会報いしかり
第127号(令和 3年 11月28日)
いしかり手打ちそば同好会 初版発行:平成20年9月13日
〒061-3202 石狩市花川南2条6丁目256
URL:http:blog.goo.ne.jp/it sobo
全員合格!おめでとう
10月23日長万部町で開かれた四段位認定会は当会から受験した7名全員が合格しました。
当日は80名(6名辞退)が受験され56名が合格。合格率は75%でした。
これで今年の段位認定会は初段位から四段位まで全員合格することができました。快挙です。
合格されました皆様心からおめでとうございます!また、受験者をご指導しました皆様お疲れさまでした。拍手……
4段位合格者の喜びの声です。
“四段位認定合格にあたり” 森下 隆平
10月23日朝6時に高橋さんと長万部町に向けて出発です。途中、中山峠で成田さん、加藤さんと合流して会場へ。
中山峠は雪で真っ白でした。事前にタイヤ交換しておいて正解でした。
「雪が降り積もった中山峠。吉兆か…」
この日を迎えるまで、藤田会長、吉岡教務部長はじめ特訓でご指導していただきました諸先輩の皆様には
本当にありがとうございました。
コロナ禍で特訓が延期となり各自自主練習を積み重ねて、10月に入りようやく特訓の再開です。
それまでは落ちて当たり前、今回は経験を積めばいいとの思いでした。
でもここにきて先輩より最後まで諦めるな、受ける以上合格を目指そうと言われ、
自分でもやれるだけ最後まで頑張ろうと気持ちの変化がありました。
もう一度自分の作業工程を一から見直しました。
無駄が多く、基本が出来ていない、自分の打ちやすいように打っているだけと気が付きました。
そこで成田さんにビデオを撮っていただき自分の打つ姿を見てガックリ。
姿勢が前かがみ、手前の粉が回っていない、地延しの厚さがバラバラ……挙句の果ては丸出しがハート型になってしまうことも。
時間もなくなり気持ちだけが焦ります。
ビデオに向かって「手前の粉が動いてませんが」「水多いじゃない」「丸になってないよ」「延し過ぎ」とダメ出しです。
自分が思っているのとは違う自分がそこにいました。
自分では大きく回している「つもり」が回っていない、腕を伸ばしている「つもり」が伸ばしていない、
厚さを確認している「つもり」が触っているだけ。
そうです「つもり」だらけの自分がそこにいたのです。
このことに気づいたことは今回挑戦して一番良かったことと思います。
「決戦前の控室 余裕のいえーい!」
“足掛け4年越しでの合格” 成田 直喜
嬉しい~マジに嬉しいです。
そして今でも会長にあの時はゴメンナサイと思う気持ちでいっぱいです。
あの時とは3年前(2018年)の北竜審査会にてまさかの全員不合格~あの時の悔しさは忘れません。
「2018年 北竜での合格者発表の時の5人」
2021年長万部審査会。
遂に合格しました。それも全員~勿論瀬棚町の原田さんも一緒にです。
前回北竜会場で応援してくださった藤田会長はじめ塚越さん、居上さん、
そして福田さんの何ともいえない悲しい顔?呆れた顔?悔しい顔?が、
今、私の記憶からゆっくり上記3点が消えていきました。
「合格発表時ペンが動かなかった事務局長」
「なにやってんだぁ~と福田さん」
「言葉が出ない居上さん」
吉岡教務部長の綿密な特訓計画表を始め、
指導員の皆様の事細かなご指導は非常に有難うございました。
大きく成長する?ことが出来ました。
これからは一緒に合格しましたメンバーはもとより会の皆様と更なる仲間作り、
地域への貢献そして自分作りに努力しそば道を楽しんでいきたいと思います。
“まさか……” 山下 正志
人生には「まさか」という坂が用意されている。
「まさか」が、素敵な方に向いてくれた。そば粉とつなぎが踊り始める。
不揃いながらもピンポン球までこぎつくことができた。水回しは何とか通過。
丸出しは、予定の65センチには足りない。ご指導を思い出しながら、ぎこちなく動かした打ち棒。
何とか丸い形は保ってくれている。が、これ以上大きくすると実力が出てしまう……。悩む。
決めた。小は大を兼ねる!残念ながら、道理に反した奇跡は起こらなかった。
現れたのは小ぶりの麺体。頭の中には、落選通知の文面が霧のように広がる。
「細く、短く」に方針変更。登山が趣味といえども、麺体に高低差をつけたら面目ない。
ここが最後の砦だ。四隅、中央。ほぼ高低差を無くした。25分経過。打ち粉は少なく。
呪文を唱えながらのたたみ。黒いスーツ姿の審査員の目線が気になる。
「切りべら」を観察している。「次回までには、もう少し腕上げときますので・・・」。
37分。打ち台の周りを掃除。舟に居を構える蕎麦は、不格好の極み。
「今夜、涙と一緒にすすり込んであげるからね」。
上手に打てたら、写万部山(長万部町)でも登って帰ろう。
40分が告げられたときにはその気力も失せていた。前夜の氷雨が不吉にココロよぎる。
心和んだのは、仲間の皆さんと囲んだ「浜ちゃんぽん」。泣きたい気持ちがす~と引いた。
心安い。どれだけ救われたことか。
知らせは「吉」。雲外蒼天。まさかの坂が目の前に。
「いしかりそば同好会」の全ての皆様に感謝。
手厚くご指導頂いた教授陣の御懇情に感謝・多謝。若葉マークの蕎麦人生がまたスタート。
地域に、仲間に、自分に。蕎麦を通して考えていきたいと思います。さらなるご指導のほどを!
“四段合格への楽しくて苦難な道” 江藤 鉄臣
「お前の上には四段・五段がおる。なっ?はよ追いつきたい思てるやろけど近道はないねん。
あってもな近道はお勧めせいへん。なるべく時間をかけて歩く方が力がつく。
歩く力はな、大変な方がようつく。よう力つけとけ、今しかできひんことや」この言葉は、
以前NHKの朝ドラで陶芸の師匠が若き陶芸を志す者に発した言葉を、
自分なりにそば打ちの教訓として書き起こしたものです。
まさに自分の力量は自分が一番良く解っている訳で、手打ちそばの技量取得能力が人より数段劣っている自分には、
人より2倍・3倍の打ち込みが必要であると感じました。
「まず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ」と、かの松下幸之助が言っていた言葉を実践しました。
とにかく粗挽きそば粉を打ち込んで体で会得し、そして何故上手く打てないのかを頭で考え次に進む。
そんなことを2021年1月から実践し、10月23日の受験日前日までに打った回数は235回。
そば粉約350㎏、つなぎ約24㎏、打粉約70㎏と年金暮らしの自分には痛い出費でしたが、
不運にも受験に失敗し来年また受験する時間と労力と経済的な経費を考えると、
何としても合格するんだとアルバイトで粉代を捻出し、家内の理解も得ての挑戦でした。(笑)
練習には色んな考えがあり、「数打てばいいってもんでない」という意見もあると思いますが……。
コロナ禍で昨年に引き続き、今年も試験に向けた技術指導(特訓)が危ぶまれましたが、
それでも12回程の中身の濃いご指導を頂いたお陰で、念願の二文字「合格」を頂きました。
この場をお借りして、お忙しい時間を割き熱きご指導を頂きました藤田会長、吉岡教務部長はじめ指導員の皆様方、
また日頃より例会等でご指導頂いております先輩、お仲間の皆様本当にありがとうございました。
個人的には今回ようやく三段位を卒業することができましたが、
まだまだ三段位半&四段位の若葉マークを取得した丈であり、
これからが本当の意味で四段位の研鑽が始まるものと思っておりますので、
引き続き宜しくご指導のほどお願い申し上げます。
※ 四段位合格の喜び声は次号へと続きます。