白石勇一の囲碁日記

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今週の対局・その2

2017年02月25日 23時59分06秒 | 対局
皆様こんばんは。
ツイッターの日本棋院若手棋士アカウントの担当者が、一力遼七段から平田智也七段に交代しました。
豪華リレーが続きます。
内容も面白いので、ぜひご覧ください。

さて、本日も木部夏生二段との対局を振り返ります。
テーマは布石の駆け引きです。



1図(実戦)
白1は、黒の布石作戦を避ける趣向でしょう。
例えば黒Aの中国流を妨害しています。
黒は分かり易く2と受け、白3を待ってから黒4と挟みました。





2図(変化図)
白1、3のように単純に逃げる手は、プロは打ちません。
黒2、4とどんどん先に進まれますし、白はなかなか治まりません。
私なら白1では4あたりに打ち、右下白は死んだふりをするでしょう。
逃げるか捨てるか、黒の打ち方を見ながら柔軟に対応しようという事です。





3図(実戦)
実戦は白1と一本カカリ、黒2を待ってから白3、5と仕掛けて来ました。
これは予想外でした。
何故なら黒6の後・・・。





4図(変化図)
白1と逃げるのが自然ですが、黒10までほぼ一本道です。
白△が腐ってしまい、黒有利の分かれです。





5図(実戦)
実戦は白1、3と、1子抜かせて渡って来ました。
よくある捌きの手筋ではありますが、序盤で打たれる事は滅多にありません。





6図(実戦)
黒6までは順当な進行でしょう。
黒△の5子は梅鉢とも呼ばれる形で、古来から好形とされています。
序盤でこの形ができては、黒が悪い筈が無いと思っていました。
しかし、白はくっついている黒〇の働きが悪いと主張しているのです。





7図(実戦)
そして白1、3となって、白のもう一つの主張が見えて来ました。
次に黒Aと、2目の頭をハネる手が自然ですが・・・。





8図(変化図)
黒1とハネると、白6までの進行が想定されます。
こうなると、白△と黒△の交換が白にとってプラスだと主張しているのでしょう。
黒△があるにも関わらず、白△と荒らしに来る狙いがあり、黒の構えが中途半端だという事です。





9図(実戦)
私としても相手の注文に乗りたくないので、黒1と変化してみました。
白Aなら黒Bあたりに挟み、攻める予定です。
白△の揚げ足を取り、悪手にしようという事です。





10図(実戦)
しかし、相手も私の意図を避けます。
逆に白1と、黒の2目の頭をハネて来ました。
白5の後、白A周辺に打ち、黒を分断する手を狙っています。





11図(実戦)
そこで黒5までと守りましたが、黒が非常に強くなったので、惜しまず白6、8を利かしました。
白10と回り、上辺や中央の広がりで勝負する構えです。

お互いが相手の意図に反発し、意外な変化になりました。
こういった駆け引きも碁の面白い所ですね。

明日は、今回出て来た梅鉢という形を題材にする予定です。
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