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ヒトラー・ユーゲント

2019-12-14 10:05:31 | テレビ
衛星放送の録画で、ドキュメンタリー番組「ヒトラー・ユーゲント」を観る。フランスの製作したテレビ用のドキュメンタリーで、古い映画に着色してオールカラーとなっている。恐らく、白黒のフィルムをコンピューターでカラー化したのだろうが、実に自然な色合いで違和感はなかった。

ヒトラー・ユーゲントは、ヒトラーの青少年隊だが、その発祥から発展などが詳しく描かれてよく判った。最初はボーイスカウトのような活動で、子供たちにも人気の活動だが、キャンプなので次第に親から引き離されて、思想的にも洗脳されて次世代の兵士として使われた様子がよく描かれている。

最初は青少年の中でも選ばれし者だったが、どんどんと規模が拡大していくと玉石混交となり、中にはユダヤ人であるが間違って入隊させられて活動をしたという証言もあり、ちょっと驚いた。その人は、パンツを降ろされてユダヤ人の証拠である割礼が見つかるのではないかと恐れながら活動していたという。

結局、成人男子は前線に繰り出されたため、ソ連軍が入って来た時に首都ベルリンで戦ったのはユーゲントの少年兵たちが中心だったようだ。

「一つの民族、一人の総統、ひとつの国家」と洗脳された少年たちは、疑いを持たずに総統のために命を投げ出したらしい。

そういえば、紅衛兵運動にしろ、他の運動にしても、洗脳教育によって誤った考え方を注入された青少年たちが、既存の秩序を突き崩すというのはよくあるパターンで、教育をきちんとやらないと恐ろしいなあと、改めて考えた。