11月に入っての、さっそくの寒い一日。
柚子の実が色づくころに炉を開くといいますが、
色づこうが色づきまいが、
私の稽古場は11月になると炉の稽古になります。
でも不思議なもので、ちゃんと季節はそれに応えてくれますね。
先日の美術倶楽部での山下の道具展示会でも、
炉でのお点前で、お茶が一服頂けました。
たっぷりとした猪子餅が美味しかったです。
ベランダのガラス戸が初めて釜の湯気でうっすらと曇りました。
外の寒さを感じながら、お稽古の方も、
半年ぶりの炉のお点前です。
「ご自服でどうぞ」
午後の二人だけの静かな時間。
そんな言葉に、さっと一尺釜に水を差す所作ももう自然に。
「半年ぶりのブランクもなしですね」
月に二回ののんびりとしたお稽古でも、
体かすっと反応する。
淡々と続けるということはこういうことかしら。
つい私もと、半年ぶりの炉のお点前で、
濃茶を点てて差し上げました。
炉に向かって、又半年よろしくねという気持ちです。