saderのエッセイ館

saderは自然の中を旅するのが好きです。
四季折々自然が持つ“蠱惑の魅力”を『エッセイ館(やかた)』へとどけます。

大峰・和佐又山のオオヤマレンゲ

2020-06-26 11:20:26 | Weblog
去年、和佐又ヒュツテへは9月、「フォトクラブ大峰」の皆さんに連れてきて頂いたきりで、ヒュッテを閉じる時も、来ることが出来ませんでした。今年は、和佐又山ヒュツテへオオヤマレンゲを見に行こうと思いつつ、日がたち、花の盛りを過ぎた6月22日(月)になってしまった。
和佐又ヒュツテのオオヤマレンゲは鹿の食害で大峰山脈のオオヤマレンゲが全滅にさらされたとき、和佐又ヒュツテの主人が大普賢岳から実生の苗木をおろし、保護してくれました。そのおかげで毎年、6月上旬に大普賢岳のオオヤマレンゲを和佐又山ヒュツテで見ることが出きるのです。
かつて、和佐又ヒュツテ前のスキー場は一面ススキの原で、夏、そこにはヤマユリが大群落を作っていました。
今では、気候変動の影響や鹿の食害などで植生が変わり、バイケイソウが蔓延るようになってしまいましたが、和佐又が大普賢岳への登山拠点で、四季折々の美しい自然にめぐまれた高原台地であることに変わりはありません。
今日の天候はイマイチでしたが、オオヤマレンゲは僅かに数輪、咲き残っていました。オオヤマレンゲの保護地横からゲートをくぐり、和佐又山頂の展望台へいってみました。天気が良ければ、大台ヶ原や台高山脈、大普賢岳、国見岳、行者環岳の山容が望まれ、眼下には北山峡を見下す事ができるのですが・・・・・。
低く垂れこめた雲の大普賢岳の姿に、初めて和佐又山を訪れた1961年(昭和36年)2月上旬のことを思い出していました。八ヶ岳冬山合宿の疲れが抜けず、新茶屋から雪の和佐又谷を苦労して登ったこと、小屋でご馳走になった夕食‟ユリ根の卵とじ丼“の味、忘れ得ない記憶・・・・。
展望には恵まれなかったが、その代わりに、見頃の夏椿(沙羅双樹)、ベニサラサドウダンの花にも出会うことができました。
‟見返り台地“から振り返る大普賢岳は、やはり雲の中でした。(小さい写真はクリックで拡大)


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沙羅双樹の花の寺「葛城山 安楽寺」

2020-06-19 12:37:47 | Weblog
6月7日(日)、御所市の「安楽寺」で‟沙羅双樹“の花が咲き始めていると聞いて、中学生の頃、日本文学の教科書で知った「平家物語」、その冒頭、‟祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。奢(おご)れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、偏(ひと)へに風の前の塵に同じ“。という名文が強烈な印象で残り、その日のうちに「平家物語」を購入、何度も読み返した。
「祇園精舍の鐘の声」と「娑羅双樹の花の色」という、二つの言葉にひかれ、何時の日か「祇園精舍」へ行って「娑羅双樹の花」を見たい、「祇園精舍」の場所は何処?「娑羅双樹」とは、どんな花?好奇心いっぱいに、図書館へ行った。そんな純粋だった少年時代を懐かしく思い出しました。
早く「安楽寺」へ行かないと・・・、と思いつつ、純粋さを失った熟年者は10日も後の17日(水)になって、もう遅いかも、と思いながらヨタヨタと出かけてみました。(R309から「安楽寺」への道は軽四しか入れません。「安楽寺」に駐車場は無いのでR309から歩行が無難)
沙羅双樹の花の寺として、知る人ぞ知る「葛城山 安楽寺」は徳太子の創建と伝えられる名刹で本尊は十一面観世音菩薩立像です。本堂と少し離れた場所に国の重要文化財に指定されている塔婆(安楽寺塔婆)が残っています。
本堂に詣でようと、手洗い場へゆくと、誰が入れたのか、‟沙羅双樹の花“が浮かんでいました。‟沙羅双樹“は本堂の周りを囲むように多く植えられていますが、花の盛りは、もう過ぎていて、梢には、黒い実が目立つようになっていた。それでも、まだ、そこ此処に純白の美しい花を見ることができ幸いでした。
因みに、少年時代、訪れたいと思っていた「祇園精舎」は古代インドのコサーラ国の首都シュラーヴァスティーにあった寺院で、釈迦が説法を行った天竺五精舎の一つですが、唐の「玄奘三蔵」が訪れた7世紀、既に「祇園精舎」は荒廃していたと「西域記」に記述されています。
また、インドの寺院(精舎)には、もともと梵鐘は無いそうでから‟鐘の声“は聴けません。そして、‟沙羅双樹の花”ですが、これも修行僧が‟夏椿“を‟沙羅双樹”と間違えて日本に伝えたため、‟夏椿“が日本では‟沙羅双樹・沙羅の木”と言われるようになったようです。インド原産の沙羅双樹の花は星型、緑色で桜のように集まって咲き、日本では温室でしか育たないようです。
帰路、「安楽寺」を振り返ると、梅雨の晴れ間、青空に映える本堂の裏山にも‟沙羅双樹“はあるような気がした。もし、来年も訪れることができたら、ゆっくり歩いてみよう。(小さい写真はクリックで拡大)

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明日香・千塚古墳公園のササユリ

2020-06-04 09:27:14 | Weblog
朝から気温・湿度ともに高く、真夏の様な暑さ、今日は6月3日(水)、例年なら、まだササユリは蕾だろうが、5月31日、甘樫丘ではササユリの蕾が大きく膨らんでいた。
今年は明日香・橿原地域のササユリは咲くのが早いかも知れない。日当たりのよい千塚古墳公園なら、もう咲いているかも・・・。太陽が真上に来ないうちに見に行ってみる事にしました。
駐車場に車は10数台駐車しているのに、見渡しても2~3の人が歩いているだけでしす。人は何処へ消えたのだろう?
歩きはじめると、半袖なのに暑い!ときおり吹く風が爽やかなのが救いです。木の間からエンジンの音がする方を見上げると、草刈りのため5~6名の方が暑い中、下草を刈ってくれていました。展望台へ行くまで出会う人もありませんでしたが、ササユリはちょうど咲いたばかり、蕾を付けたものもありました。
綺麗に咲いた一つの花を覗くとコガネムシが入っていた、しばらくコガネムシが飛び去るのを待ちましたが、待ちくたびれて、虫が入ったまま撮影して移動することに・・・・。
ササユリは散策路の近くに点在しているので、歩いているうち、いつの間にか紫陽花の咲く広場に降りてきていました。紫陽花は1種類だけのようでしたが、もう咲き始めていました。その周囲にはドクダミの花が、一面に白い花をさかせていました。
涼しいベンチに座って、白い花をみていると、中国の四川省で炒めたものを食べたことや、ベトナムではサラダとして出されたことが、懐かしく思い出されました。(小さい写真はクリックで拡大)

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