山の手コラム  ー植物の色つれづれー

日本の染料植物の保全と栽培のネットワーク

フランスの紫根ーアルカネット(Alkanna tinctoria(L.)Tausch.

2008-04-29 | 染織、染料植物
南仏の友人からフランスの紫根ーアルカネットの花の画像が届いた。
背景の石垣に紫色の花が美しい。
そしてこの花の根ー紫根はいっそうたくましく、すばらしい。
アルカネットの花や茎にも小毛があるが日本の紫根ームラサキの自生種ほど栽培種よりもびっしりと小毛がある。

古代エジプトではアルカネットの根からオイルで色素と薬用成分を抽出して目のくまどりや口紅にしたとか。
紫根のアイシャドウーや口紅なら化粧をしない私でも使ってみたいと思う。

アルカネットを最初に染めたのは2000年、既に根を細かく粉体にしたものを仲間のフランス人染職人から
もらって帰り、染めた。そのときにテキストにしたのが今回の写真の主の本である。

時はめぐり,人もめぐる。
彼女は「先週、おばあちゃんになったの」と、この写真と生後1種間の孫の写真を送ってきた。
この8月はこのアルカネットの根を持って彼女が日本にやってくる。

私が染めたアルカネットの根をくれた友人は愛する人と別れてしまったと人づてに聞いた。

色を愛するものたちと追い求めるその色の美しさの間にドラマがたくさんある。


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