「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

人生を楽しませてくれる3つの「S」

2019年03月30日 | オーディオ談義

春爛漫の気配が濃厚な今日この頃、遅まきながら我が家の「紫木蓮」もようやくお目覚め気味。

   

そして、代変わりに伴う新しい元号の決定が目前に迫っている。1日(月)の午前11時半に発表とあるがはたして~。

世の中の変化にもいろいろあってピンからキリまであるが、さしずめピン(最高)は「元号」で、キリ(最低)は我が家のオーディオぐらいのもんだろう(笑)。

お金は無いけど時間はたっぷりあるので、いつものように「音楽&オーディオ」三昧の日々を送らせてもらっているが、何しろシステムのどこかを弄ったときの「音の変わり様」が「ハラハラ、ドキドキ、ワクワク」させてくれるのだからたまらない。

スリル、サスペンス、スピードは楽しい人生を送るのに欠かせない3つの「S」だといつも思っている。

ちなみに、スリルとサスペンスのどこが違うのかといえば、ミステリー小説でいえば「真犯人を追い詰めていくのがスリル、最初から犯人が分かっていて逆に追い詰められていくのがサスペンス」だそうだ。

ホントかな?(笑)。(どなたか巧い表現をご存知の方は自己紹介欄のメールにてお知らせください。) 


ただし、常に変化を心がけることがはたしていいことなのか、悪いことなのか、それは諸説あるところだろう。

たとえば「不易流行」(ふえきりゅうこう:芭蕉)という言葉もあるし、
有名なダーウィンの「進化論」の中には「強いものが生き残るとは限らない、賢いものが生き残るとは限らない、ただ(環境に適応して)変化するものだけが生き残る」という趣旨の言葉があるが、まあ、我が家の場合は「スリーS」が欲しいばかりに「変化を良し」としている傾向が強い(笑)。

今回もその一環として、何となく気になっていた点を変化させてみた。

ウェストミンスター(改)に載せているJBLの「075」ツィーターを外してグッドマンの「AXIOM80」に絞ってみようという目論見である。

そのためにはネットワークの交換が必要だ。昨日(29日)の午後から作業にかかった。

  

奥の方がこれまで使ってきたJBLのネットワーク「LX80」(クロス800ヘルツ)で、高音域のボリュームを最大限に上げても「AXIOM80」が「か細い音」になるので仕方なく能率の高い「075」(110db)で補強していた。

これでも何ら不足は感じなかったが、あえて登場させたのが画像手前側のテクニクスのネットワーク「20N100」(クロス1200ヘルツ)で、これだと高音域のボリュームに余裕があって11時くらいの位置で「AIOM80」がたっぷりと鳴ってくれる。したがって「075」を外してもOKだ。

   

見た目にもスッキリだが音も激変したのには驚いた!

音のしなやかさ、色艶、彫琢、奥行き感、そして音声信号に対する反応の速さ、いずれをとっても一級品である。これならクラシック、ジャズを問わず両方十分にいける。

こんなことなら早いとここのネットワークにしておけば良かったのにと思わず臍(ほぞ)を噛んだ。

オークションで落札したJBLのネットワークがかなりの高額だったことから何とか生かそうと、つい未練を持ち過ぎたのが真相だがビンボー性はホントに困りますねえ(笑)。 

いずれにしても今回の件を通じてオーディオは変化を厭わないことが大切だと肝に銘じたことだった。もちろん我が家だけに通用する話ですが。

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名誉の負傷

2019年03月28日 | オーディオ談義

前々回のブログ「先入観は罪、固定観念は悪」で述べたように3段構えの対策で新境地を開いたつもりの「PX25シングルアンプ」だが、土曜日(23日)が来るのを待ち構えてオーディオ仲間に試聴してもらうことにした。

自分の耳ではどうしても独自の「思い入れ」とか「お値段」とかの邪念が付きまとうので(笑)、他人の耳を拝借しての客観的な判断が大いに参考になる。

ただし、ひとくちに試聴といっても比較するのが一番わかりやすいので具体的にはプリアンプを通じて鳴らす「171PPアンプ」とプリアンプ無しで鳴らす「PX25シングルアンプ」との一騎打ちとなった。

試聴盤は例によって「寺島靖国」(ジャズ評論家)さんが編纂されたジャズの優秀録音。

       

スピーカーはウェストミンスター(改)。

それぞれのアンプを30分ほど聴いていただいたうえで、そのご感想はといえば「音の鮮度と抜けは171PPの方が一枚上ですね。しかし、低音域の重量感はPX25の方に軍配が上がります。難しいところですが総合的には私は171PPの方が好きです

やっぱりそうですか・・・。

何だか急に171真空管のストックが心配になってきたのはご愛嬌(笑)。

何しろプッシュプル方式だから厳密に数値がそろったペア管が2組(4本)必要だ。スペアが1組あるがもう一組欲しいところ。

そこで北国の真空管博士に相談したところ「海外のオークションでペア取りが出来るRCA製のナス管の極上品が見つかりましたので落札してあげます」

これでひと安心(笑)。

テストが一段落して今度はグッドマンの「トライアクショム」の試聴に移った。

CDシステムは「dCS」(英国)のコンビでプリアンプは「マランツ7型」、パワーアンプは「SV-300Bシングル」である。

ジャズを気持ちよく大音量で鳴らしていたところ、左チャンネルから強い音が入ったときだけザザッとノイズが発生しだした。

アレーッ!

クラシックでは大音量で鳴らしても何ともなかったのに、ジャズのようなパルシブな音になると途端に弱点が露呈した。

ヤレヤレ、また修繕か!そして、またお金が要る・・・(笑)

ほんとにジャズの優秀録音は「罪作りなCD」ともいえる。

それにしても我が家での修繕は圧倒的にSPユニットが多い。

何しろ60年ほど前の古いユニットだし、出自はオークションの中古品だから仕方がない面もある。

また繊細な音を出すユニットほど壊れやすいのも事実だし、ある意味では「名誉の負傷」といえるのかもしれない。

なにせ「故障しない丈夫なツクリだけど繊細な音が出ない」ユニットは真っ平ご免なんですから(笑)。


さっそく修繕に出すことにして取り外し、その代わりに同じグッドマンの「AXIOM150マークⅡ」を取り付けて試聴した。

   

「いかにもグッドマンらしい音ですね。トライアクショムにまったく引けを取りませんよ」

「このユニットはクロスオーバーをいろいろ試してみましたが4000ヘルツあたりがベストのようです。ツィーターはワーフェデールのスーパー3ですが大型マグネットのせいかコーン型にもかかわらずとてもセンシティブですよ」

これで本日の試聴会は盛況のうちに終了した。

「終わり良ければすべてよし」、これは人生と同じですね(笑)。

最後に、名残惜しくもお借りしていたジャズのCD11枚をお返ししたが、その代わりにといってはなんだが持参したいただいたのが次のCDだった。例によって寺島靖国さんが編纂した残りの7枚のCD。

   

これはまた痺れそうなCDばかり!

ほんとうに親切極まる仲間のご厚意に感謝、感謝です(笑)。


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ブログの効用

2019年03月26日 | 独り言

今や日課の一つになっているブログ記事の作成。

作ってすぐにUPする
と「もっと書きようがあったのに」と後悔することが多いので必ず一晩あける習慣をつけている。

あまり推敲が苦にならないタイプだが、ブログの題材を何にするかも気を配っているつもり。

たとえばオーディオの記事ばかりではマンネリ化するし、一部の興味のない方を意識してときどき畑違いの記事を織り交ぜることにしている。

その一環として先日のブログ「春分の日に思う」で「相続手続き」の一部を公開したところさっそく読者から反応があったのはありがたかった。

関東地方に在住の「I」さんという方から「我が家の母も高齢なので参考にしたいです。よろしかったら相続手続き全文を公開、あるいはメールで教えていただけませんか。」という趣旨のメールだった。

「叩けよ さらば扉は 開かれん」(新約聖書)ですね(笑)。

まったく見知らぬ人間へ出すメールは自分にも経験があるがいろいろ考えた挙句、面倒くささも手伝って「ま、いっか」と諦めることが圧倒的に多い。

したがって、今回はその「前向きな姿勢」に対してぜひ応えてあげねばという気にさせられた。

さっそく、製作者のご了解を得て26項目にわたる全文をメールにてお届けしたが、「必ずしも完全無欠の内容とは限りませんので十分消化されてからご活用ください」と忘れずにつけ加えておいた。

それはさておき、当方のブログの読者にふさわしく「I」さんはやっぱり華々しいオーディオ愛好家だった(笑)。

無類のクラシック愛好家とくればスピーカーは自ずとタンノイさんですよね。

その遍歴となるとアーデン → レクタンギュラー・ランカスター → コーナー・ランカスター(モニターゴールド)という「筋がね入り」の方だった。

また、アンプはプリが「マランツ7」、パワーアンプが「405Ⅱ」(クォード)とのことで、いかにも「いい音」が出そうですね。

      

そして、「振動対策」にも随分とご熱心な方でメールの一節を紹介させていただくと、

「オーディオは、振動対策との闘いみたいなものと思ってます。特にクラシック再生は、機器や部屋のSNを上げていくことがカギではないかとも思っていますので。

ラック、機器の足、部屋の壁、床などなど、対策をするところが満載ですね。私の部屋は、窓が4枚あるので、そのガラスにも制振対策をしています。透明のシートなので、窓としての機能も損なうことはありません。」

以上のとおりだが、音を良くする工夫の中で「磁界対策」と「振動対策」は何しろ目に見えないのでとても厄介な代物である。

つい、なおざりにしがちだがこの辺(あた)りまで気を配れることは極めてレベルの高い愛好家であることを物語っている。

しかも、奇しくも使っているCDトランスポートが我が家と同じCECの「TL3 3.0」ということが分かってさすが・・(笑)。

そういう信頼感のもと、メールの中でご紹介をいただいた「防振グッズ」をさっそく注文したところ2日後にはもう届いた。ヨドバシカメラさんはやることが素早い!

   

いかにも新素材による防振グッズのようで「へたり」や「劣化」も少ないというので愉しみ。

「I」さんによると回転系を持つCDトラポへの使用がベストのようだが、当面CDコピーをするときのパソコンへの防振用として使用することにした。

このところやたらにコピーすることが多くなったのでグッドタイミング!

もちろん、仲間から借りたジャズの優秀録音のコピーなんか対象外ですからね。

        

おっと、これは言わずもがなだったかな(笑)。

ブログのおかげでこうしてオーディオ愛好家と知り合い、得難い情報をいただけるのだからコツコツと続けている甲斐があったというものです。

「I」さん、どうもありがとうございました。

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先入観は「罪」、固定観念は「悪」

2019年03月24日 | オーディオ談義

どうも解(げ)せないなあ・・・。

このところ頭から離れないのが我が家の「PX25」アンプのことである。

     

前回のブログ「困ったときは・・」で述べたように、ジャズの再生では我が家のアンプの中で「171Aプッシュプルアンプ」に一日の長があったわけだが、その際に試聴した「PX25」アンプの高音域の鮮度がイマイチだったことがすごく気になっている。

このアンプのセールスポイントは何といっても「高音域の艶」にあるので、これではまるで「牙を抜かれたライオン」と同じだ。

優秀なジャズ録音のソフトはシステムを根底から揺さぶってくるが、それにしても
なぜこんなことに?

そこで、本領を発揮させるために「なりふり構わず」もがいてみることにした(笑)。

鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス

結果的には3段構えの対応となったがまず第一段としては、

☆ 「075」ツィーターのコンデンサーを交換

アンプとスピーカーは運命共同体なので初めにスピーカーをいじってみた。

075ツィーターを「300B」アンプで鳴らしていたときはローカット用のコンデンサーを「0.39μF」にして控えめの鳴らし方だったが、「PX25」ではおとなしすぎるので「1.0μF」にしてレンジを下げてみた。

すると音の輝きが増して明らかに一歩前進。

ツィーター用のコンデンサーも使用するアンプ次第で臨機応変に代えないとダメですね。

   

次の対策はいよいよアンプ本体へ、

☆ 前段管の交換

前段管というのは出力管の前に配置する「電圧増幅管」のことだが、何しろこれ次第でアンプの音色はコロッと変わるからゆめゆめ油断できないポイントである。

このアンプの特徴として前段管は直熱管も傍熱管も挿せるし、アメリカ系の4ピンもヨーロッパ系の5ピンも挿せるというマルチ方式なので大助かり。

しかも「μ(ミュー)=増幅率」に応じて3段切り替えスイッチまで付いている。

「こういうアンプは私が知る限りこれだけですよ」とは、このアンプを改造していただいた「北国の真空管博士」のコメントである。

それでは試した球を紹介しよう。

   

上段は直熱管、下段は傍熱管となる。個別に紹介すると、上段左からSTCのμ(増幅率)が低い順から「3A/109B」「3A/107B」「3A/110B」そして「SGX-112」(トリタンフィラメント)

次に下段左からGECの「LS-7」、英国マツダの「AC/HL」(最初期版)、マルコーニの「MH4」(メッシュプレート)となる。

自分で言うのも何ですがいずれも簡単に手に入らない希少管ですよ!

さて、この7種類の球を1ペアづつこまめに差し換えながら試聴するのだからもう大変!しかし、クラシックと違ってジャズともなると明確な差が出るので実に楽しかった。

それぞれに長所と短所があって、想像した通り「帯に短し、たすきに長し」だったが、総じて元気のいい音を出すのが「傍熱管」であり、その一方、鮮度や艶の領域になると「直熱管」に一日の長があった。

今回の目的は「鮮度や艶」の増強なので「直熱管」に絞った挙句、比較的「μ(増幅率)」の高い「3A/110B」(英国:STC)に決定した。素性からいくと「SGX-112」が一番だが惜しいことにちょっとμが低い。

これでやっと2歩前進(笑)。

☆ プリアンプを外す

最後の三段目は窮余の一策だった。上記の二段構えの対策でもどうもしっくりこないので思い切ってプリアンプを外してDAコンバーターから直結でPX25を繋いでみた。

何と、これが一番効果があった!

ベールが一枚も二枚も取れた感じでスッキリ爽やかなサウンドが出現。

このところプリアンプはずっと「使用肯定派」に属していたが、やっぱり相性があるようでまさにケースバイケース、しばらくこれで聴いてみることにした。

以上のとおり、今回の実験を振り返ってみると教訓として先入観や固定観念に縛られないことが如実に浮き出てきたことになる。

まったく「先入観は罪、固定観念は悪」という言葉がピッタリでしたね(笑)。

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困ったときは「71系アンプ」の出番

2019年03月22日 | オーディオ談義

前々回のブログ「罪作りなCD!」で紹介したように、ジャズの優秀録音は我が家のオーディオに少なからずカルチャーショックを与えてくれた。

     

何しろ11枚を一気に聴くほどの熱中ぶりだが、いくらクラシック愛好家とはいえジャズもそこそこ満足のいく音で鳴らしたいと思うのはオーディオ愛好家であれば分かっていただけますよね(笑)。

これを言い換えると二つの命題に直面したことになる。

 クラシックがうまく鳴ってくれればジャズもうまく鳴る

 ジャズがうまく鳴ってくれればクラシックもうまく鳴る

そりゃあ両方うまく鳴ってくれれば言うことないが我が家ではとうてい無理にきまっているし、そこでどちらが正しいかということになるが現時点での思考では後者に傾いているのも事実。

いずれにしろ受けたカルチャーショックの中身はといえば、たとえば「300B」アンプは中高音域の表現力は素晴らしかったが、低音域の重量感がいま一つ、そしてちょっともたつき気味、その一方「PX25」アンプは低音域の重量感は凄かったが高音域の鮮度がいま一つといった具合。

いわば「帯に短し、たすきに長し」でクラシックの再生ではまったく問題ないとしながらも、ジャズでは我が家を代表する2つのアンプが万全でなかったのは残念至極だった。

まあ、かなりハイレベルでの話ですがね。おっと、とうとう言ってしまったか(笑)。

いずれにしても、これは小出力の真空管アンプの限界かとも思ったが、これは我が家のオーディオのレーゾンデートルだから簡単に放棄するわけにもいかないので少しジタバタしてみることにした。

そこで予備役に編入させて待機していたアンプを引っ張り出してみた。

   

まずは300Bシングルアンプ(モノ×2台)。通常はエレハモや中国製の300B専用だが、今回は奮発して「SV-300B」(スヴェトラーナ)を挿入してみた。

電源トランスや出力トランス(タムラ)の大きさに期待したわけだが、実力伯仲とはいえそれほど劇的に変わることもなかった。

次に「171Aプッシュプルアンプ」に変えてみた。

   

有名なピアレス(アメリカ)の出力トランスにインターステージトランスはパーマロイコアの組み合わせで真空管はすべてナス管。

何とこれが総合力では一番だった!もちろんパワーがせいぜい2~3ワットぐらいだからボリュームを上げると低音域が歪み気味になるが通常のレベルで聴く限りこのアンプのバランスが一番いい。

古来、古典管マニアの間で秘かに囁かれている「困ったときは71系アンプを」のジンクスはしっかり生きていた!(笑)。

北国の真空管博士によると、

「171系はフィラメント電流のバリエーションが豊富で、私が知っているだけでもこれだけあります。 

「471B  0.125A」 「171A  0.25A」 「071A  0.25A」 「171  0.5A」 「071 0.5A」 「AC171 0.5A」 「171AC 0.5A」 「171AC(Hytron)1.25A」 「C182  0.75A」 「C183(481) 1.25A」 「C182B(482B) 1.25A」 

基本的なツクリがしっかりしているので類似球が多くなるわけだが何しろ旧いものでは90年ほど前に遡るのでコンディションのいい球を探すのがたいへん。
 
それはさておき、今回はプッシュプルアンプが持つ力強さにも刮目したところで、低音域に限ってはシングルアンプには求められないガッツがある。

折しもオークションに出品されていたのがこのアンプ。

     

定評あるSTC(ロンドンウェスタン)の「3A/109B」を2本使ったプッシュプルアンプでスタート価格が20万円。インターステージと出力トランスはウェスタン(WE)のコア使用のリビルト品とのこと。

博士にお伺いを立ててみると「とても微妙な値付けですねえ」(笑)。

ただし「低音域に限っては71系のプッシュプルの方が上だと思いますよ。」
アッサリ諦めた。

結局、落札価格は27万4千円なり。ま、いっか(笑)。


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春分の日に思う

2019年03月21日 | 独り言

今日は春分の日。

「祝日法」によると「自然をたたえ
生物をいつくしむ日」だそうだ。仏教界では宗派を問わず「お墓参り」をする日となっている。

また、視点をガラッと変えると22日(金)に休みを取ると4連休となって勤め人の方には朗報となる。

さて、我が家から歩いて5分ほどのところにお住いのNさんご夫婦。

年のころは75歳前後とお見受けしているが、我が家の玄関先で猫の額ほどの広さのバラの花栽培についてアドバイスを受けたことをきっかけに交流が始まり家族ぐるみで懇意にさせてもらっている。

   

その奥様からつい先日、依頼があった。

「たしかブログをされているんですよね。よろしかったらこれをパソコンで打ってもらいたいんですけどお願いできますでしょうか。」

「はい、お安い御用ですよ」と気軽に引き受けたが、B4用紙で4枚程度にこまめに手書きされておりタイトルは「相続手続き」。

高齢者にとっては避けては通れない課題である。

奥様はその昔、大手保険会社の「生保レディ」をされていたそうで、「これを知っているのと知らないのとではお客様の説得力がまるで違います」とのことだった。

いわばじっくり時間をかけて熟成させた商売道具みたいなものだが、3時間ほどで難なく打ち上げた。

奥様のご了解のもとに初めの部分だけ公開させてもらうと、

相続手続き
1~6(市役所)

1 埋葬費又は葬祭費の請求(国民年金、社会保険)
  (市町村の保険年金課、社会保険事務所)
  一定の金額が支給されます。(ただし2年以内

2 世帯主変更届
  世帯主死亡に限り14日以内に手続きのこと(市役所市民課)

3 固定資産評価証明書(市役所)

4 健康保険証の返却(市役所又は事業主)
  高齢者受給者証、介護保険被保険者証

5 戸籍調査 市役所(相続人の確定)
  被相続人の出生から死亡までの戸籍、
  除籍謄本 旧本籍地で従前戸籍(除籍)の謄本請求


6 高額療養費        (市役所)
  限度額適用認定証
  70歳未満の人に高額な医療費がかかりそうなとき(入院など)  
  は事前に市役所又は健康保険協会で「限度額適用認定証」を受け  
  ておく。窓口での支払いを負担の上限までに抑えることができ     
  ます。  
  国民年金(母子、遺族、寡婦)
  死亡者受取人により適用年金が変わります。(市役所国民年金課)

こういう調子で死亡後の手続きと留意点がえんえんと続いていき、すべての項目となると何と「26」にもわたるものだった。

人間が一人この世から消えて無くなることは、残された人間にとってもたいへんなことだということが凄く実感として伝わってきた。

人間はおぎゃあと生まれた途端に「お前を100年以内に死刑執行する。その方法、時期は問わない」と宣告される悲しい生き物だと、何かの本に書いてあった。

死は平等に誰にでも訪れるものだが、せめて時期ぐらいは「
家内よりも先に死なないと絶対に損をする!」と、つくづく思いましたねえ(笑)。

もともと「死ぬときは俺が先だからな。」と、日ごろから家内に言い聞かせている手前、さっそくコピーを手渡して「よろしくな」と頼んだのは言うまでもない。

死にまつわる目下の懸念は「家内より先に死ぬこと」そして「オーディオの後始末」だけである(笑)。

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罪作りなCD!

2019年03月19日 | 音楽談義

前回のブログで紹介したように、試聴に使った非常に魅力的なCDジャケット。

  

オーディオ仲間が持参してくれたCDだが、ジャズ評論家「寺島靖国」さんが編纂したもので、「Vol.11」とあるので過去10枚のCDがあるはず。

持ち主に伺ってみると1年に1枚のペースで発売されており、すべて持っているとのことで、「寺島さんはジャケットのデザインに一家言あるようですよ。とびっきりの美人が毎回登場するので見ていて楽しくなります。」

「それは非常に興味ありますね。ぜひ残りの10枚も貸してくれませんか。」

というわけで、とても親切な仲間が翌日すべて持ってきてくれた。

   

見ているだけでも飽きないですねえ。大いに目の保養になりますが、1枚当たり3000円もすると聞いて「高ッ!」。

しかし、見た目といい、紙質、印刷などの手触りといい特上なので収録されている音楽も素晴らしそうに思えるのが不思議。

と、「お前は見かけだけで判断するのか、軽薄だ。」との謗りを免れないが(笑)、ふと、最近読んだ本の一節を思い出した。

  

「私がウィスキーに興味を持ったのは26歳を過ぎたころ。ホテルツアーをしているときに読んでいた村上春樹さんの「IQ84」の中に、カティサークというウィスキーが出てきた時だ。

本の中で綺麗な形に頭が禿げた男が、バーでウィスキーを注文するシーンがある。男は、ふと思いついたようにカティサークはあるだろうかと尋ね、それをハイボールで飲んでいた。

するとカウンターの二つ離れた席に座っている青豆という女性から「カティサークがお好きなの?」と聞かれるのだった。

男はびっくりしながら、こう答える。「昔からラベルが気に入っていて、よく飲みました。帆船の絵が描いてあるから」

「船が好きなのね」「そうです。帆船が好きなんです」

私はこの一連のやり取りが好きだった。飲んでいるウィスキーを好きな理由として味や香りの知識をひけらかす訳でも、ロマンを語るわけでもなく、ただ帆船の絵が描いてあるから、と。

本を閉じて、眼を閉じて、想像した。帆船ってどんな奴だったかな。」

とまあ、何が言いたいかといえばウィスキーのラベルと同じでCDジャケットも音楽を聴くときの魅力の一つということに尽きるわけです(笑)。

それにしても、このエッセイ集は作者の赤裸々な心情が余すところなく吐露されていてたいへん面白く読ませてもらいました。読む時間が惜しいとは思わせない見事な作品です。

それはさておき、このCD群は本格的なジャズサウンドとしてもってこいだったが、日頃から秘めやかな音量で”しんねりむっつり”とクラシックを聴いている我が家ではまさにカルチャーショックだった。

大音量によるベースの唸り音やシンバルのチャリ~ンを聴いていると、パワーアンプの欠点がもろに出てきてしまったのである(笑)。

これには参りました!

低音域は十分だけれど高音域の伸びがイマイチとか、その逆があったりでいずれのアンプとも「帯に短し、たすきに長し」の感あり。

知人のジャズ愛好家から「ジャズの再生は何でもありだけど、クラシックのハーモニーの再生となるそうはいかないので難しい。」という趣旨の言葉があったが、自分に言わせると「瞬間的なパルシブの音の再生はアンプの欠陥がもろに出てきます。ジャズ再生の方が断然難しいです。」となる。

ちなみに「パルシブな音」とは、「受け売り」になって申し訳ないが次のとおり。

「 入力パルスに対して忠実に波形(ピーク)がはっきり、くっきりした感じで、素早い反応で(パワー・スピードのある)リアルな感じの音を評するのに使われる。

例えば、エレキベースのビンッ!という音とか、ドラムスのはっきりとしたアタック音とか、何かの衝撃音とかの聞こえ方をオーディオ的に表現、評価のために使われている言葉です」。

これは、まさにクラシック再生とジャズ再生の相剋といっていいですね。

いずれにしても、これらのCD群はたいへん「罪作りなCD」と言わざるを得ないが、今後の糧にも大いになりそうだ。

ひとつ前向き思考のもとで
「オーディオの神よ、我に艱難辛苦を与えたまえ」といきたいところです笑)。

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「いい音」「いい音楽」への飽くなき探求

2019年03月17日 | オーディオ談義

「啓蟄」(けいちつ)という言葉がありますね。

「冬ごもりの虫がはい出る」という意味ですが、時候でいえば早春に当たります。段々暖かくなると「オーディオの虫」だって活発に動き出しますよね(笑)。

「クリスキットのプリアンプが蘇りましたので聴いてくれませんか。」と、近隣のオーディオ仲間に連絡したのは昨日(16日)のことだった。

電源ケーブル「ドミナス」効果の確認も兼ねての試聴会である。

はじめにシステムの紹介をしておくと、「CDトラポ」と「DAコンバーター」はdCS(英国)のコンビで、プリアンプは「クリスキットマークⅥカスタム」、パワーアンプは「300Bシングル」、スピーカーは「ウェストミンスター」(改)。

試聴盤として仲間が持参したのは次のCDだった。

   

ジャズ評論家の「寺島靖国」さんが編纂された最新盤の「Vol.11」。

1年に1枚のペースで発売されているCDだそうでVol.1からずっと収集されているとのこと。「次回お見えになるときはすべて持ってきてくださいね」と、懇願したのは言うまでもない(笑)。

まずはドミナス接続の「クリスキット」を仲間に初めて聴いてもらったところ「元気のいい音ですけどボリュームを上げると中高音域がちょっと歪み気味ですね。」

「それもそうですね。真空管をμ(ミュー)の高い12AT7に代えたせいかもしれません。オリジナル仕様の12AU7に戻してみましょう。国産のものだと元気が出ないのでRCAの12AU7を奮発しましょう。」

「まったく歪み感が無くなりました。こちらの方がずっといいですよ。」

やっぱりオリジナル仕様にはちゃんとした意味があるようで”過ちを改むるにはばかることなかれ”でした(笑)。

ひとまず試聴環境が整ったところで、今回の実験テーマを二点に絞った。

まずは、

☆ 300Bアンプの「球転がし」

   

最初に聴いていただいたのは、つい最近手に入れた出力管「SV-300B」(スヴェトラーナ)と整流管「4274A」(STC)の組み合わせ。

   

次に聴いていただいたのは出力管が「6A3」(シルヴァニア刻印)、整流管が「83V」(RCA刻印)の組み合わせ。

   

仲間の感想は「6A3の方がお行儀が良くてかしこまった印象を受けました。その点SV-300Bは野性味たっぷりです。ジャズでは威力を発揮しますが、クラシックになると両者とも実力伯仲だと思いますよ。」

「お値段からすると古典管の6A3は大健闘ですね。整流管の83Vも1930年代半ばの製造ですから、出力管と同時期の製造のメリットはたしかにあるようです。

”83Vは内部抵抗の低い出力管と相性がいいですよ”とのお墨付きがありましたが、このほどようやくスペア管の入手のメドがついてほっとしています。」と自分。

これで我が家の300Bアンプは出力管が「WE300B」「SV-300B」「6A3」と”よりどりみどり”で、我が命尽きるまで大丈夫(笑)。

次の実験は、

☆ DAコンバーター「エルガープラス」にドミナスを接続

我が家だけの現象かもしれないが、PADの電源ケーブルの威力は再々述べているように微小電流を扱う「DAコンバーター」への接続が一番効果が発揮される。

そこで、かねてから「エルガープラス」に接続したいのはやまやまだったが、解説書には他の電源ケーブルを使うなという記述があってずっとためらっていた。

しかし、よく読んでみると「重たいケーブルだと挿し込み口に荷重がかかって破損の可能性があるので禁止。」という趣旨だった。

そこで工夫を凝らしてゴムバンドで木の台と一緒に締め上げて荷重がかからないようにして挿しこんでみた。

「百聞は一見に如かず」でご覧のとおり。

   

その歴然たる効果についてだが、「電源ケーブルなんかでそんなに音が変わるの?」と半信半疑の方が大半だろうし、どうせ「馬の耳に念仏」にきまっているから”くどくど”と述べると逆に反感を買いそうな気がする(笑)。

こればかりは実際にドミナスを使った人しか分からないのが残念なところ。

仲間ともども「これでdCSの実力が全開だよね。」と大喜びしたことだけ申し上げておこう。

今回の試聴会は新春にふさわしく明るい展望が開けるものだった。

「いい音」「いい音楽」への飽くなき探求
は最高に楽しいですね!

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芸術家の特権

2019年03月15日 | 音楽談義

 前回のブログ「オークション情報」でSPユニット「AXIOM80」がたいへんな高値で落札されたことを紹介したところ、知人からさっそく次のメールをいただいた。

「いきなりですが、AXIOM80の人気は、〇〇様のブログの影響が相当あると思いますよ。

たしか過去記事の中で「バイオリンの美しさといったら、古今東西AXIOM80の右に出る者は無い・・・(だったかな?)」とありましたね。 
 

ブログでAXIOM80を何回も紹介しているマスターの、この「ベスト・オブ・ヒストリーや!文句あっか!」の発信力は強大です。ほんとに! 
 
瀬川冬樹さんでも、たぶん、使いこなせなかったAXIOM80・・・結局、氏はJBLに行ったんですよね。まあ、商売上の事情があったのでしょうが。 
 
ネット上のブログに時々登場するAXIOM80。ダブルにしたり、ホーンロードをかけたり、置物になったり・・・結局メインシステムとして使いこなしている方は、日本で〇〇様だけかもしれませんよ。」

この程度のブログでそう言っていただくと恐縮の至りです(笑)。何しろ日替わりメニューのような内容ですから読者の方々にはくれぐれも真に受けないようにお願いします。

なお、実を言いますとまだ「AXIOM80」を完全に使いこなしているという自信はありません。このユニットの可能性からしますと永久に自信が持てそうにないですね(笑)。

あまり大きな声では言えないのですが、現状では仲間から借りたサブウーファー(1本:50ヘルツ以下を補強)を隠し味にしてどうにかやりくりしている状況です。

仲間によるとまったく違和感が感じられないとのことで、二人して秘かに悦に入ってます(笑)。

そのせいか、このところめっぽうヴァイオリンを聴く機会が多くなりましたが、やっぱりヴァイオリンは楽器の王様という感じがつくづくしています。

我が家のオーディオは弦がうまく鳴ってくれないと始まりません。


このところ、ずっと以前にNHKのBS放送を録画したムター女史が弾くモーツァルトのヴァイオリン協奏曲「1~5番」を早朝の起き抜けに目覚まし時計がわりとしてよく聴いてます。

また、ヴァイオリン関係の本では「諏訪内晶子」さんの「ヴァイオリンと翔る」が面白かったですね。ちょっと紹介してみましょう。

まず「第二章のヴァイオリンという楽器」について。


                

ヴァイオリンの音色の個性を決める要因については、「
どのような弦を張るか」について、G,D,A,Eの4本の弦のうちたった1本の張り方の違いで全体の音色が一変するほどの繊細さで、さらに4本の弦すべてが同一メーカーが良いとも限らないそうです。

ほかにも、「弓との相性」「顎当てや肩当ての素材による音の変化」「演奏者の体型、骨格、指の長さ、太さ、柔らかさ、感性」などがあるが特に本体のツクリがものすごく複雑。

たとえば、様々な種類の自然木が膠(にかわ)によって接着され組み立てられており、湿気や湿度で微妙に音が変わるし、表板と裏蓋をつなぐ「魂柱」や4本の弦を支えている「駒」の位置がコンマ何ミリかずれただけでも音が変わる。

このように極めて複雑かつ巧緻なヴァイオリンも結局のところ名器中の名器となると「ストラディヴァリウス」と「グァルネリ」に尽きる。

前者は高音部に輝くような気品を持ち、後者は深々とした低弦の魅力がある。

第5章の「音の彼方にあるもの」では、オイストラフ(旧ソ連邦)についての記載があります。

ウィーンフィルのコンマスだった「キュッヘル」氏によると、これまで幾多の名演奏家と共演したがそのうちもっとも感銘を受けたのがオイストラフだったそうだ。

完璧な技巧を持ちながらそれを誇示するような演奏は一切せず、もてるすべてをひたすら作品の正しい解釈と表現のために捧げたとのこと。

オイストラフは大好きなので、久しぶりに我が家での集中演奏会を開いてみました。

モーツァルト「V協奏曲1番」 ベートーヴェン、ブラームス、シベリウスの「V協奏曲」 プロコフィエフ「V協奏曲1番」 ブルッフ「スコットランド幻想曲」 

実に弦が柔らかくてしなやかで大家の風格ですね。素晴らしい!

オイストラフは比較的「若死に」で60歳半ばで亡くなりました。

一説によると当時のソ連邦の外貨稼ぎのため世界各地の演奏会に休む間もなく駆り出され、とうとう疲労困憊して心臓発作を起こし異国で客死したといいます。

可哀そうなオイストラフ。

しかし、命尽きるとも演奏した作品は永遠の生命を持っているので愛好家の心の中でずっと生き続けることでしょう。

まさに「芸術家の特権」ですね。

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オークション情報~高額で落札されたSPユニット~

2019年03月13日 | オークション情報

「クラシックやジャズ、そしてオーディオは1950年代が黄金時代だった、あの頃はほんとうに良かったなあ。」と回顧する人は多い。

ただし、現代と大きく違うのは「インターネット」という文明の利器が利用できないことだった。

これは大きい。

オーディオの向上は自己に有益な情報をいかに収集するかにかかっているともいえるが、現代ではネット情報によりいとも簡単に貴重な情報が手に入るし、それにオークションが実に効果的なツールになっている!

我が家もその例にもれず現在使っているオーディオ機器の大半はオークションで手に入れたものである。

ここ20年ほど常にアンテナを張っているが、機器の調達のほかにも売り買いの相場を通じてオーディオの趨勢が把握できるところが実に面白い。

そこで、つい最近の顕著な例として高額で落札されたSPユニット二点を挙げてみよう。

☆ SPユニット「AXIOM80」(グッドマン:英国)

   

「フレームに塗装がしていない 初期の物です。ビビリもなく 修理歴もない 美品です。」と簡潔な説明付きで出品された「AXIOM80」。

落札日は3月11日(月)、落札額は「622、001円」なり!

高ッ!

たしかに、マグネット部分の角が丸いし「WEMBLEY MIDDX.」の印字は比較的初期の製品であることを示している。

それにしても62万円とは驚く。我が家のAXIOM80も最初期の製品との触れ込みで5年ほど前にオークションで落札したときは「36万円」だったので、今にしてみると随分安い買い物だったことになる。

このところ「AXIOM80」の相場が「うなぎ登り」のようだが、このユニットじゃないと出せない音がある一方で、現代は「マンション・オーディオ」の波及によって大型スピーカーの人気が凋落しており、その反動があるのかもしれない。

そしてもうひとつ、ネット情報でこのユニットの凄さが広く知れ渡ってきたことも挙げられる。

もちろん、このブログがその一つだとは言いませんけどね(笑)。

☆ JBL / AMPEX 150-4C 極上ペア

   

オークションの解説がちょっと長くなるがそのまま掲載させてもらおう。

「JBL最強ウーファーの誉れ高い150-4Cの、最初期ジムラン筆記体AMPEXラベルです。

JBLが初めてシアター向けに開発しWESTREX、AMPEXに供給したもので、375ドライバーや537-500ホーンとともにJBLを代表する銘ウーファーです。製造は年代から見て1954~56年頃です。

ラベルにBy AMPEXとあるのは、この時期にJBLがAMPEXにライセンス供与したためで、設計製造は正真正銘のJBLです。この後、AMPEXによるJBL買収はご破算になりますが、当時WESTREX、AMPEXブランドと同時にJBLブランドも並行して製造、販売されていました。

今回出品のものは、コーンやエッジに全くのへたりや痛みのない極上品で、コーンNo.も150-101のオリジナルです。コーン裏面の粗さやフィックスドエッジの仕上げから見て、製造当初のものと思います(定かではありませんが)。」

以上のとおりだが、数ある口径38センチのユニットの中でJBL「150-4C」の噂はかねがね聞いていたので落札価格に大いに興味を持っていたところ、結果は「52万5千円」なり。

まあ、そんなところですかね。やっぱりJBLファンの入れ込みようは半端ないですね(笑)。

ちなみに我が家のポリシーには口径38センチ以上のユニットは入っていない。

空気を前後に動かす量と負荷を考えただけで背筋がゾッとするし(笑)、音の反応が鈍いというかスピードが遅く感じるのでどんなユニットであろうとアウト。

せいぜい口径30センチまでが合格ラインで、「スケール感」と「繊細かつ緻密な再生」を天秤にかけた時に後者を優先させることにしているのがその理由。

つい最近もJBLの口径38センチ「D130」ユニットをオークションで委託処分したばかりだが落札価格は「5万円」だった。「150-4C」とは月とスッポンの価格(苦笑)。

しかし、いかに「150-4C」といえども価格的には「AXIOM80」に負けるのだから意外だ。

このことは「音を雄大に鳴らす」量的オーディオから「音の彫琢を愉しむ」質的オーディオの時代への移行を暗示しているのだろうか。

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「自分ファースト」のブログ

2019年03月11日 | オーディオ談義

つい先日のブログ「音のスピードとトルクとは?」は、目新しい内容だったせいか、なかなかの好評ぶりだった。

裏付けとなるアクセス数の結果は「訪問者数978人/日」「全体順位390位/285万件」で、日頃は450位前後なので300番台への突入は上出来の部類に入る(笑)。

内容を手短に言えば、古典管の権威からアドバイスをいただいて出力管のカニンガム「371」の「トリタンフィラメント」が音のスピードに寄与し、前段管のバルボ「A411」の「バリウム昇華型フィラメント」がトルクに寄与しているという内容だった。

それはいいとして、実はこのブログの関連記事として昨年(2018年)の夏頃に搭載した「真空管バルボ△△△の後日談」のときには「△△△」とわざわざ型番を伏字にしていたのをご記憶の読者がいらっしゃるだろうか。

それがなぜ今回は堂々と公開するに至ったのか?

ちょっとしたミステリーですね(笑)。

ちなみに「手がかり」として昨年のブログを再掲させてもらうと、

奇跡的に手に入れたバルボ(ドイツ)の真空管「△△△」だが、何と挿しこんでから二日もしないうちにあえなくダウン。片方はノイズがするわ、片方はベースとガラスの部分が外れて音が出ないわで、あ~あ(笑)。

これだからちゃんとした測定結果の付いてない古典管は困る、こんなことなら買わなきゃよかったと思ったが、いつものように「北国の真空管博士」に泣きつくと、「ああいいですよ、診てあげましょう。」の一言でさっそく送付してまずは結果待ち。

無事到着の一報から翌日のこと、博士からさっそく次のようなメールが届いた。

「バルボの△△△修復完了しました。明日には発送の予定です。チューブテスタにてチェックしましたが極上品でした。 

もしかしたらノイズの原因はベースの接触不良だったのかもしれません。今回引き出し線をクリーニングして再半田しました。 

なお、△△△をアンプに装着した際のフィラメント電圧をご確認下さい。4V以上ですと寿命に著しく影響します。 

△△△に使われているバリウム昇華型フィラメントの性能はWE300Bのフィラメントを凌駕します。バリウム昇華型フィラメントの銘出力管RE604のフィラメントと比べてみましょう。 

WE300Bのフィラメントパワー5V×1.2A=6Wでエミッション300mA(1Wあたりのエミッション50mA)RE604のフィラメントパワー4V×0.65A=2.6Wでエミッション200mA(1Wあたりのエミッション77mA) 

WE300Bのフィラメントは酸化皮膜フィラメントの最高峰と言って良いと思います。そのフィラメントをバリウム昇華型フィラメントは軽々と上回っています。 

バリウム昇華型フィラメントの球は現存数が少ないためその価値を知る人は殆ど居ないのが現実です。今回△△△という球を通してバリウム昇華型フィラメントの真価を知っていただけたとすれば嬉しいことです。」

以上の内容だったが、ほんとうに感謝感激で博士にお礼を述べるとともにさらに詳しく情報を収集したところ「バリウム昇華型フィラメント」は作るのにたいへんな手間と時間がかかるので自然と廃れていったとのこと。

悲しいかな真空管の歴史はコストダウンの歴史ともいえるようで、苦労に苦労を重ねて開発されたものの、大衆向けに供給する必要が生じてどうしても手抜きによる大量生産への方向に進んでしまう。

当然のごとく肝心の音質はなおざりにされ置き去られていくのが宿命である。マニアが最初期の真空管を血眼で探し求めるのもそういう理由からである。

なお、ドイツ系の真空管はツクリもさることながら全般的に材料の精錬度が抜きんでていて、それが音質にも反映されており他国製に比べると性能が一頭地を抜いているそうだ。

いずれにしても「バリウム昇華型フィラメント」といっても馴染が無くてピンとこない方が大半だろうが、これはむしろ波風を立てないという意味で「聴かぬが花」かもしれない。

昨日(2日)無事到着した「△△△」を改めて挿しこんで試聴したところ、すっかりノイズが消え去っており完璧な修理だった。しかも増幅率「μ(ミュー)=24」の威力とあいまって、音のリアル感が抜群!

何という魅力的な音だろう!

AXIOM80の潜在能力全開といったところ。いや、ホントだってば~(笑)。

「たかが前段管、されど前段管」、
今回は「バリウム昇華型フィラメント」の魅力の一端に触れた程度だが、その凄さをいったん味わうと「病膏肓(やまいこうこう)に入る」こと請け合い。

今後はぜひドイツ系の出力管を使ったアンプを手に入れたいと思わせるものがありますなあ(笑)。

という内容だった。

当時と比べると現状ではケーブル類が一新されているのでさらに音の高みに上っていることは言うまでもない(笑)。

そこで、なぜ今回真空管の型番を公開したかという話だが、勘のいい読者ならお察しのとおり、このほど待望のスペア管が無事2本手に入ったのである。

   

これで「我が寿命」尽きるまで大丈夫、スペア管を確保するのにオークション市場で無暗に他人と競合することが無いと踏んでの公開だった。

「猫に小判」「宝の持ち腐れ」という言葉があるが、(古典管の)素人さんの出来心はたいへんな「はた迷惑」になる。おっと、つい「上から目線」の言い方になってゴメンなさいね(笑)。

結局、これで何やかや言ってみても所詮は「自分ファースト」のブログということがバレてしまったようでいささか心苦しい(笑)。

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趣味同士の互恵関係

2019年03月10日 | 独り言

「本の寄贈をしたいんですけど受け付けてもらえますか?」と、いつも利用させてもらっている隣町の図書館に電話してみた。

「はい、郷土資料は別なんですが、一般的な書籍は発行から5年以内のものに限っています。それに破損のひどいものは受け付けていません。」

「エッ、発行から5年という制約があるのですか・・・。それではちょっと無理ですね~。」

我が家のそれほど大きくもない倉庫にもう10年以上も読んでいない本が山積みされている。そこで処分して出来るだけスペースを確保し、オーディオルーム内の余分な機器類を置こうという目論みだった。

結果的にオーディオルームの音響空間が広くなるし音質改善にもきっと寄与できるはずで、本の処分の動機はやっぱりオーディオがらみだったことになる(笑)。

さて、本の処分方法だが、古本屋に持って行ってもどうせ二束三文だろうし、廃品回収に出すのは味気ないし、図書館に寄贈するのが一番だと思ったわけだがそういうわけであえなく挫折。

やっぱり廃品回収に出すしか方法はないようだ。そうすると何だか惜しくなって、1冊づつ本の吟味をすることにした。

音楽関係の本はのちのちブログのネタになる可能性があるので残しておくことにしたが、想像した以上に釣り関係の本が多かった。

若い時分は「オーディオ」よりも「海釣り」の方に夢中になっていたし、「防波堤の上で死ねたら本望だ。」と思っていたほどだった。

そういえば、どうしても欲しいオーディオ機器があったがとても高価で手が出せず悶々としていたときに、釣りに夢中になると「あら不思議!」いつの間にか欲しい気持ちがすっかり薄らいでいたという経験が何度もあった。

「オーディオ」と「釣り」の間でうまく心理的バランスを取っていたことになるが、これを「互恵関係」というのだろうか(笑)。

ただし、現在では釣りに行くのが何だか億劫になり、オーディオ一辺倒になってしまったが、よくしたもので授業料を払ってせっせと失敗体験を積んで、いくらか耳が肥えたせいもあろうが、どうしても欲しくてたまらないオーディオ機器がほとんど無くなってしまった。

見ただけでどういう音が出るかおよそ想像がつくし、実際に聴かなくても我が家の既存の機器との相性の良し悪しがだいたい分かるようになった効果は大きい。

我が家のオーディオもようやく8合目あたりまでは登った感じがする。

さて、ちょっと話が逸れたが本の整理に戻ろう。

釣り関係の本でも思い出に残る本は何冊か残しておくことにした。そのうちの1冊が「チヌ釣り大全」だ。

  

北九州の名釣り師「若松敬竿(けいかん)」さんの名著である。

とても懐かしい若松さんは今でもご健在なんだろうかと、名前をググってみたところ2008年12月に亡くなられていた。もう10年も前ですか・・。

どなたかのブログに次のような記載があったので無断転載させていただこう。 

「九州のチヌ釣り師ならば知らないはずはない、知らないなら残念ながらチヌ釣り師とは言えない。
 
故若松敬竿氏が25年前に執筆したチヌ釣り大全、我々チヌ釣り師にとってのバイブルであった。
 
最近はチヌ釣り師ではなく、どちらかと言えば五目釣り師の自分なのだが、今また、昔の本をよく読んでいる。
 
チヌに限らず全ての釣りに共通することが書いてあるからである。敬竿氏ほど、チヌを愛し、チヌ釣りを探求したチヌ釣り師はいないと思う。 

若松の海から、細島、対馬の海でのさまざまなチヌとの会話、知ることがなかったチヌの習性など、釣り技、釣道への探求が書かれている。」

以上、まったく同感だがこれにあえて付け加えさせてもらうと、若松氏は文章が実に巧みだった。

この「チヌ釣り大全」は「釣り文学」の最高峰と位置づけしてもいいくらいで、釣りに留まらず人生観にまで踏み込んだ含蓄の多い文章のおかげで繰り返して読めば読むほどに物事に傾注する熱意の底知れない世界へと引き込まれてしまう。

オーディオ界でいえば評論家だった「瀬川冬樹」さん(故人)あたりを彷彿とさせてくれますかね~。

こういう風に本の整理にためつすがめつ、いろいろ手間取ったがとりあえず第一次分の廃棄本をゴミの収集日に出した。

   

後は、第二次、三次と波状攻撃を仕掛けることにしよう。

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プリアンプ騒動記

2019年03月08日 | オーディオ談義

オーディオシステムの中で「プリアンプ」というのは独特の存在という気がいつもしている。

デジタル系の音を愉しむ場合に限ってだが無ければ無いでも済むし、あればあったで音質に多大の影響を与えるので「費用 対 効果」の観点からするととても微妙な存在だ。

旧くて新しい課題として常に「プリアンプ不要論」が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しているのも「むべなるかな」。

ただし、我が家では今のところ「プリアンプ必要派」に与(くみ)している。

そして、このほどオークションで大いに気になるプリアンプが出品されていた。

    

解説にはこうあった。

「DENON PRA-1000Bは、管球アンプとしての魅力と性能を十二分に
引き出すため、回路設計からデザインまでDENONの総力を結集して制作されました。

性能を極限まで追求し、回路の設計、使用部品、高性能出力トランスの開発...等々により、伝送帯域を飛躍的に向上させ、位相ひずみの影響がない、高品位な音楽信号をパワーアンプに送り出す事が出来る事で、超広帯域でダイナミックレンジの大きいコントロールアンプとして誕生させました。」

オーディオ全盛期の1975年に販売(定価23万円)されたもので、真空管を10本も使った力作のようだ。

ちなみに1975年といえば中高年層には懐かしいフォークソングの名曲「なごり雪」や「22歳の別れ」が相次いで発表された年である。作曲家は「伊勢正三」(大分県津久見市出身)。

このプリアンプは内部配線もきれいだし見るからに程度が良さそうなので、お値段がどこまで上がるか予測がつかないが「これはぜひ欲しい」と思ったねえ(笑)。

しかし、現在使っている「マランツ7型プリアンプ」も気に入っているし、ほかにも「クリスキットのマークⅥカスタム」(以下、「クリスキット」)もあるので千々に乱れる我が心。

   

クリスキットは無難な音なんだけど、ちょっと魅力度に乏しいところがあってこのところ予備役に編入している。

フォノ部分は別としてフラット部分に使ってある球は「12AU7×2本」だが、この球は「μ(ミュー)=増幅率」が20前後と、12AX7の100前後に比べると小さいせいか元気度がちょっと物足りない。

別の見方をすると前後に接続する「DAコンバーター」と「パワーアンプ」との相性がイマイチというわけ。

そこで、PADの電源コード「ドミナス」を挿せるように「3P端子」に改造してもらい、そのうえで満足した音が出なければ前述したデンオンの「PRA1000」に触手を伸ばそうという算段を企てた。

いわば両にらみということだが、このアンプの落札期日は3月7日(木)なので、それまでに急いで改造してもらわねばいけない。

持ち込んだのは真空管アンプ工房を開設されて50年近くになるKさん(大分市)である。

   

電源ケーブル「ドミナス」が挿せるようにと「3P端子」への改造は、「71Aプッシュプルアンプ」「371シングルアンプ2台」なので、これで4台目になる。

「出来ましたよ。」と、Kさんから連絡があったのは4日(火)のことだった。

間に合ってよかった! 

さっそく自宅に持ち帰ってドミナスを挿しこんで試聴テストしたところ、ボワ~ンと膨らみ気味だった低音域が見事に締まって「これはいい!」(笑)。

ドミナス効果はDAコンバーターやプリアンプなど微小信号を扱う機器でより効果を発揮するようだ。

とはいえまだまだ物足りない、より一層の元気度が欲しい気がする。そこで窮余の一策としてダメ元でもいいからと「12AU7」の2本を比較的μが高い「12AT7」に差し替えてみることにした。

「アンプが壊れることはありませんが、やってみないと何とも・・・」とは「北国の真空管博士」の弁である。

すると大変身!「これで十分」といえるほど音にトルク感が出てきた。

よし、この音ならDENONの「PRA-1000B」は要らないと決断した。

これで我が家のシステムは2台のプリアンプを境に2系統になった。

1 dCSのデジタル・システム → プリアンプ「クリスキット」 → パワーアンプ「SV-300Bシングル」 → スピーカー「ウェストミンスター」(改)

2 CDトラポ(CEC) → DAコンバーター(フェーズメーション) → プリアンプ(マランツ7型) → パワーアンプ「371シングル」 → スピーカー「AXIOM80」or「トライアクショム」  

今回は他のプリアンプにちょっとした浮気心を起こしたばっかりに既存のプリアンプを見直す契機となり、うまくハマってまったく言うことなしだった。

やっぱりオーディオを前進させるには、いささかの「心の蠢動」が必要ですな!(笑)

最後に、昨日(7日)の夜になって落札されたお目当てのプリアンプの価格は16万1千円だった。高っ!

所詮ビンボー人にはおいそれと手が出せる価格ではなかったようで(笑)。

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音の「スピード」と「トルク」とは?

2019年03月06日 | オーディオ談義

まず、つい先日のブログ「切磋琢磨」の文末で紹介した真空管アンプ「371」シングルについて。

   

後述する内容と関連するので真空管の紹介をしておくと、左から前段管が「A411×2本」(ドイツのヴァルボ製:バリウム昇華型フィラメント)、出力管が「371×2本」(アメリカのカニンガム製:トリタンフィラメント)、整流管は「80A×1本」(イギリスのSTC製)

いずれも名の知れた真空管ではないので、チンプンカンプンの人が多いと思うが(笑)、すべて1930年代前後に製造された古典管ばかりで、
ドイツ、アメリカ、イギリスを縦断する多国籍アンプである。

「71系」特有のとても素直な音質が大いに気に入っており、出力はたかだか1ワット未満だがグッドマンの「AXIOM80」、「トライアクショム」用として重用しているアンプである。

先日お見えになったオーディオ仲間も「とても鮮度が高くて澄んだ音が出ますね。」と感心されていたほど。

さて、そこで本題に入ろう。

冒頭に紹介した記事「切磋琢磨」の中の「371シングルアンプ」をご覧になった「北国の真空管博士」から次のようなメールをいただいた。

タイトルは「トリタン球とバリウム球の相性について」。

「フィラメントは真空管の命です。」と仰る博士ならではの考察である。

トリタンフィラメントの371(出力管)とバリウム昇華型フィラメントのA411(前段管)の組み合わせがうまくいっている要因を考えてみました。

トリタンフィラメントの球の特徴としてフィラメントから放出される電子の初速の速さが挙げられます。ご存じのとおり真空管はフィラメントまたはカソード(以下フィラメントで統一)からの熱電子の放出によって動作しています。

熱電子の放出時の初速はフィラメントの温度と密接な関係に有り、フィラメントの温度が高いほど初速が速いのです。

現在私たちがオーディオ用途に使っている真空管で最もフィラメントの温度が高いのがトリタンフィラメントです。

また、トリタンフィラメントは酸素に弱いので管内の真空度を高く保つ必要があります。そのため熱電子を邪魔する残留ガスが少なくフィラメントを飛び出した熱電子はプレートに向かってスムーズに加速します。

ごく初期の純タングステンフィラメントを除けばトリタンフィラメントがスピード王といって良いでしょう。

一方バリウム昇華型フィラメントはフィラメントを点灯する電力当たりの取り出せる電子の量が多いのが特徴です。言い換えればフィラメントを点灯する電力当たりのエミッションが多いのです。

トリタンフィラメントのスピード王と対比して表現すれば、バリウム昇華型フィラメントはトルク王と言って良いかもしれません。

トリタンフィラメントとバリウム昇華型フィラメントの組み合わせはスピード王とトルク王の組み合わせということになります。

トリタンフィラメントが弦楽器や金管楽器などのパルシブな音を、バリウム昇華型フィラメントが音の陰影、艶、重厚感を表現しバランスの取れた音楽表現を可能としているような気がします。」

古典管の泰山北斗「博士」ならではの専門的な内容だが、この組み合わせを活用しているアンプは両方の球の希少性からしておそらく世界でもこの1台だけかもしれない。

このアンプと「AXIOM80」(最初期版)のコンビで鳴らすヴァイオリンの再生は唯一無二のもので、世界中のどんなシステムが束になってかかってきても負けない自信がありますよ(笑)。

それにしても音の「スピード」は分かるけど「トルク」という言葉にはとても新鮮な響きを感じた。

「広辞苑」によると、トルクとは「物体を回転させる能力の大きさ」とあり、原動機の回転力ともある。


クルマの走行能力の表現によく使われる言葉で、たとえば排気量の小さいクルマと大きいクルマとの(走行能力の)端的な違いとしてまずトルクの差が挙げられるので感覚的にはおよそ想像がつくはず。

たとえば軽自動車と大型車が同じ100km/hで走行するにしても余裕度が全然違いますよね。


まあ、オーディオに使われる場合には「音に力感と粘っこさがある」とでもいうのだろうか。

むしろ低音とか高音とかがどうのこうのというよりも、「トルク感の有りや無しや」の方が感覚的に分かりやすいような気もするところ。

それはさておき、冒頭の「371」アンプはオークションで購入した当初は実に冴えない音だったが、出力管や整流管の交換、インターステージトランスの挿入や、前段管に(傍熱管の「6SN7」から)直熱管の「A411」を挿せるように改造するなど、「手を替え品を替え」ての対策の結果によるものだった。

真空管アンプに対する愛情のなせる業だと思っているが、今回は簡単に真空管アンプを諦めてはいけない「お手本」のような事例だと思いますがいかがでしょう~(笑)。

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オーバートレーニング症候群

2019年03月05日 | 独り言

今年の正月明けの4日から張り切って励んでいた午前中の運動ジムでのトレーニングも2か月が経過した。

トレーニングといってもメインはたかだか50分ほどエアロバイクを一気に漕ぐ程度のものだが、
このところ少し疲労気味の感じがしている。

何となく体を動かすのが億劫でどうもヤル気が湧かない。オーディオは別だけど(笑)。

これってもしかすると「オーバートレーニング症候群」かな?
 

「トレーニングをしすぎると一種の慢性疲労の状態になります。スポーツ医学ではオーバートレーニング症候群と呼ばれています」とは、いつぞやの新聞に掲載されていた記事だ。

ずっと以前のブログ「耳が遠くなるのは加齢のせいだけ?」に記載した通り、音楽鑑賞に何よりも重要な耳の機能を正常に維持するためには生活習慣、ひいては血糖値の上昇の抑止が大切なので、
「食べ過ぎない」と「運動」を二本柱としてずっと取り組んできた。

ただし、「食べ過ぎない」は意志薄弱なのでややサボリ気味、そこで何よりも「運動」に比重をかけようとした挙句のことだった。


記事によるとオーバートレーニング症候群の主な症状として次のようにある。

基 本 症 状  
疲労感+パフォーマンス低下

その他の症状   たちくらみ、動悸、息切れ、体重減少

重症になると   不眠、意欲低下、うつ

※ 軽~中等症では症状を感じないこともある → 早めの休養が重要!

ウーン、今の状態は、なんとなくこの基本症状に合致しているように思えるが、やや微妙なところ。

一般的に自己観察では現在の状態が果たして
「オーバートレーニングなのか、逆にやり足りないのか、あるいはこれを乗り越えるともっと体力が増強するのか」との判断がなかなか難しいのが実情だろう。

そこでどうやってその目安をたてればいいのか。

それは、朝起きたときに脈拍をとる習慣を身につけるとよいという。疲労はまず脈拍に表れ、1分間で5~10拍以上増えているようなときはトレーニングを控えたり抑えたりすること」と記事にあった。

自分が行く運動ジムでは入り口のところに簡易血圧計が置いてあって脈拍も一緒に計れるようになっているが、脈拍数にこんな重要な意味があるとはついぞ思わなかった。

エアロバイクを漕いでいる最中にもサドルを握った掌から脈拍数を図れるようになっているが、このところ脈拍数が上がり気味になっているのが気になるところ。


したがって、オーバートレーニング症候群になりかけと判断して、しばらく運動量を半分くらいに減らしてみることにした。

「あ~あ、あまり大した運動ではないんだがなあ~」と自分の体力の衰えにガックリ!

それにしても、健康に関してはかなり注意を払っているつもりだが、根が「せっかち」ときているから
すぐに効果を得ようと、のめり込むのが自分の悪いクセ。

言い換えるとじっくりと時間をかけて生活スタイルにうまく溶け込ませる術を知らない。


すぐにおかしな健康食品に手を出してみたり、急に過激な運動に取り組んだりするがどうも長続きしない。これまでの人生でこういうことをもう何回繰り返しただろう。

十分懲りているはずなのになぜかいつも同じ失敗を繰り返しながら、歳だけは確実にとっていく・・。(笑)

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