嫁さんとのメールと通話のためだけにガラパゴスなケータイを買ったことはすでに(しつこく)書いた。おかげですっかりデコメの使い手になってしまったことは、社内的には内緒だ。
専用電話なので、電話帳にはたったの1項目。嫁さんのメールアドレスと電話番号しか入っていない。我が家ではこれを「愛のケータイ」と呼んでいる。これが本当のアイ(愛)フォーンである。
…56歳でこれだけのろける自信がある人は、遠慮せずにかかってきなさい。
*
さてその愛フォーンだが、嫁さんとの連絡用以外にもうひとつ役に立ってもらうことになった。docomoの公衆無線LANサービス、Mzoneだ。FOMAの契約者はこれが月額840円で使い放題になる。
iPhone(こちらは本物)はすばらしい端末だが、キャリアがSoftBankだという唯一にして最大の弱点を抱えている。札幌市内だけだとは思わないが、ネットワークの品質が悪くて不感地帯があったり、電波は来ているのにデータの流れが滞ったり、音声がプツプツ途切れることがある。気持ちに余裕がないときなど、イライラすることもしばしば。
必須とまでは言わないが、公衆無線LANサービスはこのイライラを通話以外でかなり軽減してくれる。ただしフリーの公衆無線LANサービスや野良Wi-Fiサービス(笑)よりは安心して使える有料サービスはどれも、ログインが必要だ。
mobilepointがiPhoneからはログインなしで使えるようになったと言うが、これにも落とし穴がある。
これはSafariを起動してどこかにアクセスすると自動的にログインする仕組みなので、それまでは「電波はつかんで3Gから切り替わっているが、データは流れない」という中途半端な状態に置かれている。この状態では3Gが抑えられているのでメールは受信できないし、「駅探」のようなデータ通信を使うサービスも使えない。出張時の羽田空港でこの現象に気付き、それからは羽田に着いたらiPhoneのWi-Fiをオフにすることにしている。
この中途半端状態はmobilepointだけではない。HOTSPOTもそうだ。これはASTY45の地下の広場でひと休みしているときに気がついた。市内のお客さん廻りをするときはここでひと休みすることがよくあるので、最近はベンチに腰を下ろすやいなやWi-Fiをオフにするのが習慣になっている。ちょっと重いページを見るときは使いたいのでWi-Fiをオンにし、改めてiPhone専用のログインアプリを叩く。けっ、やってられるかいっ。(⌒_⌒;)
*
ところがひょんなことからMzoneの公式ページに迷い込み、自動ログインなる機能がシステム側で用意されていることを知った。iPhoneの対応についてはなにも書かれていないのでダメかと思ったが、念のためにググってみたら、こんな↓ページを見つけた。どうやらできそうだ。ふぅん、WPAエンタープライズを使うのか。
http://flameazalea.blogspot.com/2008/07/iphone.html
MzoneはAP数がかなり多いので、使い放題で840円/月はお買い得だ。この情報どおりに自動ログイン/アウトができるなら、場合によってはHOTSPOTを解約してもいい。そう思ってさっそく愛フォーンからポチッと申し込み。
うまい具合に翌日の日曜日は、夕方に知人と会う用事があった。少し早めに出て札幌駅のベンチに陣取り、愛フォーンの画面メモに記録しておいたパスワードなどのデータを見ながらiPhoneを設定する。パスワード間違いやらなにやらで少し手こずったが、なんとか証明書がダウンロードされたことをiPhoneの画面で確認できた。
Wi-Fi一覧でもちゃんと "docomo" のところにチェックマークが付いている。しめしめこれで使えるぞと思ったが、システムインジケータにWi-Fiマークが表れず、3G表示のままだ。当然だがブラウザでアクセスした速度は速くない。接続情報を削除して何度かやってみたが、証明書までは行くもののつながらない。約束の時刻が近づいたのでとうとうあきらめた。
自宅に戻ってから改めてググってみると、こんな↓情報があった。
http://d.hatena.ne.jp/int/20090105/p1
この「違う場所にあるAPからつなぐとうまくいった」というのがなんともぁゃιぃのだが、ものは試しだ。今度は札幌駅の南側にあるスタバに、持久戦のつもりでドリップコーヒー一杯で陣取って(迷惑な客やなぁ)設定開始。しかしやはりダメだ。
こういうときは基本に戻るのが一番。WPAエンタープライズではなくWEPで、まずはつないでみることにする。docomoから自動配信のメールに誤記があるとは思えないが、自分が思い込みでIDやパスワードを間違えている可能性もある(謙虚)。
あ、つながっちゃった…。
*
しかしこれはおかしい。つながったんだからおかしくないが、WEPなのにIDもパスワードも入れないでつながっている。新たに入力したのはWEPキーだけだ。
ここでしばらく考えてみる(店:早く帰ってよ)。
Mzoneには自動ログインのほかに「かんたんログイン」というのもあって、30日以内有効などと注意書きがあるところを見ると、どうやらクッキーを使っているようだ。これが働いているのかとも考えたが、docomoの解説ページには2回目以降もブラウザからログインボタンを押すことは必要と書かれている。これじゃない。
そこでもう少し考えてみる(店:お願い、早く帰ってよ)。
もしかしたら、先にWPAエンタープライズで取得した証明書が使われているのではないか。ネットワークセキュリティは専門外なので当て推量だが、これならWEPでIDもパスワードも入力せずにつながった(当然使える)ことに説明が付く。
てーことは、こうだ(店:そーそー、そのとおり。お願い、早く帰って)。
WEPでつないでいたところにWPAエンタープライズで証明書をダウンロードするか、あるいは逆に先に証明書をダウンロードしてからWEPでつなぐ。これが正しいやり方なのかも知れない。
念のために、エリアを出たり入ったりしてみるが、その都度しっかりとログイン/アウトしている。当然、自動的にだ。アクセスも問題なく、高速でなかなか快適だ。いいなぁ、これ。