本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

めしひつつ住む人多きこの園に

2018-02-20 19:54:00 | 住職の活動日記

「めしひつつ住む人多きこの園に

風運びこよ 木の香花の香」

 

美智子皇后さまの

多摩全生園を訪れた時に

詠まれた一首です。

ハンセン病は末端神経を犯す

それで目をわずらい失明する方も

多いようです。

目が見えなくなった人のために

せめて、この園を吹く風よ

「木の香 花の香」を

届けておくれと呼びかけられた

歌なのです。

 

京都新聞でも

時にふれてハンセン病の記事が

掲載されます。

菊池恵楓園にご縁があった

ということもあって、

やはり見逃せない記事ですので

切り抜き、読みかえしています。

 

祖父の代からのご縁で

今の住職を入れると

四代にわたってのご縁です。

最初の頃は

園に入るには高い塀と

大きな門がありました。

お参りする講堂の入り口には

消毒液を入れた洗面器があり

ましたが、

使うことはありませんでした。

 

園内には四季折々の花が咲き

梅の頃には辺り一面花の香が

漂い、

さくらの頃には古木が

見事な花を咲かせていました。

 

両陛下は香川県の

大島青松園をのいては

すべての縁を一度は訪問されて

いるといいうことです。

青松園は小島ということで

大型船が着けないという

理由です。

 

両陛下は何の抵抗もなく自然に

手をとり励まされている姿は

本当に出来ないことです。

頭では分かっていても

いざその場に出ると

素直に出来ないものです。

 

両陛下はこうやって

「人々に寄り添い

 心を寄せる」

ということがっても

人々から褒められることは

ほとんどありません。

 

ある漫才師の方は

「お体を大切に励んでください」

とお言葉を頂き

感激したとおっしゃってましたが

両陛下に対して

本当にご苦労さまです、

大変ですねと、

労いの言葉をかける人は

だれ一人いないのです。

 

両陛下ご自身の全体は

すべて他の為ということでしょう

お経にでてくる

「他をもって自となす」

ということと同じように思います

 

恵楓園でも高齢化が進み

ほとんどの方が父の歳に当たる

ように思います。

親しくしていた方も

一人去り二人去り

その園で過ごされたご苦労を

思うと言い知れぬものがあります。

そのことに対し早くから

理解を示し

訪問を続けられた両陛下には

本当に頭の下がる思いです。

 

美智子妃殿下の歌を詠み

深く心に感ずるものがありました。

 

 

 

 

 

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