『相撲史発掘』 第８８号 堂々完成 !

　拙作＆私家版『相撲史発掘』第８８号が
できました。全内容を列記いたします。

〇明治本場所の幕内記録ア…
　●しこ名の文字数＜補遺篇＞

〇江戸大相撲熱戦譜
　●天保六年冬場所

〇大正二年の合併相撲〔最終回〕
　●郷土の古新聞４紙をみる
◉出島場所の決り手つき星取表

〇大関秋津風の相手地位つき星取表

〇一陽齊豊國筆３枚つづき錦絵
〔西島康博氏提供〕

〇大正時代の短身力士

●珍手・奇技?「ぬけとったり」
◉あとがき

　頒布を御希望の方は92円切手同封のうえ
〒852-8113　長崎市上野町14-11
　　　　　　　田　　　中　　　　　　　健
お問合せは jhisa104@ybb.ne.jp

大関⇒幕下、第2号は都山

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　勿論、現代と江戸時代とを単純比較
するのは妥当じゃぁない。
　「十両」制度がなく、幕内の定員も
定められていなかったけれども…。

　はじめて番附に勧進「大角力」と書
かれた寶暦十一(1761)年冬場所は、
幕内人員が22人から14人━８人も減った。

　その“煽り”で前場所西方「看板大関」
に附出されていた都山が西“貧乏神”へ
陥落してしまった。

　彼は、土俵入りは演じたかも知れない
が、相撲を全然取らなかった─。

【追記】寶暦十年冬は、成績が一切不詳
なので、都山が「全休」と断定できない。
或いは千穐楽(八日目)のみ取組んだかも
知れない。

三役陣の出欠情況 その135

　天保三(1832)年閏十一月場所の
三役陣は…。

大関〔横綱〕阿武松　楽日のみ不出場
大関〔横綱〕稲　妻　五日目のみ不出場
東関脇　　　花頂山　八日目まで出場
西関脇　　　緋　縅　７日間を出場
東小結　荒馬→宮城野　８日間を出場
西小結　　　秋津風　　10日間を皆勤

　横綱阿武松の相手地位つき個人別星取表
を作成した。負越した場所は全然ない。
流石、名力士の１人である。

　当該場所の二日目、“金星”を献上したが
これは８場所＝４年ぶりの記録だった。

“対岸の火事”じゃぁない…

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　民放ワイドショー恰好の“ねた”に
なっているのが、マンモスN大の不祥事
━場合によっては、“反則”行為に刑事
責任が……?

　かつてN大の相撲部と・旧H部屋とは
アマ・プロの垣根を超えた“交流”が
公然とありつづけた。

　後横綱Wなんか、その相撲部での猛稽古
の“貯金”でプロ入り…“土俵の鬼”曰く
あの「下手投」は絶対に喰わない。

　N大の現理事長だって相撲部出身で元
学生横綱だ。かつて“黒い交際”が……。

　「体質改善」が急務中の急務なのは、
日本相撲協会も・N大学もおなじことだ。

家慶上覧、越の海1-1高根山

　「上覧相撲」と云えば、寛政三(1791)年の
11代徳川家齊のそれが、もっとも盛大であり、
相撲史の重要事項のひとつだ。　

　次代将軍…家慶の上覧が天保十四(1843)年
九月二十五日〔旧暦〕に開催された。

　我国最高の相撲文献とされる『日本相撲史』
上巻314頁に当日の取組結果など掲載。

　そのなかに、「稽古取組」(〇印勝)─とあり、

〇越ノ海　〇高根山

　勝手に解釈すれば、最初は越の海が白星で
２番めに髙根山が…。仲良く１勝１敗と星を
分けたところで次の稽古相撲へ……。

　直近━天保十四年春場所は、両力士が同じ
西方に列して対戦せず、当該上覧相撲では
恰好の好取組━実力も大体伯仲していたと愚
考する。

　それで香蝶楼國貞の錦絵に登場したと結論
づける次第である。