「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ビゼー作曲「アルルの女」考~前編~

2021年07月31日 | 音楽談義

好きなクラシック音楽を好きな音で聴きたい、その一心でオーディオに精を出しているわけだが、つい日常的に「王様=音楽」と「召使い=オーディオ」の関係が逆転してしまいがち。

つまり、どちらが主役だ?

それほどオーディオは面白いというわけだが(笑)、「初心を忘れないように」と、自戒の意味でときおり音楽記事を差しはさむように心がけている。

今回は思い出深いビゼー作曲「アルルの女」を俎上に載せてみよう。

今から50年ほど前の学生時代にオッテルロー(オランダ)指揮のレコード盤でよく聴いていた「アルルの女」。

この演奏がすっかり耳に馴染んでいるので、後年になってCD盤が欲しくなったがどんなに探しても見つからない。

そこで、やむなくマルケヴィッチ、クリュイタンス、オーマンディ、デュトワなどの指揮のものを購入してお茶を濁していた。

            

周知のとおり、この「アルルの女」は、南フランス・アルル地方で展開される悲恋物語で、「好きになった妖艶な女性が別の男性と駆け落ちすると知り、嫉妬に狂った若者が許嫁を残して飛び降り自殺をする」という衝撃的なラストで終わるストーリー。

南フランスの平和で牧歌的な雰囲気と若者の自殺という形で終わる悲劇のコントラストが音楽的に鮮やかに描かれ、「カルメン」と並んで作曲家ビゼーの代表的な戯曲となっている。

オッテルローの演奏はこの牧歌的、情熱的、情緒性などが実にうまく織り込まれて演奏されているところに特徴があって、感性が瑞々しい若い時分にレコード盤のジャケットの解説文を読みながら何度となく聴いただけに「好きになった女性のために死ねる程の情熱が人間にあるのか」
というショックが当時の初心(うぶ)な自分の胸に刻み込まれてロマンチックな思い出としてずっと記憶の片隅に残っている。

こういった思い出と音楽とが分かちがたく結び付いているため何度も繰り返すようだが結局このオッテルロー盤でなければ「アルルの女」はまるで聴いた気がしないという思いがずっと続いていた。

もちろん、これは演奏の良否は別として最初に聴いた演奏ということで「まっさらの白紙に原画として描きこまれて簡単に消せない」という”刷り込み現象”というべきものかもしれない。

いずれにしても、もうCD盤は手に入らないものと諦めていたところ、
何とオッテルロー指揮の「アルルの女」がオークションに出品されているのを発見した。

ケーゲル指揮の「アルルの女」(これも廃盤)の評判があまりにもいいために探していたところ偶然引っ掛かって網にかかったもの。

付属の説明文を読んでみると、フィリップス・レーベルがオランダ国内のみで発売するために制作した「Dutch Masters 」シリーズでのCDであり、既に廃盤のため現在では入手が絶望的とあった。もちろん
国内では販売されていない輸入盤である。

「やっと見つけたぞ!」と小躍りして喜び、「よし、絶対に手に入れてやる!」と決意を新たにしてさっそく入札に参加した。

長くなるので次回へ続く。



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1日60円で「いい音」を楽しめる

2021年07月29日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

25日(日)の午後1時から始まった試聴会だが、ハイライトはハイサンプリング「384KHz」の受信に成功したDAコンバーター「A22」の音質テストだった。



試聴テスト用に使ったシステムを後日のために掲げておこう。

とにかく我が家では持ち主が気まぐれなのでいつも日替わりメニューのようにクルクル変わる。

しかし、選択肢が多いことは明らかに質的向上に結び付くし、それだけ日頃からオーディオを謳歌していると大目に見てもらうとしよう。

それでは、次のとおり。

<CDトランスポート> 

CECの「TL3 3.0」(ベルトドライブ方式)でアップ・サンプリングの出力「176.4KHz」が可能

<DAコンバーター>

ガスタードの「A22」で「176.4KHz」で受信。

<プリアンプ>

「安井式」の回路(真空管4本)を使い、出力管は「6072」(12AY7の高信頼管)、バッファーは「5814A」(12AU7の高信頼管)を使用。

<パワーアンプ>



出力管「E180CC」(ムラード)のプッシュプル・アンプ(出力トランス:TRIAD)。パワーはせいぜい1ワットぐらい。

この際、前段管を「RCA」(6SL7)から「STC」(CV569=ECC35=6SL7)にして、すべての球を「英国」製に統一してみた。

<スピーカー>

グッドマン「AXIOM80」(オリジナル版)

そして、試聴盤だが「久しぶりに有山麻衣子さんの声を聴かせてください」との所望があった。



ジャケットに「女神が導いたかのような天使の歌声」とあるが、誇張でも何でもないと思わせるほどの素朴で可憐な歌唱力の持ち主である。

「これまで聴かせてもらった中で最高の音です。録音現場の雰囲気がそのまま再現されてますよ。」と、感心されるYさん。

「先日のテストでは44.1KHZのもとにdCSとのテストマッチをして互角でしたが、さすがに4倍のサンプリング176.4KHzで聴くと明らかにガスタードの方に一日の長があるようです。雰囲気の再現性が際立っていますね」

他の音楽ソースを含めて2時間ほど聴いてもらってから、ネットラジオをハイサンプリング「384KHz」で試聴へ。

Yさん曰く「この音質ならもうCDを購入する必要はありませんね。宣伝がいっさい無いので、気に入った曲を随時録音できるといいですね」

「具体的な方法を伺ってませんが、録音はできるそうですよ」

「北国の真空管博士」によると、ネットプレイヤー「AIMP」(ロシア)にラジオの専門チャンネル(ドイツ)を取り込むのは一苦労されたそうだ。

商用べースとして使用されるのを警戒してか肝心のラジオ局側が「URL」を公表しておらず、発見するのに手間がかかったとのこと。

言い換えるとネットの世界はいくら秘密にしておいても誰かが鍵をこじ開けてしまうともいえそうだ。

いずれにしても、一般的に中高年にとってパソコンは敷居が高いが、何とかチャレンジして果実を楽しめるようになればしめたもの。

そのうち「384KHzの2倍の768KHz、3倍の・・」の受信が可能になるのも時間の問題でしょう。

確実にアナログのレベルに肉迫しているといえるし、そのうちDACの「A22」も古びてしまうこと必至・・(笑)。

しかし、お値段もそれほどではないし消耗品という感覚のもとで6年も使えれば十分と思っておけば無難でしょう。

コスト計算してみると1日当たりたったの60円なり~(笑)。

それに比べて、たとえばレコードの場合フォノモーター、トーンアーム、カートリッジ、フォノイコライザーアンプなどに完璧を期そうと思ったら、維持費を含めて莫大なお金と手間がかかる。それに肝心のレコード盤(輸入盤)が高価だし~。

というわけでアナログよりもデジタルの活用に邁進する方が山の頂上を目指す近道だと思うんだけどなあ。

まあ、デジタル派の勝手な言い分ですけどね(笑)。



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新しいDAコンバーターの到着

2021年07月28日 | オーディオ談義

このところ、我が家のオーディオに革命的といってもいいような大きな衝撃をもたらしているDAコンバーター「A22」(ガスタード:中国)。

いや、けっして大袈裟ではなく・・(笑)。

ここ2週間ほど仲間から借り受けてエージングを兼ねて使わせてもらっているが、自分も欲しくなったので「二番煎じ」を厭うことなくアマゾンに注文したところ、どうやら最後の発注だったようで滑り込みセーフ。

到着予定はおよそ3週間後の「8月16日」とのメールが入ってきた。

何しろ中国からの配送なのでそのくらいは仕方がないと思っていたところ、何とこの25日(日)の午前中になって届いたので驚いた!



見ただけでちょっと風変わりな荷物ということがお判りでしょう。はてと首を傾げながら梱包を解くと「GUSTARD」という文字が目に入った。

「あれっ、8月16日と言ってたのに・・」と半信半疑だったが、商品を取り出してみると紛れもなく「A22」だった。

いったいどうなってんの・・?

中国が絡むと常識外のことが起きても不思議はない気もするが(笑)。

何しろ相手は日本とは仲の悪い国であり「尖閣諸島」の問題とか一触即発の状態だし、これから何が起こるか分からないので早く到着するに越したことはない。まあ、うれしい悲鳴ではある。

丁度、その日は午後に「A22」を貸してくれたオーディオ仲間の「Y」さんがお見えになる日だった。

「A22がネットラジオの384KHzの受信に成功しましたよ」と招待していたのである。



これまではCDの「44.1KHz」に毛の生えたような「48KHz」の受信だったが、「北国の真空管博士」のアドバイスのもとパソコンに「A22」ドライバーのインストールに成功して実現したものだ。

飛躍的に音質が良くなったのは言うまでもない。

この「音」で年から年中モーツァルトやオペラを浴びるほど聴けるとなると「音楽&オーディオ人生、ここに極まれり!」の感がする。

ほんとうに!

なお、ちょっと話が逸れるが画像の本体「A22」の上に載せているのは放熱用の「ヒートシンク」(アルミ製)である。

何しろ「IC」は熱に弱いので少しでも外気に当たる面積を増やして放熱させようとの配慮からで、機器の寿命の方も少し伸びるんじゃないかと期待している。

さて、午後1時ごろにお見えになったYさんに開口一番「今日の午前中にA22が届きましたよ。今から入れ替えますので、ようやくお返しできそうです。」

「早かったですねえ、注文してからたったの1週間ほどでしょう!」とYさん。

さて、試聴していただくシステムだがYさんは「AXIOM80」以外のスピーカーは好まれないので、「トライアクショム」を外して本来の「AXIOM80」(オリジナル版)に入れ替えた。



真ん中が自作の箱(板厚1.5cm)に入れたオリジナルの「AXIOM80」で、右側が復刻版の「AXIOM80」である。コーン紙の色が微妙に違いますね。

オリジナルの方が圧倒的に軽いとされており、繊細なことこの上なく、息を吹きかけるとコーン紙が動くとさえ言われています(笑)。

こういう古典派スピーカーはせいぜい出力1~2ワットの小出力アンプで駆動したいものです。オーバーパワーの弊害についてはいずれ稿を改めて・・・。

さて、試聴したシステムの概要だが、現時点で我が家のベストメンバーなので後日のために記録しておくとしよう。

長くなるので、以下続く。


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もうすぐカボスの季節がやってくる!

2021年07月27日 | 独り言

先日の夕食のときのことだった。

冷蔵庫を開けてから「あれっ、焼酎に入れるレモンを置いていたはずなんだけどなあ・・」

すると「ゴメン、もう料理に使っちゃった」

「・・・・」

しがない「年金暮らし」と「現役バリバリ」とでは立場に微妙な差があるのは
否めない。

つまり対決する前から劣勢に立たされているというわけで、ま、いっか(笑)。

この頃ようやく我が家の猫の額ほどの庭に植えているカボスの球が膨らみつつあるのでレモンなどの酸っぱい柑橘系の出番が無くなる。

カボスは大分県の顔ともいえる特産品である。

9月から本格的な収穫の時期になるが日頃からお世話になっている他県の知人に送るとみんな喜んでくれる。とりわけ奥様方に人気があるようだ。

日曜日に待ち遠しい思いとともにどれどれとカボスを1個採ってみた。



まだ小粒だけど、輪切りにして絞ってグラスに垂らし込んだところ酸っぱい香りがふわっと漂ってきて美味しく呑めたのでこれからはこのスタイルでいくとしよう。

そういえば裏側の家からもカボスがいっぱい付いた枝が我が家の庭に侵入してきている。90歳になる独り暮らしのご老人は現在入院中で「いつでも好きなだけ取ってください」とお許しを得ているので、今年は「大河の一滴」の出番が増えそうだ(笑)。

飲食の話題になったので、ついでに関係する本の紹介を。



何しろ「がん、認知症、生活習慣病は食事で防げる」という見出しが図書館の新刊書コーナーで踊っていたのが目に入った。とても分厚い本である。

この種の本はこれまで「見出し」の割には内容がサッパリというのが多いのであまり期待せずに目を通したが、まあ可もなく不可もなしという感じだった。

かいつまむと、人間には健康を守るために備わった仕組みが5つあるという。

1 血管新生(血管の正常な生まれ変わりが病気を防ぐ)

2 再生(体をつくりなおす「幹細胞」を働かせる)

3 微生物叢(そう)(あなたの体を守る細菌を養う)

4 DNA保護(「設計図」を守る三つのシステム)

5 免疫(私たちの体を守る兵士たち)

これら5つの観点から、それぞれ有益な食べ物を紹介してあったが、膨大な食べ物が羅列してあって挙げるとキリがないので省略。

結局、何ら偏ることなくいろんな食べ物をまんべんなく採ればいいというのが結論で、「学問に王道なし」に倣って「健康づくりに王道なし」というわけです。

まあ強いて挙げるとすれば5つの項目に亘ってまんべんなく登場していた食べ物といえば「赤ワイン」「大豆食品」「魚介類」「トマト」「ココア」「野菜類」「柑橘類」といったところですかね。

おっと、冷たい「ビール」もたまにはいいそうですよ(笑)。



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真空管「E180CC」の復活

2021年07月26日 | オーディオ談義

先日搭載した「ミニチュア管の魅力」の続編です。

ミニチュア管をプッシュプル接続で出力管として使うことにより新たな展望が開けたので、それに味をしめて倉庫に直し込んでいた二つ目のケースを開けて整理に取り掛かった。

今さらだが出てくるは、出てくるは・・。

「ECC88」、「6GU7」、「6FQ7」、「5687」、そして「E180CC」

最後の「E180CC」は粒ぞろいのブランドのオンパレードだった。



上段左から「ムラード」(イギリス)、「フィリップス」(オランダ)、

下段左から「7062」(メイドイン・フランス)、「アンペレックス」(アメリカ)といった具合。

そもそも「E180CC」って球は何者だ?

我が家の真空管の主治医「北国の真空管博士」によるとこうだ。

「ヨーロッパスタイルの球の番号について解説します。 

たとえばE80CCは、E=6.3Vヒーター、80=単純な番号、C=三極管、C=三極管。  

上記のルールからE180CCは6.3Vヒーターの双三極管であることがわかります。 
 
つまりE80CCとE180CCは互換性があります。」

ということは、現在我が家の主力アンプとなっているこのアンプにも挿せることになる!



「12BH7」(東芝)に代えて「E180CC」(ムラード)を挿し込んでさっそく試聴。

ウ~ム・・・。

「美は人を沈黙させる」(小林秀雄)というが、これ以上のコメントは控えておこう(笑)。

最後に、今回の整理によって出現した「ECC88=6DJ8=6922=7308」 「6GU7」 「6FQ7」について、我が家ではもう使う見込みがないのでオークションに出品するつもりですが、その前にもしスペアなどでご入用の方がおられましたらメールください。(自己紹介欄にメルアドが書いてあります)。

ちなみに「ECC88系」だけでこれだけあります(笑)。



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ネットラジオの「オペラ専門チャンネル」

2021年07月25日 | 音楽談義

つい先日の記事「ネットラジオのモーツァルト専門チャンネル」の続編です。

ロシアの優れたネットプレイヤー「AIMP」に、モーツァルトの専門チャンネル」を取り込んで毎日楽しんでいるが、その次に取り込んだのが「オペラ」「ベートーヴェン」「バロック」の3つの専門チャンネルだった。

「北国の真空管博士」から、それぞれの専用アドレスを教えてもらって無事取り込み完了。

まず「オペラ」を聴いてみると次から次に「さわり」の部分が登場してきて思わず聴き惚れた。

いきなり大好きな「私の名はミミ」(ラ・ボエーム)「私のお父さん」(ジャンニ・スキッキ)が耳に飛び込んできたらそりゃもう感激しますわなあ。

音楽を能動的に聴くのがいいのか、それとも受動的に聴くのがいいのかとなると、後者の方が意外性が伴っているのでより感動が深くなるとは思いませんかね(笑)。

というわけで、これまでの「LINN klassikal」「LINN Jaz」に加えて大幅に増えたネットラジオの充実ぶりに大満足。

こういう機会を与えてもらった博士には感謝の一言だが話のついでにこう切り出した。

「我が家の旧いDAC「エルガープラス」でこれらの専門チャンネルを聴けるといいのですがね。パソコンとDACを繋ぐアダプターみたいなものがないんでしょうか。」

「ああ、ありますよ。DDコンバーターがそれです。」

「そうですか!手ごろな製品があったら是非教えてください」

すると2時間もしないうちに博士から連絡が。

「耳寄りの情報です。あなたは2年前にTOPPING(中国)のパソコン専用のDAC「D10」を購入されてますね。USBに特化したそのD10が、入力がUSB、出力がRCAと光になっているのでどちらかをエルガープラスに繋ぐと聴けるはずです」

「エ~ッ、それは灯台下暗しでしたね~」

これが「D10」だ。



たしか1万5千円ぐらいだったと思うが、お値段の割に高性能で使いやすいDACだ。

さっそく、「パソコン」~USBケーブル~「D10」~デジタルRCAケーブル~「エルガー プラス」で聴いてみるとちゃんと音が出てきた。

怒涛のように押し寄せてくる「パソコン オーディオ」攻勢に、ひたすら驚き喜ぶ毎日がしばらく続きそうですね~。

まあ、これまでがあまりにも時代遅れだったのでしょう(笑)。

それもこれも今回の流れをつくったきっかけはオーディオ仲間の「Y」さんが持参された1台のDACが全てだった。

差し障りがあるかもしれないと公開を控えてきた型番ですが、もういいでしょう。

「ガスパード」(中国製)のDAC「A22」!

あまりの性能の素晴らしさに殺到したマニアによってあっという間に売り切れてしまい、国内で最後に獲得したのが自分だった。

そういえば、つい先日のこと初めての方から次のメールをいただいた。

「DACのことは、どのメーカーだろうと探って大当たりでした^^
 
とても評判なDACなのでエージングが済む頃には更に良い音になるとおもいます
 
ギリギリセーフでポチでしたね、そのブログ記事を見たあとアマゾンではアウトでした
 
カテ6LANケーブルさん(お名前は伏せておきますが)にも時々ですが伺います
 
私はオーディオには凄い興味があり学生時代から関わって参りました
 
音楽が楽しく、環境もあり超ニアフィールドですが定年後を楽しんでおります
 
猛暑の真っ最中ではありますが楽しくオーディオと音楽を奥様に怒られない程度にお過ごしください。」

末尾に「返事無用」とありましたが、この紙面(?)を借りてお礼申し上げます。


さて、この「A22」はアマゾンからのその後の連絡で中国から配送し8月16日に我が家に到着とのこと。国情からしてどうか波風が立たずに無事届きますように~(笑)。

それにしても、博士といい、Yさんといい、今回ほど「人的ネットワーク」のありがたさを痛感したことはありませんでした。ただひたすら感謝です~。


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読書コーナー~社会思想としてのクラシック音楽~

2021年07月24日 | 読書コーナー

1週間前の読売新聞に載っていた書評がこれ。



冒頭の言葉にこうある。

「モーツァルト好きなら、なぜ天才は革新的な名曲をあれほど多く書けたのか?と思ったことがあるはずだ。答えはこの本にある・・。」

ホンマかいな?(笑)

「署名入りの書評は信用するな」という鉄則がある。

筆者が「本の著者におもねるから」がその理由だが、そもそもクラシック音楽を社会思想と結びつける発想が個人的にはどうもピンとこない。

たとえば、モーツァルトは600曲以上もの膨大な作品群を遺したが、すべてお金を稼ぐために(弟子用の作品を含めて)作曲したもので当時は流行作家のようなもので、まさか後世に残るような作品とは当時はだれも考えていなかった。

そういう作品群の意義を社会思想と結び付けようなんてどだい「水と油」のようなもので無理があるんじゃないの・・。

まあ、予約するほどのこともあるまいと思っていたが、新聞の掲載当日にたまたま図書館に足を向けたところ「新刊コーナー」に偶然この本が並んでいた。



まったく目の前にぶら下がってきたような機会なので、そういうことならと借りることにした。

一応お終いまで目を通したが、己の読解力不足も手伝ってかやっぱりすんなり胸に落ちなかった。

クラシック評論の大家「五味康祐」さんの「西方の音」や「天の声」などとは大違いで、いちばん土台となる著者のクラシック音楽への愛情がサッパリ伝わってこなかった。

せめて、好きな演奏家の名前とかどういうシステムで聴いているかぐらいを網羅しておけば説得力が出てくるのにと思った。

クラシックに対する向き合い方も人によって様々ですね~。



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「中国製DAコンバーター」のその後の話

2021年07月23日 | オーディオ談義

前々回のブログ「中国製のDAコンバーターの魅力」について、読者からさっそく反響があった。

この種の記事はオーディオ雑誌などにも登場しているのだろうが、何しろ背後には顔の見える業界がわんさと控えているので忖度なしの評価は無理だろうとは、およそ推察がつく。

やはり、当てになるのはしがらみのない立場からの現場情報だと思いますよ、少々我田引水になりますけどね(笑)。

それでは、まず横浜のKさんから。匿名ということで無断掲載お許しください。

「既に多くの方から問い合わせがと、思いますがもし許されるなら「中国製G」の型番をお教えください。ついでにお値段(によっては購入しない、出来ない)も。」

これに対して次のように返信。

「仲間からの連絡によりますと、惜しいことに私が購入したのが最後みたいです。

現在はネットの表示で在庫なしとのことですが念のため調べてください。

ご参考までに、型番ですが「G」の「〇〇〇」です。〇円で購入しました。」

すると折り返しご連絡が。

「アマゾンで見つけましたが「売り切れ」でした。なぜか「ほっと」しました。また「黒い円盤」に戻ります。」

「ホッとした」その気持ち、オーディオ愛好家としてよくわかりますよ(笑)。

続いて、東海の方からも。

「中国製DAC気になりました。どの機種なのか教えていただけますか?

CDを聴く時、現状の音には結構満足してしまっています。

大したことのないCDP(定価で、15万円・5万円・1万円の製品です)で、不満がないとは、駄耳の極みであります・・・

クラシックはCD(とFM)と思っていますが・・・あまり不満が出ないんです。

DACに見合うトラポも必要になるでしょうね。迷います。

買わないかも知れませんが教えてください。」

これに対して返信。

「別の読者からも問い合わせがありました。「G」の「〇〇〇」という型番です。お値段は〇円でした。

その方によると、すでにアマゾンで売り切れだったみたいです。どうやら私が最後の発注者になったようです。ある意味で、ほっとしたと言われてましたよ(笑)。」

すると折り返し次のようなメールが。

「私もほっとした一人だと思います(笑)。気にはなるけど、お金もかかるし、駄耳だし。

相変わらず、音より音楽の方に気がいってしまう耳です。

友人宅でいろいろなDACを聴かせてもらっても、その差があまり判りません。

ですから、1万円(オークションで1200円)のパナソニックのDVDプレイヤー付属のCDプレイヤーでも問題なく楽しんでしまうのでしょう。

余談ですが、このプレイヤーと中華アンプ(6L6シングル)とペガサス3LZ(25cm同軸・・タンノイの真似)で、ジャズを聴くと、これがなかなかのものです。

メインのJBLに比べれば、抜け・切れそしてFレンジ・Dレンジで少し差があることはあります。

しかし、最近は聴く音量が少し下がってきているので、将来はコンパクトなシステムになっていくのかもしれません。」

同感です。実は私もコンパクトなアンプとスピーカーに回帰中です。

「釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉がありますが、それを実感している最中です。

とはいえ、気紛れ者なので今後どうなるか予断を許しませんが・・(笑)。


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ネットラジオの「モーツァルト専門チャンネル」

2021年07月22日 | 音楽談義

つい先日搭載した「ミニチュア管の魅力」で取り上げた「6072」(12AY7の高信頼管)について、「北国の真空管博士」からご連絡があった。

「6072は私も好きな球です。隠れた名管だと思いますが、あくまでも微小信号を増幅するための電圧増幅管です。

出力管として使用すると故障する恐れがありますよ。おそらく独特の歪みが出ているはずです。その歪みが三極管のせいでいい方向に作用して魅力的な響きになっているのでしょうが・・」


「あっ、そうですか。そう言われてみると確かにちょっと歪みっぽい音がしてますね。この歪みが独特の響きに変化しているようです、まさに紙一重ですね。

壊れると元も子もないのでお客さんが見えたときくらいに聴かせてあげることにしましょう。貴重なアドバイスありがとうございます」

さらに問答が続く。

「実は仲間から中国製のDAコンバーター(以下「G」)を借り受けているのですが、これを利用してパソコン経由のネットラジオで「モーツァルト専門チャンネルを聴きたいのですが、どうしたらいいんでしょう」

すると博士から、

「ああ、それならロシアのAIMPというプレイヤーがあって、素晴らしいモ-ツァルトの専門チャンネルがありますよ。まず、AIMPをインストールしてください。話はそれからです。完了したらまた連絡してください。」

無事完了したので報告。

すると博士から「とりあえず、これからその専門チャンネルのアドレスをあなた宛てメールしますので、私の言うとおりにパソコンを操作してください」

「ハイ、分かりました」

博士から届いたアドレスを一字一句間違えないようにメモしてから「どうぞ続きをお願いします」

「ハイ、それでは私が言うとおりに画面の操作をしてください。まず始めに、・・・・」

いくつもの項目をクリックするなど、とても素人では絶対に考え付かないような複雑な操作だった。

そして肝心のDAコンバーターを認知する読み込みの方もAIMPではいくつも選択できるようになっていて、「トッピング」などと並んで「G」の選択肢があったのでclickしてから最後に「適用」、次に「OK」をクリックしてお終い。

そして、見事にスピーカーからモーツァルトの音楽が流れてきたのには感激した。

中国製「G」の優秀な機能と相俟って、音質も素晴らしい。

モーツァルトの音楽の特徴だがストーリー性が無いので一つの断片だけ切り取っても音楽の美しさに十分堪えうるし、たちどころにモーツァルトの世界に入り込めるところがいい。

この専門チャンネルでは選曲もよくて妙なるメロディが次から次に湧き出てくる。皆等しく名曲ばかりでまったく尽きることがない。そしてうれしいことに宣伝がいっさい入らない。

これからはこのチャンネルで「モーツァルト三昧」になるが、豊かな音楽ライフとはきっとこういうことを指すに違いない。

とはいえ、自他ともに認める「モーツァルト狂」にとって夢のような時代が到来していたのに気付かなかった己のうかつさを大いに恥じなければいけない(笑)。

最後に冒頭の真空管の話だが、博士のアドバイスどおり「6072」を温存し、それに代えて「12BH7」(東芝)という球があったので代わりに挿してみた。



通常のミニチュア管よりもちょっと大きめなので、低音域には強そうな感じ。

一時プリアンプ用として使ったことがあるが、ぼんやりとして実に冴えない音で長らくお蔵入りだった球である。

肝心の「μ(ミュー)=増幅率」も「16.5」と6SN7の「20」と似たようなものなので十分代用が利きそうだ。

あまり期待せずに挿し込んでみると見違えるように溌溂した音を出してきたのには驚いた。

「6SN7」よりもずっといい!

出力管として使ったときの「ミニチュア管」はまるっきり変身しますな。



真空管の奥の深さを痛感!

このところ「音楽&オーディオ」に限っては次から次にいいことが起こっているが「好事魔多し」ということもあるので、むしろ怖いくらい(笑)。



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中国製DAコンバーターの魅力

2021年07月21日 | オーディオ談義

先日来、何かと話題にしている中国製のDAコンバーター。仮に「G」としておこう。

ご承知の通り、DAコンバーターというのは「Digital」信号を「Analog」信号へ「Convert」(変換する)機器のことで、頭文字を取って「DAC」(ダック)とも称される。

デジタルの世界では音質を大きく左右する「要」となる機器である。

10日ほど前の6名による大がかりな試聴会で遺憾なく実力を発揮した「G」だが、その時はCD並みの「44.1KHz」でのテストだった。

そこで、18日(日)の午後になって、再度持ち主のYさんに願いして持参してもらい新たなテストをしてみた。



手前の機器がCDトラポのCEC「TL3 3.0」で「44.1KHz」の4倍のサンプリング「176.4Khz」出力が可能になっている。

そして見事に「G」がこの「176.4KHz」を受信した!

その様子がパソコンの大きな画面でご覧になるとお分かりだと思う。

そして出てきた音といえば・・。

Yさんともども絶句したのである。

「こんなに透明感のある音をこれまで聴いたことがありませんよ。」

夢中になってジャズボーカルをはじめいろんなCDをかけまくった。



ミッシャ・エルマンの弾くヴァイオリンがことのほかやさしいし、「島田祐子」さんが歌う「花の街」(団 伊久磨作曲)が懐かしい童心を蘇らせてくれる。

「島田祐子さんてこんなに透き通った声だったんですね・・」とYさん。

こんな音が毎日聴けるんだったらどんなにお金をはたいてもいいと正直思った。若い頃ならともかく、いい歳をして年甲斐もないけれど・・(笑)。

これでほんの少しばかり残っていた「レコード再生」への未練を100%断ち切ることが出来たのはありがたい。

Yさん曰く「このDAコンバーターは世界的に定評のある旭化成のAK4499チップを使ってますが、このチップが惜しくも生産中止状態で在庫限りでの生産になっているそうです。いつ販売中止になるか、時間の問題でしょう」

そうですか、購入するなら急ぐ必要がありますね・・。

実はつい先日のこと、ブログをご覧になった「北国の真空管博士」から問い合わせがあって、

「中国製のDAコンバーターの実験はいかがでしたか?」

「ハイ、とても素晴らしかったですよ。型番は〇〇でした。」

「ほう、それはさっそく調べてみましょう」

そして「製造元はデジタルの研究にかけては定評がありますね。製品のツクリも申し分ないです。チップも旭化成製ですし、オペアンプの部分も実に凝ってます。これはたいへんんなお買い得ですよ」

日頃から何かにつけて緻密でシビアな博士が珍しく絶賛されたので、これが最終的な後押しになって、パソコン画面の「今すぐ買う」をポチッ(笑)。

到着予定は8月上旬の予定。

おっと「AXIOM80」を駆動したアンプのことを忘れていた。

つい先日のブログ「ミニチュア管の魅力」で登場した「6072」(12AY7)を出力管にしたアンプだったが、Yさん曰く「先日の試聴会で使用したWE300Bシングルよりも音にスピードがあって鮮度が高いですね。私はこちらの方が好きです」

そして、辞去される際に「我が家では現在パワーアンプが無いので使い様がありません。このDACはエージングを兼ねて置いていってもいいですよ
とありがたいお申し出。

「それでは、しばし我が家で使わせてもらいましょう」と快諾。

なお、この「G」がいつ販売中止になるか風前の灯でそのうちネットから消え去る運命なので、後日のために商品説明を記録しておくとしよう。

●左右のチャンネルは、AKMの旗艦AK4499チップによってそれぞれデコードされます。2チャンネルDAC回路は完全に独立しており、独立した接地が行われ、最適なパフォーマンスを実現し、互いに干渉しません。

●CPLDプログラマブルロジックチップ、自己開発ロジック機能デジタル集積回路、内蔵クロック管理、2nd PLL デジタルシェーピング、DOP復調、PCM/DSDデポップスイッチなどの独自技術により優れた音質の強固な基盤が築かれました。 

●8チャネルハイブリッドディスクリートIV変換回路と独立した加算回路は、AK4499大電流の要件を完全に満たしています。

●USBモジュールはXMOSのXU208チップを使用し、PCM768K DSD512をサポートします「USB入力なしだとこのモジュールがありません」

●合計90ポジションの0dB〜-90dBの高品質デジタルボリューム調整をサポートし、リモコン付きで、ボリュームを簡単に調整できます。 」

デジタル入力:
IIS、USBサポートされるPCM形式:16-32bit / 44.1、48、88.2、96、176.4、192、352.8、384、768kHz。 DSD64、DSD128、DSD256、DSD512;

同軸サポートされるPCM形式:16-24ビット/ 44.1、48、88.2、96、176.4、192、384 kHz; DOP64、DOP128

光ファイバー、AES / EBUサポートされるPCM形式:16-24bit / 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz; DOP64 

以上のとおりだが、毎日コツコツと地道に命を刻んでいると、たまには目の覚めるようないいことがあるようですよ(笑)。



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夏向きの便利なグッズ

2021年07月20日 | 独り言

ようやく長い梅雨が終わり、これから本格的な夏が始まるが少しでも身の回りに快適なグッズを増やして気持ちよく過ごしたいものである。

今回はごく身近な「靴下」を取り上げてみよう。

ネット、雑誌、あるいは新聞か、定かな情報源を忘れたが「夏向きの靴下がある」という記事とそのメーカー名が記憶に残っていた。

夏は素足に限るが、ウォーキングや運動ジムに通うとなると素足というわけにはいかない。

足にフィットした短めの靴下を履くことになるが、難は「”かかと”からすぐに外れやすい」ことで、ときどき不快な思いをしていた。

その記事によると、「かかと」から靴下が簡単に外れない工夫がしてあるという。

さっそくその靴下の製造元で販売系列にあるショップを訪れた。クルマでおよそ15分といったところかな。

「簡単に外れない夏向きの靴下があるそうですが」と店員さんに尋ねるとすぐに案内してくれた。



若い頃のオーディオで懲りているのでメーカー側の宣伝文句は簡単に信用しないことにしている(笑)。

まず「一足」だけ買って試してみることにした。

すると、なかなかいいじゃない(笑)。



丁度かかとに当たる部分に滑り止めのビニールみたいなものが貼ってある。画像で分かりますか・・。これなら簡単に外れないよなあと納得。

こうして綿とビニールとをうまく密着させるのがメーカー独自の技術なのだろう。

ウォーキングでも実際に試してみて外れないことを確認したので、翌日になって再度そのショップに行って追加で3足購入した。

これで、足元に関してはこの夏は快適に過ごせそう・・かな(笑)。



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ミニチュア管の魅力

2021年07月19日 | オーディオ談義

長い梅雨がようやく終わったというのに、17日(土)から18日にかけてかなり激しい雨が降り続いた。

図書館などに出かける気もしないので久しぶりに保管している真空管の整理に取り掛かった。

出力管については全体的に大ぶりだし、交換する妙味も味わえるので室内の身近なところにおいているが、可哀そうなのは電圧増幅管の「ミニチュア管」で、倉庫に仕舞い込んだままでなかなか陽の目を見ることがない。

まあ、お値段が安いので代替品はいくらでもあるし、使い道はプリアンプであったり、パワーアンプの引き立て役だったりで、いわば日陰の存在ですかね(笑)。

10年以上使っていないものが多いのでそろそろ不要な球をオークションに出そうかなと改めてペア探し~。

ガラス管の印刷が消えていることが多いので、プレートの大きさやピンの色などが選別の目安となる。



すると出るわ出るわで大忙し。こういうケース(箱)がもう一つあるのだからいい加減にしてくれ~(笑)。

「12AU7」が一番多くて、その次が「12AX7」「12AT7」「E80CC」と続くが、いろんなメーカーがひしめき合っている。

そして肝心なのが、これらの真空管がはたしてノイズなしに音が出てくれるかどうかだ。

こういうときのテストにはこのアンプが最適。



入力段の真空管は「6SL7GT」で出力段の真空管は「6SN7GT」。

この「6SN7GT」というのはミニチュア管の「12AU7」とほぼ同等規格で「μ(ミュー:増幅率」もそれぞれ20と17と似通っており代替可能である。

そこでソケットの「変換アダプター」を使って12AU7を挿し込んで次々に「出音テスト」をした。

スピーカーは「AXIOM80」だが十分駆動可能だから頼もしい。

これもプッシュプル用の小型出力トランス(アメリカ「TRIAD」)に合わせてプッシュプル接続にしているのでパワーが増大したおかげだろう。

ただし、やっぱり低音域が若干淋しいので補完してやる必要があるが、それを補って余りあるほど中高音域にかけてはスピードが速く瑞々しい音に恵まれて申し分ない。

そして、すべての真空管がノイズもなくOKだったのでこれで晴れてオークションに出品できそうだと、ホッとしたのも束の間で最後に「6072」という真空管が3本出てきた。

「6072っていったい何?」

こういう球を購入した覚えがまったくないんだけどなあ・・。

ネットでググってみると「12AY7と同等管」ということが分かった。

「12AY7」はこれまで使ったことがないが、おそらく「12AU7」あたりと同族なのだろうとおよそ察しがつく。

肝心の「μ」は44とあって比較的高く、もしかしてギター用アンプの球かもしれない。

たぶん差し換え可能だろうと思い切って挿してみたところ、これが何とまあ「AXIOM80」から想像もできないような美音が出てきたんですよねえ!

こんなに「いい球」をオークションに出すなんて滅相もないと手元に置いておくことにした!(笑)

今回は、普段から大仰な出力管ばかりにスポットライトが当たっているけれども、使い方次第で実力を発揮する「ミニチュア管」の魅力に括目するいい機会になりましたよ。



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ドレミファソラシは虹の色

2021年07月18日 | 音楽談義

ずっと以前のブログで「ドレミの7音は虹の色」のタイトルで投稿したことがある。



「日経新聞」に載っていた記事を参考にしたものだったが、要するに世間には「ドレミファソラシ」の音を聴くと色彩を連想する「共感覚」の持ち主が居るというお話だった。

つまり「ドレミファソラシ」が「赤黄緑橙青紫白」に対応しているというわけ。

音楽を聴きながら色彩を楽しめるなんて、こんな素敵なことはないので本当にうらやましい。

そして、つい最近図書館の新刊コーナーで見かけた本がこれだった。



興味津々で目を通してみたが、科学的な専門用語が多くて正直自分の頭ではわかりづらかった(笑)。

とはいえ、転んでもただでは起きない性質(たち)なので、興味深かった一節を紹介しよう。(103頁)

「大学の講義で音とは何かと学生に聞くと、まず、間違いなく空気の振動という答えが返ってくる。たしかにそう習ったのだと思うが、この答えは決定的に大事なことを見落としている。

音とは空気などの振動を耳を介して脳が感知したものだ。つまり、音とは振動そのものではなくて、振動を感じた脳が作りだした主観的な感覚であり心理現象である。

これは空気の振動という客観的に測定可能な物理現象とはまったく異なる。

たとえば同じ物理現象としての音波を聴いても筆者の感じる音と貴方の感じる音が同じである保証はない。~中略~

音が物理現象ではなく脳の現象であることは、いくら強調してもしきれないほど大事で、これが音階がなぜドレミファソラシの7音なのかを考える原点である」

このことに関連して、つい先日のブログで次のようなことを書いていた。記憶に新しいので覚えている方も多いと思う。

「自分ではいい音だと惚れ込んでいても、他人にとってはそれほどでもないというケースは日本中至るところでの日常茶飯事なのかもしれない。」

まさにピタリと符合しますね(笑)。

つまり一人一人の脳がそれぞれに違うのだから聴こえてくる音も違って当たり前というわけで、オーディオは他人がいくらどうこう言おうと自分さえ気に入った音であればあまり気にする必要はないようですよ(笑)。


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「若いフレッシュ感覚」 と 「年増の妖艶さ」の対決

2021年07月17日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

今回の試聴会の焦点は中国製のDAコンバーターである。仮に「G」としておこう。予備のプリアンプを外してラックに組み込んだ。



「エルガー プラス」と同一条件にするために、電源については「200Vを100Vに降圧した」電源タップに接続し、そして電源ケーブルには「ドミナス」(PAD)を使用した。

余談だが「デジタル機器」は電源次第でガラッと音が変わる。



小窓の表示が「44.1KHz」になっているので、「この機器はアップサンプリングできないんですか?」とYさんにお訊ねすると、

「これはパソコンやCDトラポに応じて自動的に対応す
るシステムになっています。したがって機器自体でアップサンプリングできないようですよ」「成る程」。

というわけで、我が家の「エルガー プラス」とは「44.1KHz」という同一条件下でのテストとなった。

接続の方はCDトラポと「エルガー プラス」とは「バランスケーブル」(1本)で、「G」とは「RCAデジタルケーブル」(1本)で接続し、プリアンプの入力セレクターのスイッチで瞬時に切り替えができるようにしている。

はじめに「エルガー プラス」から試聴。

試聴盤はシステムの音の傾向が比較的わかりやすい「ジャズ・ボーカル」から。



ジャズ評論家「寺島靖国」さんの推奨盤シリーズ「For Jazz Vocal Fans Only」の「Left Alone」(第1トラック)。

まず、Yさんが1年8か月振りに戻ってきたCDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」に対して驚きの声を上げられた。

「これまでのCECのCDトラポに比べて音が激変しましたよ。」

「やはり純正の組み合わせとなると隙を見せないようですね」と自分。

曲はそのままにしてプリアンプのスイッチを切り換えて「G」へ。

「あれっ、(歌手の)声が少し若返りました!」と、お客様のどなたかから声が上がった。要は「フレッシュ」という感じなのだろう。

いわば年増の妖艶さを優先するのか、それとも若さが持つ健康的な美肌を優先するか、これは人生の重大な岐路に立たされますね(笑)。

自分では音の瑞々しさ、鮮明度、周波数レンジのいずれをとってみても総合的には互角だと感じた。

お値段からしたら「G」の大健闘を称えるべきだろうし、一方では製作年代が20年以上違うことからして「エルガー プラス」の古さを感じさせない表現力に敬意を表したいほどで両者に乾杯~。

今後、万一「エルガー プラス」が故障して修理不能となったらこの「G」を即買いだと秘かに決めた。

2時間ほどこのスピーカーで聴いてもらってから、今度は低音域だけ(100ヘルツ以下)「ウェストミンスター」に切り替えた。



となると、コントラバスとオルガンの出番となって「ゲリー・カー」の「祈り」から「オー・ホーリー・ナイト」を。

オルガンの地を這ってくるような重低音ばかりは大きな箱の独壇場でしょうよ(笑)。

いずれにしても皆さん大喜びのご様子だった。

そして後日のこと、初対面だった訪問者の方から次のようなメール(要旨)をいただいた。

ご自宅ではJBLの3ウェイ大型マルチシステムを自作の真空管アンプ3台で鳴らされている豪の方である。

「DACでの音の変化大変面白かったです、勉強になりました、マニアの試聴は大変良い勉強になります、いつか又試聴させて下さい。」

はい、これに懲りずに
いつでもどうぞ~(笑)。

最後に、心残りは「G」の「ハイ・サンプリング」の音を聴けなかったことで、この対応としてCECのCDトラポが176.4KHzの信号を出せるので、Yさんとご相談の上次回はこの組み合わせで再度試聴してみることにした。

あっさり「dCS」の後塵を拝した形の「CEC」が名誉挽回なるか、これは見ものです~。



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「ベスト・ワン」あるいは「オンリー・ワン」のどちらを狙う?

2021年07月15日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

いよいよ試聴会の当日がやってきたが、梅雨末期なのに雨を免れてどんよりとした曇り空だったのは僥倖だった。

13時ごろに全員集合。うちお二人さんとは初対面なので「はじめまして、どうかよろしくお願いします~」。うち御一人は我がブログの読者だそうで恐縮です。

実を言うと、「ブログではさも素晴らしい音が出ているかのように書いてるけど、実際には口ほどにもない音だ」とガッカリされるのが嫌なので、なるべくなら聴かせたくないんだけど~(笑)。

そういえば我が家の音を聴いて「もう一度聴きたい」という方は滅多にいないことに気付いた。

自分ではいい音だと惚れ込んでいても、他人にとってはそれほどでもないというケースは日本中至るところでの日常茶飯事なのかもしれない。

自宅の音に疑問を挟まない人は、ある意味では幸せな人でしょうか(笑)。

それに、万一気に入った音だったとしても最後は「やっぱり聴き慣れた我が家の音が一番いい」となるのがオチでしょう~。

長年の経験上、その辺は達観している積りだが、やはり当座はお客様さんに喜んでもらうに越したことはない。

そういうわけで、ベストは尽くさねばと試聴システムの選定にあたっては当日のメインゲストとして中国製のDAコンバーターを持参されるYさんの好みに合わせることにした。

まずCDトランスポートはこのほど修理から戻ってきたばかりの「ヴェルディ・ラ・スカラ」(英国:dCS)。



次にスピーカーはYさんが大のお気に入りの「AXIOM80」。



とにかく「AXIOM80」を使わないと音の微妙なニュアンスは分かりませんと、いつも仰る。

それかといってご自宅用に「AXIOM80」を購入しようとはなされない。

というのも「二番煎じ」がお嫌いな方で、どちらかといえば「ベスト1」よりも「オンリー1」を優先される方だから。

独自性を優先するその気持ち、ちょっぴり分かりますよ(笑)。

次に、「AXIOM80」(フルレンジ)用のアンプは「WE300Bシングル」で決まり。

何やかや言ってみても、SN比に優れた「銅板シャーシ」や真空管のヒーター回路が別になっているなど凝ったツクリに加えて定評のある出力管とトランス類の組み合わせが醸し出す音色は他のアンプの追随を許さない。



次に低音域(100ヘルツ以下)を受け持つアンプは「EL34のプッシュプルアンプ」に決定。



能率が100db近い「D123」(JBL)といえども、コーン紙が重たいせいか、非力なシングルアンプではどうしても雄大なスケール感が出てこない。

JBL系をうまく鳴らすには真空管アンプでは「プッシュプル系」に限るみたいですね。

前置きが長くなったが、いよいよ中国製のDAコンバーターの設置を済ませて比較試聴に移った。

以下、続く。



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