ズッキーニの味噌煮込みBlog版

コンピュータのこと、食べ物のこと、なんでもないこと、とんでもないこと。

iTunesデータの移動

2008年01月27日 06時30分23秒 | Weblog
 Windows 環境からMac環境へ、iTunesのデータを移した。

 いま会社で使っているHPのWindows デスクトップ機はもともと自宅で使っていたものだ。

 必要があって会社に持って行ったのだが、iTunesのデータがこれに入っているので、新しいアルバムを買ったときに会社で取り込んでiPodに同期を取らなくてはならない。そうしょっちゅうのことではないが仕事と関係のない作業なので、立場上まぁ、ちょっと…。

 自宅にはiTunesの本家(?)Mac(Book)があるので、こちらにデータを移してしまえば気分的にすっきりする。なにしろ本家だし(なんだよ、それ)。

 データ移動のしかたをググってみたら、Windows 環境同士の方法がすぐに見つかった。たとえばこれ。マイドキュメントの下のMy Musicの下のiTunesフォルダを丸ごと持って行けばいいと書いてある。なぁんだそんなことでいいのか。たぶんWindows からMacへも似たようなことをすればいいのだろう。

 データは全部で2GBほどだ。iPod(最近はHD搭載機をClassic系と断る必要があるほどメモリ搭載機が増えたが)をストレージとしても使用できるように設定して、iTunesフォルダを丸ごとコピーする。自宅に帰ってMacBookのFinderを開くと「ミュージック」というフォルダがあって、その下がiTunesだ。ここにiPodにコピーしてきたWindows 環境下のiTunesを丸ごとコピーする。

 iTunesミュージックストアから購入した6曲ほど(金魚花火とか^^;)が認証が必要なのでコピーできなかったと言われたが、問題ない。データ転送後にiTunesを開いて「購入したもの」フォルダを開き、曲を再生しようとすると購入時のIDとパスワードを聞かれるので、入力してやるとそのIDとパスワードで購入した全曲が認証済みになってちゃんと聴ける。このあたりは当然といえば当然だが、うまいことできている。

 残念なのはこのiPodがWindows フォーマットなのでマック環境のiTunesからはファームのアップデートが自動ではできないらしいことだ。外部ディスクとして認識できているのだからフォーマット形式は関係ないようなものだが。

 しかしこれも「復元」をしてやればMacOSフォーマットに変更することもできるはず。もっともこのほとんど初代のような、液晶はモノクロだわ動画どころか画像そのものが扱えないようなiPodのファームなんか、いまさらアップデートすることもあるまいし。

 ともあれこれで、保有する全曲をMacBookでシャッフルして聴けるようになった。めでたい。

    *

 会社近くのJR札幌駅の花壇に咲いていた花。たぶん撮ったのは去年の秋ごろ。

 表面のぽやぽやした感じと色が気に入ったので何枚か撮ったのだが、よく見ると鼻があって耳があって、ヒトの横顔のように見える。おもしろいので、あの人への今月の27日写真はこれにしよう。

 花の横顔

ガソリン暫定税率

2008年01月26日 00時46分08秒 | Weblog
 アタシは、みんなが声をそろえておなじことを言うと疑う。へそが曲がっているのでね。

 あっちこっちの知事が声をそろえて、ガソリン暫定税率維持を言い出したので、これはよほど大きい利権があるのだろうと想像する。情報が与えられていないので、想像するしかないのだがね。

 不勉強なもので、ガソリンに「暫定」の税率がかけられていることを知らなかった。しかもそれが1円以下の話じゃなく、1リットルあたり25円というとんでもない金額であることも。

 手続き的には国民は承認したことになっているのだろうが、アタシは承認した覚えはないし、反対する機会ももらった記憶がない。たぶん手続き的にはあったのだろうがね。

 あまつさえ政治家どもは、「暫定税率を下げるとガソリンをどんどん使うようになるから環境に悪影響を与える」などと子供だまし、いや、子供もだまされないようなことを言っているようだ。安くなったらどんどん使うというようなものか、ガソリンは。そもそもそんなことができるような経済状況か。

 アホか、おまえら。

 自分の顔を鏡で見ながら、もう一度おなじことを言ってみるがいい。テレビで顔が売れていたから当選した地鶏のセールスマンやら、シナの悪口言うだけが生き甲斐の国士気取りやら。

 おまえたちはなにを崇めているのだ。

頼りない男と信用できない男はどっちがいい?

2008年01月15日 12時18分59秒 | Weblog
 ジャーナリストの勝谷誠彦が、自分のメールマガジンでこういうことを言っている。いまの国民の気分は、「頼りない男と信用できない男はどっちがいい?」という選択を迫られているようなものだと。言うまでもなく、頼りない男は民主党で、信用できない男は自民党を指している。

 信用できない男はもうたくさんなので、頼りないけどこっちを選ぼうとしている。しかしこれが本当に頼りなくて、しかもしょっちゅうそれが露呈するので、決めかねている。

 政党を男に、国民を女に見立てた面白い見方だと思う。そこで試しに、我が家で唯一言葉が通じる(「ニャン」とか「ワン」じゃなく)女である嫁さんに意見を聞いてみた。「あんた、どっちを選ぶ?」と。

 そしたら嫁さん、即座に「そりゃ、信用できない男の方」と答えた。「頼りない方じゃなくて? 信用できない方を信用するのか?」とトンチンカンな質問をしたが、答えはおなじ。

 なぜ?

 「だって、頼りない男は頼りにならないもの」と、これまたわかるようなわからないような答え。

 うーん、なるほどなぁ。わかるよ、なんとなく。政党を男に、国民を女にというのは、日本という国をよく知っている勝谷誠彦ならではの比喩。それが意外な空気をアタシに見せてくれた。

 もしかしたら天性の選挙勘を持つと言われている小沢一郎は、この気分を感じたのかも知れない。それで大連立などという破天荒なワザを繰り出した。このままでは、自分の政治家人生最大にして、おそらく最後のチャンスを逃すと。

 これはどうなるか、さっぱりわからないな。

TRS-80(分解)

2008年01月13日 17時55分45秒 | コンピュータ
 分解しないわけにはいかんだろう、やはり。

 写真はこちら

 それにしてもMacはこういうこと、つまり「たくさんの画像を適当に配置してインターネット上でちゃらっと公開する」というのが本当に楽。楽なだけじゃなく、iPhotoとiWebに従っていけば、そこそこのきれいな仕上がりが得られる。

 手間なし簡単。デジカメをUSBケーブルでMacにつないだら、あとはほとんど自動。

 iPhotoが立ち上がってきて、デジカメから画像を読み込んでくれる。見せたい写真を選んでメニューから「共有」でiWebに送り込んでやると、テンプレート選択シーンになる。本職が作ったセンスのいいものばかりだ。気に入ったのを選んでやるとiPhotoで選んだ写真を全部読み込んでページを自動的に構成してくれる。「公開」ボタンを押すと、.MAC(どっとまっく)に確保したアタシ専用のスペースに、上のリンクにあるようなページをはき出してくれる。もう、このままで公開状態。

(会社の株式公開もこれくらい簡単ならいいよなぁ)

 誓っていうが、そしてアタシのことをよく知っているみんなは決して疑わないだろうが、これはアタシが作ったページじゃない。こんなの作れるものか。

 アタシがやったのは、

1. デジカメとMacをUSBケーブルでつないだ。
2. 自動的にiPhotoに読み込まれた画像から必要なものを選択した。
3. 「インターネットでこの画像たちを紹介したい」とわがままを言った。
4. iWebが選べというので、テンプレートを適当に選んだ。
5. 「公開」ボタンを押した。

 たったこれだけだ。テンプレートのカスタマイズもしていないのに、ちゃんとプレビューまで自動的に生成されている。あぁ神様、仏様。なんてことでしょう。

 ワープロと表計算とプレゼンツールがセットになったiWorkは追加で購入して便利しているが、最初からMac本体に入っているiLifeのほうは、どうせアタシみたいなセンス欠乏症にゃ縁がないものと思って起動すらしていなかった。

    *

 もっとも、日本語入力が親指シフトでできるようになっていなかったら、Macを本気で使ってみようとは永遠に思わなかっただろうが。

TRS-80

2008年01月12日 20時42分15秒 | コンピュータ
 知らない人は知らないが、知ってる人は知っている。それは当たり前だ。

 名機TRS-80。タンディラジオシャックという社名を聞いて「おぅ」と声を上げない人はこれ以上読まなくていい。そんなの仲間じゃない。なに、仲間じゃなくてもいい? そうですか。

 昨年末ギリギリに、世界の北海道新聞朝刊にCOMKIT0801/2006を抱きしめてよだれを流すアタシの写真が、記事とともに載った。それを嫁さんのテニス仲間の旦那さんが見て、こういうアホならこれをほしがるかもしれないと、物置の奥に捨てずにずっと置いていたこのマシンを譲ってくれたのだ。

 よくいままで捨てられずにすんでいたものだ。たぶんおおかたの女の人には「ゴミ」としか見えないだろうから。

 まぁそりゃ、いまでは電源入れても動かないわけだしな。動かない昔の8ビットマイコンなんて、たしかにゴミかもしれない。しかしlevel-Ⅱ BASICが乗っているのだぞ。動かないけど。動かないならゴミですか。そうですか。

 でもアタシは知っている。この写真を見ていまどこかで、「うぎょ」「なにぃっ」「わーっ、たんでぃー」などと声を上げている人がいることを。嫁さんから「こんなものいらないかって、メモもらってきた」と言われた紙切れをひと目見るなり、アタシ自身がそういう声を上げたからだ。

 だって、TRS-80だぜ。タンディだぜ。あの時代がよみがえって来るじゃないか。

TRS-80のデカいの

小樽くん?

2008年01月10日 18時12分39秒 | 食い物
 通勤で乗る函館本線の電車に、吊り下げ広告。

 「小樽くん煙棒寿司」

 …おたるくん けむりぼうずし?

 なんか、全然うまそうじゃないぞ。なんだこれは。

 …おたるくん? けむりぼうずし?

 「おたるくん」は、いいとして「けむりぼうずし」って、なんだ?

 … … …

 材料はサバとサンマ? …けむり?

 あー、そかそか。わかったぞ。

 「小樽 くん煙(燻煙) 棒寿司」か。

 紛らわしいなぁ。ぐぐってみたら、ちゃんと「小樽燻煙棒寿司」と漢字になっているじゃないか。なんでわざわざ「燻」を「くん」にするんだよ。

    *

 それはそれとして。

 COMKIT0801/2006、おかげさまで公表。初期ロットの残余数はすでに二桁を切ってしまった。

 初期ロットオタクのみなさん。年度末を目前にして予算が余って「なんか面白いもの買えよ」と上司にプレッシャーかけられている担当者のみなさん。もちろん本物のコンピュータオタクのみなさんも、変わったデジモノインテリアを探しているみなさんも、この機会にぜひぜひ。

 ご購入はこちら

そういえばお正月だった

2008年01月06日 12時33分48秒 | Weblog
 年が開けてから二件も書き込んでおいていまさらなんだが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。と、ネットの神さまに。

 去年はいろんな意味で、背伸びをした一年であった。どうも身の程知らずなこともやってしまっていて、ジェットコースターにでも乗っているような乱高下があり、気がついてみたら収まるべくして収まったところで気絶していた。なんのことやら。

 今年はじっくりと腰を据えて、本業に精を出す。もう現場の開発仕事からは完全に手を引いているので、ひたすら営業と社内外の体制作りを頑張ることにする。

 いい年になりますように、ではなく、いい年にするぞと気合いを入れて、引いたおみくじは中吉だった。まずまずだ。

CrossOver MacでBecky!を使う

2008年01月05日 16時06分39秒 | コンピュータ
 少し補足しておく。

 CrossOver MacでBecky!を動かしている場合、添付ファイルはほぼ問題なく開ける。

 ExcelのシートはOffice2004のExcelが起動してくるし、PDFはMacOS標準のファイルビューアが表示してくれる。ZipファイルもFinderが立ち上がってきて処理してくれる。メール本文のURLリンクはFirefoxが引き受けてくれた。もちろんすべてMacアプリだ。Windows アプリなんだが、Macアプリとの連携が取れている。おもしろい。

 問題はHTMLメールだった。これはIEのコンポーネントを使っているので、IEをインストールする必要がある。CrossOver Macのボトル(Windows 互換レイヤーのことをこう呼んでいる)の管理で、Becky!が入っているボトルにサポートアプリであるIE6をインストールしてみる。

 さすがにサポートアプリだけあって、ダウンロードサイトのデータベースを持っているのでそれを選択するだけ。インストールはなんの問題もなく終わり、再起動処理もボトルの中で完了する。

 Becky!を再起動して、HTMLメールを読んでみる。ちゃんとIEコンポーネントを使って表示してくれた。

 おもしろいことに、IE6をインストールしてからBecky!起動時の謎のエラーダイアログが出なくなった。タイトルもなにもなく、ただ赤い×印があるだけのダイアログが出ていたのだが、これがなくなったのだ。

 また、起動時直後のBecky!のフォルダツリー表示の乱れもなくなった。フォルダ名の末尾の文字が消える場合があるという不具合は変わらないが。

 その代わり…といってはなんだが、フォルダツリーの+/-がダブルクリックしないと反応しなくなった。フォルダツリーの右クリックの反応が悪いと書いたが、これもダブルクリックしないとコンテキストメニューが開かないようになっているのだと気がついた。いったいなにをやっておるのだ>互換レイヤー。

 少しまともに使えるようになってきたが、動作のもっさりした感じはいただけない。メモリはVMWareほど食わないし、Macアプリ扱いを受けることによる快適さもある。VMWare上のBecky!は、たとえばBecky!で本文中のURLリンクを叩くとWindows 版のFirefoxが立ち上がってくるのだ(別に悪くはないが)。

 もう少し動作が軽快になれば、こっちでも我慢して使えるのだがな。やはり仕上がりとしてβなレベルは不安感もあってメインで使うのはためらう。

 もう少し使うか。せっかくだから(なにが?)。

CrossOver Macはまだβ?

2008年01月01日 20時56分37秒 | コンピュータ
 まぁその、とても1万円もの金を取って売れるレベルじゃないというのが正直な感想。せいぜい「人柱お願いします」のβバージョンである。正月から過激な物言いだが、おめでたい正月に免じてお許しを乞うておく。^_^;

    *

 いろいろ試してみたが、やはりメールクライアントはBecky!に限る。

 もちろん慣れも大いにあろうし、好き嫌いや趣味の問題に踏み込むほど愚かではないので、そういう向きのご批判なら甘んじて受けるが、それでもBecky!は圧倒的に優れたメールクライアントであると断言する。しちゃう。しちゃったんだからしようがないじゃないか。^_^;

 そのBecky!がMacBookで使えないのは実に残念だ。

 仕事柄、電子メールはインターネット利用の圧倒的上位に位置している。親指シフトが使えるようになったのでようやくMacOSで暮らしていく目処は立ったが、これまた仕事柄Windows を全然使わないわけにはいかないので、できればWindows でもMacOSでも、おなじメールクライアントを使いたい。

 両OS対応ということで真っ先に候補に挙がるのがThunderbirdだ。実際にしばらく使ってみて性能機能ともに十分だと感じている。Becky!ではできないIMAP4サーバでのフォルダ移動を実行できることもあって、割と気に入ってはいる。

 しかしメール本文を書くエディタの出来が「普通」だ。Becky!はおなじ作者の手になるDana(「でいな」と発音するらしい)をベースにしたテキストエディタを内蔵しており、これが

(1) 時としてそのためなら文体を変えるほど、行の右端をそろえることに異様に執着する。
(2) 先頭の字下げを使い分けて段落の性格付けに利用する。

 というアタシのスタイルを見事に実現してくれる。(2) などはむしろ、Danaのこの機能を知ってから身についたものとも言える。

 Thunderbirdのエディタは(1) には対応しているが、(2) の機能は実装されていない。エディタというよりはワープロに近い機能なので、メール本文のエディタとしてはオーバスペックなのだろうが。

 両OSで同一ソフトは無理かもしれないと、Mac用のメールクライアントで高機能をうたったものをいくつか試してみた。しかしどれもこれも、あっちが良ければこっちが悪い。帯に短し恋せよ乙女…あれ?

 あるメールクライアントなどは2,000円もの金を取るシェアウェアのくせに、エディタで本文を入力している間は桁指定強制改行の様子もWordrapの状態もわからず、送信済みの本文を見てようやくどこで行が折れたのかがわかるという、とんでもないものまであった。

※ あくまでもアタシの要求する内容から見て「とんでもない」である。

 しかたがないのでもういちど、MacOSでもBecky!を快適に使う方法を再検討することにした。

    *

 Intel MacでWindows アプリを使う方法には大きく分けて3種類ある。

(1) BootCampを使う。
(2) 仮想Windows 環境を使う。
(3) Windows シミュレータを使う。

・ (1) はApple純正のWindows インストール/実行環境だ。

 要するにMacintoshというハードウェアにWindows を直接インストールするのだ。おそらくはなんらかの手段で、MacOS純正のBIOS相当機能にIBM-PC互換のBIOSをかぶせるのだろう。IntelMacがネイティブでWindows の走行をサポートするのだから当然効率がよく、ベンチマークテストを見ても他の方式を引き離して高速だ。しかし問題はMacOSとWindows の同時利用ができないことだ。

 OSを切り替えるにはリブートするしかない。「MacOSは使いたいが、メール環境だけはWindows アプリであるBecky!を使いたい」という要求は満たせない。

・ (2) はバーチャルマシンの上でWindows を走らせる方法だ。

 VMWare FusionやParallels Desktopが有名で、最近はVirtualBoxという製品がPublicβ版を配布して参入の機会をねらっているようだ。

 VMWare FusionはMacBook購入と同時に購入して使っているが、Parallelsに遅れて登場したものの、さすがに仮想マシンの老舗VMWareの製品だけある。安定性、パフォーマンスともに大変優れており、Windows XPインストール後に簡単に試してみられるが、仮想マシンのSMP(Symmetrical Multi Processing)にも対応している。

※ どうもNT kernelのHALにバグがあるような気がしてならんのだがなぁ。ターミナルでの文字入力が落ちたりダブルになったりする。書き足りなくて申し訳ない。これはSMPの話。CPUが1個の場合は問題ない。

 「仮想マシン」といってもMacもWindows とおなじIntel製CPUを採用しているため、CPU自体のエミュレーションは必要ない。高速性を要求されるゲームなどを除けば、パフォーマンスで不満を抱くことはないはずだ。難点は仮想マシンにインストールするWindows のライセンスを別途購入しなければならないという点と、仮想マシンとその上で動くWindows のために1GB前後のメモリを必要とするという点だ。

 両方とも、導入コストを押し上げる要素だ。後者については使うときだけバーチャルマシンを起動するという運用で負担を軽減することも考えられるが、その都度Windows の起動時間がかかる(仮想マシンのサスペンドを利用すれば短縮は可能だが)。またアタシのようにメールクライアントを常駐させておいて短いサイクルでメールチェックをするような使い方には向かない。

・ (3) の代表格がCrossOver Macだ。

 これは(2) の仮想マシン方式が「Windows を丸ごとホストOSの元で動かしてしまおう」とするのに対して、「どーせWindows アプリなんてAPI叩いて動いているんだから、Windows 丸ごとじゃなくてアプリが必要なAPIだけを用意してやればMacの上でも動かなくね?」という発想で作られている。あぁ、冗談とは言え正月からこんなゲロな日本語を使うなんて。

 これなら仮想マシン方式よりはメモリを食わないだろう。またアタシは取得しているので問題ないが、Windows のライセンスを持っていない人にとっては出費も抑えられるので有り難いはず。今回は体験版を手に入れたので、さっそくBecky!をインストールしてみた。

    *

 で、その結果が冒頭の感想だ。

※ お断りしておくが、Becky!は正式サポートアプリケーションリストにはまだ登録されていない。販売元がサポートフォーラムで、「日本語入力に問題があったが最新バージョンでは解消されている」とアナウンスしているだけである。

 インストール自体はBecky!のインストールファイルを指定してやるだけだから難しいことはない。実際にトラブルもなくインストールは完了した。しかしここからが「えらいこっちゃ」、なのである。

 まず起動はしたもののまともに文字が読めるのはメニュー類とフォルダリストだけ。アタシの場合はIMAP4なのでサーバ設定さえしてやればメールログがすべて読めるのだが、メール一覧も本文も文字化けしてまったく読めない。いくらフォントやエンコーディングを設定しても化け方が変わるだけ(笑)で、いっこうに改善されない。

 Becky!を再インストールしてみたが、それでもだめ。CrossOver MacでBecky!が動いているというユーザの報告も見たのでなにか原因があるはずだと調べていったら、ボトルと呼ばれているAPI環境がWindows 2000対応になっている。指定した覚えはないからデフォルトがそうなのだろう。Windows XP対応のボトルを新規に作成してBecky!をインストールしてみたら、とりあえずFixedSysフォントでメール一覧も本文も読めるようになった。

 おもしろいのはタイトルバーなどウィンドウの体裁がMacとおなじになっていること。まるでBecky!がWindows アプリになったかのようだ。仮想マシン上で動いているBecky!は当然のことながらWindows 規定の外観を持っているので、これは構造上当然のこととはいえ、なかなかおもしろい。フォントもMac標準のヒラギノフォントが使えるので、とても美しい。

 しかしおもしろいのはこれくらいで、おもしろくないことは山ほどある。

 まずシステムフォントの汚さ。CrossOver MacはWindows をインストールするわけではないからWindows 標準のフォントはないはずだ。だからMacのフォントを無理矢理使ってシステムフォントやFixedSysフォントを作っているのだろうが、これがベタにつぶれて実に美しくない。

 VMWare FusionでのゲストOSフォントはWindows システムが持っているものをそのまま使っているのだから比較するのはかわいそうだが、それにしてもみっともない。周りがMacフォントで動いているだけに、なんとも哀れである。

 しかも、どうもそのフォントの扱いに無理があるのか文字が切れたりしている。

 たとえばフォルダ一覧で "System-Def" というフォルダ名は末尾が消えて "System-De"になっている。リストを再表示させるなどしても変わらないことから、どうもクリッピングの計算をしくっているか、それともフォントの諸元を間違って解釈しているように思われる。こんな基本的なところでこの状態では、正式サポートアプリのリストに載っている一太郎だって、まともに動くかどうかは大いに疑問だ。

 こまかなところを挙げればまだまだある。たとえばその文字が化けているフォルダ一覧では、右クリックの反応が非常によろしくない。何度も右クリックしてようやくコンテキストメニューが現れるという具合で、イライラしてしまう。いったいなにをやっておるのだ。

 情けないことに、仮想マシン上のBecky!より全体に動きが遅い。たぶんフォント関連か描画関係が足を引っ張っているのだろうが、なんともモタモタした感じで楽しくない。どう考えてもこれはβテスト中というレベルで、お試し版を使っているくせに「金取って売るなよ、こんなもの」と悪態をつきたくなる。



 しかし。




 しかしだ。




 メールクライアントとしての動作には師匠が泣く、弟子が笑う。違うって。支障がなく、メールの作成も送受信もまったく問題なく行える。ちゃんと(いやぁ…うーむ…「ちゃんと」かぁ?)動いているのだ。MacOSのデスクトップ上でWindows 用メールクライアントソフトであるBecky!が。

 アタシの場合はこの諸々のストレスがイヤなので、たぶんすでに用意してあるVMWaew Fusion上のBecky!をユニティモードで使う選択をすることになると思う。メモリの問題はこのMacBookを購入したのとほぼ同時に4GBに換装済みだから、精神的な問題(いわゆる「もったいない」という気分)を除けば支障はない。

 しかしMacの上でWindows アプリを使わなければならないが、そのために大規模なメモリ増設をしたりWindows OSを購入したりというコストをかけたくない場合。そしてその使いたいWindows アプリが動作検証済みアプリのリストに入っているならば、CrossOver Macを試してみる価値はあるだろう。

 現行のバージョンでは失望することがかなりあると思われるが、それでも動作検証済みアプリであれば取りあえずは「実用上」問題なく動作する「可能性が高い」し、導入コストも少なくてすむ。

 アタシの感想は、いまのところはまだそういうレベルの製品ということだ。今後かなりの開発パワーをつぎ込まないと、評価できるレベルまで到達しないと考えられる。意欲的な商品だけに、長い目で見てやれるユーザに恵まれるといいのだが。

 アタシは、こういう不出来なものを金を取って売ろうという姿勢の会社を長い目で見てやれるほど、気長でもなければ優しくもない。