ガラ系携帯電話がダメになるとか言われ、スマートフォンなどと言う慣れないMobileを持たされたが、電話以外の機能は使った試しがない。いつも眺めるだけの LINEにフォトクラブ大峰から前鬼へのお誘いを頂いた。歩けないジジイを連れていって “ミツマタの花を眺めさせてやろう”と言うのだ、有難い話しである。
早朝、迎えの車に乗せて戴いて出発。大淀町の広域農道あたりから眺める大峰前衛の山々には滝雲が掛かっていたが、上多古を通る頃は川霧になっていた。見上げる山上ヶ岳宿坊と稜線は新雪で白く輝いていた。こ分なら釈迦ヶ岳の稜線も白くなっているだろう。
時間的に釈迦ヶ岳まで行くのはムリかも知れないが、閼伽坂峠から孔雀岳の稜線や五百羅漢を狙えるはず、と提案したが・・・・(私が行くのはムリな話し“お仲坊”周辺で皆の帰りを待つことになるだろうナァ)
ご無沙汰していた後鬼助さんご夫婦に、ご挨拶をしてミツマタの開花状態などを聞いた後、閼伽坂峠へ向かう皆さんを見送って、点在する三椏(ミツマタ)の群落を物色してあるいた。例年なら満開の見ごろを迎えている時期だが、今年は雪が遅くまで残ったので、黄色くなった花は3分ほどであるが、この位の方が綺麗な気がする。
因みに、ミツマタ(三椏)は沈丁花(ジンチョウゲ)の仲間で、中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地だと聞く。また、ミツマタの名は “枝が必ず三つに分かれる”ことから名付けられたと言い、植物学的には沈丁花(ジンチョウゲ)の仲間だが、花の香りは薄く中国では結香、(ジエシアン)黄瑞香(ファンルイシアン)と呼ばれ、花言葉は今の私には縁遠い「強靭」「壮健」だそうです。
沈丁花(ジンチョウゲ)の花言葉「栄光」「不死」「不滅」「永遠」の方が何だか、魅力的に聞こえるのは“願望と未練”なのだろうか?
点在する三椏(ミツマタ)の群落を巡っているうち、昼近くになった。閼伽坂峠へ行った皆は、この時間になっても宿坊へ戻ってこなかった。恐らく、閼伽坂峠で孔雀岳・五百羅漢を撮影し終えて直接、南への尾根を辿り、トチの木の古木群へ向かうのだろう。
トチの木の古木群まで20分ほどである。何とか歩けそうだが・・・、しばし逡巡したが行ってみる事にした。トチの古木群までたどり着いたが、ジッとしていると手袋をしていても、指先の感覚が失われるほど風が冷たかった。苔むしたゴーロ帯のトチの古木の下にキノコの晴雨計と言われ、敏感に星型の外側が開閉する “ツチグリ”が残っていた。だが冬を越し、形だけ残ったのだと思い、囊をツツイたら、何と!胞子を吹きだした。 “ツチグリ”の生命力の強さに驚かされた。
トチの古木群から下る途中、15名ほどのツアーハイキングの団体が登ってくるのにであった。お仲坊に戻って、陽が傾く頃、帰途につきました。(小さい写真はクリックで拡大します)