天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】君の膵臓をたべたい【24作目】

2017年09月10日 | 映画感想
「君の膵臓をたべたい」

住野よる氏の同名タイトル小説の映画化。
恋愛モノ?にしてはなかなか逆キャッチーなタイトルだな、と予告編を見て思ったんだけど、小栗旬君ファンとしては押さえておいた方がいいのかな?どうかな?
と逡巡した後、どうやら小栗君は主人公の12年後の姿で話の本筋はあくまでも高校時代の出来事らしいと分かったので「なぁんだ客寄せパンダか」と興ざめして
同時期に公開していた「銀魂」の方を観に行って個人的に小栗君祭りは終了したのでした……って、ヲイ(滝汗)

ま、そんなこんなでスルー確定した本作でしたが、旦那が突然「見たい映画があるから付き合って欲しい」と言って来て、てっきり「ダンケルク」か「三度目の殺人」
だろうと思っていたらなんと本作だったのでした。何でもつい最近本作の原作小説を読んで感動して泣きまくったそうで(薄笑)、調べてみたら何と今映画化されていて
しかも公開中じゃないか、いやもう直ぐ公開終了しちゃうらしい!コレはヤバい早く見に行かなくっちゃ!…になったんだそーです。ふーんへぇーーーほぉーーー(ハナホジ

と、またしても前振りが大河ドラマレベルに長くなりましたが本題に…^^;

簡単なあらすじ…母校で教鞭を取っている「僕(小栗旬君)」は教職を辞めようか悩んでいた。そんなある日老朽化した図書館の解体が決定し、蔵書を分類整理して
一時的に移す作業をする事になり、在校当時図書委員だった事から整理の手伝いを頼まれた「僕」は久し振りに図書館の扉を開けた…そこで12年前の出来事が蘇えって来た。
12年前、高校生だった「僕」はある日病院で「共病文庫」と書かれた日記(?のようなもの)をたまたま拾った。少し中身を読んでみると膵臓の病気で余命いくばくも
ない事等が綴られていたのだ…ところがその共病文庫の持ち主が同じ高校のクラスメート、しかもクラス一の人気者女子「山内桜良」だった事が分かる。
桜良の秘密を共有した事で2人は急速に接近して行くのだが…

話の流れとしては当時の桜良に勧められて教師になった「僕」が図書委員の生徒にポツポツと昔話として12年前の思い出を聞かせる、という体で進んでいて
思い出部分がメインのネタなんだけど、今の「僕」と僕を取り巻く環境もちょいちょい同時進行で挟んでいてクライマックスでシンクロする、という構成。
自分は原作未読なんですが、原作小説を先に読んで感動しまくったという旦那からのレクチャーによると原作には12年後の「僕」という立ち位置は描かれてなくて
あくまでもリアルタイム高校生の「僕」の話として進行しているそうです。
まあコレは…高校生だけの話にしちゃうとそれこそ「客寄せパンダ」がいないので、いくらいい話でも集客が望めない…ので、苦肉の策で12年後の「僕」を登場させて
そこに女子ワクドキ♪な小栗旬君を引っ張り出す事で映画に華を持たせようとしたのだろうと推察。
結果的に言えばこの作戦は非常に素晴らしいと思います。マジで小栗君出てなかったらこの映画これ程集客望めなかっただろうと思う。本当に思う(苦笑)

そんな訳で小栗旬君の演技は素晴らしい!
この人ホント天才だなー。何となく本来の彼のキャラっぽい「やんちゃで明るいお調子者」みたいな役ドコロの方がお似合いな気がしなくもないのに
こういう押さえた演技させても実にしっくりハマってるんだもん。目の演技が凄いよね彼は。わざとらしくなくフッと目線を動かすだけで気持ちがグッと来る。

で、肝心の高校生時代のパートね。
小栗旬君の12年前を演じたのは北村匠海君。ごめんなさい彼の事を全く知りません。多分自分初見の方だと思う。プロフィールもまともに調べてねーわ(滝汗
この子が育つと小栗君になるとはとても思えないんだけど、少なくとも「友達ゼロのボッチキャラ」を非常に上手く演じていたと思う。
朴訥な喋りも本人が天然の大根なのか(コラコラ)計算され尽くされた演技なのか初見だから分からないんですが、少なくとも本作の「僕」にはしっくりハマっていたと思う。
そうそう…北村匠海君のキョドり方と小栗君の目線のくれ方が凄くよく似てるんだよね。だから正直見た目あんま似てなくても「まあ12年後小栗君でもいっか♪」
と思えたと言うか。コレは小栗君が北村匠海君のキョドり方に寄せて演技していたという事なのか?それともたまたま演技指導がハマって上手くシンクロしたのか?

個人的に物凄く気になった(と言うか鼻についた?)のが山内桜良のキャラクターかな。
桜良を演じたのは浜辺美波ちゃん…ごめん彼女の事もまーったく知らない。間違いなくこの子も初見だと思う。色白で眼力が柔らかくなった広瀬すずちゃんみたいな
感じの美少女ちゃんなんだけどーーー…まず彼女が登場して思った事。「リアルでこんな女、いる訳ねーだろ!」(苦笑)
なんだよこの「エロヲタゲー」のキャラクターみたいな性格wwwつーか、まずそもそも彼女自身が「私ってぇークラスの人気者でマドンナ的なぁ~?」って
思いっきり理解した上で「そんなカワイコちゃんな私がぁー、クラスで1番地味で友達ゼロのボッチ君にすり寄っちゃうのぉーキャハ♪」なアプローチ。
いやぁーないないない、こんなのリアルじゃ絶対に有り得ないすから!なんだこの「非モテ男子の妄想爆発ご都合主義展開」(笑)

そもそも、見た目が北村匠海君だぁよ…どんなに地味で暗くてもイマドキ女子は放っておかないだろこんなイケメソ^^;

という訳で、猛烈に桜良が鼻につくキャラだったんだが、話が進んで来ると「まあココ受け入れないと話にならんしなw」「余命いくばくもないカワイコちゃんだから
ココはBBAも緩~く受け入れてやるべきだな」位には耐性が付いて来て(薄笑)いよいよココから手に手を取ってラブラブ進行で観客泣かせに入るんスね…と身構えた
瞬間にサッ☆と椅子後ろに引かれてひっくり返っちゃった!みたいなギョッとする展開が^^;
いや何か物凄いテンポの展開の話で…スクリーン見ながら「はああああああ?まさか今このタイミングでこの逝き方しますぅーーーー!?」って心の中で
絶叫しまくりだったんだけど、その後の流れを見るにコレはコレで良かったんだなーと思えましたね。でも最初はホントにびっくらコイたけどねw

桜良と僕が「真実と挑戦」というゲームを劇中に何度もやりとりしながら会話を展開させているんだけど、このゲーム中での会話がなかなかウィットに富んでいて
観客の心をグッと掴んで来る。このゲーム中の会話だけでなく、他の場面でも桜良と僕の会話は高校生にしてはなかなか詩的で偏差値高めなやりとりをしていて
この会話の中で出て来るいくつかのキーワードが後の伏線にもなっているというお約束展開でしたね。
まあ、だがしかし…「人はいつ死ぬかなんて分からないじゃない?」がまさかそー来るかと(苦笑)
本作は恋愛映画のようであって決して恋愛に寄せ過ぎない、「人が生きるという事」「後悔しない生き方」みたいな哲学的要素の多いテーマでしたね。

でもまあねぇ…コレ本当に「童貞非モテ男子妄想炸裂」な話だよなぁ。こんなボッチ男子にとって都合のいい美少女、リアルじゃー絶対にいませんから!(笑)
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2 コメント

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Unknown (ぺこ)
2017-09-14 13:23:29
私も原作読んで泣いたよー。
何回読んでも泣ける。
先に韓国や台湾で実写版ドラマになりそうだなーって思ったけど、
日本の映画になりましたね。
匠海くんはアイドルグループDISHのメンバーで、最近は僕たちがやりましたってドラマの主題歌やってるよー。
∩゙ヽ(。・ω・。)へぇ~ (管理人)
2017-09-15 19:24:32
>ぺこちゃん
確かに韓国でドラマ化しそうな内容だな!
そして…「DISH」というグループ?なのか。つーかそのDISHとやらを知らないんだ(滝汗)

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