本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

地獄の食事、極楽の食事

2016-08-28 11:41:08 | 住職の活動日記

最近の異常気象でしょうか、

台風銀座と言われた九州には

やって来ません。

新幹線の中から見る市内の風景

まだブルーシートが張られている屋根が

見られます。

復興事業もそう簡単には進まないようです。

ということもあって、

台風が九州に来ないということは

何よりも有り難いことです。

 

 

ここの所熊本も雨が少ないようで、

草木は雨を待ち望んでいる。

植物にとっては、

「雨は天から貰い水」

と歌にあるように

じっと耐えるしかないようです。

熊本も天気予報では  

もうそろそろ降り出すことでしょう。

 

「地獄の食事、極楽の食事」

ということがあります。

 

 

整えられた護摩壇を見てそう思ったのですが、

地獄の食堂も極楽の食堂も

別にご馳走があるわけではなく、

内容は全く一緒という事です。

食べる道具も一緒

ただ食べる道具は長い箸、

 

 

護摩壇で使うのは

お不動さまへお供えするための

こういう長い杓(しゃく)という

ものを使い、

手前の「お洗米」と「五穀」を

炉の中に入れていきます。

 

この長い杓を見てそうなのかな??

と思ったのです。

地獄の食事ではこの長い箸を使って

自分が食べようとします。

長い箸ですのでどうしても自分の口に

入りません。

それで周りにこぼしてしまい

自分の口には入らなくて

ご飯が食べられないというのです。

 

ところが、

極楽では同じ箸なのですが、

自分が食べようとするのではなく

向かいの方に食べさせてあげる

お互いに食べさせあいをする

だからとてもスムースに食事が

進むということです。

 

簡単なことです、

俺が!おれが!自分が!といって

我先に食べるのではなく

まず、何が食べたいですかと

お向かいにお方に聞き

それを取って相手の口に運んであげる

自分がこれが食べたかったら

お向かいの方に頼んで

取ってもらい、食べさせてもらう

ということです。

 

まず、人を先に考えるという

面白い風習ですが、

日本人はお土産が好きです。

旅先に出ても、

自分が楽しむこともさることながら、

家で待っている人に

あれこれとお土産を考える

このことも一面には

先ず人を先に考えるという

とてもいいDNAが備わっているのでしょう。

 

そんなことを考えながら、

今から、護摩を焚きます。

お不動さまが食べたいものを

お供えしたいと思いながら…

熱い護摩になりそうです。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする