「名残の時期に藁灰をして見たいわね。
そんな一言で、早速社中の方が手配をしてくださって、
綺麗な麦藁が届きました。
時期を逃すと手に入らないということで、
私にはダイヤモンドみたいにきらきらと輝いて見えましたよ。
藁灰とは、名残の季節に( 10月頃)に使う鉄の欠け風炉に、
こんな風にして、侘びた趣を楽しむための灰を作るのに使います。
麦わらを蒸し焼きにして、炭のようにします。
麦藁を手に入れるのも今どきは大変ですし、
炭にするのも大変なのです。
私は一度だけ、先生に教えていただいて
灰形だけですが作り上げた経験があります。
ピンセットを片手に、風炉の前に這いつくばって、一日がかりでした。
でもその貴重な経験がとてもありがたかったです。
というわけで、麦わらがせっかく手に入ったのですから、
今回も、この藁灰造りを皆さんで体験する機会を持ちたいと思いました。
蒸し焼きにする過程がとても大変なのですが、
失敗することも経験ですから、知恵を出し合って、
皆で楽しめたらと思っています。
それまで、麦藁を大切に保管しておかなくては。