白石勇一の囲碁日記

ほぼ毎日更新、囲碁棋士白石勇一六段のブログです。
著書「やさしく語る 碁の本質」「やさしく語る 布石の原則」発売中!

封じ手予想&問題解答

2017年06月15日 17時31分05秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は本因坊戦第4局の1日目が行われました。
碁盤の右半分だけで殴り合う大熱戦でしたね。
そして、戦いはまだまだ続きそうです。



<封じ手予想>
白△と曲げたところで封じ手になりました。
選択肢の多い局面ですが、直感で黒1を予想します!
勢い良く白に迫る手ですが、黒にも薄みがあるので空振りする恐れもあります。
しかし、対局者ではないので気楽です(笑)。
2日目も熱戦を期待しましょう!


さて、本日は昨日の問題の解答を発表します。





1図(正解)
正解は白1のコスミでした!
つい当たりをかけたり押さえたりしたくなりますが、コスミが柔らかい好手です。
これに対して、黒は2通りの対応が考えられます。





2図(正解変化1)
まず、黒1と逃げるのは白2とダメを詰め、黒3子との攻め合いはダメの数が4対3なので白勝ちとなります。
白△が白の手数を延ばしていることをご確認ください。





3図(正解変化2-1)
もう一つが黒1の当てです。
これに対して白3につなげば、黒Bとダメを詰めて攻め合い黒勝ちです。

しかし、黒1には白2、4と絞る手筋があります!
この後黒Aとつなげば、白Bとつないで黒を丸取りすることができます。





4図(正解変化2-2)
3図の後は、黒1、3と隅の4子を救出するしかありません。
しかし、白2と取って眼ができ、△の1眼と合わせて無事2眼生きとなりました。

如何ですか?
手筋が決まると気持ち良いですよね。
この気持ち良さが、上達したいという意欲にもつながるのです。
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本日の問題

2017年03月29日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は有楽町囲碁センターで指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
なお、来月の担当は4/3(月)です。
来週とも言いますね。

最近は毎回のようにお客様から著書やブログのご感想を頂きます。
皆様に喜んで頂く事がモチベーションの大部分を占めているので、どうぞ遠慮無くおだててください(笑)。

さて、本日は久しぶりに問題を出してみます。
指導碁に現れた形をそのまま持ってきただけですが・・・。



1図(問題図)
黒△2子を助けてください。
範囲が狭いので、時間をかければ2桁級の方でも正解に辿り着けるでしょう。
実際に盤に石を置きながら考えれば、さらに難易度は下がります。







2図(失敗1)
黒1と繋げば、白2と切ります。
黒の手数が短く、攻め合いは勝てません。





3図(失敗2)
今度は黒1と下を繋いでみましたが、それなら白2と上を切ります。
以下当たり当たりとされて黒が取られます。

このように、どちらを繋ぐのも黒ダメです。
しかし、実は手筋が隠れているのです。







4図(正解)
黒1のアテツケ(アテ込み)が正解です!
まるで飛び道具のような手筋ですね。





5図(続・正解)
白2と切って来た時、黒Aと繋いでしまうと3図と同じ事になってしまいます。
しかし、ダメ詰まりを避けて黒3と繋ぐのが良く、AとBが見合いになって救出成功です。





6図(正解変化)
黒1(△)に白2なら、黒3の繋ぎが先手になります。
白4に黒5と繋ぎ、やはり救出成功です。


さて、時間をかければ2桁級の方でも解けると言いましたが、それは問題として出されているという前提があります。
しかし、実戦ではここに手があるという事実は、誰も教えてくれません。
高段者でも見逃してしまう方が多いのではないでしょうか。
読みの力だけではなく、何か手が無いか? と探す習慣を付ける事も、棋力アップには重要です。
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特殊コウ・命名決定

2017年01月24日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
以前募集した、特殊コウへの命名ですが、ようやく決まりました。

まず、皆様からのご意見を全て発表します。

<シンプル系>
「隣接二段コウ」「二重劫」「多重劫」「4段コウ」「無限コウ」」「前後2段コウ」
「ダブル二段コウ」「一手寄せ二段コウ」「二段コウ残り二段コウ」「二階二段コウ」

シンプルに、形の本質を表そうという系統ですね。
にも拘わらず、多数の案を頂きました。

<一捻り系>
「無駄な抵コウ」「親不コウ」「親コウコウ」「番人コウ」「綱渡り二段コウ」
「くそ粘り二段コウ」「二化二段コウ」「ゾンビ二段コウ」「アゲイン・ツー ステップ・コウ」

一捻りが入って、インパクトの強い命名案ですね。
各々のセンスが表れて、面白いですね!

<大喜利系?>
「お線コウ」「柴咲コウ」

私を笑わせても、座布団はあげられませんよ?

<時事ネタ系>
「コウパイナッポーアッポーコウ」「ポケモン・コウ」

昨年は、どちらも大変なブームを巻き起こしましたね。
今後この形を見る度に、時代を思い出しそうです(笑)。


さて、この中で圧倒的に人気だったのが、「ダブル二段コウ」です。
他の案は1人ずつでしたが、これに限っては6人の方が候補に挙げられました。
実は、私も個人的にはそう呼んでいたのです。
ですから、ある程度予想できていましたし、実際にこれに決めても良いかなと思っていました。

ですが、ある案が目に付きました。
それが「二階二段コウ」です。
コメントをくださった方によると、
二回ではなく、二階建て構造という意味の「二階」で、「二階二段コウ」ではいかがでしょうか。
とのことです。
なるほど!

ダブル二段コウという命名には1つ引っかかる点がありまして、それは「コウが同時に2つできている訳ではない」という事です。
実際には、1つのコウの上に、さらにもう1つのコウが乗っかっているのです。
その点、この命名案はぴったりだと感じました。
当ブログでは、この形を「二階二段コウ」と呼ばせて頂きます!

せっかく命名したので、使う機会があると良いのですが・・・。
もし実戦にこの形が現れたという方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください!


さて、最後に次回予告をしておきたいと思います。



アマ高段者同士の実戦です。
白が左辺に打ち込みましたが、黒△とツケて来られました。
白の次の一手は、AとBのどちらでしょうか?
周囲の状況をよく見て判断してください、というのがヒントです。
解答は明日発表する予定です。
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奇妙な形(解答編)

2016年12月21日 23時32分34秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は予定通り、前回の解答を発表します。
少々マニアックな話ですが、よろしければお付き合いください。



1図(問題図)
ここから、黒がどう打つか?その結果は?
という問題でしたね。
なお、こちらで石を並べて確認する事もできます(外側は簡略化しました)。





2図(失敗図)
まず、素直な黒1の繋ぎから見て行きましょう。
白2に黒3と放り込んで、コウになります。
このコウの結末は、白がA、Bと連打できれば生き、黒がC、D(Cの左)と連打できれば白死にとなります。

通常のコウ、所謂本コウは、片方からは1手、もう片方からは2手で解決できます。
しかし、本図の形を解決までには、どちらも2手かかります。
所謂、二段コウと呼ばれる形です。
コウにも色々種類があり、黒白どちらがコウに勝ちやすいかも変わってきます。

さて、長々と説明しましたが、本図の黒1は失敗です。
コウはコウでも、もっと黒に有利なコウにできるのです。





3図(正解)
正解は、黒1の当てです!
当たりの黒△を繋がず、白を当たりにします。
これでコウの形ができましたが、どんな種類のコウになっているでしょうか?





4図(黒コウ勝ち)
まず、黒がコウに勝つ場合を考えてみましょう。
黒1と取り、さらに白2などのコウ材に受けず、黒3と連打すれば白死にです。





5図(白コウ勝ち)
次に、白がコウに勝つ場合を考えてみましょう。
白1と取り、さらに黒2などのコウ材に受けず、白3とコウを繋げばこのコウは白勝ちです。
お互いに、コウを勝つまでには2手ずつかかるので、これは二段コウです。

あれ? それなら、2図と同じでは?
そう思われるかもしれません。
しかし、実は白がコウに勝っても、まだ生きていないのです。





6図(新たなコウ)
前図の後、黒1と放り込んで行く手があります。
これは2図とほとんど同じ形ですね。
白がコウに勝つにはA、Bの連打が必要で、黒がコウに勝つにはC、Dの連打が必要です。

つまり、二段コウの後に、新たな二段コウが発生する形なのです。
黒が白を取るためには、最初のコウに勝っても良いですし、2回目のコウに勝っても良いのです。
しかし、白が生きるためには、最初のコウに勝った上で、さらに2回目のコウにも勝たなければいけません。
結局、問題図は白が生きるまで大変な状況、という事になります。





7図(コウ争い一例)
どう大変か、実戦的に考えてみましょう。
まず正解の黒1に対して、白2とコウを取りますが、黒3などのコウ立てを打ちます。
白は4と繋いでコウを解消しますが、まだ生きていません。
黒5(6の右)とコウを仕掛け、白6の取りに黒7などのコウ立てを打ちます。
受けずに白8と取れば、ようやく白全体は生きますが、黒は3、7、9と他に3手打つ事ができました。

本コウであれば、コウに負けた方は他に2手しか打てません。
それに比べて、白が不利である事が分かりますね。


この二段コウの後に二段コウが発生する形、何と言うのでしょうか?
私は聞いた事がありませんし、そもそもこの形を初めて見ました。

という訳で、この形について名前を募集します!
コメント欄を開放しておきますので、ご自由に投稿してください。
最も面白い、若しくはしっくり来る名前を、今後当ブログで使っていきたいと思います。

でも、この形が再び見られるかは分かりません。

<追記>
皆様からのコメントは、しばらく非公開にしておきます。
命名が決まりましたら、公開させて頂きたいと思います。、
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奇妙な形(出題編)

2016年12月20日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は私の対局から、面白い形をご紹介しましょう。
以前ご紹介した両セキ崩れも見た事のない形でしたが、こちらもなかなか実戦に現れない形だと思います。
実は既にTwitterに投稿した形ですが、詳しくやってみます。



1図(テーマ図)
著書の題材にもなった、佐藤昌晴九段との対局です。
黒番で、焦点は左下ですが、私はどう打ったと思いますか?





2図(変化図)
当たりなので、黒1と繋ぐ手がまず思い浮かびますね。
勿論考えられる手ですが、何故私がこう打たなかったかは・・・忘れました。
恐らく白2から、下辺で居直られる事を嫌ったのでしょうね。
この白はとても取れそうにありません。





3図(実戦)
繋ぎでは白への響きが弱いとみて、黒1と当てて行きました。
黒△も当たりのままですが・・・。





4図(実戦)
白1と取って来ましたが、白4子がまた当たりです。





5図(実戦)
そこで黒1と取り返します。
しかし、またこの石が当たりです。





6図(実戦)
で、白1とまた取り返しました。
取り返し2回というのがまず珍しいですが、まだ本題には入っていません。





7図(実戦)
黒1~5まで、強硬に迫って行きました。
ここで白Aと打てば生きていますが、ただ生きるだけでは、つらい感じもします。





8図(実戦)
そこで、実戦は白1から黒地を破って来ました。
しかし黒4と眼を取って、何やらきな臭い状況になって来ました。





9図(実戦)
白1~7で下辺の黒が切れましたが、石が2線に8本並んでいます。
6死8生の格言通り、黒石は生きています。
そこで白9と眼を作りに来ましたが、この白は一体どうなっているのでしょうか?





10図(実戦)
という訳で、問題です。
次の黒の1手と、この白の死活がどうなっているか、考えてみてください。
なお、中央には眼ができないので、そちらを気にする必要はありません。

解答編の投稿は明日の23時を予定しています。
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