同部屋が東・西に分裂しても…

　さきに採りあげた『中外商業新報』の
「根岸理事語る」と云う小見出し記事に
注目すべき箇所が……。

〔前略〕雷(いかづち)部屋の東雲(しののめ)
と新入幕の摩耶颪とを西方に廻した、同部屋
全部を廻さないので土俵上に於ける情實を
懸念したものもあつたが成るべく同じ部屋
力士とは顏を合せぬやうにし萬一合ふ塲合
には撿査役が十分な監視眼で之を防ぐ事に
した〔後略〕

　同じ部屋の力士を対戦させないのは、
「成るべく」じゃぁないはず。〔現同点
決勝は例外。〕
　当時、「監察委員会」もなければ、「監察
委員」の親方━勝負検査役もおらず、“情実”
を防ぐためには、「同部屋戦わず」の“鉄則”
を維持するほかあるまい。

訪問者…６７万人突破 !

　当ブログの訪問者数が開設3,745日め
の昨日、延べ６７万人を突破いたしました。

　670,301÷3,745≒１７８.99　

　大体１日179人弱の方に御訪問いただいて
いる勘定になります。でも、これは飽くまでも
開設以来の平均値であります。最近４日連続
400人を超す御訪問を頂戴しております。

　衷心より感謝を申しあげますとともに、
今後も支障のない限り１日２回更新いたす
所存なので、何卒よろしく お願い申しあげます。

弱いから連続負越しの鳳

　或る力士の星取表の一部分を…。

　大正八年夏場所
〇前九　宇都宮(腰投げ)
●前八　宮城山(掛凭れ)
や〔前一 福柳に休まれる〕
●前二　大門岩(寄倒し)
〇関脇　常ノ花(小手投)
●前六　源氏山(寄倒し)
●大関　對馬洋(　〃　)
〇横綱　大　錦(小手投)
●前三　駒　泉(凭れ込み)
●横綱　栃木山(打っ棄り)
　３勝 ６敗　負越し３点
　与えた金星　４箇

　大正九年春場所
〇前五　宇都宮(吊出し)
〇前三　九州山(上手投)
〇前一　大門岩(打棄り)
●前四　大ノ里(押切り)
●小結　源氏山(寄倒し)
や〔予定相手は関脇常ノ花〕
や
や
●横綱　大　錦(寄倒し)　
●　〃　栃木山(　〃　)
　３勝４敗・３休　負越し１点
　与えた金星　１箇

　２場所連続負越しだから、大関ならば
関脇以下へ陥落しているはず。
　某氏が「鳳は弱くない」と云ったが、
到底同調できない。

窮余の策?

※昨日の閲覧…1,357・訪問…４９４
トータル訪問者数　669,857

　大正七年春場所〔於靖國神社〕
　東関脇　九州山 十郎の星。

△眞砂石(前五)
●大　潮(前二)
〇大戸平(前四)
〇　鳳　(西張横)
〇黒瀬川(小結)
●伊勢ノ濱(大関)
●千葉ヶ﨑(小結)
〇錦　嶋(前一)〔元関脇大蛇泻〕
や〔現代なら紅葉川に不戦敗?〕
や

　西方３大関で、東方大関空位じゃぁ
東西不均衡がひどくなるので、“穴埋め”
に過ぎなかった。

なんで根岸が「理事」なのか?

　鳥渡ばかり納得できない記事について。

　『中外商業新報』の大正九年五月八日
づけ相撲記事━小見出しに「根岸理事語る」
とある。東京大角力協會発行番附に「理事」
なる職制が載ったのは、その４年後の大正
十三年夏、春日野七五郎(元行司…宗四郎)・
伊勢ノ海五太夫(元柏戸)が新理事に就任。
　世襲年寄根岸治右エ門は、番附などの版元
だったが、大正十年から協会内に「出版部」が
置かれて…。
　もひとつの疑問は、当該記事は恰も番附編成
の責任者の代表的存在が根岸と云う記述ぶり。
　先入観としては、出羽海(元常陸山)・友綱(元
海山)両取締とか、勝負検査役10名が番附編成の
会議へ出席━版元根岸は“蚊帳の外”のはずなのに。