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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

秋元万由子のフルート・コンサート

2018-10-17 17:30:49 | 音楽
10月16日(火)の夜に紀尾井ホールで秋元万由子のフルートコンサートを聴く。秋元は現在ミュンヘン音楽大学の大学院で学ぶ新進のプルート奏者だ。19時開演で、20分間の休憩を挟んで、21時に終演した。客席は9割を超える入りだった。

ピアノの伴奏が付く曲と独奏曲が入るが、曲目は古典派的な作品から現代曲までバランスの取れた構成だった。最初はバッハの次男の書いたフルート・ソナタで、美しい曲。続いてフランスのフェルーの3つの小品で、これはちょっと中国的な旋律が使われていた独奏曲。その後は、プロコフィエフのフルード・ソナタで大曲だった。

休憩の後、シューベルトの作品で、これもいかにもシューベルトらしい美しい作品。その後は武満徹の「ヴォイス」で、かなり前衛的な現代曲。題名のとおりに、吹きながら声を出したりする。それだけでなく音程を連続的に変えるグリッサンドのような技巧もあり、フルートでもこんなことができるのかと驚いた。全体的には尺八を使った「ノヴェンバー・ステップス」を思い起こさせるような曲調で、確かに面白くはあったが、こんな曲ばかりでなくてよかったと胸をなでおろした。

最後はウェーバーのオペラ「魔弾の射手」の主題を使ったタファネルンによる幻想曲で、知っている旋律も出てきて楽しかった。アンコールはマーラーの作品。

フルートだけのコンサートで、どんな曲を吹くのだろうと、ちょっと心配をしたが、曲目もバランスが良く取れていて、退屈せずに2時間楽しめた。休憩時間に客席を歩いていたら、昔一緒に仕事をしたことがある知人にばったりと会って、驚いた。秋元嬢の母親と学校が同じで知り合いというので、更に驚く。

家に戻って、ソーセージとジャガイモのソテーというドイツ風の食事。飲み物はカヴァ。