたことがある名曲が流れしばらくして「ガンダーラ」と気付きました。希望としてはエンディングでももう一度フルコーラスで聞きたい曲でした。
 タイトルは「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」ということばからです。
故郷の小さな町で暮らし「井の中の蛙」と言われようと実は「空の青さ」、つまりは生きがいを持ってポジティブに生きることはできるということでしょう。
 同じく地方が舞台の66の「楽園」とは地方で生きることを真逆に捉えた作品で、筆者としてはこちらの方が好感が持てます。
 タバコは、音楽関係のスタッフが外で喫煙しましたが、主役級は喫煙せず。(△)


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楽園

2019-10-26 | 2019日本語映画


「楽園」 瀬々敬久(ぜぜ たかひさ)監督 ○ 東映

 ベストセラー作家吉田修一の「犯罪短編集」から2つの作品をひとつの作品にしました。
 限界集落になりかけている田舎の小さな集落で少女行方不明事件が起きます。解決すること無く12年が経ちました。直前まで少女とともにいた紡(杉咲花)はずっと罪の意識に囚われていました。少女の祖父(柄本明)からは「なんでお前が生きているのだ。」と追い詰められたり、同級生で紡と同じように故郷に残っている野上(村上虹郎)にしつこくされたりしたため東京に出ます。お祭りの笛を吹くために紡は故郷に戻ります。その折12年前から誘拐犯ではないかと怪しまれていた外国籍の青年(綾野剛)と言葉を交わし親しくなりますが・・・。
 一方、善次郎(佐藤浩市)は東京で働いていましたが、妻を病気で亡くし地元に戻り養蜂業で生計を立てていました。村おこしで集落を活気づけようとしますが、集落の年寄りたちに誤解され、その上愛犬が村人を噛んでしまい、ひどい村八分の嫌がらせに合います。そして大きな事件が起きてしまうのでした。
 「ジョーカー」の日本版を見ているような感じでした。貧困や外国人または出戻りだからと理不尽な暴力や嫌がらせの犠牲となり、耐えに耐えたあげく暴力事件を起こしてしまう構図はそっくりです。
 ただ、田舎の高齢者がまるで鬼畜のように描かれ過ぎなのではないかと思います。これでは定年後地元に帰って「人生の楽園」風に生きようと思っている人々がビビってしまうのではないかと危惧しています。
 なお、男女混浴の温泉は地方には普通にありますが、利用者はほとんどが高齢者で片岡礼子のような人は多分めったに入ってきませんので妙な期待をしないように。
 タバコは、他の作品では喫煙場面が得意の俳優が何人も登場したので心配でしたが無煙でした。


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スペシャルアクターズ

2019-10-25 | 2019日本語映画


「スペシャルアクターズ」 上田慎一郎監督 ☓

 「カメ止め」旋風を起こした監督の劇場版第2作目で、前作同様俳優のあて書きの脚本です。
 役者志望の和人(大澤数人)は男性からきつく問い詰められると失神してしまうという持病がありました。そのため警備員のバイトも「明日から来なくていいから」と言われ途方にくれながら最後の仕事をしていました。そのとき目前で暴力事件が起き、なんと実の弟宏紀(河野宏紀)と数年ぶりに再会します。弟から奇妙な役者の仕事を紹介され、エキストラのような、なんでも屋のような役者の仕事を始めます。そして、あるカルト教団に狙われた旅館を救うための大芝居に参加することになるのでした。
 「なにかからくりがあるはず」という眼で観てしまい「やっぱりな」という感じでしたが、でも実はその上をいっていました。
 新人発掘プロジェクトのような作品で、これからの活躍に期待したいところです。
 タバコは、弟役が喫煙しましたが、ネタバレになるので微妙な表現になりますが、「あの立場」の人は基本的に喫煙はしないのではないでしょうか。
 また、弟が喫煙したことに対して「ここで吸うな」と取り上げたタバコを缶コーヒーの中に入れましたがあの行為は絶対にNGです。身体に害があるどころではなく誤って飲んでしまうと死んでしまう危険があります。(☓)
 映倫の担当者はこういうところをチェックしてほしいものです。
 ワークショップで俳優を育てる場合は演技だけでなくタバコを巡る社会情勢の変化もきちんと教えないと古臭い演出が引き継がれてしまい滑稽です。


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任侠学園

2019-10-24 | 2019日本語映画


「任侠学園」 木村ひさし監督 ☓

 義理と人情で社会に貢献するやくざを描いた今野敏の小説「任侠」シリーズを映画化したコメディです。
 弱小やくざ阿峡本組の組長(西田敏行)は経営不振におちいった学校の再建に取り組みます。日村(西島秀俊)ら子分5人は苦手な学校にでかけます。「問題は特にありません。」という校長(生瀬勝久)でしたが、夜になるとガラスが割られていたのです。犯人は意外な生徒たちで、その上、保護者会の代表(光石研)らの嫌がらせが始まるのでした。実は学校の土地が、ある暴力団に狙われていたのでした。果たして生徒たちの学びの場を守ることができるのでしょうか。
 やくざなのに人間ができすぎているのが、ちょっとナンですが、そこがこの作品のおもしろいところでもあるので「あったらいいな」というこれもまた、ファンタジーの世界でしょうか。上納金とかどうやって稼いでいるのかそのあたりがわからずそこもまたファンタジー?
 タバコは、組長の西田が喫煙者で何回か喫煙、というかタバコを手にするだけの場面もありました。年齢と体つきから考えて喫煙は1本でも命取りになりますね。
 中尾彬はシガレットケースからタバコを出すかと思わせておいて綿棒を出すなどタバコネタのギャグが笑えます。また、ヤクザのような刑事がタバコではなく棒付きキャンディをくわえているのも楽しいです。脱タバコに監督も色々工夫していることがうかがえます。
 ラストに流れる「また逢う日まで」を西田が聞かせてくれますが、タバコを吸っているとそのうち咽頭炎で歌えなくなりますよ。もったいないことです。
 そこで、提案「阿峡本組三ヶ条」に「組員は喫煙してはならない!」を加えたらどうでしょう。


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見えない目撃者

2019-10-23 | 2019日本語映画


「見えない目撃者」 R15+ 森淳一監督 ○ 東映 ☆☆

 2011年の韓国映画「ブラインド」をリメイクしました。
 優秀な成績で警察学校を卒業した浜中なつめ(吉岡里帆)はその晩に交通事故を起こし同乗していた弟を亡くし、自分は失明してしまいます。3年が経ち盲導犬ハルとでかけた折車と接触します。そのときに車の中から助けを求める声を聞きます。車は行ってしまいましたが、警察にも連絡しやはりその車と接触していたスケボー少年(高杉真宙)とともに少女誘拐事件の真相を探るのでした。
 オリジナルの作品を観ていないので比較はできませんが、脚本が素晴らしく(藤井清美、森淳一)無駄なシーンがありません。期待通りのスリルとサスペンスにドキドキハラハラさせられます。
 それだけでなく、家出少女の実態や家出しても警察に届けない家族の状況など今の社会が抱える「闇」にも触れています。「行き過ぎの表現(監督談)」で年齢制限がついてしまいましたが、事件の犠牲者になっていた少女と同年齢の15歳以上の未成年者やその保護者たちにも観てほしい作品です。(☆☆)
 難を言えば、刑事二人の行動が無謀すぎで、真実味に欠けてしまいました。本物の刑事さんに怒られそうです。
 タバコは、なし。無煙です。(○)


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蜜蜂と遠雷

2019-10-21 | 2019日本語映画


「蜜蜂と遠雷」 石川慶監督 ☓☓

 恩田睦原作のベストセラーを映画化しました。
 ピアニストの登竜門であるコンクールを目指す4人の姿を描きました。英伝亜夜(松岡茉優)は天才少女と言われながらも7年前にコンクールをドタキャンし、今回は復帰をかけています。高島(松坂桃李)は年齢制限ギリギリで、楽器店で働くサラリーマンで生活者の音楽を目指します。亜夜の幼馴染のマサル(森崎ウィン)はアメリカの名門学校で実力も感性も世界のトップレベルに成長していました。そしてもうひとり亡くなった名ピアニストの推薦状を持った謎の新人風間塵(鈴鹿央士)です。4人はライバルではあるものの音楽への愛についてはお互いを認めあっていてそれぞれを高め合いながら本選へ向かうのでした。
 競争の世界では夢のような4人の関係です。ある意味ファンタジーの世界ですが、ファンタジーには付き物の悪役の指揮者(鹿賀丈史)や審査委員長(斉藤由貴)が存在感を出していました。
久しぶりにクラシック音楽を聞きたくなりました。
 タバコは、その斉藤由貴が喫煙者で何回か喫煙しました。バーでの喫煙もありましたが、それで世界を相手にできるのでしょうか。(☓☓)


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ジョン ウィック パラベラム

2019-10-20 | 2019外国語映画


「ジョン ウィック パラベラム」 R15+ チャド スタエルスキ監督 米 △

 殺し屋ジョン ウィックがアクションを繰り広げるシリーズ3作目。
 前作で、殺し屋御用達の聖域「コンチネンタルホテル」で、「ホテル内で殺しをしてはいけない。」という掟を破ってしまったジョン(キアヌ リーブス)は聖域から追放されます。そのうえ彼には賞金がかけられたため次々刺客が襲いかかります。満身創痍となったジョンはかつて「血の契約」をしたソフィア(ハル ベリー)に助けを求めるためカサブランカに向かうのでした。
 「ガン フー」(銃とカンフーのあわせ技)「カーフー(カーアクションとカンフー)」鏡部屋効果の「ラーアクション(筆者命名)」などさまざまなアクションを盛り上げる仕掛けが息次ぐまもなく繰り広げられます。妙に古めかしい制服の女性事務員というのも時代を謎にしています。
 ジョンの愛犬やソフィアの武器ともなっている闘犬2頭が名演技を見せています。
 日本人刺客の変な日本語はまあご愛嬌ですかね。
 タバコは、カサブランカの場面で水タバコを吸う現地の殺し屋の姿がありましたが、主役級の喫煙はありませんでした。(△)


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イエスタデイ

2019-10-19 | 2019外国語映画


「イエスタデイ」 ダニー ボイル監督 英 ○

 自分だけがビートルズを知っている世界に紛れ込んだ主人公の活躍を描く音楽コメディです。
 イギリスの海辺の町でシンガーソングライターをしているジャック(ヒメーシュ パテル)はマネージャーで幼馴染のエリー(リリー ジェイムス)に励まされながらなんとか売れないシンガーを続けています。そんな折、交通事故にあい気がついた世界にはなんとビートルズが存在していなかったのです。必死になって名曲の歌詞を思い出し、ライブで歌うと拍手喝采、そしてアメリカでメジャーデビューすることになります。教師をしているエリーと別れ古い友人をマネージャーにして新しい世界を目指しますが・・・。
 ビートルズがいない世界は考えられないという作者の発想のおもしろさがこの作品のキモです。ビートルズの名曲に囲まれている世界がなんと豊かな世界なのかということを教えてくれます。ラストの「ヘイ・ジュード」が感動的です。
 タバコは、なし。無煙です。実はビートルズの他にもコカ・コーラやタバコは存在しない世界なのです。タバコのない世界には憧れますね。


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ジョーカー

2019-10-18 | 2019外国語映画


「ジョーカー」 R15+ トッド フィリップス監督 米 ☓☓☓NTS

 DCコミックスで「バットマン」の敵役となっている「ジョーカー」の誕生物語を描きました。
同シリーズ映画で初めてベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました。
 愛する母親から「どんなときでも笑顔で人を笑わせなさい。」と言われ育ったアーサー(ホアキン フェニックス)はピエロのメイクをし、街に立っています。しかし、理不尽な扱いばかり受けひどいときには病気の「笑い病」のため暴力まで受けるのでした。母親は今人気急上昇中の政治家と若い頃繋がりがあったことだけが頼りで彼に手紙を書き続けますが何の音沙汰もありません。その上アーサーは職場でミスを犯しクビになってしまいます。絶望の中アーサーの妄想は彼を苦しめ狂気の世界へと導いていくのでした。
 悪の象徴のようなキャラクターとして存在していますが、その根底には救いのない深い絶望がありました。評価が高い理由には「救いのない社会」が広がっていてアーサーだけの特別な問題ではなくなっているところに世界の観客の共感が集まっているのではないかと思います。
 予告編の編集が素晴らしくザワザワとした不安感が的確に表現されていました。
 また、チェロの不気味な音楽が大変効果的でした。
 タバコは、アーサーが常に喫煙していますが、これはひとつの「症状」として描いていると思われます。ただ、演じた俳優には結構過酷な仕事でしたね。全力で走らされたりしていたので命がけの演技でした。ちなみにタバコ会社はスポンサーになっていませんでした。




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