五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のナポレオン

2014年11月02日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2014年12月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

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 今回の主役は、ルフェーブル!

 ナポレオンの元帥の中でも、それほど目立った人ではありませんが、

 「元帥になったのをうらやんだ友人を撃とうとした」(コミックス4巻)ことで、印象深い人です。

 

 冒頭、革命戦争時のフランケン地方で、彼が占領した町の人々に、

 「自由と平等をもたらすためにやって来た」と宣言しながら、

 二言目に、いかにも軍人らしい言葉を続けていたことに大笑い!

 それこそが、ルフェーブルという人物の個性を、見事に表現していましたね~。

 そんな彼の“凡人”ぶりが楽しい内容でありました。

  

 

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 ダンツィヒ攻囲戦!

 オージュローを休養させるかわりにマッセナを呼び寄せ、

 後方の守りを固めさせたナポレオンは、物資の豊富なダンツィヒに狙いを定めます。

 その指揮官に誰を選ぶのかと聞かれ、「ルフェーブル」の名前を出したところ、

 ベルティエさんが意外な顔をしているのが面白い。

 

 「友人を撃とうとした」変り者、「ちょっとイカレてる」といった評判のルフェーブルですが、

 戦闘指揮となると平均的な評価を受けているようで、ランヌやネイなど

 適任者は他にいるのでは? という感じなのでしょうかね。

 しかし、ナポレオンはルフェーブルを選んだ。

 その理由については、タレイランが語っていましたけど、なるほど政治的なものだと・・・

 そうした意味で、ルフェーブルという人物は、ナポレオン体制に必要な人材だとわかります。

 

 

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 実際の戦闘では・・・

 塹壕堀りに時間をかけるルフェーブル。

 そこを、ランヌにとがめられてますが、「年寄りは気が長い」などと言って動かない。

 そんな中、ロシア・イギリス艦隊が襲来、ダンツィヒのプロシア軍と挟み撃ちにさせぬよう、

 ランヌがロシア・イギリス軍へ、ルフェーブルがプロシア軍にあたりますが・・・ という展開。

 

 ここでランヌが、ルフェーブルのことを「やるなロートル」と評価していたのが、妙に痛快。

 さらに、ダンツィヒへの総攻撃が始まり、一面が火の海になると、ランヌは大喜びですが、

 好対照にルフェーブルは、平静を保ちつつ、どっしりと構えて風格を漂わせているのが

 カッコよかったですね~。

 

 

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 軍人・ルフェーブル。

 ナポレオンの政治的な思惑があったとはいえ、ダンツィヒ攻囲戦では、

 ランヌとは違ったカタチでの活躍を見せつけてくれたルフェーブルという人物。

 自らを「凡庸」と称し、ランヌやネイに劣ることを自覚しながらも、

 自分には自分の戦い方があるのだという、矜持を抱いている“凡人”っぷりが、よかった!

 

 また、ナポレオンが振り返る「霜月のクーデター」直前のルフェーブルとのやりとりも、

 彼のいかにも「軍人」といった気質に、苦笑しつつも好感を持ってしまったり、

 ルフェーブルという男の魅力が、見事に描かれていた話であったと感じます。

 彼の返事に、虚を突かれたような表情になるナポレオンが、可笑しかったですよ!

 

 などなど、パイプの似合う元帥さんが面白かった今回。

 最後、ランヌがルフェーブルのことを認めているようなことを述べつつ、

 美味しい所を持って行かれているのが、これまた愉快!

 ルフェーブルのいぶし銀なカッコよさが光ってましたね。

 

 さて、ダンツィヒ攻囲戦は、フリートラントの戦いへとつながる一戦。

 アイラウの戦いで苦戦したナポレオン軍を、落ち目とみる諸国の目もあり、

 負けられない戦いとなるわけですが、さて、陛下はどう動くのか・・・・・・

 この戦いがどのように描かれるのか期待しつつ、今後も楽しみです!

 

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

  

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