無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ウスケボーイズ

2018-12-31 | 2018日本語映画評


「ウスケボーイズ」 柿崎ゆうじ監督 ◯ ☆

 日本産ワインを世界レベルまで引き上げたワインコンサルタント麻井宇助(アサイウスケ)の教えを受け継いだ若者たちの姿を追った河合香織のノンフィクション「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」を実写映画化しました。
 ワインが好きで「ワイン友の会」を開催している学生たちのグループがある時、かなうはずがないフランスワインと遜色ない日本ワイン「桔梗ヶ原メルロー」と出会います。その後「桔梗ヶ原メルロー」を作った麻井の話を聞き、それぞれワインやぶどうに関係する仕事についたものの「自分のワイン」を求めることに方向を変えるのですが、なかなか思うようには行かないこともあるのでした。
 同じことを夢見る仲間がいることの素晴らしさと、日本ワインの底力を感じさせる作品です。宇助の言葉にはワインだけでなく物作りに携わる人なら誰もが心を動かされます。日本酒や焼酎、泡盛などの製造者の励みになる作品です。多くの人に観てほしいのですが、はっきり言ってタイトルが今一つです。何も知らないと「タワケボーイズ」のイメージでおバカ男子の話かと勘違いしてしまいます。宇助さんはそれほどメジャーではないので、ちょっと残念です。
 タバコは、なし。無煙です。タバコを吸ってワインのテイスティングをしていたら笑えましたけどね。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジーマーミ豆腐

2018-12-30 | 2018日本語映画評


「ジーマーミ豆腐」ジェイソン チャン、クリスチャン リー監督
            シンガポール日本合作 ☓
 
 2018年第10回沖縄国際映画祭招待作品です。
 シンガポール発の沖縄映画で、スタッフも出演者も国際的で英語の字幕付きです。
 シンガポール人の料理人(ジェイソン チャン)が、失恋を癒やしに来た沖縄で、沖縄の人、自然、料理、文化と触れ合うことで、再び料理を作る喜びにたどり着く、という物語です。
 琉球の宮廷料理や家庭料理が中心ですが、美しい自然やアクティビティなどもさりげなく紹介されています。観た人はチャンプルとか沖縄天ぷらなどが食べたくなりサイクリングやシュノーケルもやりたくなってしまいます。
 タバコは、主人公が修行する沖縄家庭料理の食堂の調理人佐久本(津嘉山正種)が喫煙者で2回ほど喫煙しました。タバコを持った手でジーマーミ豆腐を絞るのかと想うとヤニくさそうでちょっといやですね。喫煙者が微妙な味の違いを判断できるのかこちらも疑問です。映画の中では喫煙が原因だったのかあっけなく亡くなってしまいますが・・・。 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カメラを止めるな!

2018-12-30 | 2018日本語映画評


「カメラを止めるな!」上田慎一郎監督 ◯ ☆☆☆
  <補足>

 DVDになり、やっと2回目を観ることができました。
 何度観ても面白い作品ですが、2回目はより細部に目が届き、構成の奇抜さに衝撃を受けるだけで終わってしまいますが、実は、さまざまな社会問題を絡めた小ネタが周到に描かれています。例えば、撮影現場に赤ちゃんを同伴する女優さんがいて「育児と仕事」の困難さを取り上げ、また、アルコール依存症の俳優を登場させるなど、単に面白いだけではない深い作品でもあったのです。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

2018-12-30 | 2018日本語映画評


「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」 前田哲監督 ◯(おまけ)

 12歳のときに筋ジストロフィーを発症した鹿野靖明がのべ500人を超えるボランティアとの「自立した生活」の姿を映画化しました。
 美咲(高畑充希)は合コンで知り合った医学生の田中(三浦春馬)に誘われ鹿野(大泉洋)の介助ボランティアを体験します。鹿野はボランティに囲まれ王様のように暮らしていました。そんな鹿野に疑問を感じる美咲でしたが、ぶつかりあいながらも、生きることに妥協しない鹿野の振る舞いに少しずつ理解と共感を感じるようになるのでした。一方、田中は美咲がある嘘をついていたことにこだわり鹿野と美咲から離れようとするのでした。
 両親の元からも病院からも離れボランティアだけを頼りに生きてきた鹿野のどんなワガママを言っても憎みきれない魅力を大泉洋が好演しています。また、萩原聖人、宇野祥平、渡辺真起子らが仕事や家庭がありながらも24時間対応を工夫している姿をいつもとは少し違う役どころでしたが好演しました。
 障害者の自立について考えるきっかけとなる作品です。
 ラストに本物の鹿野さんが登場しますので、ポルノグラフィティのエンディングテーマ曲を聞きながら最後まで席を立たないように。
 タバコは、鹿野がイライラして「タバコ!」と要求し、医学生の田中が「タバコは止めたほうが・・・。」と止めますが、「いいから火をつけて」と言ってタバコを咥えたところであることが起きタバコを落とし場面は変わりました。タバコは登場しますが、無煙なのでおまけの◯です。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

極北のナヌーク

2018-12-28 | 2018外国語映画評


「極北のナヌーク」 ロバート フラハティ監督 米 ◯

 1922年にカナダ北部の極寒の地で暮らすイヌイットナヌークの家族を追ったドキュメンタリー映画の原点と言われる作品です。日本では1924年に公開されました。今回は同じ監督の「モアナ」公開に合わせ同時公開されました。白黒サイレント映画ですが、音楽は後に加えられています。
 日本人と殆ど変わらない顔や体ですが、氷の世界で鮭、アザラシ、セイウチ、ホッキョクグマ、北極キツネなどの狩りを生業にし、生肉を食べ、水は獣油を燃やし石の鍋で雪を溶かして飲んでいます。衣類は動物の毛皮や魚の皮で、住居は雪の塊をブロック型にして組み上げて作ります。家族仲良く、今考えればほとんど環境負荷のない生活です。しかし、撮影して数年後ナヌークは餓死をしてしまったという事実は現実の厳しさも伝えていました。
 タバコは、なし。無煙です。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガンジスに還る

2018-12-27 | 2018外国語映画評


「ガンジスに還る」 シュバシシュ ブティヤニ監督 インド ◯

 年老いて「死」を受け入れようとする父親と息子家族との心の交流を描きました。
 77歳のダヤ(ラリット ベヘル)は、毎日今はなき母親が自分を呼んで探しているという同じ夢で目覚めるようになりました。母が呼んでいると察したダヤはバラナシの「解脱の家」へ行くことを決めます。仕事が忙しい息子ラジーヴ(アディル フセイン)は「まだ、元気なのに・・・。それにしても、孫娘の結婚式を済ませてからでもいいのでは。」と渋りますが、ダヤの決意は固く結局二人は出かけることになります。「解脱の家」では、ダヤは仲間に囲まれ新たな体験を楽しみますが、「解脱」の兆候はありません。仕事に追われている息子は父親の世話を続けることに疑問を感じることもありました。そんな折ダヤは体調を崩してしまいます。
 ガンジスの様々な表情がラジーヴを解きほぐすように観客も雄大な水の流れとちょっとコミカルでもある「解脱の家」の関係者たちの姿に「死」をテーマにした作品とは思えない開放感もあります。祖父から孫娘へスクーターが渡されたようにこの家族にも新しい風が吹いてきそうなラストが若い監督(27歳)らしい爽やかな作品です。
 さすがにインド映画ですがマハラジャダンスはおとなしめでした。
 タバコは、なし。無煙です。ただ、「バング」とかいうドラッグは登場していました。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パッドマン 5億人の女性を救った男

2018-12-27 | 2018外国語映画評


「パッドマン 5億人の女性を救った男」 R バールキ監督 インド ◯

 2000年のインドで、貧しいため清潔な生理用品を使えない多くの女性達のために偏見や困難を乗り越え安価で安全な生理用品を開発することに奔走した男の実話です。
 インドの小さな村にすむラクシュミ(アクシャイ クマール)は新婚の妻が生理のときにボロ布を使っていることに驚きナプキンを買ってきますが、それは大変高価で毎月妻や二人の妹が自由に使える値段ではありませんでした。そこで、物作りが仕事のラクシュミはなんとか自分でナプキンを試作し妻に使ってもらおうとしますが、当時の村社会では「血の穢れ」はタブーとなっていて何度も試作するラクシュミは狂人のように扱われ村を追い出されてしまうのでした。しかし、そこでめげず工科大学の教授のメイドとなってなんとかチャンスをつかもうとするのでしたが。
 女性たちに安価なナプキンを提供しただけでなく、働く場まで作り出し、自分だけ金を儲けようとはしないラクシュミの哲学は貴重です。何億もの報酬を当然のことのように受け取る大企業のトップには「爪の垢」でも飲ませたいくらいです。
 インド映画の見せ場でもあるダンスシーンも織り交ぜられ楽しく経済学が学べる作品です。
 タイトルにハリウッドへのおちゃめな対抗心も感じられその点もよろしい。ハリウッドだけが映画じゃないから。
 タバコは、なし。無煙です。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アリー/スター誕生

2018-12-26 | 2018外国語映画評


「アリー/スター誕生」 PG12 ブラッドリー クーパー監督 米 ☓NTS

 何度も映画化されている「スター誕生」をレディ ガガとブラッドリー クーパーの共演でリメイクしました。
 しがないウェイトレスのアリー(レディ ガガ)は夜は小さなバーで歌っていました。そこへロックスターのジャクソン(ブラッドリー クーパー)が偶然立ち寄ります。アリーの「ラヴィアンローズ」を聴いたジャクソンは彼女の虜となります。一方、アリーは自分の容姿にコンプレックスがあり大舞台で歌うことはすっかり諦めていました。しかし、ジャクソンに励まされ大観衆の前で歌い一気にスターの道を進むのですが・・・。
 主役二人はそれぞれ好演しています。ただ、楽曲にあまり馴染みがなく、「ボヘミアン ラプソディ」のようなのりの良さは体験できませんでした。
 冒頭でのライブシーンはカメラが動きすぎて「カメラ酔い」しそうでした。カメラは止めてね。
 タバコは、少々、ドラッグなどの場面もありましたが、NTSです。 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タクシー運転手 約束は海を超えて

2018-12-25 | 2018外国語映画評


「タクシー運転手 約束は海を超えて」 チャン フン監督 韓国 ☓ ☆

 1980年韓国光州で起きた民衆と韓国軍との内乱を取材しょうとしたドイツ人記者とタクシードライバーの交流を描きました。
 幼い娘と二人暮らしのタクシー運転手(ソン ガンホ)はいつも金欠病で家賃も溜まっています。金になるいい仕事の話を小耳に挟みドイツ人記者を乗せルンルン気分で光州へ向かいます。しかし、光州へは軍隊が封鎖していて侵入できません。何事が起きているのか訝りながらもなんとか山道を越え光州いりするのですが、そこでは地獄の景色に変わっていたのです。私服刑事に追われながらも地元のドライバーたちの協力を受けながらなんとかドイツ人記者に現実を報道してもらうため走り回るのでした。
 今ならばツイッターなどでライブ映像が全世界に発信できますが、当時は8ミリビデオでの命がけの撮影のみが映像として伝えられ記者がいなければ真実は闇に葬られていたのではないでしょうか。能天気だったドライバーが変化していく様子をソン ガンホが絶妙に演じていました。ラストで本物のドイツ人記者を登場させ真実の重さを強調しました。
 この作品を見ると戦場へ取材に入りトラブルに合ったジャーナリストを「自己責任」などと突き放す人がいますが、命がけで取材をする記者がいるからこそ真実が少しは伝わるのではないでしょうか。
 日本でも、沖縄の現実を知ろうとせず、国家権力の差別的仕打ちを黙認している多くの人々がいますが、幸い日本ではまだ沖縄の基地反対の姿をある程度は自由に見ることができます。現実を見ることで今作のドライバーのように自分の頭で考える切っ掛けになるのではないかと思いました。
 タバコは、タクシー運転手が喫煙者で、何回か喫煙していました。(☓)


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!

2018-12-24 | 2018外国語映画評


「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」
       エルネスト ダラナス セラーノ監督 米キューバスペイン合作 ☓☓

 1991年ソ連の宇宙船ミールに残されていた宇宙飛行士セルゲイ(ヘクター ノア)はソ連の崩壊で帰還の道が閉ざされます。そんな彼に救いの手を差し伸べたのがアメリカのNASAで、このときから米ソの宇宙競争は終わりました。実話に基づくフィクションです。
 社会主義体制の崩壊の波が押し寄せキューバでは経済危機が訪れます。大学職員のセルジオ(トマス カオ)は趣味の無線でアメリカ人の無線仲間ピーター(ロン パールマン)に愚痴をこぼしていました。そんな折、宇宙船ステーションからの無線をたまたま傍受したセルジオはソ連留学の経験があったのでロシア語でセルゲイと会話ができました。そして孤独なセルゲイをなんとか地球に帰還させるためアメリカ人のピーターにも相談するのでした。果たしてセルゲイは無事帰ることができるのでしょうか。
 セルジオとセルゲイはラテン語のセルギウスという貴族の名が語源で同じ名前ということが二人をより親密にするきっかけになりました。ときのキューバ政府の通信傍受など多くの制限と困難を明るく逆境に立ち向かうセルジオとその周囲の人々がラテン的です。一方、元共産圏のロシア人も結構いい加減で、良い結果に貢献します。また、ピーターにはソ連に侵攻されたポーランド出身という複雑な過去を持ちながらもそれを乗り越える人間性の豊かさが描かれました。
 セルジオの幼い娘が語っているという流れがほのぼの感を出しました。
 戦争を始める人がいる一方で、ひとりのために一肌脱ごうとする多くの人がいるから人類はなんとか生き延びているのかもしれません。
 タバコは、キューバが舞台ですからセルジオがいつも喫煙していました。また、老母の内職も葉巻にシールを貼る仕事でした。
 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする