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Mikuのブログ

米露外相会談が実現 実は対立していない

2017-04-14 16:07:16 | プーチン大統領・ロシア・北方領土

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12847

《本記事のポイント》

  • 米露外相会談でロシアはアメリカのシリア攻撃を非難。
  • 両国の利害は一致しており、優先順位が違うだけ。
  • 米露が協力すれば中東問題の解決は近づく。

 

ティラーソン米国務長官とラブロフ露外相、プーチン露大統領が12日、会談した。ラブロフ氏は、アメリカのシリア攻撃を違法であると非難し、「今後このような行動を二度と繰り返してはならない」と述べた。一方ティラーソン氏は、「両国の利害の一致点を見出し、米露関係を前進させたい」と協調姿勢を示した。会談では、アメリカはロシアにアサド政権の凶行を止めるように協力を求めたと見られている。 

 

ロシアがアメリカを強く警戒する理由

各紙報道では、両国の対立姿勢が鮮明になったと見る論調が多い。しかし、両国の溝は、それほど深まったわけではない。 

ロシアが今回のアメリカのシリア攻撃を強く非難する背景には、これまでのアメリカのロシアへの対応に対する不信感がある。オバマ前米大統領は、クリミア併合や、シリアへの介入など、事あるごとにロシアの行動を非難したことに加え、北大西洋条約機構(NATO)諸国に、対露の名目で防衛支援の拡大を計るなどし、両国の関係は悪化した。 

トランプ大統領が就任し、ロシアも関係改善の期待は持っていたものの、いまだ信用が構築されていない段階で今回のシリア攻撃があった。ロシアからすれば、アメリカの動きに強い警戒感を持つのは当然だろう。 

 

アメリカは、ロシアに十分配慮している

一方、アメリカは今回の一連の行動について、ロシアには最大限の配慮をしている。攻撃に際しては、事前にロシア側へ通知し、ロシア軍に被害が及ばないように標的を選んでいる。会談でも、ティラーソン氏は冒頭で、「率直に意見を交わし、相互の関係を前向きなものにしたい」と述べ、ロシアの理解と協力を呼びかけた。 

トランプ大統領も、米テレビ局のインタビューで、「われわれがシリアに入っていくことはない」と述べた。今回の攻撃の狙いが、アメリカによるシリア支配への足掛かりではなく、アサド政権の非人道的な虐殺行為を抑止するものであったことを強調したのだ。 

ロシア側も、この配慮に応じる形で、これからも対話を続けていくと表明しており、決して両国の間に決定的な亀裂が入ったわけではない。 

 

ロシアとアメリカの違いは「優先順位」の付け方

そもそもロシアがシリアを支持するのは、自国の国防上の理由がメインであり、アサド政権を守ることを目的としているわけではない。 

ほとんどの海岸を氷に閉ざされているロシアにとって、地中海へのルートを確保することは必須だ。もしアサド政権を強制的に排除した場合、無政府状態となったシリアでは、紛争や混乱が続発する可能性が高い。そうなったとき、事態を収拾すべく、ロシアに敵対感情を持つ欧米諸国がシリアに介入してくれば、ロシアは地中海へのルートを失いかねない。 

ゆえにロシアは、中東の混乱を収める際、「まずイスラム国によるテロの脅威を終わらせることを優先し、その後、正当な手続きを経てアサド政権を終わらせる」ことを目指している。 

アメリカはというと、実は基本的にロシアと同じ青写真を描いている。ティラーソン氏は今月、「暴力的に政権トップを変えると長期的な安定が困難になる」「(アサド政権が)どのように終わるかは非常に重要」と述べている。あくまで、シリアに安定をもたらしたいという考えが前提にあり、ロシアの利害と一致している。 

しかし、トランプ政権には「非人道的な虐殺行為は誰であろうと許さない」という強い哲学があり、こちらが最優先されたということだ。 

 

米露の相互理解と協力が、中東紛争を終わらせる

両国はテロの撲滅という同じ目的があるが、優先的に取り組む問題が違っているために、今現在すれ違いが起こっているといえる。しかし、これはこれからすり合わせていくことのできるものだ。 

米露が協力したならば、中東問題の解決は飛躍的に進むことだろう。一刻も早い両国の信頼関係の構築を望みたい。(和)

 

【関連記事】

2017年4月9日付本欄 新しい世界秩序を創り始めたトランプ氏 決断力を示したシリア空爆

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12832

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トランプ政権のシリア・北朝鮮封じ込め政策――国防政策転換のチャンス!

2017-04-14 15:57:26 | トランプ大統領・アメリカ

[HRPニュースファイル1806]http://hrp-newsfile.jp/2017/3147/

幸福実現党政調会・外交部会 彦川太志

米中首脳会談の開催やシリアに対するミサイル攻撃の実施など、4月6日を中心に国際情勢が大きく動き出しました。 

今回のニュースファイルでは、ここ一週間ほどのトランプ大統領の対外政策を概観しつつ、日本の国防政策の転換について言及したいと思います。 

◆トランプ大統領がシリア軍基地を攻撃するまで

時系列で整理しますと、まず4月4日、シリアのアサド政権軍が反体制勢力の拠点であるイドリブ市街に対して化学兵器を用いた攻撃を実施し、80名以上の死者を出す惨事が発生しました。 

犠牲者の多くが女性や幼い子供、赤子であった事から世界中に衝撃が走り、トランプ大統領も「アサド政権による悪しき行為を容認することはできない」と強い口調で非難しました。(※1) 

化学兵器による攻撃から2日開けた4月6日、トランプ大統領は米軍に対し、アサド政権軍の化学兵器が貯蔵されるシリアの空軍基地にミサイル攻撃を実施するよう指示しました。 

攻撃は地中海の2隻の米駆逐艦から展開され、軍用機の他、基地燃料タンク、補助施設、格納庫に対して59発のトマホークミサイルが発射されたと報道されています。(※2)

◆今回のシリア攻撃は本格的戦争には発展しない

トランプ大統領が突然ミサイル攻撃を実施したことに対し、イラク戦争のような戦争状態に発展するのではないかとの不安が広がっておりましたが、その可能性は低いようです。 

と言うのも、トランプ政権の政府高官から、今回のミサイル攻撃は化学兵器を保有し、自国民に対して使用したアサド政権の行為に対する「牽制」としての意味合いあるとの見解が表明されているからです。(※3)(※4) 

◆国際正義を守る「覚悟」を試されていたトランプ大統領

また、ティラーソン国務長官の発言として既に報道されている通り、シリアへのミサイル攻撃には、北朝鮮問題に対して中国がしかるべき影響力を行使する事を求めた「メッセージ」としての側面がありました。(※5) 

そもそも今回の首脳会談の主要テーマは、北朝鮮問題の解決に向け、しかるべき影響力を行使するよう中国に圧力をかける事にあったのですが(※6)、米国側にとって容易な交渉過程ではなかった事が想像されます。 

事実、米中首脳会談が始まる前日、日本時間4月6日の早朝に北朝鮮が弾道ミサイルを発射しておりましたので、トランプ大統領は「化学兵器の使用」と「弾道ミサイルの発射」と言う2つの国連決議違反行為に直面したまま、習近平国家首席との会談を迎える状態となっていました。 

シリアも北朝鮮も、国連決議に反して化学兵器や核兵器と言う「大量破壊兵器」の開発・保有を進めているほか、深刻な人権上の問題を引き起こしている国である事は明らかです。 

中国との二国間関係を重視するあまり、シリアや北朝鮮の違法行為に目を瞑るようなことがあっては、トランプ大統領の求心力は大きく低下してしまう可能性があったと言えるでしょう。 

ある意味では、トランプ政権の「覚悟」を試された首脳会談であったと言えますが、このような挑戦が米中首脳会談に合わせるかのように立ち現れてきた事は、偶然にしては出来すぎていると感じてしまいます。 

◆空母打撃群派遣の背景にある、北朝鮮政策を巡る米中の駆け引き

また、首脳会談が終結した後も米海軍の空母機動部隊を朝鮮半島近海に派遣するなど、米朝・米中関係の緊張は高まり続けています。 

一部報道では、朝鮮半島情勢が開戦前夜であるかのように煽り立てる傾向も見られますが、空母打撃群の派遣はむしろ、米中首脳会談の席上で習主席から提示された北朝鮮問題の解決案を明確に「拒否」する政治的意思表示としての意味合いが強いと言えます。 

即ち、習近平国家主席は北朝鮮問題の解決法として、「米朝双方が核実験と軍事演習を暫く停止する」と言う『双暫停』の考え方を提示し、対話協議による解決の必要性を提唱しました(※7)

しかし北朝鮮問題は「現状維持」で「話し合い」によって解決しようと言っているに等しく、北朝鮮の核戦力が強化される「時間稼ぎ」以上の意味はないと言えます。 

トランプ大統領は、空母打撃群の派遣によって、この様な無意味な要求を一蹴すると共に、中国に対して北朝鮮の核兵器開発を停止し、人権状況を改善させるよう、「大国としての責任」を求めたものと思われます。 

◆トランプ政権の対北政策に歩調を合わせ、国防政策を転換すべき

シリア・北朝鮮の両国に対し、トランプ大統領が「周辺国に脅威をもたらす、悪の増長は許さない」との姿勢を強く打ち出したことは、日本にとって国防政策転換のチャンスであると言えるでしょう。 

これまで日本は6か国協議の枠組みを通じ、北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を促してきましたが、北朝鮮の核弾頭保有を阻止することはできませんでした。 

米トランプ政権が対北朝鮮政策を転換した今、米国や北朝鮮の核の脅威に直面する韓国はもとより、極東地域の開発で協力するロシアとも連携しつつ、幸福実現党がかねてより訴えてきた「憲法九条の適用除外宣言」や「敵地攻撃能力の獲得」を初めとした国防政策の大転換を推進し、北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄に導くべきだと考えます。 

 


(参考資料)
・2017/4/5 Whitehouse「Remarks by President Trump and His Majesty King Abdullah II of Jordan in Joint Press Conference」(※1)
・2017/4/7 Whitehouse「Briefing by Secretary Tillerson, Secretary Mnuchin, and Secretary Ross on President Trump’s Meetings with President Xi of China」(※2)(※4)
・201/4/5 Whitehouse 「Statement by President Trump on Syria」(※3)
・2017/4/10 産経ニュース 「シリアへのミサイル攻撃は北朝鮮への警告だった」 ティラーソン米国務長官(※5)
・2017/4/4 Whitehouse 「Background Briefing by Senior Administration Officials on the Visit of President Xi Jinping of the People’s Republic of China」(※6)
・2017/4/9 解放軍報「中美系展奠定建性基」(※7)


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