「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「ワーグナー」向きのシステム

2019年05月31日 | 音楽談義

いつものように過去のブログのアクセス・リストをみていたら「夢を持ち続ける」(2017・7・29)がランクインしていた。

ほんの2年前の記事なのに「はて、どういう内容だったかな?」と、我ながら情けない記憶力にガッカリしてしまう(笑)。

さっそく中身の方を確認してみると、日経新聞の「交友抄」という記事の紹介を皮切りに以下のような内容だった。

「久しぶりにごく親しい友人たちと会った際にこれからの生き方ということで次の3つの申し合わせをした。1 健康管理に気をつけること 2 奥さんを大切にすること 3 夢を持ち続けること。」

1と2はよく分かるが3となるとちょっと難しい。はてさて、この歳になって夢ねえ・・・。

オーディオで理想的な音を出すことも一つの夢だが、いかにもスケールが小さすぎるようで(笑)。

皆さまは夢を持ち続けていますか?

夢といえば、作曲家「グスタフ・マーラー」(1860~1911)が在世時に「やがて私の時代がやってくる!」と実にカッコイイ言葉を遺したことを思いだした。

その夢が後世になってほんとうに実現するのだからお見事としか言いようがない。

マーラーの曲の中で一番胸を打たれるのは「大地の歌」(クレンペラー指揮)の第六楽章で、旋律もさることながら歌詞がいい。

中国の「孟浩然と王維」の漢詩をもとに「この世への大いなる惜別の情と諦観」がメゾ・ソプラノ(ルートヴィッヒ)で朗々と歌われていく。

晩年に聴くのにはとてもふさわしい曲目だが、さて
マーラーさんは現代では作曲家として非常に有名だが、実は生存中は音楽家としての時間の大半(5/6)をオペラ指揮者として過ごしていた。

楽家マーラーの一つの不幸は、その死後、作曲した作品が高く評価されたため、指揮者としての業績が隠れてしまったことだという。

もちろん、当時は録音技術なんか存在しなかったので、現在では彼の指揮した曲目をまったく聴く機会がないのもその理由の一つ。


というわけで、珍しいことに指揮者としてのマーラーにスポットを当てたのが次の本。

                               

本書では意識的にマーラーの創作とその過程については最低限のことしか触れず、指揮者としてのマーラーが当時の音楽界でどのようなポジションにあり、そのポストをめぐり、どのようなドラマがあったのかに焦点を絞り、なおかつ彼がいつどの演奏会場でどういう曲目を指揮したかを詳らかにしている。

興味を引かれた点をピックアップしてみよう

 ヨーロッパでの音楽鑑賞といえば歌劇場における「オペラの上演」が圧倒的な割合を占めている。マーラーは極論すれば、ワーグナーとモーツァルトのオペラの指揮ばかりしていたが(2025回も!)、とりわけ「魔笛」を振った回数は歴代指揮者の中でN0.1ではなかろうかと、思うほどその多さに驚く。

なお、当時ワーグナーのオペラを指揮する事は指揮者にとって憧れの的であり、そのために指揮者同士がその権威とポストをかけて血まなぐさい(?)争いを展開している。その点でマーラーはニキシュ(ベルリンフィル常任指揮者)とも正面きって争うなど実に好戦的だった。

とまあ、だいたい以上のような内容だった。

何が言いたいかといえば、当時(1900年前後)、「ワーグナー」のオペラは別格だったんですね~。しかるに現在では・・・。

これでもブロガーの端くれなので、他人様のブログをちょくちょく拝見させてもらっているが、ワーグナーのオペラを鑑賞されている記事は皆無といってもいいくらい見当たらない。

いったいなぜ?

およそ想像がつく方が多いと思うが、このところずっとご無沙汰だったワーグナーを改めて聴いてみた。

ショルティ指揮の「ワルキューレ」(4枚組)

  

システムはこういうときこそ「ウェストミンスター」(改)の出番だろう。

   

やっぱり、ワーグナーはファンダメンタルな帯域での弦のユニゾンをスケール感豊かに再生できるシステムじゃないと聴けないことを改めて確認した。

昨今のマンションオーディオの波及によってスピーカーの小型化が進む状況ではますますワーグナーさんが遠ざかるばかり。   

ただし、我が家ではアンプとの相性がもろに出た。

はじめに「300Bアンプ」で鳴らしたところ低音域の重量感がやや物足りない。小編成の室内楽やボーカルでは無類の強さを発揮するのにやっぱり万能とはいかないようだ。

そこでPX25アンプに代えたところ、今度は中低音域の重量感ある再生が理想的といっていいくらいに見事に応えてくれた。
              

日頃から脚光を浴びている「300Bアンプ」の陰に隠れた地味な存在だが、ワーグナーの音楽となると水を得た魚のようになる頼もしい存在だ。

結局、オーディオの要諦とは「アンプ ⇔ スピーカー ⇔ 音楽ソース」の三つ巴の空中戦みたいなところがありますね(笑)。


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メーカー不明の300B

2019年05月29日 | オーディオ談義

ネットオークションの利用を始めてからおよそ20年ぐらいになる。

我が家のオーディオ機器の半数以上がオークションで手に入れたものなので、まさに切っても切れない関係にあるが、そのうちでも多量にゲットした品物は真空管だった。

初めの頃は知識も乏しかったので「測定値」無しのものを買ったりして「当たり外れ」に一喜一憂だったが、今では入札する前にちゃんと専門家のご意見を伺うようにしているので「万全の体制」を構築しているつもり(笑)。

とはいえ、もう在庫は飽和状態に達しており欲しい真空管はまず無いといってもいいくらいで、後は明らかにお買い得というか、メチャお値段が安くて「掘り出し物」あたりにときどき関心を向けている。

安い値段で仕入れて高い値段で売り飛ばし、一儲けしてやろうという山っ気がまったく無いと言ったらウソになるかな(笑)。

そういう中、ふと目にとまったのが「300B」真空管。

オリジナルの「WE300B」(ウェスタン製)で戦前の「刻印」もの、かつ程度のいいものなら、ひところは100万円(ペア)もしたほどの代物である。まあ、「直熱三極管」の王者ですね。

オークションでの画像は次のとおり。

   

一目見ただけで管内の透明度からほぼ新品の状態であることが自分のような素人でも分かった。

説明書きにはこうある。

メーカー不明 真空管300B2本 長期保管品 新品未使用品 昭和初期購入です。長期保管品となります。動作不良の場合は返金させていただきます。 

(2019年 5月 17日 10時 27分 追加)

購入は、戦後初期、東京で買われたそうです。

なかなか微妙な300Bですねえ(笑)!

ソケットの部分には「300B MADE IN USA」とあるだけで、オリジナルのウェスタン製ではないことだけはたしかだが程度は凄くよさそうだし~。

こういうときは「北国の真空管博士」の出番に限る。「ちょっとオークションを見ていただけませんか」とお願いすると、

「明らかに新品の状態ですね。当時300Bを製作できるメーカーといえばGEあたりでしょうか。むしろ、へたったWE300を使うよりもずっといいかもしれませんよ。〇〇万円以内ならたいへんなお買い得だと思います。」

へーぇ、GEですか・・・、と、これまでGE製の真空管にはあまりいいイメージを持っていないので明らかにトーンダウンしたところ、

「GEってとても由緒あるメーカーですよ。なにしろ創設が古いしトリタン・フィラメントのパテントを持っているぐらいですから技術力はたいしたものです。途中から重電部分に比重を移しましたが、子会社としてRCAを創設したほどです。」と博士。

「そうですか!」と、俄然乗り気になって落札日に〇〇万円で入札してそのまま白川夜船、翌朝パソコンを開いたところ「あなたが落札者です」のメールに接した。

予想外の低い落札額だったことにうれしい悲鳴!(笑)

どうやら「WE」の文字が入っていないので敬遠されたらしい。

さっそく博士にご注進。「〇〇円で落札しましたよ。」

「それはたいへんなお買い得でしたね。長期間保存した球は真空度が減っていますのでエージングが必要です。初めに整流管を引っこ抜いて1時間ほど温めてください。それからは通常どおり鳴らすといいです。熱を持つことでゲッターがガスを吸着して管内の真空度が上がってきます。気長に鳴らしてください」

  

さっそくアンプに挿し込んでエージング開始。

「300Bアンプの音質はインターステージ・トランスの性能で決まる」との説があるが、このアンプにはUTCの「HA-106」(スーパー・パーマロイ)が使ってあり、これは「めったに手に入らない最高級のトランス」(博士)だそうで、さりげなくPRしておこう(笑)。

例によってハラハラドキドキしながらいろんなCDを鳴らして聴いた感想では、いい音なんだけどもっと「しなやかさ」が欲しい気がした。
何しろ70年以上も保管されていた球だから馴染んでくるのに時間がかかりそうだ。

やっぱりオーディオにも根気が必要みたい(笑)。

この球が本調子になったら「300Bの球転がし」をやってみよう。

「WE300B」(1988年製)、「SV-300B」(スヴェトラーナ)、中国製300B、ロシア製(エレハモ)の300B、そしてこの「メーカー不明の300B」

冴えない球はすぐに「オークション行き」にしよっかな(笑)。

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断捨離 VS 執念

2019年05月27日 | オーディオ談義

もういい歳だし、そろそろ「断捨離」に入らなければといつも思うのだがなかなか行動が伴わない。

そもそも「断捨離とは」ご存知の方も多いと思うが改めて次の意味を持っている。

「断」=入ってくる不要なモノを断つ、

「捨」=不要なモノを捨てる

離」=モノへの執着から離れる

ということだが、まだ「断」「離」の心境は無理としても、せめて「捨」ぐらいは実行したいものである。

オーディオの方も波瀾万丈の時代を乗り越えてようやく落ち着いてきたようだし、刻々と終点が近づいているのでもう使いそうにない機器が段々と目立つようになってきた。

そのうちの一つがデッカのツィーターだ。

   

「知る人ぞ知る」リボン型のホーン・ツィーターである。

あの有名な「マーク・レヴィンソン」氏が使っていた「H・Q・D」システムの一部を成していたことでよく知られている。

Hは「ハートレーのウーファー」、Qは「クォードのコンデンサー型をスコーカーとして使う」、Dは「デッカのリボン型ユニットをツィーター」として使うというもの。

デッカのツィーターは「リボン」型特有の自然かつ繊細な響きによってクラシックにもジャズにも使えることで重宝されており、古参のマニアに愛好者が多いことで知られている。

そもそも往年の音楽ファンにとっては「デッカ」と聞いただけで胸がふるえるほどのブランドだからイメージとしてはとてもいいはず。

一時ツィーターに凝っていた時期があり、あまりにも評判がいいので「物は試し」と購入したのだが、JBLの「075」あたりと比べると能率が若干低いため使いづらく、このところ物置の片隅でずっと「髀肉之嘆」(ひにくのたん)をかこっていた。   

そろそろオークションに出品しようかなと思うのだが、いざ出すとなると何だかもったいない気がしてどうしても踏ん切りがつかない。

よし、もう一度イチかバチか挑戦してみて、それでだめならオークションに出してみよう。

もうこうなると「執念」に近いですね(笑)。

使うとなると、周波数「7000」ヘルツ以上が好ましいのでウェストミンスターの上に載せるしかない。まことに名残り惜しいが活躍中のJBLの「175ドライバー」を一時的にでも外すしかない。

ただし現用中のネットワークのクロスオーヴァーは「1200」ヘルツなのでその隙間(1200~7000ヘルツ)を埋めるためのユニットが必要だ。

そこで思い出したのが以前購入していたグッドマンのスコーカー専用の口径10センチのユニットだった。マグネットの形状からすると明らかにアルニコ型である。肝心の能率もデッカと似たようなものだろう。

    

我が家のオーディオ機器はいついかなるときに使い道が出てくるか一寸先はまったく闇だ(笑)。

結局、コンデンサーを活用して変則3ウェイということにした。

「~1200ヘルツ」(12db/oct) → 「スーパー12」

「1200~自然減衰」(12db/oct) → 「口径10センチ」(グッドマン)

「7000ヘルツ~」(6db/oct) → 「デッカのツィーター」

ネットワークの中高音域用のボリュームを最大限近く上げてようやくバランスが取れた。接続するコードはすべて「銀線」である。

   

さっそく音出ししてみると、あれっ、なかなか魅力的な音じゃじゃないか・・・。

流石にデッカだけあって「繊細かつ優雅」さがあって音楽性が満点!


「音楽性ってなんだ?」という野暮な話は止しましょうね(笑)。

「断捨離 VS 執念」はみごとに後者に軍配が上がった。

こんな優れものをオークションに出すなんて滅相もない(笑)。

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オーディオ訪問記~土管スピーカー~

2019年05月25日 | オーディオ談義

およそ4か月ほど前に「凄いぞ!土管スピーカー」(2019年1月10日)というタイトルで投稿したことをご記憶の方がおられるだろうか。

地元の新聞社の記事を下敷きにした内容だったが、それが何とまあ、つい先日(19日)には今度は読売新聞の地方版にも掲載されていた。

   

左が地元紙で、右が今回の読売新聞の記事である。さらに、いいことには連絡先としてご本人(川上さん)の携帯番号が記載されていた。

エンクロージャーが土管というのがとてもユニークで興味は尽きない。

やや遠方とはいえ同じ県内なのでさっそく「聴かせてもらえませんか」と連絡してみると、とても和やかなお方で「ハイ、どうぞ」。

何しろ70Kgもある土管なのでご自宅ではなく、近くの別の広い施設に置いてあり日参されているそうだ。(豊後大野市緒方町「りがくの里伝承体験館」)

一人で行くのは淋しいので、仲間を募ってみると総勢4名がすぐに集まった。みんな好きだなあ、オーディオが(笑)。

訪問日は24日(金)に決定。

「五月晴れ」という言葉にふさわしく雲一つない晴天の中、午前9時半に別府市内に一同集結してから出発。

カーナビの指示通りにクルマを走らせて1時間20分ほどで無事到着。

システムは野外に置いてあり、すでに音楽が鳴っていた。

  

「どうもはじめまして」、とご挨拶。とても話好きの方ですぐに打ち解けていろいろとノウハウについてお伺いした。

いかにも「手づくり」という言葉にふさわしい「3ウェイ」のシステムだった。こういうオーディオは創意工夫に溢れていて大好き!(笑)

低音域用の土管は文字通り「土で出来た管」で「信楽焼」(しがらきやき)だという。

コンクリート製ではないところがミソだが、陶器で出来たエンクロージャーはときどき聞くので、それほど珍しいことでもないがこれほどの大きさとなると別格だろう。

めったに手に入らない代物で、知人に三拝九拝して譲りうけたそうだ。

  

長さはおよそ70センチくらいだが背圧(逆相の音)の処理の仕方が実にユニークで「雨どい」を利用してうまい具合に逃がしてある。

中高音域は廃棄処分だった古タイヤを利用してあったがとても器用なお方だと改めて感心した。

アンプはプリ、パワーともに自作の真空管アンプで後者は「2A3プッシュプル」アンプ。ソースはレコードでプレイヤーはデンオン。

   

肝心の音質だが「低音がボンつくのが何よりも嫌いです」と仰る通り、とても締まった音だし鮮度も高いし、バランスもいいしで一同心から感心!

内心、危惧していた「大雑把な音」とは天と地ほどにかけ離れていた(笑)。

「半世紀の積み重ねです」というお言葉は決して伊達ではなかったようで。

2時間ほど試聴してから隣接する「レストラン」で一緒に「鹿肉のカレー」をいただいた。

       

「五目飯」も珍しいし、鹿肉がとても柔らかくて大いに「舌鼓」をうった。

6月からは改造した自宅の室内で試聴できるようになるとのことなので、「その時は改めてぜひ聴かせてください」と固く約束してお別れした。

なお、翌25日(土)は、電気関係の大学教授と学生さんたちがお見えになってこのシステムのノウハウを研究されるそうで張り切っておられた。

「お金をかけないオーディオでもこれだけの音が出る」との「いいお手本」なのでぜひとも若者たちの刺激になればと切に願ってやまない。

帰りの車中で「いやあ、来てよかった!想像以上に楽しかった。」と皆大いに喜んでくれてホット一息(笑)。

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武者修行の旅~タンノイ・オートグラフ~

2019年05月23日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

   

正直言って「期待度7割ぐらい」の気持ちで待ち受けていた新しい「6AR6」アンプだったが、想像以上に我が家のシステムにピッタリくるアンプだった。

北国の真空管博士に「とても素晴らしいアンプですね!とりわけ低音域が充実していますよ」と情報交換するうちにこのアンプ開発の全貌が見えてきた。

希少化し、高騰の一途を辿る古典管の代わりに比較的手に入りやすい球で「古典管の音を再現する」というのが今回の新アンプの狙いだったそうだ。

また非常にシンプルな構成になっているのは「素性のいい真空管」だからこそあまり弄らずに素材を素直に生かしたい。逆の言い方をすれば真空管の素性が悪ければ回路が余計に複雑になる(笑)。

さらに低音域が充実している理由は画像をご覧のとおり「大型の電源トランス」と、しっかりとした能力を持つ「整流管」の効果によるものだそうだ。なんやかや言ってみても真空管アンプの低音域はこの二つで運命がおおかた決まるみたいですよ。

なお、初めはほかの出力管を予定していたがどうしてもうまく鳴ってくれず、博士のご提案で「6AR6」の三極管接続で最終的に功を奏したとのこと。

これまで幾多の真空管が生産されてきたが、まだまだ「音のいい球」って使い方次第でどこに転がっているかわかりませんねえ。

真空管の世界はとても奥が深いです。有名ではないけれど、こういう埋もれた球が次々に発掘されて古典管の優雅な世界を楽しめるのはとてもいいことです!

じっくりと腰を据えて半日ほど聴かせてもらううちにこのアンプをぜひ「タンノイ・オートグラフ」で聴いてみたい衝動にかられた。

そこでオーディオ仲間のMさん(大分市)に電話してみた。

「試聴用の新しい真空管アンプが来ましたので鳴らしてみたところとてもいい具合です。力強くて豊かな音を出すのでオートグラフで聴いてみたくなりました。よろしかったらアンプを持参しますので聴かせてもらえませんか?」

「ハイ、明日(21日)は午後3時から運動ジムに行きますのでそれまでならいいですよ。」と一つ返事だった。

Mさんは市内中心部で旅館業を営まれており比較的自由時間も豊富なので話が早い。

ご自宅には2種類のスピーカーがあって「オートグラフ」と「クリプッシュホーン」。

大のレコード党で3台のプレイヤーを駆使されておりイコライザーアンプもカンノのアンプをはじめ数知れず。

21日(火)は前日までの梅雨を思わせるような雨がすっかり上がってからりとした好天気に恵まれた。

クルマで30分ほどできっかり13時に到着。

持ち運びに便利な比較的小型のアンプなので実に助かる。この歳になるとどんなに音がいいアンプでも「大きくて重たい」アンプは「使う気になれないっ!」。

どこかのCMで「字が小さすぎて読めないっ!」というのがありましたね(笑)。

   

さっそく新藤ラボの「KT88プッシュプル」(モノ×2台)を外してセッティング完了。

システムの概要はカートリッジがEMT、イコライザーアンプは「カンノ」プリアンプはマランツ7、スピーカーはオートグラフ。

レコードばかりでバッハをはじめとしてピアノ、バイオリンソロ、ボーカルを次々と聴かせてもらった。

   

オートグラフの持ち味は何といっても豊かなホールトーンだろう。低音域を深々と、しかも締りよくしっかりと出せるアンプが必須だが見事に期待に応えてくれた。

「なかなかパワー感がありますね」とMさん。

取り分けピアノの豊かな響きは流石にオートグラフの世界で、我が家ではまず聴けない音だった。その反面、高音域の抜けとなるとこればかりは無い物ねだりかなあ~。まあ、クラシック向きのスピーカーだからこれでいいんでしょう。

次に向きを変えて部屋の横に置いてある「クリプッシュホーン」の試聴に移った。

今度は「マランツ8B」アンプを外しての試聴となった。レコードプレイヤーのカートリッジとイコライザーアンプは「ピッカリング」。

   

主にジャズ用として使用されているスピーカーだが、これも過不足なく鳴ってくれたが、欲を言えばシンバルの繊細さと輝きがもっと欲しい気がした。

我が家ではまったく不足を感じなかったのでもうこればかりは「相性」としか言いようがないが、まあ、いきなりのセッティングだから相性のいいカートリッジなどの選択など、もっとチューニングが進めば解決できる問題だろう。

わずか2時間ほどの試聴だったが好評のうちに試聴会が完了した。

「6AR6」アンプの出力は5ワット程度だそうだが、オートグラフの低音域をあれだけたっぷり鳴らすことができればまずは合格でしょう(笑)。


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「地震情報」が取り持った新しい真空管アンプ

2019年05月21日 | オーディオ談義

あれは2週間ほど前のことだったろうか。

「東北地方に地震」とのテロップがテレビに流れたのでさっそく「北国の真空管博士」に電話して安否をご確認。

「御無事でしたか?」「ハイ、それほど揺れた感じはありませんでしたよ」

「貴重な真空管は大丈夫でしたかね?」「アハハ、被害はありませんでした」

笑われたところをみると、ホンネがバレたかな(笑)。

博士の所蔵される古典管は極めて珍しい希少管ばかりだし程度のいいものが”わんさ”とあるので地震と聞くと気になって仕方がない。

ものはついでと「何か目新しい情報はありませんか」とお訊ねすると、

「はい、このところ古典管が品薄になって高騰しているので、比較的手に入りやすい球で代用できるものがないか、もっぱらチェックしています。

アッ、そうそう、チューブ・オーディオ・ラボさんが新しいアンプを作られたそうですよ。出力管は6AR6です。

〇〇さんにはなじみの薄い球でしょうが、3極管接続にすると「PP3/250=PX4」そっくりの特性になります。あなたが大好きなブリティッシュサウンドに変身しますよ。」

「ほう、それはぜひ試聴してみたいですね!」「それなら連絡をとってみましょう」

そして、すぐに博士から出力管「6AR6」についてメールが届いた。

「6AR6は1945年にベル研究所(WE)によってWE350Bの後継管として開発されたようです。 当時WE350Bはその信頼性の高さからレーダーの掃引用として使われていました。

しかしWE350Bは大型のため機器の小型化には問題が有りバルブを小型化した特殊なWE350B互換球を使用していたようです。

そこでレーダーに最適なコンパクトかつ信頼性の高い球として6AR6が開発されたわけです。 6AR6は極初期にWEが少量生産したのみでその後はTungsolに引き継がれました。

数社が製造したようですが圧倒的にTungsol製が多いです。 ビーム管として極めて優秀な6AR6ですが、私が検証したところ三極管接続にすると英国を代表する古典管の銘管PP3/250とほぼ同じ動作をするのです。

今回のチューブ・オーディオ・ラボさんによる6AR6シングルアンプは6FD7アンプ同様極力シンプルな構成として6AR6の素顔を存分に堪能できる内容となっています。

良質なインターステージトランスを使用して古典に倣った回路構成とすれば米系出力管でありながらブリティッシュ・サウンドが聴けるかもしれませんので今後の発展が楽しみです。」

とのことだった。

文中の「PP3/250」(英国マツダ)だが、めったにオークションに出てくることも無く古典管マニア垂涎の球としてつとに知られている希少管である。

我が家では英国系の出力管として「PX25=PP5/400」を愛用しているが、人によっては「PP3/250=PX4」の方が好きという方もいるほどで実力伯仲といったところだろう。

古典管の泰山北斗「博士」折り紙付きの「6AR6」アンプなので期待に胸を膨らませていたところ、昨日(20日)になって新アンプが我が家に到着した。

   

構成は初段管が「6SL7」、出力管が「6AR6」、整流管が「6BY5GA」。出力トランスは今どき珍しい「手巻き」で知られる「TSM Products」製。

さっそくスピーカーをJBLの「D123+075」で聴いてみたところ、ウ~ン、これは素晴らしい!(笑)

パワー感、情報量、透明感、分解能など何ら不足を感じない。欠点のないアンプとはこういうアンプを指すのだろうか。

取り分け「PP3/250」と同じ動作をするという「6AR6」の中高音域の艶は流石で、アメリカ球なのにイギリス系のほのかな色香を感じさせるのが不思議。

これまで「PP3/250」アンプを聴いたことがないが、おそらく同等か、いやもしかしてそれ以上ではなかろうかと思わず夢が膨らんだ。

次にスピーカーを「AXIOM80」にして聴いてみた。

すると中高音域の情報量が多いせいかやや暴れ気味の感じがしたので取り付けている「AXIOM80」(復刻版)から「最初期版」への変更の必要性を感じたが、念のためにと前段管(6SL7)を「シルヴァニア」から手持ちの「STC」の「CV569=ECC35=6SL7」に代えてみたところ見事に暴れが収まって心地よい響きになったのには驚いた。

   

左がシルヴァニア(アメリカ)、右がSTC(英国)。

いずれにしても、JBLシステムもAXIOM80も気が遠くなるほどうまく鳴ってくれる!(我が家の試聴環境ではという条件付きです)

さあ、あとは購入するかどうか大いに心が揺れ動くが決め手は「懐」次第といったところですね。とりあえず「予約1号」として登録しておくことにしよう(笑)。

最後に、出来るだけ多くの方に聴いていただきたい(製作者)とのことなので、貸出しOKのようですよ。

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大味 VS 小味

2019年05月19日 | オーディオ談義

           


左が我が家の「深紅のバラ」一輪、そして右がお隣さんの「モッコウバラ」の群生。

「個体 VS 集合体」の鮮やかな対比ですね。

ただ惜しむらくは昨日(18日)の雨によってだいぶ散ってしまった。

お隣さんはこのところ奥様が腰痛とのことでご主人が庭の手入れをされているが「だいぶ散りましたね。花の命は短いですねえ」と水を向けると、「そういえばこういう川柳がありましたよ」とご披露された。

「我が妻は 花びら落ちて とげ残る」

「いやあ、我が家でも同じです」(笑)

閑話休題

        

久しぶりに登板した小振りの「JBLサウンド」だが例によってベストアンプの選定作業に取りかかった。

    


当初はこの「300Bアンプで十分、ほかのアンプは出番なし」と踏んでいたがそれほど単純な話で済めばオーディオは成り立ちませんよね(笑)。

そこで引っ張り出したのが「山椒は小粒でもピリリと辛い」という表現がピッタリの「371シングルアンプ」。

    

久しぶりの出番です。

オール・ナス管で構成したこの「371」アンプの概要を記しておくと、

インターステージトランスは国産ものが入っていて、真空管は初段管が「AC/HL」(英国マツダ:最初期版)、出力管が「371」(カニンガム:トリタンフィラメント)、整流管が380(カニンガム)

ちなみにアメリカ管の場合「ナス管」はすべて3桁表示の番号になります。

このアンプの実力をいかんなく発揮させるために選別できる部分があるとしたら何といっても整流管でしょう。とにかく整流管次第で怖いほど音が変わりますからね!

そこですかさず実験を。

   

左からカニンガムの380、スパートンの480、以下ST管のRCAの83V(1930年代:刻印)、ブライマー(英国STC)の「80S」、レイセオンの「80」。

持ち主が言うのも何だが、すべて一流の老舗ブランドばかりである。

これらを1本づつ差し換えて根気よく試聴してみたが、ほんとにまあ、たかが「交流を直流に変える役目」だけなのに音がコロっと変わるのだから改めて驚く。

そして相性テストの結果は「480」がダントツだった。その理由は「音の響きが豊かで力強くなる」こと。

音の鮮度からいえば「83V」が一番でイギリス系のユニットには合いそうだが「D123+075」には鮮度よりも豊かな響きの方が大切だ。

「480」を装備した小振りの「371アンプ」は大柄な300Bアンプに比べると明らかに音のスピード(音声信号に対する応答性)が速い印象を受けるので、図体が大きいばかりが能じゃありませんね。

それぞれのアンプには独特の持ち味があって捨て難いです。

結局、一つのスピーカーの個性をすべて引き出そうと思ったらアンプは「大味 VS 小味」の観点から少なくとも2台以上は要ると思いますよ。

いささか手前味噌ですがね(笑)。

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音楽が脳にもたらすうれしい効果

2019年05月17日 | 独り言

   

我が家だけではなくお隣さんもモッコウバラが満開だが、昨日(16日)丁度ご主人と鉢合わせしたので「素晴らしいバラですねえ」。

すると、ご主人から「ちょっとお伺いしますけど、よく”バラ色の人生”とか聞きますが、バラ色って赤からピンク、白といろいろありますがいったいどんな色を指しているですかね。夫婦ともども疑問に思ってます。」

「さぁ~、バラという言葉に意味があって色なんて付けたしでどうでもいいんじゃないですかね」と答えはしたものの、気になったので自宅に戻ってググってみたところ「”バラ色”とは固有名詞であって、赤色を指す」(要約)とあったのでお隣さんに教えてあげたところ「そうですか!」とご納得。

その昔、「酒とバラの日々」(アメリカ:1960年代)という映画があり歌もヒットしたがバラという言葉が入っただけで随分と優雅なイメージが湧きますね。

閑話休題(それはともかく)

人間はどうやら己(おのれ)にとって都合の良い情報だけ切り取る傾向にあるらしい。もちろん自分もその例に漏れない(笑)。

            


東北大学の教授が書いた「生涯健康脳」(2015年7月刊)は、「生涯にわたって脳を健康に保つ」ためのノウハウを分かりやすく説いた本だった。

この種の書籍は巷に氾濫しているので、ワン オブ ゼムのつもりで読んでみたが、さして目新しいことはなかったものの、それでも気になる事柄があったので列挙しておこう。


☆ 脳の最高の栄養素は知的好奇心


脳の健康維持のために欠かせないのが毎日の30分の有酸素運動とともに、知的好奇心が挙げられている。

たとえば探究心、冒険心、追求心などワクワク、ドキドキが脳の中の神経伝達物質であるドーパミンを活性化させて脳全体をとても元気にする。

したがって知的好奇心を大いに刺激する趣味を持つことは脳にとって素晴らしい効果をもたらす。


☆ 音楽は脳の報酬系を刺激する


以下、引用。

「音楽を聴くととても良い気持ちになります。ここでもまた脳の中では凄いことが起きているのです。脳はご褒美をもらったような状態になっているのです。音楽を聴くと脳の<報酬系>と呼ばれる領域が活発になることがカナダの大学の研究で分かっています。


報酬系というのは詳しくお話しすると、欲求が満たされたときに心地よいという感覚を与える神経伝達物質を放出する神経系のことです。

会社で給料が上がるなどの良いニュースを聞くととても良い気持ちになってヤル気が出たりしますが、欲求が満たされると予測することでも脳は活性化するのです。


報酬系の領域が活性化されると、灰白質の体積が増えるという報告もあります。よく褒めて伸ばすという事例がありますが、まさにそれに当たります。

つまり、音楽を聴くと欲求が満たされたり、褒められたりしたときと同じような心地よい気持ちに自然となるのです。

また音楽を聴くと一部の領域だけでなく多くの領域の働きが活発になることが分かっています。音楽を聴くだけでも脳にとっても良いのです。

したがって、脳にとって音楽は<百利あって一害なし>なのです。」


とまあ、そういうわけで日頃から音楽を聴くこと、そして、しょっちゅうオーディオ機器を入れ替えてハラハラドキドキすることは認知症予防のためにとってもいいことが分かった。

したがって、これからも「音楽&オーディオ」をひときわ熱心に続けていこうと固く心に誓った次第(笑)。

折りしも去る5月12日(日)の「サイエンスZERO」(NHK Eテレ23:30~)では「音楽が脳にもたらすうれしい効果」を放映していた。

アメリカの上院議員(女性)が演説中に拳銃で脳を狙撃され幸い命はとりとめたものの失語症になってしまったが、音楽療法で発声方法を試みたところ劇的に回復した実例が紹介されていた。

音楽式の発声療法によって「右脳」(音楽などを司る脳)と「左脳」(論理的な脳)との連携がうまくいったからだそうだ。

またハードロック好き、クラシック好き、ジャズ好きの3人の治験者を例に5曲を聴かせてそのうち部分的に脳が好反応を示した小節をもとに「AI」で好きな音楽を創造して聴かせたところ「好きな音楽」が必ずしも「脳が心地よいと感じる音楽」と一致しないことが判明した。

この興味深い事実から音楽愛好家は「好きな音楽」に限らずあらゆるジャンルに亘って幅広く聴くことが脳のためにいいことが導き出される。

自分はいつもクラシックを中心にジャズ、ポピュラー、演歌などジャンルを問わない聴き方をしているが非常に理に適っていたことになる。

とまあ、自分の都合のいい情報だけを切り取ったことは争えないので、あまり信用できないかもしれませんがねえ(笑)。

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「躁=ハイ」の時期にはJBLの出番だよ~

2019年05月15日 | オーディオ談義

先日の都会への小旅行(4月30日~5月3日)を契機に何だか妙に華やいだ気分が続いている。

どうやら切り替えスイッチが入って「鬱」から「躁=ハイ」の時期に入ったらしい(笑)。

やはり人間はときどきはまったく違った日常環境に身を置いた方がいいみたいですね。

そしてオーディオにももろに影響が・・・。

このところ、ずっと「鳴りを潜めていた」元気のいいJBLサウンドが我が物顔にのさばって来るのだから何とも不思議。

その代表格が「175」ドライバーだ。振り返ってみるとこれまで数多くのJBLの製品を使ってきた。

たとえば「375」ドライバー、「LE85ドライバー」「075ツィター」そしてコーン型ユニットでは「D130」(口径38センチ)、「D123」(口径30センチ)、そして「LE8T」(口径20センチ)などなど

これらの中で一番しっくり来たのが「175ドライバー」だった。なにが気に入ったかといえば一言でいうと「仰々しいところがない」ところかなあ。

   

ただしジャズではバッチリだがクラシックの再生にはもうちょっと「一味」欲しいのでいろいろ実験してみた。

   

音の出口のところに「どんがばちょっ」と目の細かいステンレスの金網を被せてみたがこれは失敗だった。聴けないことはなかったが音の伸び伸び感が失われてしまう。やはり素人の生兵法は怖い(笑)。

そこで仕方なく駆動するアンプを「300Bアンプ」から「PX25アンプ」への交換と相成った。

   

これは見事に図に当たった。「300Bアンプ」に比べると中高音域がややおとなしいので175ドライバーの尖り気味のところをきれいに抑えてくれた。これで決まり!

そうすると、はみ出た「300Bアンプ」をどう使おうか。

そこで、まるで連鎖反応のように久しぶりにJBLのD123を起用してみる気になった。涙を呑んでグッドマン「AXIOM150マークⅡ」との交換だ。

  

こうなるともう我が家のシステムの大変革ですね!

久しぶりの「D123の登場」に当たって留意した点は次のとおり。

 良きにつけ悪しきにつけ響きが少ないユニットなのでバッフルの板厚をわざわざ薄めの12mmにして響きの増幅を期待した。


 D123はフルレンジを標榜しているがここはやはり2ウェイだろう。そこで同じJBLの「075ツィーター」を組み合わせてみた。特注の超重量級ステンレス削り出しホーンは本体に比べて6倍もするお値段なので遊ばせておくにはもったいない(笑)。

 075は3000ヘルツあたりから使えないことはないが本領を発揮させるにはやはり7000ヘルツあたりからだろう。そこでネットワークはパイオニアの「DN-8」を使いクロスオーバーを8000ヘルツにとった。

 8000ヘルツ以上を受け持つ「075」は能率が110dbとメチャ高いのでアッテネーターが必要だが、音の劣化を招くのでマイカコンデンサー(0.075μF)にスプラグのコンデンサー(0.39μF)をかませて音量調整をした。

 「D123」ユニットの後ろ側に向けて排出される背圧〈逆相の音)の逃がし方はグッドマン用の「ARU」(背圧調整器)をそのまま流用した。

簡単に背圧を逃がさず微妙にユニットに負荷をかけて低音を増強させる「ARU」の仕組みは見事で「D123」にも歴然たる効果が発揮されるのだからたまらない(笑)。

ちなみにJBLのコーン型ユニットは能率が100db以上と高いのに駆動するアンプにはかなりのハイパワーを必要とする。いったい何故なんだろうかとずっと疑問だったが、ふと「ユニットのコーン紙が重たいのではなかろうかと」に思い至った。

イギリス系のユニットはコーン紙が薄くて軽いので能率95db前後にもかかわらずアンプのパワーはあまり必要としないのがその推論の理由。

ただし、これはあくまでも私見です。

それはともかく、これら一連の対応がどうやら想像以上にうまくいったようで「300Bアンプ」で鳴らしてみたところ、感心するほどのとても「まっとうな音」が出た。

いかにも(音声信号に対する)応答性が優れたJBLらしいサウンドである。サブウーファーの必要性をまったく感じさせないところも気に入った。

結局、我が家のシステムは次のとおりとなった。

   

使っているユニットといえば、グッドマン、ワーフェデールがそれぞれ1個に比べてJBLが3個と圧倒的に優勢だ。

周期的に訪れる「鬱」の時期が到来するまで、このトロイカ体制で進んでみることにしよう(笑)。

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嫌いなブランドの製品は深追いしない

2019年05月13日 | オーディオ談義

   

   

丁度バラが満開の状態です。塀の前を掃除していたらご近所の方々や通りがかりの人たちが口を揃えて「大きなバラですねえ!」

「ハイ、(家内が)育て方を変えたら急に大きくなったようです。専門家によるとこれまでに蓄えたエネルギーを一気に晴らすかのような咲き方なので来年もうまく咲いてくれるかどうかは分からないそうですよ」

バラと同じで人間にも「雌伏の期間」が要るのかもしれませんね(笑)。

閑話休題(それはさておき)

前回からの続きです。

真空管アンプとTRアンプの優劣論争も結局は各自ごとに「優先順位」をどこに置くかということに尽きるわけだが、一般論だと抽象的になって分かりづらいので個別メーカーに絞って言及してみよう。

まず、真空管愛好家の立場から言わせてもらうと「血の気のない音」の代表的なブランドが「アキュフェーズ」社(以下、「A社」)だと思うが、いまだにその良さがどうしてもピンとこない。

とはいえ気に入っている人が結構いるので、もうこればかりは「虫が好かん」としか言いようがない。したがってCDプレイヤーからアンプまで結果的にA社の製品はいっさい我が家には無い。


これは自分だけの事かと思っていたところ、同じ真空管派の仲間たちからも「A社」と聞いただけで、
「価格さえ高ければいい音がしそうだ」「評判さえ良ければいい音がしそうだ」「見た目が豪華なので・・」という「音についての自己判断ができない人たちがA社の製品を愛好する傾向がある」と、歯に衣を着せない言い方をしてくる。

ただ、アフター・サービスの良さは定評があるようで、ガレージ・メーカーのようにすぐに潰れる心配のなさも含めて、こればかりは特筆しておかねばならない。


さて、そういういわくつきの「A社」の中で唯一試聴してみたいと思う製品がある。それはA級専用のアンプ。


アンプには増幅の仕方によって「A級」「AB級」などがあるそうで、(自分は詳しくありません。その違いはネットに紹介されているので興味のある方はググってもらうことにして)、真空管アンプはすべてA級だそうでTRアンプでA級方式となると珍しそうなので大いに興味が湧く。


実を言うと、地方に住んでいると機会に恵まれないためA社の「本格的なA級アンプ」をまだ聴いたことがない。

「AXIOM80に繋いで駆動したらいったいどういう音がするんだろう?」という興味はなかなか捨てがたい。
そういう中、オークションのアラート登録をしている中古専門店から出品されたのが同社の「A45」アンプ。
           
      


例によって開始価格1000円なのですぐにウォッチリストに登録。万一、誰の興味も引かないという天佑に恵まれれば安値なら落札してもいいかなというわけだが、何せ「鵜の目鷹の目」の世界なので、世の中そうそう甘くはないという見込みも十分織り込み済み。


「A社」のA級アンプはたしか数種類あって、フラッグシップモデルとしての「A200 →200ワット出力」をはじめ「A100」「A60」「A30」「A20」などいろいろ。

「AXIOM80」には「A30」クラスで十分だと思うが、今回出品されている「A45」は定価で70万円近くする。


興味を持って入札価格の推移を見守っているとすぐに値段が吊りあがっていき、軽く20万円をオーバーした。試聴したことのないアンプに対して20万円以上出す勇気はない。

冒険するにはちょっと歳を取り過ぎているし分別もあり過ぎる(笑)。


そこで、さあ、後はどのくらいの値段に落ち着くのか、興味はそちらの方へ向かった。
もったいぶらずに結果を明らかにすると、入札件数は76件、落札価格は383,001円だった。

およそ定価の半額というわけで、オークションの価格にしてはそれほど値落ちもしておらずやはりアキュフェーズの人気の程が偲ばれる。見た目も豪華だしねえ。


このアンプの価格からすると、真空管WE300Bの1950年代製造
(オールドタイプでグッドコンディション)のオークション相場がペアで50万円前後だがはたして妥当な価格なのかどうか・・・・。

そもそも真空管方式に固執するのがいいのかどうか、ちと考え込んでしまう。


「過ちを認めるにけっしてやぶさかではない」積もりなので、一度でもいいから「A社」のA級アンプを自宅で実際に試聴して真空管アンプと比較してみたいものだ。


と、ここまで記事にしたところで念のため真空管愛好家の仲間に電話してみた。


「A社のA級アンプを聴いたことがありますか?」


「はい、友人の家でマルチ・アンプ方式で鳴らしてあるのを聴いたことがあります。いくらA級アンプといっても真空管アンプとは似て非なるものです。

所詮、A社の域を出ない音でした。官能的な音が出ないので〇〇さんの好みにはとても合いませんよ。それに電力は喰うし発熱量が凄くてとても扱いずらそうでしたよ。」


「そうですか、やっぱり止めておいたほうがよさそうですね」

どうやら一事が万事で同一ブランドのトーンは良くも悪くも全ての機器にわたって統一されているようで、
「嫌いなブランドの製品は深追いしない」方が賢明のようですね(笑)。
 

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優先順位

2019年05月11日 | オーディオ談義

つい先日の5月8日(水)付の日経新聞にソニー会長の「平井一夫」氏が「優先順位」の大切さを述べられていた。

   

平井氏といえば青息吐息だったソニーの業績を見事にV字回復させた立役者としてつとに有名な方なので内容にも説得力がありそうだ。

「学生や新社会人に話す機会をしばしばいただくが、強調するのはいつも同じだ。『3つのことを考えなければいけない』と言ってから【プライオリティ(優先順位)とプライオリティとプライオリティ】と続ける。 すべての希望をかなえることは出来ず何が人生で大事なのか、順位を付けることが必要だ。」(抜粋)

人生とは節目節目における選択の歴史ともいえるものなので常に優先順位が絡んでくるが、優先したくてもその通りにいかないのが苦労の種でして(笑)。

とはいえ、オーディオぐらいには思い当たる節があるので縷々述べてみよう。

早いもので真空管アンプを愛用しだしてからもう40年以上になる。

    

日頃からアンプと言えば真空管式があたり前と思っているが、よく考えてみると世の中には低能率のスピーカーが沢山存在しているので、出力が比較的有利に稼げるTRアンプを愛用している人の方がむしろ多いのかもしれない。

どちらのアンプがいいのか悪いのか、それぞれ一長一短だし使っているスピーカーによっても左右されるので論争してもキリがないが、機会があるたびに聴かせてもらった印象では、TRアンプは総じて「低音域のメリハリはあるものの血の気のない、冷たい音」のような気がしてあまり好きになれない。 

 実際に我が家にちょくちょくお見えになるオーディオ仲間もマークレヴィンソンの高級アンプを使っておられるものの、「中高音域の独特の艶や瑞々しさは真空管アンプじゃないと出せませんね」とはっきり仰る。

その都度「TRアンプは中低音域がしっかり出せるからいいじゃないですか。オーディオはあまりにも手を広げすぎると大変なことになりますよ」と、返答している。

つまり各人ごとに「優先順位」をどこに置くのか、言い換えると「何を捨てるか」にも繋がる。     

たとえばアンプに関する限り自分の優先順位の第一は中高音域の瑞々しさだから真空管アンプを選択するが、中低音域のメリハリを何よりも優先される方はTRアンプということになる。

と、まあオブラートに包んだような言い方をしたが、実は自分は内心秘かにTRアンプは絶対使わないと固く心に誓っている(笑)。

こんなことを“うかつ”に書くと「お前は勉強不足だ。TRの超高級アンプを聴いてから物を言え。」と、お叱りのメールをいただきそうだが、あくまでも私見ということでお許しいただきたい。

そもそも「いい、悪い」には理屈が要るが、「好き、嫌い」となると理屈は要らない。何しろ「あいつは虫が好かん」という言葉があるぐらいだから(笑)。

趣味の世界も結局「好き、嫌い」に落ち着くのではあるまいか。


そこで、いつも当たり障りのないことばかり書いていると、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」(「徒然草」)なので、次回は嫌いな特定メーカーに絞って言及してみよう。

以下、続く。

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あのとき、私は狂っていたとしか思えません

2019年05月09日 | オーディオ談義

12年この方コツコツと続けているブログだが、その余波としてメル友さんとの交流も愉しみの一つになっている。

その中でもひときわ情報通の「I」さん(東海地方)から先日メールをいただいた。

「アンプの交換により音が良くなったと思っていましたが、しばらくしてから元のアンプに戻したところ、そちらの方がずっと良かったので、2週間前、私は狂っていたとしか思えません(涙)」との趣旨だった。

「私は狂っていたとしか思えません」の表現に思わず膝を打った。まさに自分の状況にピッタリの言葉なので「ぜひこの表現を使わせてください。」とお願いしたほどだった。

それでは、なぜ「狂っていた」のかその経緯を述べてみよう。

去る5日(日)のこと、およそ1か月ぶりに近くのオーディオ仲間に来てもらった。

例によってウェストミンスター(改)を聴きながら二人して「ゴージャスな音ですねえ」と悦に入り何ら音質に不満は覚えなかったものの、突然に何だか無性にJBLの音が聴きたくなったのである。

もう魔がさしたとしか言いようがないほどの出来心だった(笑)。

仲間がいるときの方が心強いので急遽「AXIOM80」を入れ替えてJBL「175ドライバー」を登板させた。およそ2か月ぶりくらいになるのかなあ。

   

ご覧のとおりSPコードを入れ替えるだけなので実に簡単。5分くらいで両チャンネルとも交換終了。能率がメチャ高い(108db)ので、ネットワーク付随のアッテネーターのボリュームを大幅に落とした。

これでジャズの「枯葉」を聴いてみると二人ともびっくらこいてしまった(笑)。

実にアルトサックスが逞しくてふてぶてしい鳴り方をするのである。ジャズはこう来なくっちゃねえ。

「弦楽器の方は流石にAXIOM80の再生力には及びませんが管楽器となるとJBLの独壇場ですよ。何よりも音に元気がありますね」と、うれしい悲鳴。

やっぱりJBLは捨て難い(笑)。(ただしクラシックの再生にはひと工夫要りそうだ。実は腹案があるがそれは後日に)

「先日、北海道から試聴にお見えになったそうですが、ジャズがお好きとのことだったのでこのシステムで聴かせてあげればよかったですね」と、仲間。

そうなんです!

「JBLを外したあのとき、自分は狂っていたとしか思えません(涙)」(笑)。

この種の大切な試聴会ではいつも後になって後悔することが必ず出てくるのはいったいどうしてなんだろう。

とはいいながら、実は「175ドライバー」が本領を発揮したことについて思い当たる節が二点くらいあるのである。

☆ ネットワークの違い

廃嫡した当時はJBLのネットワーク「LX-80」を使っていたがクロスオーバーが800ヘルツだった。今回はテクニクスのネットワークを使っており、クロスオーバーが1200ヘルツで、やはり400ヘルツの負荷の差は大きかったようだ。

あのときはこういうスカッと爽やかで伸び伸びとしたJBLの鳴りっぷりではなかった。

それに、今でも名器とされているJBLの「ランサー101」にも175ドライバーが使われているが、そのクロスオーバーはやはり1200ヘルツなのである。

そして(クロス1200ヘルツで鳴らしたときは)ツィーター「075」の必要性を感じないのも不思議。

もう一つの思い当たる節とは、

☆ 人間には躁気質と鬱気質が周期的に訪れる

「これまで見た中で首尾一貫した人は誰一人としていなかった」-サマセット・モームの結論であるー(「サミング・アップ」岩波文庫)

どうも人間には「躁気質」と「鬱気質」が同居しているらしい。これらが大なり小なり同一の人間に交互に周期的に訪れるというのだ。いわば「気分の波」ですね。

周知のとおり「音楽&オーディオ」は理屈の世界ではなくて感性の世界だからその影響をもろに受けてしまうのは自明の理でしょう。

たとえば我が身を振り返ってみると「鬱気質」が優っているときには「グッドマン系」の出番となり「躁気質」が優位のときはJBLが登場してくる傾向にあるようだ。

前者のまるで「いぶし銀」のような鈍い光沢というか、とても一筋縄ではいかない「陰にこもったような音」、その一方、後者のあっけらかんとして澄み切った青空のような屈託のない開放的な音はまさに好対照である。

もちろんどちらがいいとも悪いともいえず、その時の本人の気分に合うかどうかだけの話である。

長く同じ音を聴いているとそのうち鼻についてくるのも、「躁気質」と「鬱気質」の周期的な変化で説明がつくのかもしれない。

とはまあ自分の勝手な推論に過ぎませんが皆様はどう思われますかね(笑)。

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都会の光と影

2019年05月07日 | 独り言

今回の小旅行から帰ってきてもう4日が経ち、記憶の方も薄れるばかりだが最後の力を振り絞って記録を残しておこう。

今回は久しぶりに田舎の日常空間を離れて都会の喧騒に接したわけだがいろいろ思うことがあった。

プラス、マイナス面のうちまずプラス面からいくと、

☆ ショッピングの豊かさ

お店の数が多いし品数も豊富でとにかく便利がいい。地元ではどうしても手に入らなかった台所用品の小物がすぐに見つかったのには家内が感激していた。

       

また福岡市の中心部、天神界隈のCDの中古ショップには大量の在庫があって、しかも安い。

  

6枚セットのモーツァルトのCDを見かけて1枚280円と格安なので購入した。うち1枚には大好きなエディト・マチス(ソプラノ)の歌曲があったのでこれを見逃す手はない。

マチスといえば「フィガロの結婚」のスザンナ役で一世を風靡したが、歌が巧いばかりじゃなくたいへんな美人である。

ソプラノ歌手の中ではベストといってもいいくらいで、今ではすっかり「おばあちゃん」になったが若い頃はそれはもう・・。

             

☆ ICカード

地方に住んでいるとどこに行くのもマイカーなので乗り物などに使う「ICカード」なんてまったく縁遠かったが、今回の旅行では福岡市内で地下鉄やバス、電車などを頻繁に乗り回すので娘が事前に「ICカード」を準備してくれた。

一定の金額をチャージする方法も学んだが、改札のときに所定のスポットにカードを押し当てるだけで自由に出入できるので物忘れしたように便利がいい。

いちいち行き先までの料金を確認し小銭を出して切符を買うわずらわしさから解放されるので都会ではもう必需品ですね。

今さら、こんなことを書くともう「田舎者」丸出しですけどね(笑)。

近年、高齢者による交通事故が喧しいが、都会では早めに免許を手放してもちっとも不便を感じないに違いない。

その他もろもろの便利の良さから考え合わせると、高齢者こそ都会に住むべきなのかもしれないと思った。まあ、招かれざる客としてお荷物になるのは必然だが(笑)。

次にマイナス面から述べてみよう。

☆ 混雑ぶり

至るところに行列ができているのには驚いた。たとえば有名な飲食店、お菓子屋さんなど。それほどまでにして並ぶ時間があったら、もっと有意義なことに使えばいいのにとは田舎に住む人間の率直な感想である。

帰りの博多駅の混雑ぶりにも目を丸くした。なにしろトイレにまで行列ができるのだからねえ。

☆ 住環境の貧弱さ

至るところマンションやアパートだらけである。これでは「音楽&オーディオ」をたっぷりと楽しめそうにない。緑も少ないし豊かな自然環境にはほど遠いので住むのには相当割り切る必要がある。

以上、こうしてプラス、マイナス面の総合的な観点からすると理想的な住環境なんて存在しないことがわかるし、やはり個人個人の事情による選択になりますね。

なお、娘が最近話題の「ボエミアン・ラプソディ」のブルーレイを持っていたので強奪してきた。

   

自宅のシステムで半分ほどまで観賞したが少し味気ない気がした。こればかりは、やはり映画館の大きな音響空間でこそ本領が発揮されるように思えた。 

最後に、行き帰りの片道2時間の電車の中で一心不乱に読み耽ったのがミステリー「カササギ殺人事件」(上下巻)だった。

   

今年の正月に娘が持ち帰ってきたものだが、返却期限の有る図書館の本にずっと追いまくられて読むチャンスがなかったのだが、今回絶好の機会とばかりに読破したが、英国ミステリーの王道を踏まえながらとても凝った構成といい、犯人の意外性といい、「巻を措く能わず」という表現がピッタリ。

「21世紀に入って最高のミステリー」との書評があったが、「Yの悲劇」(エラリー・クィーン)以来の衝撃を受けたので、「その通り」と太鼓判を押しておこう。


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「令和の里」大宰府巡り

2019年05月05日 | 独り言

5月1日は令和時代の記念すべき初日ということで「ゆかりの地」大宰府に出かけてみた。今回の旅行(3泊4日)の主目的である。

娘のマンション(福岡市中央区)を出たのが7時40分。地下鉄と西鉄電車を乗り継ぎ「都府楼前」駅で下車して「坂本八幡宮」に着いたのが8時40分だった。かなり早かったのにすでに長蛇の列を成していてビックリ。

「御朱印状」を求める列と「参拝」目的の列の2列に分かれて辛抱強く後者の列に並んで遅々として進むこと40分ほどでようやく参拝できた。

   

何の変哲もない小さな「坂本八幡宮」だが「令和」の語源となった「梅の花の宴」(730年)が開催された大伴旅人の私邸があったところとされているので、まさに「ホットスポット」である。

今から1300年も前にここで歌人たちが集って優雅な宴を開いたのかと思うと感無量ですねえ。まさかこの宴が後の元号の素になるなんて当時の人たちは夢にも思わなかったに違いない。そこで一句。

令和咲く 詠み人たちの 夢の跡

それにしても日頃の参拝者20人程度が5千人ほどに膨れ上がるのだからそれはもう混雑しますわなあ。

参拝が済むと大伴旅人が勤務していた「大宰府政庁跡」を横目に見ながら一路「太宰府天満宮へ」。

  

ここからが遠くて、遠くてもう足が棒のようになってしまった(笑)。

太宰府市内の至るところに「令和」の旗がはためいていた。

             

これを横目にどうにか「太宰府天満宮」のお参りを済ませてマンションに帰り着いたのが2時半ごろだった。娘の万歩計によると1万4千歩ほど歩いたことになっていた。

ほんとうに疲れた!

それからはテレビで一連の皇室行事を観たが、今でこそ「もてはやされ」敬愛される「皇室」になっているが(自分もその一人だが)、ずっと遡って江戸時代はどうだったんだろう。

すると、つい5年前にブログに搭載した「スターリン回想録」(2014・1・19)の一節を思い出してしまった。

          

「400年も続いた徳川封建支配体制の時代には、天皇の存在すらほとんどの国民は忘れていたのに、明治維新によって歴史の屑籠から引っ張り出され、教育と洗脳で“世界に冠たる王室”に祭り上げられてとうとう戦争遂行の理論的支柱にまでなってしまった。~中略~。こんなものを担いで戦争遂行を正当化したこと自体が日本という国が“帝国主義国にもなれない二流国家”の証明なのだ。」

歴史観もいろいろですねえ(笑)。


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遠来のお客さま

2019年05月04日 | オーディオ談義

めったに旅行をしないのだが、「令和の里」大宰府巡りのため4月30日の早朝に福岡へ向けて出発し、昨日(3日)の午後に別府に帰ってきた。

久しぶりにすっかり「音楽&オーディオ」と「ネット環境」から遠ざかった4日間だったが、想像以上に快適だったのは意外だった(笑)。

さて、この間のいろいろあった出来事をしっかり「自分の記憶」に残しておくために時系列で振り返って記録しておくことにしよう。

まず、出発の前日の29日(月)のことからいこう。

この12年来、ブログでこまめにオーディオ情報を発信しているので全国津々浦々のオーディオ愛好家の目に触れる機会があるようだ。

肝心の内容の方は「いまいち」でしょうけどね(笑)。

したがって県外からもときどき「聴かせてください」とお客さんがお見えになることがある。

この4月の初めごろだったと思うが何と北海道からメールが届いて「福岡に観光に行きますので、ついでに別府まで足を延ばして聴かせていただきたいのですがいかがでしょうか」。

札幌市近郊にお住まいの方だった。仮にMさんとしておこう。

毎日が日曜日の人間なので「ハイ、どうぞ。いつでも構いませんよ。」

その後お互いに携帯で連絡を取り合って訪問日は4月29日(月)の午後と決定した。

当日はあいにくの雨だったが予定通り別府駅の改札口で無事合流した。

「やあ、どうもどうも、はじめまして~」

それからクルマで15分ほどの我が家までご案内。

クルマの中でお互いのオーディオ人生についてざっと語り合ったが、趣味が同じだと打ち解けるのが早い。

Mさんはいくつもの真空管アンプを所有されており、スピーカーもTADのユニットをお使いになるなど自分と、どっこいどっこいの愛好家さんだった。

そりゃそうですよね、そうじゃないとわざわざ北海道くんだりからお見えになりませんよね(笑)。

ちなみに、福岡市内は「嵐」のコンサート(ヤフードーム)があるとかで、ホテルが満杯でたいへんご苦労された由。

どうかお願いだから他の宿泊客に「嵐」を巻き起こさないでほしいなあ(笑)。

それにしてもMさんは当方のブログをよく読まれていることに驚いた。紹介している真空管やCDあたりもときどき購入されているようで「それほど深い思いで書いたわけでもないのに情報が独り歩きしてしまって」と、思わず冷や汗が出てしまった(笑)。

当日中に再度、福岡に戻られるとのことで実質2時間半ほどの試聴だったが、急ぎ足で順に次の3系統のシステムを聴いていただいた。

  

1 ウェストミンスター(改) 

2 AXIOM80(復刻版)

3 AXIOM150マークⅡ

こうやって書き出してみるとすべてグッドマン(イギリス)が絡んでくるので、我が家は完全な「グッドマン」党ですね。

つまり「時代遅れ」ということです(笑)。

Mさんはジャズがお好きとのことなので、試聴盤は初めのうちはジャズに絞り、順次ボーカル、クラシックと広げていった。

今回のハイライトであるAXIOM80については4連装を岡山県で聴かれたことがあるそうで、単発で聴くのは初めてとのことだそうだが「音が生々しくて浸透力が違いますね」とお気に召したご様子でホットひと息。

1ではパワーアンプに「300Bシングル」を起用していたが、ふと遊び心を覚えたので出力管を「SV-300B」(スヴェトラーナ)から本家本元の「WE300B」(1988年製)に差し替えて両方を聴いていただいた。

「WE300Bにすると音の重心が下がりました。こちらのほうが全体的なバランスが取れているような気がします」と、Mさん。

呼応して「たしかにそうですね。クラシックではともかく、ジャズではハイスピードのAXIOM80に比べて低音域の遅れが目立たないようになって音の一体感が増したような気がします」

「SV-300Bの方がWE300Bよりも好き」と、つい最近言っておきながらその舌の根も乾かないうちにこれだからまったくこのブログは当てにならない(笑)。

これからジャズ好きのお客さんがお見えになったときは初めからWE300Bで聴いていただいた方がいいかもしれない。

次に2のシステムへ。

「AXIOM80はクラシックもジャズも何でもいけますね。単発では低音が出にくいユニットと聞いてましたが、これだけ出れば十分じゃないですか」と、驚かれたご様子。

そこで、「実は・・」と種明かし。

「70ヘルツあたりから下をサブウーファーで補強しています」

「エッ、まったく違和感がありませんでしたよ」

AXIOM80をお使いの皆さん、もし低音を期待されるのなら無駄な努力は止めてサブウーファーをうまく使いこなすのが一番ですよ~(笑)。

ちなみに、我が家のサブウーファーは仲間から1万円で譲ってもらった安物で~す。

最後に3のシステムへ。

「ホット一息つける音ですね。長時間聴いてもまったく疲れそうもないです。」とMさん。

「AXIOM80がどちらかというと緊張感を強いる音ですから、我が家では貴重な存在になってます。ほんとうは現行のPX25シングルアンプよりも371シングルアンプの方が相性がいいのですが、代えようにもなにぶん時間がありませんのでね~」

ほんとうにアッという間の2時間半だった。

Mさんを駅までお送りしてから帰りの車中で「わざわざ遠路はるばる来ていただいたのに、はたしてそれだけの価値がある音だったかなあ」と、つい心配になってしまった。

すると、後日、帰郷されたMさんからメールが届き、「機会があればAXIOM80の復刻版をぜひ手に入れたい」とのことで、まずは上首尾だった様子で、ほっとひと安心でした(笑)。


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