やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

鬼海写真展 東京ポートレイト

2011-09-19 | photo
昨日に続き、鬼海写真展の感想なんだけど
今度は風景写真について。ポートレイトに
背景がなかったのと同じ考え方で、
風景には人が写り込んでいない。
人の本質、人の匂いを表現するために
街を歩んで撮るところを探す。



造形的な面白さには興味が無く、まずそうな
居酒屋なんかに惹かれる。そのうち店のおじちゃん
おばちゃんが夫婦喧嘩を始まったりすると
舞台のようで面白い。作り物のドラマや
映画なんかよりはるかに。

神奈川から浅草方面へ向かって行く電車の中で
どこを歩こうか決めるそうだ。でも興味がわく
のは結局日暮里~浅草と元住んでいた川崎。



あちこち撮りにいくことは興味が無く、
そこに撮りたい全てが詰まっていると考える。
新しくなって同質化していく街にも興味がない。

きっと外面だけ何かにあわそうとして
自己の本質を隠そうとしている現代人にも
あまり興味がないのだろう。

そぎ落とした研ぎ澄まされた考え方。
30年以上浅草に通ってポートレイトを
とり続ける、意味頑固さ。

写真家達から教わる。もっと見ること、
見られること、変わらない人の本質って
何かを考えること、見ることの面白さを。