大正十年に「谷風」がいた…?!

　つい最近落手した『武侠世界』臨増
相撲画報━大正十年夏場所號の「東京
全力士 出身縣別詳覽」で「神奈川…」
の最初の人が小田ノ山で…、その３番め
になんと「谷　風(浦風部屋)」とあり、
ほんとに我が眼を疑った。
　その谷風の地位が全然わからないが、
『日本相撲史』掲載の幕下どん尻までに
は該当しないことだけは確かである。

　むかしからのフレーズに「谷風の前に
谷風なく・谷風の後に谷風なし」━横綱
谷風には“先代”の谷風梶之助が存在した。
但し、成績は一切不明。
　それから、『日本相撲史』の明治初期の
京・阪番附に「谷風」が2人ほど載っている。
但し、下の名前は「梶之助」じゃぁなかった。

　前記、大正十年の谷風だが、谷嵐などの
ミスプリントの可能性だって排除できまい。

後関脇 輝昇、十両14勝の新記録

※昨日までのトータル訪問者数
　９５８,７６５

　昭和十六年夏場所、東十両七枚目
輝　曻　勝　彦〔後関脇〕の星。
〇布　引(十両７)
〇武ノ里(　〃６)
〇大ノ森(　〃11)
〇大　熊(　〃６)
〇富ノ山(　〃４)
●矢筈山(　〃８)
〇廣瀬川(　〃14)
〇神　風(　〃２)
〇照ノ海(　〃15)
〇一　渡(　〃４)
〇若瀬川(　〃２)
〇平戸灘(　〃９)
〇常陸海(　〃11)
〇小戸ヶ岩(前頭２１)
〇朝明山(十両13)

　上記対戦者のうち、入幕していないの
は、布引・矢筈山・照ノ海・平戸灘・朝明山
の５力士だった。尚、平戸灘はお隣佐賀県の
出身。
　輝曻は『大相撲』総評座談会に出席したこ
ともあるが、昭和四二年…４５歳の若さで急
逝している。
　瓜二つの片岡千恵蔵は昭和五八年79歳で歿。