「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

モーツァルトとアルコール

2023年03月31日 | 独り言

昨日(30日)、久しぶりにクルマで15分ほどの公園にウォーキング目的で出かけたところ、沢山の桜が満開で実に美しかった。

そして、その満開の木の下でお父さんと小学生ぐらいの男の子2人が実に楽しそうにキャッチボールをしていた。

よく見ると、小学生のグラブが新品そのもの・・、ハハ~ン、WBCの日本優勝の影響で「野球がやりたい」と子供にせがまれてグラブを買ってあげた光景が目に浮かんでくるようで微笑ましかった。

さあ、今日からいよいよ「MLB」の開幕で、音楽&オーディオ、読書、そしてテレビ観戦と目が回るほど忙しくなる(笑)。

さて、
先日の「日経新聞」を見ていたら次のような記事が載っていた。



ベートーヴェンの遺された髪の毛からゲノムを解読することにより死因を推測した記事・・。

晩年には「毎日、昼食時にワインを1リットル以上飲んでいた」との証言もあるそうで、そりゃあ「肝硬変」にもなるでしょうよ。

あの厳粛な「後期弦楽四重奏曲群」
・・、あまりの完成度の高さに「手も足も出ない!」と後世の作曲家たちが嘆いたほどの傑作が盛大なアルコールの効用による賜物かもしれないとはちと面白いですね(笑)。

そもそも、音楽とアルコールの組み合わせはとても相性が良さそうに思える。

芸術の中で音楽のような「時間芸術」は創る側にも、そして鑑賞する側にも何がしかの「精神の高揚」を必要とするので一杯ひっかけて、ある程度「脳」を麻痺させてやるとすんなりとその世界に溶け込めるような気がする。

もう30年以上も前のこと、休日ともなると運動でひと汗流してから、夕食前のひと時をウィスキーをちびりちびりやりながらモーツァルトの「ピアノソナタ」(グールド)に聴き耽るのが「至福の時間」だった。

うまくいかない仕事のことや人間関係のわずらわしさなどがすべて吹き飛ぶ思いだった。



今となっては、モーツァルトのおかげで人生の荒波を乗り越えられたと断言できるし、もう感謝の一言に尽きるが、彼の「独り言」に付き合うには、アルコールが一番でしたねえ(笑)。

そのピアノソナタ群の中でも「ハ短調14番第2楽章(アンダンテ) K457」は白眉ともいうべきで、「
ああ、いいなあ・・」と、もう感無量になって目頭が熱くなることしばしば~。

この曲を聴いてホロリとこない人はモーツァルトと一生縁が無い人といっていいかもしれない、とにかく一度でも「ユー・チューブ」でいいから聴いてみて~。

これほどの名曲ともなると演奏者は誰でもよろし、「音」だってどうでもよろし(笑)。

現役引退後は毎日のようにちびりちびりやりながら「ピアノソナタ」を聴けると楽しみにしていたが、毎日ともなると身体が持ちませぬ~。

「空きっ腹にウィスキー」が連日ともなると「胃」を痛めてしまってあえなく挫折(笑)。

実は「ブログ」だってアルコールが入ると「筆の運び」が快調になるのはわかっているのだが、早朝から飲むと「アル中」になりそうなので泣く泣く封じ込めている(笑)。

ちなみに「音楽とアルコール」でググってみると脳の中の報酬系が同じだという最新のネット記事もあるので、興味のある方はご覧になってみてください。

そして、読者の皆様、音楽とアルコールの「想い出」「連想」がありましたら是非おきかせくださいな~。



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南スコットランドからの「ウマさん便り」(2023・3・30)

2023年03月30日 | ウマさん便り

「奥の細道」 

ロナルド・ターンブル…スコットランド有数の数学者として知られる彼が、ひょっこり僕を訪ねてきた。 

「ウマ、筆で、奥の細道って書いてくれないか?」

いいけど、ロナルドは芭蕉(ばしょう)を知ってるの?

「英国でHikeをたしなむ人は、皆、バショウ・マツオを知ってる」

英国での松尾芭蕉のニックネームは、なんと「バナナ」だという。なるほど、「バショウ」やもんな。 (註 ブログ主:バショウは英名を「ジャパニーズ・バナナ」という)

俳句は、もう、英語のHikeになってますね。僕の地元ダンフリーズには、授業でハイクを教える中学校がありますよ。もちろん英語で詠(よ)むハイクです。 

で、彼の目の前で、筆で「奥の細道」と書いてあげた。そしたら…

「芭蕉が馬屋で寝ていて、蚤(のみ)や虱(しらみ)に悩まされた挙句(あげく)、馬におしっこをかけられる俳句があるよね。あれも筆で書いてくれない?」

ロナルド! おぬし、芭蕉の俳句に詳しいんやねえ。あれは有名な俳句で、もちろん僕もよく知ってる。お安い御用や!

で、即、書いてあげた「蚤虱(のみしらみ)馬の尿する枕もと」…

そしたら彼「ついでに、ウマのサインも筆で書いてくれないか?」

エッ? ちょっと待って! いったい何のためにこんなことさせるんや?

「いや、ま、いずれわかるから…」ロナルドが言葉を濁(にご)す…

ちょっと変や…彼、いったい何を企(たくら)んでるんや? 

で、練習もなしでサッと書いた三点を持って帰ろうとするんで慌(あわ)てて止(と)めた。 持って帰るんやったら、もっとちゃんと書くから練習させてよ。コーヒーでも飲んで、ちょっと待っててよ。

「いや、ウマ、これでええ。これで充分や」

あかんあかん、もっと上手(じょうず)に書くから、ちょっと時間をちょうだいよ。

「いや、上手(じょうず)か下手(へた)か、こっちの人間、誰もわからんからこれでいい」

結局、まったく練習なしでサッと書いたのを強引(ごういん)に持って帰りよった。いったい何に使うんやろ? けったいなヤツやなあ? 

で、彼が帰ったあと、ふと気が付いた…

スコットランドに移住して以来、ちょくちょく筆を使う機会があることに気が付いた。イタリアにも書道の指導に行くしな…

英国人、特にスコットランド人は、ハイキングやトレッキングが好きな国民だと思う。トレッキングの専門雑誌もいくつも出ている。

僕の住むダンフリーズ郊外でも、もう、いくつものモデルコースがあり、老若男女(ろうにゃくなんにょ)、大いに歩くことを楽しんでいる。歩くことを楽しむって、とても素敵なことだよね。 

広大な放牧場のゲートには、通常、鍵がかかっていない。トレッキングの途中、放牧場に出くわしたら、誰でもゲートを開けて、その中(つまり私有地)を横切り、トレッキングを継続することが出来る。 

スコットランドも含め、英国の土地の多くは貴族の所有です。貴族の土地を避けて鉄道施設は不可能だと云われている。その貴族が、広大な土地を小作人(こさくにん)に委(ゆだ)ね、牛や羊、ウマなどの放牧場にしてるわけですね。 

イングランドの事情は知らないけど、スコットランドでは、なぜ、一般の人々が、それらの土地、つまり、私有地に断りもなしに入っていいのか?

貴族が、その所有する自然景観豊かな広大な土地を独(ひと)り占(じ)めするのは、社会的道義に反するという考えがあるからだと思う。広大な土地の所有は自分に帰属するものであっても、その自然景観は公共のものであるという考え方ですね。 

美しい自然景観を一般の人々に開放することで、貴族はその社会的責任をある程度果たしているというわけです。しかも、その自然景観の維持(いじ)に莫大(ばくだい)なお金を費(つい)やしてもいる。

敷地が二万四千坪あるアラントンハウスは、貴族の住まいじゃないどころか、しょぼい日本人のオッサンがおるけど、その門に扉はない。誰でも自由に入ってくることが出来る。フォレストウォーク(森林歩き)など、我々が設置した様々な木の説明ガイドを見ながら、どなたでも散策できるようにしている。

知らない方が犬をつれて散歩しておられるのを見るのはめずらしくない。朝早く、たまに、鹿の親子も散歩してるけどね。 

アラントンのまわりにも、山あり谷ありの貴族の土地がたくさんあるけど、その私有地内の道を通ることはしょっちゅうですね。ここからは進入禁止ってな標識はない。つまり、私有地を自由に車で通ってるんです。そう云えば、土地を含め、多くの富を独占していると云っていい貴族に対する非難の声を聞いたことないなあ。 

時々、キャロラインさんと、南スコットランドの海岸沿いを、犬のクリを連れて、散歩がてらトレッキングすることがある。牛や羊、馬の放牧場のゲートを開け勝手に入り、牛ちゃん羊ちゃん達の横を通ることはしょっちゅうです。

ところで、松尾芭蕉(まつおばしょう)って、トレッキングの専門家とも云えるよね。ただ、行く先々で俳句を詠(よ)んだのが、ただ歩くだけの人たちとの違いでしょうか。

その昔、高校時代のラグビー仲間だったK君と、車で北海道を一周した。最北端の街稚内(わっかない)を目指していた僕たちは、稚内(わっかない)に行く前に、サロベツ原野の沖合に浮かぶ利尻島(りしりとう)の利尻富士(りしりふじ)を見たかった。でも、サロベツ原野も利尻島も残念なことに曇(くも)り空だった。

その時に詠(よ)んだ一句が、僕は割と気に入っている(んやけど…)。

…利尻富士(りしりふじ)…見えるかどうか…わっかない…

K君ドテッ! 彼には、バカにされたなあ… 

そうそう、何年か前、先生に引率された街の中学生19名が、アラントンの広い敷地内を三時間ほど散策したあと、僕が淹(い)れたお茶を呑(の)みながらHikeを詠(よ)んだことがあったなあ。平均年齢14歳の彼らの作品の、ほんの一部を紹介しておこうかな。ウマの訳を付けときます。 

アレックス君(14歳)

a leaf…blowing in the cool breeze…endlessly

(木の葉が一枚…そよ風に揺(ゆ)れている…いつまでも) 

クローディアちゃん(11歳)

a field of buttercups…holding in their petals…the golden sun

(キンポウゲ咲く野原…輝く光が…花びらを包む…) 

ケリーちゃん(12歳)

tall trees stand alone…leaves flutter…in the summer breeze

(大きな木が一本…夏のそよかぜに…葉がヒラヒラ…)

ジョッシュ君(13歳)

a small white moth…on my finger…a whole new world
(ちいさな白い虫…知らない世界…今、僕の手に触れている) 

どう? 中学生とは思えないでしょう? 彼らには、是非とも芭蕉の句に親しんでもらいたいと願っている。 

さて、ロナルドがうちに来たことなどとっくに忘れてた頃、彼から、一冊の雑誌が届いた。「TRAIL(トレイル)」…、トレッキング専門雑誌では英国で一番売れている。その案内ガイドは信頼がおけるというので、僕もたまに買うことがある。

怪訝(けげん)に思って目次のページを開くと、ロナルドが芭蕉の特集記事の執筆者として写真入りで紹介されているんでびっくりした。

で、彼がエッセイを書いているそのページを開けた… 

な、な、なんやコレッーーー??? 思わず目を剝(む)いてしもた。 

な、なんと! ロナルドの芭蕉(ばしょう)に関するエッセイのタイトルバックに、僕が練習もなしに書いた「奥の細道」が載(の)ってるやないか!

次のページには「蚤虱(のみしらみ)馬の尿する枕もと」、さらに次のページに僕がジョークで、ええ加減に書いたアホなサインも載(の)ってるんや。 

あ、あかん!こんなんあかん! 練習もなしで書いたのが、英国全土のトレッキングファンの目に触れるなんて、あ、あきません!

だから、練習させてくれって云うたやろ! 

でも、すごく嬉しいね。ロナルド、ありがとう!




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男子3日会わざれば括目して見よ

2023年03月29日 | オーディオ談義

中国の故事に「男子3日会わざれば括目(かつもく)して見よ」という諺(ことわざ)がある。ご存知の方も多いと思うが、

努力している人は三日会わずにいるだけで見違える ほど成長するものであって、次に会う時は心して相対しなければなりませんよ。」

どうして引用したのか・・、それは「男子」を「オーディオ」に置き換えるのが狙い(笑)。

つまり、我が家のオーディオに関する記事はこのところ1週間ほどご無沙汰だったが、もちろん手をこまねいていたわけではなく、その間にいろいろと変遷があったのでぜひ、詳(つまびらか)にしておきたい。

いわば「もはや(我が家のオーディオは)昔日の状態ではありませんよ!」ということが言いたいわけ・・、いい歳をして!(笑)

時系列で羅列してみよう。

1 ワーフェデールの「スーパー10」の独立

JBL「175」の復活で「スーパー10」があぶれたが、もちろん遊ばせておく手はない。



強力な「赤帯マグネット」のユニットなので反応の速さと歯切れが抜群、そしてバッフルの無い素直な音のメリットがストレートに伝わってくる。

ただし、箱が不在なのでサブウーファーの出番として「200ヘルツ以下」を斜め後方の後ろ向きのSP(口径20cm)で補っている。

この状態で、3日ほど堪能してから次の段階へ~。

2 「TRIAXIOM」の箱の入れ替え



比較的大き目の箱に容れていたグッドマンの「TRIAXIOM」だが、最近めっきり出番が少なくなっていた。無意識のうちに遠ざかっていたわけだが、こういうなかなか聴く気になれない時はどこかがおかしいはずなので、思い切って箱を入れ替えてみた。

すると、想像以上の快ヒットで、箱の相性は断然こちらの方がいい!

けっして大きな箱がいいとは限らないところがオーディオの面白いところ。

同軸3ウェイだけに音の「ハーモニー」は抜群だし、周波数レンジもこれで十分だし、もうケチのつけようがないほどで、これまた3日間ほどみっちり堪能。

そして、最後に・・、

3 「AXIOM80」(オリジナル版)の復活



当然のごとく「TRIAXIOM」を入れていた箱が空いたので、実に久しぶりに「AXIOM80」(オリジナル版)の登場となった。

一昨日(27日)に入れ替えたので今日(29日)で3日目だが、やはり独特の音の抜けの良さ、そして音響空間での「余韻」の漂い方はこのユニットじゃないと味わえないことに改めて慄然とするほどだった。

ただし、気難しくて繊細なことこの上ないユニットなので駆動するアンプをことのほか選ぶし、さらにまたプリアンプを通さずにDACと直結して鳴らしているのでなおさら~。

神経質な高音域を上手くなだめてあげる、そして物淋しい低音域をふっくらとした響きにしてあげる、この二つが相性のいいアンプとしての宿命である。

そして、手持ちのアンプを手当たり次第にあてがったところ、相性が良かったのは意外にも伏兵的な存在だった「2A3シングル」だった。



出力管が低音域に定評のある「VISSEAUX」(フランス:刻印)なのでうまくいった感じだが、このアンプはプリアンプを通さない方が断然いい。

そして、本命の「WE300Bシングル」は、DACとの直結だとゲインが高すぎてあえなく脱落。

ただし、もう一つの本命「PP5/400シングル」は後日の楽しみのために鳴らさずに温存しておくとしよう(笑)。



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オークション情報~WE300A出力管~

2023年03月28日 | オークション情報

オーディオ投資に失敗はつきもので、我が家の歴史を振り返ってみても数知れぬほどの屍が累々と横たわっており、ときどき臍(ほぞ)をかんでいるのは言うまでもない。

ところが・・。

先日の「ハイエンドオーディオフェア」で、1千万円前後の高額の機器を見たり聴いたりしていると、感覚が麻痺してきて少しぐらいの失敗は何てことはないなあとちょっと気が大きくなった(笑)。

で、スケールはやや小さくなるがもうひとつ気が大きくなる話を~。

先日来、オークションに出品されていた「WE300A」真空管について、気になって仕方がなかったが、このほどようやく落札の運びになった。



出品者の解説によると、

およそ90年前に造られた初期型で形状はほぼ揃っています。モノラルの時代の品なので2本揃うのは極めて貴重です。ガラス内部の付け根に両方とも 12-31 と書かれています。同一ロットを意味するかもしれません。

約30年前に中古で購入。出力6Wのシングルアンプの軽い動作で使用。これまでノイズもなく良い音で正常に動作していました。

フジソクの精度の良い真空管測定器で測定した結果は、共に正常範囲です。購入当時からほとんど特性は変わっていません。

エミッション特性はともに150mA位まで伸びていて良好です。ゲッターは濃くてかなり大きいです。真空度は高いようです。ゲッター金具はカップ状です。

WE300A 初期型 でWEB検索すると詳しいことがいろいろと出てきます。

とまあ、以上のとおりだが真空管の世界はいろいろと「ご先達」がおられるのでとても自分ごときの出る幕はないが、音のいい出力管といえば英国では「V503(DA30)」 「PP5/400(PX25)」あたりで、米国では「WE300A」 「WE300B(刻印)」くらいではなかろうか・・。

とりわけ「WE300A」は時代が古いこともあってめったに見かけないし、マニア垂涎の的であることは疑いない。

画像によると「ブルーの光」が綺麗に輝いているが、管内の真空度が高いとこういう色が出てくるので程度はメチャ良さそう。

とはいえ、いまさら購入する気はさらさらないので興味の焦点は「落札額」がいったいいくらになるのか~。

ちなみに、開始価格は「100万円」、落札日は「26日」(日)。

そして、もったいぶらずに明らかにすると落札額は「160万1千円」なり!

数年前のことだが「WE300B刻印」がたしか100万円だったので、それをはるかに上回る金額!

ウ~ン、泣いても笑っても真空管の ”とどのつまり” は「ウェスタン」ですか・・。



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面白うて やがて悲しき オーディオかな

2023年03月27日 | 独り言

芥川賞作家にしてクラシックに造詣の深かった「五味康佑」(ごみ こうすけ)さん(故人)が著作の中でいみじくもこう述べられていたことが脳裡の片隅に残っている。

「どんな長編小説も俳聖・芭蕉の一句に及ばないことがあります」

その代表的な名句・・

「荒海や 佐渡に横たふ 天の河」 「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」 「象潟(きさがた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」 、そして「面白うて やがて悲しき 鵜舟かな」・・

詩情豊かなイメージに思わずウットリしませんかね(笑)。

この25日(土)に「九州ハイエンドオーディオフェア」に行ってきました。開催地は福岡市の中心部「国際会議場」で、大分県内各地からオーディオの勇士が6名集っての道行でクルマの持ち出しと運転は「Y」さん。

主催は「マックス・オーディオ」(本社:北九州市)さんで、「社長の大原さんという人はとてもオーディオ熱心でユニークな人ですよ」(Yさん)とのことで、九州の田舎者にこういう機会を与えていただいて大いに感謝です~。

このフェアはコロナ禍で長いこと中断していたが、たしか3~4年ほど前にも訪れたことがあり、何といっても高級なスピーカーが聴けるのが楽しみの一つ。

そして、今回のハイライトは「1485万円」のスピーカーが聴けたこと!



「AUDIONEC」(フランス:オーディオネック)の「EVO3」

で、肝心の音なんだけど・・。

広大な周波数レンジ、力強い音というのは間違いないが、「それがどうした」という気になるのはこちらの僻みかな~(笑)。

重量は110Kgなので「ウェストミンスター」級で大したことはないが、家庭で音楽を聴くとなると「どれだけ繊細な音が出るか」がポイントになりそう。

「デジタル機器に比べてスピーカーの進歩は遅々としている」と、されているが、いろいろと工夫の跡が見られるのでこういう最新のSPを一度でも聴けて良かった。

いずれにしても、この程度の音に1500万円も出す気にはさらさらならないが、「ステータス」の側面からアラブの石油王、世界のIT長者あたりに狙いを定めているのだろうか。

ほかにも、



「B&W」の「801 D4/B」も聴いてみた。お値段の方は「594万円」

そして「ウィルソン・オーディオ」のスピーカー。



これが「858万円」・・、何だか金銭感覚が麻痺してきますね(笑)。

いずれも似たような音に感じて、どこがどう違うの~。



「ELAC」(ドイツ:エラック)のスピーカーは独自の工夫がしてあって「コーン」型の表面にクリスタルカットを施して表面積を増やす工夫をしていたので感心したが、音の方もとても良かった!

お値段は「165万円」(スタンド込み)。

各ブースを回りながらYさんが「どれもこれも似たような音がしますね・・。あなたの家でAXIOM80を聴かせてもらう方がよっぽど面白いくらいですよ」と、呟かれた。

夢を与えてくれる高級オーディオをけっして否定するわけではないが、乏しいお金を捻出して創意と工夫にあふれたオーディオもまた良きかな~。

で、最後に一句。

「面白うて やがて悲しき オーディオかな」(笑)。



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読書コーナー~「チャイコフスキーがなぜか好き」~

2023年03月26日 | 読書コーナー

24日(金)は久しぶりに晴れ間が顔を出す中、3か所の図書館を巡った。

全ての貸出限度を合わせると「25冊」になるのだが、さすがに2週間の期限内には読めないので今回ばかりは「ぜひ読みたい」という本に絞って借りてきた。


その中に「チャイコフスキーがなぜか好き」(PHP新書)という本がある。著者は名古屋外国語大学学長(2023・3・26現在)の亀山郁夫氏。近年、「カラマーゾフの兄弟」をはじめロシアの文豪「ドストエフスキー」の一連の著作の新訳で著名な方。

                             

文学のみならずクラシックにも興味がおありとは、連帯感を彷彿とさせてくれる
が、「チャイコフスキー」がお好みとはちょっと意外。

いわゆるクラシック通の間で「チャイコフスキーが好き」なんて広言することは、何だか”はばかられる”感じを持つのは自分だけだろうか。

なにしろ(チャイコフスキーは)覚えやすいメロディが多いので、ちょっと聞きにはとても親しみやすいのだが、何回も繰り返しての鑑賞に耐えるには少し物足りない音楽という気がする。したがって、どうしても初心者向けの軽いイメージが先立ってしまうが、作曲家自体もそう見られがち。

本書の題名の中にわざわざ「なぜか」という言葉が挿入されているのも、著者のその辺の思いがシグナルとして示されているように思う。

つい、いつぞやのブログの中で「ショパンなんて所詮は二流の音楽」と勝手に決めつけたことを恥ずかしながら思い出してしまった。

ありていに言うと、ショパンの音楽だって「親しみやすさ」という点ではチャイコフスキーと似たようなものだが、いくら筆の勢いとはいえ歴史に名を刻む大作曲家を二流とかいって一刀のもとに切り捨てる資格が果たして自分にあるのだろうかと内心、わだかまりがずっと残っていたので、亀山さんの率直な物言いが妙に心に響いてきたという次第。

結局、作曲家の位置づけなんていろんな(作曲家たちとの)距離感のもと、個々の心情の中で相対的に決まるものであって、そ~っと心の中に秘めておけばいいものを、何も他人に向けて情報発信までしなくてもよかったのに、というのが現在の心情である。あ~あ、「雉も鳴かずば撃たれまいに」(笑)。

ところで作曲家に一流とか二流とかのレッテルは不遜にしても、世間一般のランク付けというのは果たしてあるのだろうか。

実は本書の30頁に興味深い記事があった。ロシアの作曲家たちがクラシック音楽の世界でどのような位置づけにあるのかという視点からロシア通の著者がウェブで調べた結果が次のとおり。

「今日、世界のコンサート会場で演奏される曲目の国別統計を取るとしたら、どの国の作曲家が最高位にランクされるのだろうか。そんな非音楽的な好奇心にかられてウェブ上に情報を求める。統計は見つからなかった。そのかわりに、「百人の音楽家たち」と題するランキング表が出てきた。(「100 Greatest Classical Composers」)。設けられた基準は次のようなものである。”彼らのイノベーションや影響力だけでなく、その美学的な重要性と歴史的な意味の重さ”

さっそく、「100 Greatest Classical Composers」と打ち込んでググってみた。ちなみに、最初は「百人の音楽家たち」としてみたが、これでは見当はずれで出てこない。あくまでも「英語」で打ち込まなくてはならない。

そして出てきたのが、次のランキング。全文英語なので、これが日本のみならず世界的にグローバルな”ものさし”だといえよう。

1 ベートーヴェン 2 モーツァルト 3 バッハ 4 ワーグナー 5 ハイドン 6 ブラームス 7 シューベルト

8 チャイコフスキー 9 ヘンデル 10 ストラヴィンスキー 11 シューマン 12 ショパン 13 メンデルスゾーン

14 ドビュッシー 15 リスト 16 ドボルザーク 17 ヴェルディ 18 マーラー 19 ベルリオーズ 20 ヴィヴァルディ

これまで、自分の好み次第で作曲家の位置付けを勝手に決めつけていたが、このランキングでいろいろと考えさせられた。

まず上位4名の顔ぶれにまったく異論なし。もはや時代遅れと思っていたベートーヴェンが1位とはさすが~。

しかし、ハイドン、メンデルスゾーン、リストが20位以内に入るのは意外だし、近年コンサート会場を席巻しているマーラーが18位とはちと後ろ”過ぎる”かなあ~。そして「ブルックナー」が入っていない!


今回、話題に取り上げたチャイコフスキーが8位、ショパンが12位というのもちょっと上位”過ぎる感があるが、音楽とは各人の環境や個人的な体験、性情
によって大きく左右されるから、自分のものさしが合わないだけの話。

ただし、最後に、チャイコフスキーの音楽について、著者の友人(音楽批評家)のコメントが印象に残った。(141頁)

「私はチャイコフスキーの音楽(メロディ)に”いじわる”なものを感じます。とてつもない自己愛から来るもの。だからチャイコフスキーの奇跡のように素晴らしい音楽にはものすごく興奮し、感動もするけれど、慈愛を感じない。

作曲家はみんな自己中心的でナルシストだけれど、創作しているうちに、音楽への愛が自己愛を上回る瞬間というのが必ず来ると思う。チャイコフスキーの場合はたぶん、音楽より自分の方が大好きだったのではないか、と思えるんですね。そう、あの人の音楽、聴いても何か癒されない・・・・・・」

文中の「チャイコフスキー」を「ショパン」に置き換えても同じことが言えそうな気がするのだが、皆様はいかがでしょうか?



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南スコットランドからの「ウマさん便り」(2023・3・25)

2023年03月25日 | ウマさん便り

WBCの優勝でいまだに余韻冷めやらぬ日本列島・・。

やはりスポーツはいいですね。連帯感を育み、心を一つにしてくれる点では芸術よりも上ではないでしょうか。

で、国際試合にちなんで「ウマ」さんから次のようなお便りが来たのでご紹介しよう。

「北海道と本州が野球の試合をする…
これ、国際試合と言ったら「何をアホなことを…」となるよね。
 
ところが、英国では事情が全然違います。
スコットランドとイングランドがサッカーやラグビーの試合をする…
これ、国際試合になります。
 
ご存知の方も多いと思うけど、そこら辺の事情を書いた「ウマ便り」をご覧ください。

「英国はイングランドではない」  

初めてスコットランドを訪れたのは1980年の夏だった。

グラスゴーのキャロラインの実家で、弟のマーティンが、ある日、やや興奮して言った。「今夜、スコットランドとイングランドのサッカーの試合がある」

そして、ビールやらウィスキーやらポテトチップス(英語ではクリスプス、ポテトチップスはフレンチフライのこと)などをしこたま用意しテレビの前に座った… 

いよいよゲームのスタート、ところがそのタイトル画面を見て僕は首をかしげた。「スコットランドvsイングランド」、これはわかる。が、そのタイトルの下に「国際試合」とあるんや。なんなのコレ? 「マーティン! なんで国際試合や?」

「当たり前や。イングランドは外国や!」「エッ? スコットランドもイングランドも同じ英国とちゃうのか?」 「同じ英国やけど、違う国や!」 

英国が「連合国家」であることを知るのに時間はかからなかった。

英国は四つの国で成立している。「イングランド」 「スコットランド」 「ウェールズ」 「北アイルランド」…

この国は、歴史上、ケルト人、ローマ人、それにゲルマン人であるアングロサクソン人やノルマン人その他が入り乱れ、他の欧州の国々同様に、様々な王国を築き集合離散を繰り返してきた。現フランスのほとんどが英国の領地だった時代もある。 

18世紀はじめにイングランドに併合されたスコットランドは、それまではれっきとした独立国家だった。だから、イングランドへの対抗意識や気風・気概は今に引き継がれ、スコットランド独自の法律や銀行制度(独自の紙幣を発行)、或いは教育制度や医療制度など、イングランドとは違う行政制度がある。さらに立派な国会もあるし首相も存在する。 

「英国」と「イギリス」、この国を呼ぶのにこの二つの名称が日本にはある。ここらもちょっと事情をややこしくしているんじゃないかな。

「英国」は、ブリテン島と北アイルランドを示し、文字通り英国全体を現している。ところが問題は「イギリス」や。もともと「イングランド」が語源のこの言葉、  

「英国」も表わすが「イングランド」を示す場合も多い。

だから僕は、英国全体を示す場合、イギリスという言葉は極力使わないようにしている。 

さてここで、日本の学校の英語の授業をちょっと振り返ってみよう… 

「英国は英語でイングランド、英国人は英語でイングリッシュ…」

僕は中学で確かにそう習った。いまでもこう教えている先生は多いんじゃないかな。でも、これ、明らかに間違いなんだよね。 

イングランド人   → イングリッシュ

ウェールズ人     → ウェーリッシュ

スコットランド人 → スコティッシュ

北アイルランド人 → アイリッシュ 

イングリッシュってのはイングランド人のこと。同じ英国人であるスコットランド人はスコティッシュであり、間違ってもイングリッシュとは云わない。もちろん、ウェールズ人はウェーリッシュでありイングリッシュじゃない。だから、英国人のことをイングリッシュと呼ぶのは間違いだってわかるよね。

英国には四つの国があり四種類の国民がいる(現実にはおびただしい移民との共生社会だけど)。この四国民を総称して、つまり英国人は「ブリティッシュ」が正解となる。でも国籍を尋(たず)ねられた場合、「入管」など公的な場以外で自分のことをブリティッシュとみずから言う英国人はあまりいないと思う。「私はイングリッシュです」 「私はスコティッシュです」…が普通でしょう。

「私はイングリッシュです」と云う方を、この人英国人だと捉(とら)えずに、この人、イングランド人だ…と認識すべきでしょうね。

「英国人はイングリッシュ」、これが間違いだということ、わかってもらえました? 

じゃあ「英国」は英語でなんと呼ぶのか? 

英国の正式名称、実はコレ、世界で一番長い国名なんです。「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」

「グレートブリテンと北アイルランドによる連合王国」 コレ長すぎるよね。だから通常は「United Kingdom」(ユナイテッド・キングダム)と呼ぶ。キングは王様、ダムは領地のこと、つまり、キングダムは王国の意味。だから、ユナイテッド(連合)とキングダム(王国)で「連合王国」となるわけ。これは御存知の方も多いでしょう。  

これをさらに省略して「U.K.」となる。「英国はユナイテッドキングダム」、これが正解となります。もっとも慣習的に昔から「グレートブリテン」と呼ぶ場合も多いけど、正式名称ではない。 

スコットランドで暮らす僕に、日本からの手紙のほか、時に、本や雑誌、あるいは様々な日本食材を送ってくださる方がかなりいらっしゃる。手間隙(てまひま)かかる梱包(こんぽう)、そして決して安くはない郵送料…、非常にありがたいことだと、いつも心より感謝している。

でもその郵便物を見ると、僕への宛名として、スコットランドのあとにイングランドと記入しておられる方が実は少なくない。つまり国名が二つ並んでいるんですね。

だから皆さん、僕に何か郵送してくださる場合(催促してるんとちゃうよ)、どうか宛名のスコットランドのあとに「U.K.」とご記入くださいましね。 

いつだったか、大阪のラジオで、英国製紳士服地のCMを聞いたことがある。ナレーターが格調高い語り口でこうおっしゃった… 

「イングランドの誇り…最高級ウール…それが〇×紳士服地…」

ところが、そのCMのバックに流れていたのはバグパイプなんです。もちろんバグパイプはスコットランドの誇りでイングランドのものじゃない。笑っちゃうよねコレ… 

御存知だとは思うけど、UやKのあとに付いているピリオドは、省略の意味です。そこで思い出した… 

大阪に置いてある僕の自転車は、自転車屋の友人が組上げてくれた特製です。で、彼、わざわざ、フレームに「U.M.A.」とレタリングしてくれた。 

それは嬉しいんやけど、なんでピリオドが付いてるんや? ピリオドなんかいらん筈や。で、その理由を訊いた… 

「コレなあ、Uは胡散(うさん)くさい、Mはマヌケ、Aはアホ。胡散臭(うさんくさ)いマヌケのアホ…」

…あ、あのなぁー… 

さてさて、日本の英語の先生方! もうやめましょうよ。

「英国はイングランド、英国人はイングリッシュ」と教えるのは、ネッ!

追記(2023・3・25)

日本も英国のように分けると面白そう。

たとえば、「九州」「四国」「静岡以西の本州」「東京以北の本州」「北海道」の5つの連合国家にする。いわば県を廃止して「道州制」へ。

行政の合理化(人件費など)に寄与すると思うんだけどなあ・・(笑)。



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あの日、あの時聴いた「忘れられない音」

2023年03月24日 | 独り言

オーディオマニアだと自負する人なら「あの日、あのとき、聴いた音」として絶対忘れられない音というのがきっとあるに違いない。

あれは、もう40年以上前になるかなあ・・・。仕事の手を休めて、たぶんお昼休みだったろう、職場から歩いて10分ほどのオーディオショップに立ち寄ったところ、それはもう素晴らしい音、何と表現していいのか、キラキラと音が輝いてまるで小さな宝石が辺り一面に四散しているような感じの音だった。

衝撃を受けてすぐにアンプとスピーカーをチェック。

アンプはパイオニアのエクスクルーシブ「M5」(A級:モノ×2台)、スピーカーはヴァイタボックスのクリプッシュ・コーナーホーン「CN-191」だった。

しっかりと脳裡に刻み込んだが、なにしろ当時の安サラリーマンにはとても手の出せる価格ではなかった。まことに適切な表現があって、これを「高嶺の花」という(笑)。

爾来、オーディオ遍歴をいろいろ重ねてきたが、片時も脳裡からこの組み合わせが離れたことはなかった。

しかし、時代の流れは残酷で肉体のみならず夢までをも風化させていく。

「M5」は今でもオークションでときどき見かけるが、「A級方式」とあって、電力の大飯ぐらいで昨今の家庭の電気事情にはとても合わない代物になってしまった。

性能的にもパワー面ではともかく、「古典管アンプ」の幽玄、繊細さにはとうてい及ぶべくもなかろうとおよそ想像はつく。

で、簡単に諦めはつくのだが、問題はクリプッシュホーン「CN-191」だ。

当時の盲信状態からすると、ネットワーク部分などをはじめいろいろと弱点が分かってきたものの、基本的な畏敬の念は今日までいささかも薄れることはなかった。

そういえば、「CNー191」で思い出すのが湯布院温泉郷の盟主「中谷健太郎」氏だ。

中谷氏といえば周知のとおり今日の湯布院観光の立役者であり、オーディオマニアとしてもつとに知られた方である。

「ゆふいん音楽祭を前に」~想念に身をまかせ世界漂う~と題して、ずっと前に朝日新聞にコラムを寄せられていた。

以下、概略。

『わが店の珈琲(コーヒー)ルームに音楽を持ち込んだ。まずはスピーカー「ヴァイタボックス・CN191」、イギリス製の大型コーナー・ホーンだ。~中略~。30年ほど前、「ゆふいん音楽祭が」始まって数年、私が40台後半であったか。

1日200円で25年間、音楽を楽しもうぜ」とカミさんを口説いて買った玩具だ。アンプはアメリカの「ウェスタン・124型」。350Bという大きな真空管がウリのパワーアンプ。軍隊の通信用に国費で開発されたという伝説があり、「だから凄い」という人と、「だから音楽には向かない」という人がいる。私はどちらでもヨロシ、黙って夜の帳(とばり)に光る真空管を見つめるだけだ。~以下略~』

さて、その憧れのマドンナ「CN-191」が先日オークションに出品されていたのをご存知だろうか。

中古の専門ストアからの出品でスタート価格は1000円!

「ウェストミンスター」(改)が無ければすぐに飛び付くのだが、今となっては家内の目はウルサイしと、ハナから諦め気味だが価格の推移だけはずっと注視した(笑)。

初めのうちは5ケタの価格帯で推移していたのが落札期日が迫ってくると、みるみる価格が上昇していく。

良かった!微妙な心理である。喩えて言えば、昔好きだった女性が歳を取って落ちぶれてしまい粗末に扱われるのを見たくない心境とでも
いおうか(笑)。

結局、入札件数が127件 落札価格は「901、000円」なり・・。
           

さて、前出の中谷氏の口説き文句「1日200円で25年間」だが、満期になった25年後に上記のように90万円で下取りとなるとものの見事に「1日100円で25年間」音楽を楽しめることになる。

これは「安いッ! 」(笑)。



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起死回生の一手!

2023年03月23日 | オーディオ談義

オーディオは自分さえ満足していればそれでいい趣味だが、たまには第三者の意見も取り入れて「成長の糧」になればと思っているので、およそ1か月ぶりに仲間のYさんに来ていただいた。

とはいえ、新しいプリアンプを導入してから我が家のオーディオは以前よりも変容したはずなので「どうです、いい音になったでしょうが・・」という下心がまったく無いと言ったらウソになる(笑)。

いつものことながら、Yさんの音質についての論評は始めの方はやや低姿勢で好意的な評価が続き、それが段々と進むにつれて「歯に衣を着せぬ」言葉が飛び出してくるのがいつものパタ~ンなので後半が楽しみ~(笑)。

今回(19日)もそうだった。



10分ほど聴いていただいてから「どうですか?」と直截にお伺いすると「とても自然な音で聴きやすいですね。このプリアンプはとてもいいです」と、心から感心した面持ちだったのでまずはひと安心。

持参されたCDがこれ。(少しピンボケ気味)

 

「JBLのユニットなのにとても弦が綺麗ですね」と、第一声。

「そうでしょう、真空管アンプで鳴らすと金属くさい響きが随分抑えられますよ」

次に、ジャズを。



「075が満を持したように躍動してきましたね。こんなに鮮やかなシンバルの音は初めてです! 横に置いていたときよりもこの位置の方がずっといいです。ぜひジャズ通の人たちに聴かせてあげたいほどですね」

「超重量級のステンレスの削り出しホーンが利いてると思います。それに駆動するアンプがクセの無い71Aシングル(前段管:AC/HL)ですからね」

と、ここまでは良かったのだがこれから段々と雲行きが怪しくなってきた(笑)。

いつものように低音域のメリハリを確認するために、ゲリー・カーのコントラバスを聴いた途端に、「随分と低音が淋しくなりましたね~、これではウェストミンスターの箱がまったく生きてませんよ」

「 ”二兎を追うもの、一兎をも得ず” ですからね、もう低音は半分あきらめてますよ」と自分。

「それはもったいないですねえ・・。なんとかなりませんか~」

「おそらくプリアンプから無理に3台のアンプを出力しているので負荷がかかり過ぎて低音部の迫力が無くなったのだと推察しています」と、自分。

「それなら、プリアンプを通さずにDAコンバーターから直接低音域を受け持つアンプに直結すればいいんじゃないですか?」

「あっ、なるほど、そういう手がありましたか!」

「A-22」(GUSTARD)にしろ「エルガー・プラス」(dCS)にしろ、DACの出力は「RCA系統とバランス系統」の2種類あるのでどちらか一つを低音用アンプに直結するという奥の手があった!

この方式だと、プリアンプの出力が3系統から2系統になるので負担も随分軽くなってまさに「一石二鳥」とはこのことか。

幸い、ずっと以前に「バランス → RCA」変換ケーブルを「T」さん(東海地方)に作っていただいている。



たいへんな優れものでまったく音の劣化を感じない変換ケーブルでやっと出番がやってきた。

ただし、システムを弄るとなるといろいろと作業の手が込んで面倒そうなので、次回へのお楽しみということで、ひとまず「Y」さんには辞去していただいた。

およそ3時間ほどの試聴だったがいつものように「AXIOM80に代えてほしいのですが・・」という声が出てこなかったのはうれしい限り(笑)。

さあ、それからおよそ1時間ほど「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながら、ようやく「低音域用アンプ」として落ち着いたのが「71Aプッシュプル」だった。



「WE300Bシングル」や「PX25シングル」も試してみたが、プリアンプを通さないとやや細身の音になってどうしても量感が欲しくなるが、その点「プッシュプル」は図太さと厚みがあって今回のケースではピッタリだった。

やはりオーディオはお値段やブランドではないですね!(笑)

(71Aプッシュプルの)ボリュームの位置も丁度半分くらいの位置で済むほどで、余裕たっぷりの低音に心の底から痺れまくった(笑)。

これはまさに「起死回生の一手」でしたよ!

さっそく「Y」さんに連絡して「おかげさまでバッチリでしたよ」「それは良かったですね、ぜひまた聴かせてください」「ハイ、わかりました」

とはいえ、長く聴きこんでいくといつものようにどこか不満が出てくるんだろうけど・・。

その一方、天邪鬼(あまのじゃく)かもしれないが、(オーディオは)完成形が無くて常に問題を提起してくれるところが気に入ってるのでいっさい苦になりませんから、ホントに~(笑)。


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野球? なんだそれ?

2023年03月22日 | 独り言

昨日(21日)は日本列島が大いに揺れましたねえ、メキシコチームに劇的なサヨナラ勝ち!

今日の決勝はアメリカ相手の「乾坤一擲(けんこんいってき)の大勝負」、世界中から注目といきたいところだがそうは簡単に問屋が卸さない(笑)。

前回のブログ「ヨーロッパで野球が・・」の中で問題提起(?)しておいた日本と同じ島国なのに「イギリスで野球が広まらない理由」について、厚かましくも南スコットランド在住の「ウマ」さんにご考察をお願いしたところ、さっそく下記のメールをいただいた。

タイトルは「野球? なんだそれ?」

「英国で、なぜ野球が普及しないのか?
 
これ、理由はいくつか考えられますね。一応、私見とお断りしておきますが…
 
そもそもアメリカというのはかつて新大陸だった。迫害を受けた清教徒たちが、メイフラワー号で新大陸に艱難辛苦のすえ上陸した心意気は、ドボルザークが「新世界より」で表現しています。

ですから「アメリカ人」というのは「アメリカ人になった人」というのが正しいでしょう。

西回りでインドを目指したコロンブスの誤解で、本来のアメリカ原住民を「インド人(インディアン)」と呼んでしまった。

この大間違いは、本来のアメリカ人であるインディアンの方々にはいい迷惑で、彼らこそ本当のアメリカ人です。そんな本当のアメリカ人を、よそからやって来た連中が迫害したのはけしからんですよね。
 
さて、清教徒以降、主にヨーロッパから実に多くの人々が新大陸に移動しました。もちろん、スコットランドで食べれなかった人たちも例外ではありません。
 
で、ここからが重要です…
 
実は、僕は、何度も経験しているんだけど、英国も含め、ヨーロッパの人たちが、意識的、無意識的にアメリカ及びアメリカ人を、やや下に見ていることです。

口には出さないけど「ヨーロッパで食えなかった奴ら」という潜在意識が今でも若干あると思う。英国人がアメリカ人の英語をバカにしている現場は何度も見てきました。
 
そんなアメリカで大人気のベースボール…やっぱり馬鹿にしたくなるんじゃないかなあ…というのが、僕の意見の、ま、第一番目です。

野球が普及しない第二の理由は、サッカーが国技と言っていいほど盛んで野球の入り込む余地がないこと。

第三の理由は、クリケットもファンが多く、クリケットをもとに出来た野球を下に見ていること。
 
こちらのサッカー場のチケット売り場には騎馬警官が警戒しているし、ビールなどアルコールはご法度です。観客はほとんど男です。

ラグビーの場合は、老若男女とも盛大にビールを飲んで観戦し、大きなゲームはまるでお祭りで、若い女の子もすごく多いね。

だから、僕なんか、ビールが飲めるラグビーや野球がいいなあ。」

なるほど、「ヨーロッパで食えなかった奴らですか・・」、言い換えると「借金を踏み倒して夜逃げした連中」といえば具体的なイメージが湧いてくる、かな(笑)。

日本とヨーロッパではアメリカ人に対する見方が随分違うようで、これはやはり現地に実際に住んでみないとわからない視点だと思います。

「成り上がり者」という感覚が根底にあるようですが、アメリカの弱点はバックボーンになるしっかりとした伝統と歴史に欠けていることでしょうか。

まだに(気品に欠ける)「トランプ」(前大統領)さんがアメリカで人気がある理由がわかるような気がします・・(笑)。

「ヨーロッパでなぜ野球が・・」について、(国の侮辱に繋がるので)あまり大きな声で言えないけれど、この辺が隠された本質的な理由かもしれませんね。

オーディオだって「ブリティッシュサウンド」と「アメリカンサウンド」のどうしようもない違いに「お国柄」をほとほと意識することがありますよ。

我が家では両者の ”いいとこどり” をするよう心掛けていますけどね(笑)。


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ヨーロッパで野球が広まらない理由

2023年03月21日 | 独り言

いよいよ今日(21日)は「WBC」の準決勝で対メキシコ戦。

今年(2023年)1月下旬のブログ「待ち遠しいWBC2023」で記載したように、やっと「筋書きのないドラマ」が見れますね。

このところ昼の時間帯のテレビ番組は野球報道一色で、それだけ国民の関心度が高いのだろうと推測させる。

ところが・・。

アメリカや日本でこれだけ盛んな野球がどうしてヨーロッパでは広まらないのだろうか。

社会学的にみてなかなか興味深いテーマなので取り上げてみよう。

「随想集:偶然のめぐみ」(日本経済新聞社) 

                   

本書の207頁~241頁にかけて鼎談(ていだん:清岡卓行、清水哲男、平出隆)により、この辺の理由が述べられている。

1 野球の特殊性

サッカー、ラグビーは双方に陣地があってお互いに攻め合うか、いつ攻め返されるか分からないという対称性が常にある。一方、野球の場合は攻守ところを変えてという面はルールできちんと縛っておりある時間帯を区切って守るだけ、攻めるだけとなっている。

ヨーロッパの感覚では国境を越えたり、超えられたりという侵略意識といったものがうまく国民的なスポーツになっている。

一方、アメリカ、オーストラリア、日本など野球が盛んなところは歴史的にも国境という意識が希薄なところがあり、その部分に野球が根付いているという側面がある。


2 知的で人工的な野球

ヨーロッパは歴史的にみて哲学的ないし科学的な知性による仕事の蓄積と疲労が一番著しいところ。したがって、スポーツが知性とは対照的な位置づけにあり本能への遊び、慰め、楽しみである側面が大きく、ルールが単純明快、ポジションもそれほど個性的ではない気安いスポーツが受け入れられ普及している。

これに対して野球はルールがとても複雑で知的かつ人工的。ヨーロッパ人にとって知的にわずらわしくて不自然で面白くないといった感覚がある。さらに一方では「ホームラン」というまるで試合の知的な要素すべてを一挙に吹き飛ばすような摩訶不思議なものがあり、ある意味不自然な印象を受ける。

概略、以上のとおり。

その昔、ヨーロッパ戦史の研究の第一人者で「陸軍大学校創設以来、かってない優秀な頭脳の持ち主」と評され、陸大兵学教官まで務められた軍事思想家の「石原莞爾(かんじ)」氏(故人)によると「ヨーロッパは三度の飯より戦争が好きな連中の集まり」だそうで、昔のヨーロッパでは「陣取り合戦」が「スポーツ感覚」で日常的に行われていたようだ。

とはいえ、1に関してはイギリスはどうなんだという疑問が湧いてくる。「島国なのに~」、というわけだが、ドーバー海峡は何しろ狭いし、フランス、スペインなどの外敵が油断すると押し寄せてくるので「油断も隙も無い」といったところかな。

むしろ、南スコットランド在住の「ウマ」さんに「イギリスで野球が広まらない理由」の考察をお願いしたいぐらい。

いずれにしても、今さらの話だがヨーロッパでの野球普及は無理のような気がする。せめてプレイヤーの供給国にでもなれば幸いというところだろう。

しかるに注目すべきは中国である。この国が野球に本格的に力を入れたとすると投手にしろバッターにしろ「大谷級」の選手が”ごまん”と出てくるような気がする。

なにしろ人口が多いので末恐ろしい国だと思うが、やっぱし一党独裁の専制国家では無理かな~。

野球といえば民主主義を象徴するスポーツだからねえ。

そうだっ! 国家の政治体制も野球が広まらないことの理由の一つではなかろうか。中国のほかにもロシア、北朝鮮、アラブ諸国・・。


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南スコットランドからの「ウマさん便り」~2023・3・20~

2023年03月20日 | ウマさん便り

「住めばこそ…」 

「ウマ!そこにあるジャンパーとってくれる?」女房のキャロラインが云う。

「ジャンパーなんかないよ」「目の前にあるでしょ!」

セーターのことをジャンパーと云うのにはびっくりした。

「じゃ、日本のジャンパーは何て云うの?」「あれはジャケット」 

ウマ!コンテナ持ってきて!」「コンテナみたいなデッカイもん、どこにあるねん?」「キッチンにあるでしょ!」「エーッ!これがコンテナかいな?!」

「スカーフをドライブウェイに落としてきたみたい。探(さが)してきて!」「どこのドライブウェイや?」「うちのドライブウェイに決まってるでしょ」

家の門から玄関までの道をドライブウェイと呼ぶのにも驚いた。 

ま、英語の国に住めばこそわかる英語ってあるんですね。そして、日本の、いわゆるカタカナ英語が、こちらでどう表現されているかにびっくりしたこともかなりあります。長年スコットランドに住んでいる僕の、そんな経験を皆さんにお伝えしたいんだけど、二点だけご留意(りゅうい)ください。

まず、ここで述べる英語はイギリス英語だということ。アメリカ英語だと違ってくるケースがかなりあると思います。それと、僕は、元々、英語がかなりダメな人間だったんです。

ちょっと恥ずかしい話なんだけど、中学一年の最初の英語の授業で新任の先生とひと悶着(もんちゃく)あり、ほぼ一学期中授業をボイコットした僕は、中学・高校と英語の成績は、もう…

ですから、これを読んでくださる皆さん方が、「ああ、そんなのとっくに知ってるわよ」とおっしゃることも大いにあり得ます。ま、その点、よろしくね。 

それと、違いを理解していただくのが目的なので、英単語の部分をあえてカタカナ表記にしました。スペルに自信がないせいでもあるけどさ。そして、こちらの人が日常使う英語に関して気が付いたことや、英語になった日本語、そして、日本人が英語を使う場合に気を付けるべきことなどを書いてみようかと思ってますけど、さあ、どうやろ? 皆さんの参考になるやろか?

以下、思いつくままに書いてみますが、左側が日本語、あるいは日本での使われ方で、右側が英語あるいは英国での使われ方です。 

  日本               英国

     ↓                   ↓

 セーター     → ジャンパー

 ジャンパー    → ジャケット

 オーバー      → コートあるいはオーバーコート(オーバーは通じない)

 マフラー      → スカーフ(マフラーも通じないなあ)

 ネクタイ      → タイ(ネクタイって云う人はいない) 

 ネクタイピン   → タイクリップ

 タータンチェック → タータン(タータンチェックは日本語です)

 サスペンダー   → ブレイス 

 下着のシャツ   → ベスト (下着のシャツはシャツとは呼ばない)

 下着のシュミーズ → スリップ (シュミーズはフランス語)

 下着のパンツ   → ネッカース(通常、パンツはスラックスのこと。アメリカの病院で看護婦さんにパンツを脱いでといわれた日本の商社マンが下着のパンツを脱いだんで、看護婦さんが、イヤァーン!って目をそむけた話は有名です)

 ブラジャー    → ブラ(ブラジャーはフランス語で、英国では単にブラ。英国でブラジャーと云う人に会ったことがない。エッ?いちいち聞いてるんか?ってか?)

 パンスト     → タイツ (パンティーストッキングは日本語です)

 ガーター      → サスペンダー

 バスト       → ブレスト(こんなこと書いてると変態やと思われるな) 

    日本            英国

      ↓                       ↓

プロポーション   → フィギュア或いはシェイプ(普通、プロポーションは人間の体形を表わすのには使わない)

 スマート      → グッドルッキング(スマートは、通常、頭が良いという意味で使う場合が多く、見た目のことを表わすことはあまりない)

 マカロニウェスタン → スパゲティウェスタン(マカロニウェスタンはまったく通じない。日本だけ)

 (ホテルの)フロント → レセプション(英語でいうフロント・オブ・ザ・ホテルは玄関の外のことなので、待ち合わせの場合など要注意です)

1階          →  グランドフロア(英国の1階は日本の2階)

 

 マスコミ       →  ミディア(日本ではマスコミがうるさいからねと云ったらマスコミってどんな人?って訊(き)き返されたことがる。マスコミは日本語、メディアではなくミディア)                  

 マンション      →  アパートメントあるいはフラット(英語でのマンションは一戸建ての大邸宅のことです。日本で一億円するマンションでも英語では単にアパートメント、あるいはフラット。2DKや3LDKのマンションなどあり得ません。 戦後、高級分譲アパートを業者が勝手にマンションと名付けた結果、日本中に「マンション」が溢れることになっちゃった。これ、日本の間違い英語の筆頭やろね。

     日本                   英国

      ↓                      ↓

 バックミラー      →  サイドヴューミラー

 (車内の) バックミラー →  リヤヴューミラー

 (車の)トランク      →  ブーツ(トランクはアメリカ英語です)

 フロントウィンドウ   →  ウィンドシールド

 ハンドル         →  ステアリングホィール (ハンドルは通じない)

 ガソリン          →  ぺトロール

 ガソリンスタンド    →  ぺトロールステーション

 パンク         →  フラットタイヤ (パンクは通じない)

 パトカー          →  ポリスカー (パトカーは日本語)

 覆面(ふくめん)パト      →  アンマークド・ポリスカー

 消防車       →  ファイヤエンジン(ファイヤーカーとは云わない)

 キャンピングカー   →  キャンパーバン(牽引(けんいん)するタイプはキャラバン、大型はモーターホームとも云う)

 オートバイ或(ある)いはバイク →  モーターバイクあるいはモーターサイクル    

(オートバイは日本語。バイクは自転車のこと) 

 シグナル(交通信号)    → トラフィックライト

 サブウェイ        → 地下道 (アメリカでは地下鉄の事)

 地下鉄           → アンダーグラウンド(レイルウェイ)或いはチューブ(日本語の地下鉄は英語から翻訳(ほんやく)された。

その他、総合、大学などの日本語は福沢諭吉が英語から翻訳したもの。ちなみに井伊直弼(いいなおすけ)が桜田門外の変で暗殺された時、ロンドンではすでに地下鉄が走っていた。伊藤博文はそれを見て尊王攘夷(そんのうじょうい)を、即、返上した。なお、地下鉄は、アメリカではサブウェイ)

 ドライブウェイ      → 家の門から玄関までの道(たった5メートルでもドライブウェイ) 

 繁華街        → ダウンタウン(これ、下町と思ってる人が多いと思うけど違います。都市の中心部のこと。東京だと新宿、渋谷、池袋、有楽町、新橋などがダウンタウン。大阪だと、梅田、難波、天王寺近辺などがダウンタウン) 

         日本                   英国

           ↓                      ↓

 (お店などの)レジ      → キャッシャー(レジは日本語)

 スーパーなどのビニール袋 → プラスティックバッグ

 ビニール            → ヴァイナル (LPレコードもヴァイナルと呼ぶ)

           

バンドマスター        → バンドリーダー

 コンサートマスター     → オーケストラリーダー

 ウッドベース         → ダブルベース

 ボーイ(ガール)フレンド  → フレンド(ボーイフレンド、ガールフレンドは恋人のこと。つまり決まった相手のことで、男友達・女友達の意味ではない)

 ボートピープル(難民)   → リフジー(ボートピープルは、通常、ベトナム難民を示す)

 ハンディキャップ(障害者) → ディスエイブルド(ハンディキャップはほとんどの場合、通じない)

 ポテトチップス      → クリスプス(こちらでのポテトチップスはフライドポテトあるいはフレンチフライのこと)

バイキング   → ビュッフェ(バイキングはまったく通じない。その昔、東京オリンピックの時、帝国ホテルの思い付きでバイキングとなった。ビュッフェという言葉があるのに、こういう勝手な命名はいかんと思うけどなあ)

タッパーウェア      → コンテナ。正式にはフードコンテナ。タッパーウェアは、マジックインキ同様、商品名が一般名詞になった例。 

   日本          英国           日本        英国

     ↓            ↓            ↓         ↓

 ジュネーブ →  ジェネバ     ウィーン  →  ヴィエナ

 北京    →  ベージン      ナポリ   →  ネイプル

 ローマ   →  ロウム       ミュンヘン →  ミュニック

 ミラノ   →  ミラン       ワルシャワ →  ワルソー

 グルジア  →  ジョージア     トルコ   →  ターキー

 ギリシャ  →  グリーク      ヨルダン  →  ジョーダン

 シベリア  →  サイベーリア   キプロス  → サイプロス 

(どの国も、外国の都市名など、勝手に発音してますね。品川のことをシャイナゲイワと発音したアメリカ人がいたそうです。Shinagawa…なるほどそう読める。

ゴルフの青木(Aoki)選手のことをBBCアナウンサーは<エオウキ>と呼んでた)

     日本                     英国

     ↓                     ↓ 

 アンケート  → クウェスチョネアー(アンケートはまったく通じない)

 ムービー   → フィルム(ムービーでも通じるけど、フィルムが普通)

 ハローワーク → ジョブセンター

 ホッチギス  → ステープラー(ホッチギスは通じない。発明した人の名前)  

さて、日本の女の子がよく言う…

ウッソー!  → ジョーキング!あるいはキディング!つまり、冗談を言わないでと表現する。これ、英語のライヤー(嘘(うそ)つき)を使うとたいへんなことになるから要注意!

ライヤーは人格を否定されるほどの非常にきつい言葉なんです。大阪のパブで、女の子が、ウッソー!の意味で「ドント・テル・ア・ラーイ!」と云った現場に遭遇(そうぐう)したことがある。相手の外人さん、顔付きが変わってましたね。

シーユー・アゲイン → シーユー、シーユーレイター、シーユーサムタイム

シーユー・アゲインは、かなり長い間、あるいは永遠に会いそうにない時に使う表現で、あまり使わない。出来るものならまた会いたいですね…のニュアンスを含む。                                        

ファイト! → ゴー! ファイトは闘(たたか)う、争(あらそ)う、あるいは殴(なぐ)り合うの意味。オリンピックその他で、日本の観衆が、頑張(がんば)れ!の意味でファイトファイト!と叫ぶのは、どついたれ!殴ったれ!となり、かなり異様です。                                                    

街で友人や知人と会った時、こちらの人、どんな挨拶をすると思う? もちろん「ハロー!」や「ハーイ!」が一般的だけど、実際は、それと同じぐらい使われている挨拶が「ハイヤ(Hiya!)」です。「やあ!」「元気?」ってな感じでしょうね。それと、しばらくぶりの場合、「ハロー!」のあと、「ハウ・アーユー・ドゥーイング?」これもすごく多いです。「どないしてんの?」ですね。 

それと、ありがとうやさよならの意味で「チアーズ!」も非常によく使われる。例えば、あなたより先にお店に入った方が、あなたの為に手でドアを開けてくれてる場合「チアーズ!」なんです。これは僕も頻繁(ひんぱん)に使ってる。もちろん「サンキュー!」でもいいんですけど。

E-メールを送る際、こちらの人、テクスト(テキスト)を送ると表現してます。「じゃ、あとでテクスト送るわね」ってな感じですね。 

英国のパブリックスクールは、公立ではなく私立の寄宿学校です。

その昔、貴族の師弟の教育をしてたんだけど、産業革命以降、一般(パブリック)の方の中から富浴層が出てきて、彼らの子弟を受け入れることでパブリックスクールの名前がついたようですね。アメリカのパブリックスクールは公立です。 

ベンツ…、そう、ドイツの高級車。こちら、あるいはヨーロッパで、ベンツって云う人に会ったことがない。まったくない。皆さん、例外なくメルセデスって呼んでます。なぜか? その理由は割と単純で、こちらはファーストネームの国だからです。創業者のカール・ベンツさんが、会社名に姪御(めいご)さんのメルセデスの名前を使ったんで、メルセデス・ベンツとなった。で、皆さん、ファーストネームのメルセデスとおっしゃるわけ。 

因(ちな)みに西洋社会では、通常、ファーストネームで呼び合います。特に友人同士で苗字(みょうじ)で呼ぶことはまずありません。僕も、病院や歯医者、あるいは役所など、公的な場所以外で苗字で呼ばれたことは一度もない。

皆、ファーストネームなんです。しかも、ほとんどの場合、ニックネームです。僕はすべての方に「ウマ!」と呼ばれている。かなり親しい友人でも僕の苗字(内間)や本名(安則)は知らないし、僕も彼らの苗字はほとんど知らないし気にしたこともない。ま、大阪生まれの子供たちは「おとーちゃん」って呼ぶけどさ… 

お役所の公式書類に<あなたはなんと呼ばれていますか?>の欄(らん)がある。つまりニックネームを書く欄があるんです。そこに僕はいつも<UMA>と書いている。つまりニックネームを書かないと誰の事かわからんのよ。これ、日本のお役所ではあり得ないよね。

女房のキャロラインが地元を訪れたエリザベス女王の歓迎晩(かんげいばん)さん会に呼ばれ、女王と親しくお話しした時、彼女が「女王陛下(じょおうへいか)!」と呼びかけたら、なんと女王さん「エリザベスと呼んでください」だって! 日本で、皇后(こうごう)陛下(へいか)が「ミチコって呼んでください」って云わんやろし、皇后陛下を「ミチコ!」って呼ぶ国民もおらんやろ。こちら西洋社会は、苗字(みょうじ)のない国と云っていいんじゃないかな。 

それと、これも注意してくださいね。日本人は年齢(ねんれい)を尋(たず)ねる、とよく言われます。キャロラインも日本にいた時「なんで皆、年齢を聞くんだろう?」と不思議がっていました。で、思うんや。皆さん、外人さんを前にした時、頭の中で、昔習った英語の教科書を開けるんとちゃうか? でも、まさか「ディス・イズ・ア・ペーン!」って云うわけにはいかないよね。で、たいへん思い出しやすい「ハウ・オールド・アーユー?」になるわけですね。

でも、こちら西洋の人は、人の年齢を気にしないメンタリティーを間違いなく持っています。儒教圏(じゅきょうけん)と違って先輩後輩のカルチャーがないといっていい。

僕はこのスコットランドに移住して以来、年齢を聞かれたことは一度もない。まったくない。で、皆さん、外人さんに「ハウ・オールド・アーユー?」はやめようね。もちろん、なんらかの理由があって年齢を知る必要がある場合は別ですよ。
 

あなたの仕事はなんですか? これ、割と単純です。

「ウォット・ドュー・ユー・ドュー?(あなたは何をしてますか?)」が一番多いと思う。オキュペイション(職業)は入管など公的な場所でのちょっと固い用語じゃないかな。ゲイバーに勤めている君、オキュペイションを聞かれて「オカマ」って答えたらあかんよ。

僕は日本にいた時、<ゲイ>というのは、おかま、つまり、男の同性愛者やと思ってた。ところがレズビアンの方もゲイなんです。つまり男女を問わず、同性愛者をゲイと呼んでますね。 

日本とこちらではセクハラの意味が若干違います。まず、こちらでは、相手の身体に関するコメントはしないのが普通です。自分も身体に関することはまったく言われたことがない。それと、これも要注意ですが、例えば、足が長いとかまつ毛が長いとか、褒めてるつもりでも、なんと、一種のセクハラなんだって。

大阪のおばちゃんがよく言う「あんた太ったなあ」「老けたなあ」「あんた白髪増えたなあ」などはもう… 

日本のサイダーとこちらのサイダーはまったく違います。日本のサイダーは清涼飲料水やけど、こちらのサイダーはリンゴの発泡酒、つまりアルコール飲料です。  

それと、こちらでは「スープを飲む」とは言わない。スープは飲むものではなく食べるものなんです。でも、eatじゃなくhaveやtakeを使っているようです。 

日本では「ゴハンやでー!」に対し「今、行くー!」だよね。ところが、こちらでは「ゴハンやでー!」に「今、来るー!」つまり、呼んだ人の立場からみた反応なんです。「I’m coming!」ですね。うちの子供らも、日本語の場合「今、行くー!」じゃなくって「今、来るー!」って言います。 

さて、ここで、英語になった日本語を紹介しておこうかな。かなりあるけど、今後、どんどん増えると思いますよ。ま、思いつくまま書いてみます。 

スシ、ニギリ、マキ(巻き)、テッパンヤキ、ワサビ、ドンブリ、ミソ、ノリ、ラーメン、ウドン、テリヤキ、キムチ、サケ、オニギリ、ベントー、シイタケ、ミリン、エダマメ、ダシ(も英語になりつつある)、ウマミ、ワギュー(和牛)、カツカレー、フトン、ハイク、カタナ、サムライ、スモウ、ショーグン、イチバンなどなど…まだまだあると思う。 

ロンドンで<フトンショップ>という店をみたことがある。そして、ボンサイ、ツナミ、カラオケ、キモノ、ジュードー、カラテ、スードクなどは、他に表現する言葉がないので完全に英語になってます。カラオケは非常にポピュラー。

時々<カラオケ>の意味を説明することがある「カラはエンプティー、オケはオーケストラ」そしたら皆さん「へぇー、そうなの?」と驚きますね。こちらの人「カリオキ」って発音してますね。 

それとね、これも大事な事…こっちの人ってね、人を笑わせることをとても大切な事なことだと思ってる。僕は、グラスゴーやロンドンへ行ったついでに、よくライブ音楽を聴くけど、司会者はもちろん、指揮者、演奏家など、ほとんどの方が聴衆を笑わせるんです。

古い例だけど、例えば、サッチモ…、そのトランペットと共に独特の歌声で世界中で愛されたルイ・アームストロングの、1958年ニューポート・ジャズフェスティバルでのコメント…

「先日、ローマ法王の前で演奏したんだけど、法王がわしに聞くんだよね。お子様はいるんですか? って。でな、いや、まだいません、でも頑張ってます!って答えておいた」(笑) 

同じフェスティバルの記録映画のフィナーレはゴスペルの女王、あの偉大なマヘリア・ジャクソンだった。延々と鳴り止まない拍手を受けての彼女のひとことには笑ってしまった。「なんだかスターになったみたい」(笑)

 僕は、ちょくちょくこちらのパーティーに呼ばれるけど、会場に行く途中、いつもジョークを考えてる。どないやって笑わせたろかいな…。でも、日本で受けるジョークがこちらでまったく受けないこともあります。これは要注意。

僕のジョークで、かなり受けたのをいくつか… 

…皆さん! 英国って、第二の国歌と云っていいエルガーの有名な<威風堂々(いふうどうどう)>(日本のブラスバンドでも必ず演奏される曲)に謳(うた)われているように「ランド・オブ・ホープ・アンド・グローリー(希望と栄光の国)」ですよね。ジャパンはね、世界中のあらゆる食品雑貨(グロッサリー)が、めっちゃあふれている国なんで「ランド・オブ・ホープ・アンド・グロッサリー」でっせ!(笑) 

…僕は、中学生だった14歳の時、父親の部屋で見つけたボトルの中身をこっそり飲んでみたんです。これがめちゃ旨(うま)い!で、それがスコッチウィスキーだと知って以来、僕の血には、スコティッシュ・スピリッツがあると思うようになったんです(笑)。(注:スピリッツは精神と蒸留酒の二つの意味があるんで、スコットランド人の前でこのジョークを云うと必ず受ける。で、初対面の方でも、即、僕に親近感を持ってくれるというオマケが付きます)

…皆さん! 僕は中学一年の一番最初の英語の成績が零点でした(これ、ほんと)。でも、今、僕は英語の国に住んでるんですよ。人の将来ってわからんもんですねえ(笑)。おっと、今笑った方、お宅、ひょっとして、老後は、日本の田舎でボンサイをいじってるかもよ(笑)。(ボンサイは完全に英語になってるけど、こちらの人はボンザイと発音してる)

…キャロラインは、かなり日本語をしゃべりますけど、日本にいた時は<シュッ>の発音が苦手だったんで、出発が<シュウパツ>になったりするんです。で、僕を友人に紹介する時「私のシュジンです」というべきところ「私のシュウジンです」になっちゃうんです。ウマは囚人(しゅうじん)かい?(笑)

英語とは関係ないことだけど、西洋でのテーブルマナー、これは覚えておいた方がいい。ひとことで言うと音をたてない。これに尽きると思う。

こちら英国で、スープ、コーヒー、麺類(めんるい)など、ズズーッと音を立てて召し上がってる日本の方とご一緒したことは何度もある。かなり旅慣れてるリッチな方でもそんな方が多いのには驚きます。

こちらのレストランなどで、くちゃくちゃ音を立てて食べてたら、まわりの人が眉(まゆ)を顰(ひそ)めます。それと人前で爪楊枝(つまようじ)を使わないようにね。僕は、日本では、蕎麦(そば)やうどんなど、音を立てて食べますよ。しかし、マナーの違う土俵(どひょう)の国では、その国のマナーに従って音を立てません。ま、日本でもコーヒーや紅茶は音を立てないけどさ。

たまにこちらの人に言うことがある。

「日本人が麺類を食べる時に音を立てるのは、皆さん方にとってノイズかも知れないけど、日本では美味しく食べるためのサウンドと言っていいかも。特に蕎麦など、音を立てて食べた方が鼻に入る香りが違うんです。だから皆さんが日本に行った時、日本人が麺類を音を立てて食べてるのを見て目くじらを立てないようにね」

ロンドン最大の繁華街(はんかがい)ソーホーに讃岐(さぬき)うどんの店がある。開店前から行列が出来てたんで、わくわくしながら席に着いた。僕以外は全員こちらの方、つまり西洋人です。食べ始めてすぐ気が付いた。全員、お箸(はし)を使ってるけど、音を立てないんや。ズズーッっちゅう音が聞こえないんです。ちょっとぐらい音を立ててもええんやないの?と云いたくなったなあ。

ついでに云うと、外人さんがお箸(はし)を使うのを誉(ほ)める日本人ってけっこういる。

「お箸、お上手(じょうず)ですね」これは止(や)めた方がいい。ハリウッド映画をみてごらん。ジュリア・ロバーツ、マイケル・ダグラス、ジョージ・クルーニー、アン・ハサウェイなど、俳優がお箸を使うシーンは、もうふんだんにある。

映画「ブラックレイン」で、マイケル・ダグラスと高倉健が道頓堀でうどんを立ち食いするシーンがある。もちろんお箸や。

あなたが外人さんに「フォークとナイフを使うのがお上手ですね」と云われたら、どう感じます? フォークもナイフもお箸も、食べる道具という点では同じものなんです。お箸を使うのを誉(ほ)められて喜ぶ外人さんはいません。彼らにとって、お箸は、もう日常のものなんです。

それと、彼らは片言の日本語を喋るたびに褒(ほ)められるんで、もう、へきへきしてますよ。「日本語お上手ですね」もやめときましょう。


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「点音源」が無理ならせめて「縦一文字」へ

2023年03月19日 | オーディオ談義

前々回のブログ「これで枕を高くして・・」に搭載したように、久しぶりに「TRIAXIOM 」(グッドマン)を聴いてみたら、「点音源」のスッキリした「音像定位」に思わず唸った。

今さらの話で「お前はオーディオをいったい何年やってんだ?」と言われそうだが・・(笑)。

けっして周波数レンジは広くないし、分解能もイマイチなんだけど、何よりもスピーカーの存在を忘れさせてくれる「自然な佇まい」がいい。それなりの「小宇宙=ステージ」という感じかな。



クラシック音楽を鑑賞するのならこれでいいのかもしれないと一瞬「脳裡」をよぎったが、様々な録音状態の宿命を背負った音楽ソースに対してどうしても再生の自由度が欲しくなるので、理想的な「点音源」からやむなく「2ウェイ」or「3ウェイ」にせざるを得なくなる。

この「TRIAXIOM」のケースでいけば、小編成の室内楽やボーカルなどには過不足なしだが、オーケストラやオペラとなるとどうしても低音部の補強が欲しくなるので「サブウーファー」の出番となる。

人によっては「低音なんてそこそこ出てればいい」という悟った方もいて、ついうらやましくなる。

「低音」へのどうしようもない「拘り」はどうやら中学~高校時代に起因するようで、家にあったステレオ装置が今にして思えば高音域は出ないくせに、低音域はやたらにボンついていたのだがそれが当たり前だと思っていた。

「三つ子の魂百までも」・・、現在では余計なお金が要るのでこのおかしな性向に大いに困っている(笑)。

で、我が家のシステムの中で目下のところ、一番「音像定位」が乏しいのが「ウェストミンスター」(改)である。ご覧のとおり3つのユニットが点在している。



本来は「同軸2ウェイ」(口径38cm)のシステムだが、どうしてもその鈍重さに我慢が出来ず、爾来40年近く彷徨しているわけだが、オリジナルのままでは少なくともモーツァルトの「天馬空を駆ける」音楽の再生には適していないと思っているので後悔はまったくなし~。

「タンノイ・シルヴァー」あたりだといいかもしれないが、今さらねえ・・、年金暮らしだし~(笑)。

で、このシステムだが、「点音源」が無理ならせめて「縦一文字」にできないかなあ。

「物は試し」で、さっそく行動に移った。倉庫からあれこれ引っ張り出してきて結局こういう姿に。



あれ~、ツィーターが高いところに移ってしまった。本来の位置は耳の高さが一番いいんだけど・・、プラス・マイナスを換算してみたがやはりこちらの方がいいみたい。

これで聴いてみると以前よりも「スッキリ爽やか感」が半端ないほど際立っている~。

ついでに中音域(900~8000ヘルツ)を担当する「175」(JBL)を駆動するアンプも交換した。

「8000ヘルツ」でハイカットする「フィルター」を外すのが目的。



こういうのは音の曇りの原因になるので、無いに越したことはない。その代わり、高音域は伸ばないけど分解能が優れたアンプをあてがった。

適材適所とはこのことかな(笑)。



「6FQ7プッシュプルアンプ」(出力トランス「TRIAD」)の久しぶりの出番。「6FQ7」といってもピンからキリだが、一番音がいいとされている「クリアトップ」(RCA)の起用。

これで、聴いてみると・・。

これ以上の自画自賛はくどくなりそうので止めておこう(笑)。



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オーディオの投資効果と満足度

2023年03月18日 | 読書コーナー

「ビンボー オーディオ」を常に強いられているので「コスパ」がいつも念頭にあり、つまり最小のコストで最大の成果をあげたい・・。

制約が無いところに工夫は生まれないし、ボケ防止で頭の訓練にもなるのでむしろ「ウェルカム」の心境だが、そうはいっても悔しさ半分といったところかな(笑)。

とはいえ、オーディオは投資すればするほど(投資額に応じて)満足度が低くなることを感じている。

なぜか?

格好の本がありました。

先日のこと、行きつけの図書館の新刊コーナーに次のような本があった。タイトルは「人生を変える数学、そして音楽」。


                           

「数学」と「音楽」とを関連づけて述べるなんて、まことにユニークな視点だと思いつつ、はたしてどんな方が書かれたんだろうかと興味を引かれて末尾にある著者のプロフィールを見ると驚いた。

「中島さち子」さんという方で、1979年生まれの大阪府ご出身で「東京大学理学部数学科卒」。

「学歴」というのはこれまでの経験上あまり当てにならないが(笑)、高校2年生の時に国際数学オリンピック・インド大会で金メダルを獲得という勲章には心から敬服した。しかも日本人女性の受賞は後にも先にも唯一人というからすごい。

現在一児の母として、またジャズ・ピアニストとして活躍されているそうで、こういう方なら「数学」と「音楽」について述べる資格が十分あるに違いないと、いそいそと借入手続きを済ませた。

余談になるが、人間を文系、理系で大雑把に分けるとすると、音楽好きはどちらかといえば理系に多いというのが、自分の大まかな見立てである。

代表的なのがあの「相対性理論」で有名な物理学者アインシュタインで日頃からヴァイオリンを”たしなみ”つつ「死ぬということはモーツァルトを聴けなくなることだ」という有名な言葉があるほどで、天才が楽しんだ趣味を凡人が同じレベルで味わえるなんて、音楽ぐらいではあるまいか。

ちなみに自分は「農業経済学」専攻という「文系、理系」の境界線に位置しており、都合によってどちらかに変色するカメレオンみたいな存在である(笑)。

さて、本書をざっとひととおり目を通してみたが、前半は数学の面白さについて、中程は数学と音楽のつながりについて、後半は音楽の楽しさについて述べられている。

正直言ってなかなか高度な内容だった。自分のような頭の冴えない人間が理解するのはたいへんというのが率直な感想。

読後感を書こうにも隔靴掻痒(かっかそうよう)の感があるので、数学にもっと素養のある方が読めばこの本の奥深さを的確に伝えられるだろう。


さて、数学の面白さで印象に残ったのが「オイラーの公式」として紹介されていたもの。(28頁)

「1/1の二乗」+「1/2の二乗」+「1/3の二乗」+「1/4の二乗」・・・・・=π(パイ)の二乗/6

何でもない数式なのに「解」となるとなぜか急に、「円周率π(パイ)」が登場してくるという数学の神秘な世界には恐れ入った。

先年の「NHKーBSハイ」放送では数学界最大の難問とされる「リーマン予想」(素数の並び方の規則性)についての番組が放映されていたが、素数とはこれ以上分解できない数をいう。(2、3、5、7、11・・)

素数だけを使った数式が円周率πと関係しているという興味深い番組だったが、あまりに魅力的な命題のため、深入りし過ぎて精神に異常をきたした幾人もの数学者たちが紹介されていた。


この「リーマン予想」が証明されると宇宙全体の真理の解明に寄与するという。

これは素人考えだが、そもそも太陽系の惑星はすべて球体だし、円というものが万物の基本形なのは間違いない。したがって、あらゆる局面に円周率πが顔を出してくるのは当然のことであり、大切なSPユニットだってほとんどが円形だ。箱も球体にしなくては~。エッ、ちょっと意味不明(笑)。


さて、前置きが長くなったがいよいよ本題に入ろう。

本書の194頁に次のような話が紹介されていた。以下、引用。

「ウェーバーの法則によると、人はお金持ちになればなるほど金銭感覚が変わってきます。

例えば、所持金100万円の人が所持金200万円になる嬉しさと、所持金1億円の人が1億100万円になる嬉しさは、(同じ100万円増えても)違いますよね。~略~

これは一定の金額が増えたときの嬉しさは所持金に反比例するということです。この”微分不定式”を解けば、
嬉しさは”対数関数”で表されるとわかるのです。対数関数なんて、なんだか難しい関数によって嬉しさが表されるなんて・・・・少し面白いと思いませんか?

音の大きさに驚く感覚も、このように音量に反比例するので対数関数になっています。」

こうして分かりやすく説明してもらうと、オーディオでも思い当たる節が沢山ありますねえ。

たとえば低域用に使う20センチ口径を複数使うときのエネルギー感覚についても同じことが言える。

つまりウーファー1発のときに比べて2発のときは√2(≒1.414)倍、3発のときは√3(≒1.732)倍、4発のときは√4(=2倍)となるのもそう。

お金で換算すると、1発10万円として、2発(20万円)のときのエネルギー感覚は1.4倍にしかならないし、3発(30万円)のときにしても1.7倍に過ぎない。突っ込むお金に対してけっして倍々ゲームにならない。


そういうわけで、どこまでもキリのない高得点の世界を狙うのがはたして妥当なのかどうか、対数関数に照らし合わせてみるとオーディオはまったく「非効率の極み」と思うのだが、こればかりは分かっちゃいるけど止められない(笑)。

ほんのちょっとした微妙な「差」なんだけどねえ・・。


オーディオは理屈で割り切れないところに究極の面白さがあるようですね。

そうは思いませんか・・。



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これで「枕を高くして寝られる」

2023年03月17日 | オーディオ談義

長年にわたって愛用している真空管アンプなのに(真空管の)「原理原則」には疎いし、製作するとなると ”からっきし” 駄目だし、胸を張ってあれこれ喋る資格はないと思っている。

とはいえ、最低限の知識として真空管にはいろんな種類と役割があり、たとえば大雑把だが前段管・出力管(電圧増幅管)、整流管(交流を直流に変換する)などがあって、この中でいちばん寿命が短いのは「整流管」というぐらいは知っている。

で、その肝心の寿命の程度だが音が出なくなる場合はすぐにわかるのでいいとして、問題は劣化の進行に合わせて音の方も段々と情報量が減っていくのが厄介だ。

いったいどの辺で代えればいいの~


とりわけ、整流管は縁の下の力持ち、アンプ全体に影響を及ぼしてくるので、一定の時期が来たらスパッと思い切りよく交換してやるのがよろしいと専門家からアドバイスを受けている。

そういうわけで、消耗品である「整流管」の(予備の)ストックはおさおさ怠りなく心掛けており、オークションで常に目を光らせる癖がついている。

ちなみに、我が家では整流管のストックだけでこの有様で、すべて縦置き保管ですぞ・・。



今回導入した「新プリアンプ」も例外ではない。



使用されている整流管の型番は「6CA4/EZ81」で、ブランドは「BRIMAR」(=STC:英国)である。

STCは品質が良いし、素性をたどれば通信管なので長寿命との定評があるが、安心はできないので別のブランドでもストックしておこうかと、オークションをチェックしていたら、何と英国「エジソン・マツダ」の整流管「EZ81」が出品されているではないか!

「エジソン・マツダ」って?

「北国の真空管博士」によると、「英国屈指の名門です。3社が合同して出来上がった会社で、それぞれが得意の分野を生かして優れた真空管を作っていました。傾向としては情報量が多くて太めの音です。極めてレベルの高い古典管ばかりなのでマニアにとっては垂涎の的ですよ・・。」

我が家では「マツダブランド」として「PX25」出力管の親分筋の「PP5/400」(最初期版)と電圧増幅管「AC/HL」(最初期版)を持っているが、日常的に使うのはもったいなくて大事に保管しているほどだ(笑)。

で、話が戻って此度(こたび)の整流管「EZ81」である。



「整流管」だけはなるべく中古を避けるようにしているが、理想的ともいえる「新品未使用」品である。まあ、2本あれば命尽きるまで大丈夫だろう・・。

というわけで首尾よく落札したものの競争者が皆無だったのが不思議。使途が限られているせいかな~。まあ、競り合うこともなくお値段が出品時のままだったのでありがたいことではある。

2日後に我が家に無事到着。

さっそく、「BRIMAR」と入れ替えた。ついでに狙いすましたように「E80CC」を「ヴァルボ」(ドイツ)から「フィリップス」(オランダ)に交換した。こちらの方が高価だったので音も比例するんじゃないかという甘い見通しだが、はたして~(笑)。



ハラハラドキドキ、心臓の鼓動の高まりを意識しながら、さあ、どういう音が出るか・・。

ウ~ン、これは・・、音が野太くて豊饒なサウンドとはこのことか。

この線の太さを活かさない手はないなあ~。

急いでスピーカーを交換した。



グッドマンの「TRIAXIOM」(同軸3ウェイ:口径30cm)が朗々と鳴り響き、かって聴いたこともないような伸び伸びとしたサウンドにすっかり舞い上がってしまった(笑)。

「エジソン・マツダ」恐るべし!

ちなみに、このプリアンプは朝の4時ごろから夜8時の就寝時まで留守中でもスイッチを入れっぱなしである。スイッチの入り切りによる「突入電流」が球を一番痛めるので何としても避けたいところ。

すると、予備1本だけで足りるかなあと、いつもの「心配性」が鎌首をもたげてきた。たしか、オークションにあと1本同じ業者から出品されていたはずだが・・。

そして結局、見事に「総ざらい」となった・・、これで「枕を高くして寝られる」、アハハ~(高笑い)。



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