音楽史というとドイツ人が書いたものが多いのだが、英米系から見るとどうなのだろうと思い、イギリス人のマイクル・ハードの書いた「西洋音楽史入門」を読んでみた。
原題は「アウトライン・ヒストリ―・オブ・ヨーロピアン・ミュージック」なので、直訳すると「欧州音楽の歴史概要」とでもなるか。原著は1968年の出版、日本語訳は福田昌作で音楽之友社から1974年に出版されている。最初に書いてあるが、作曲家の伝記みたいなものは一切なく、歴史的に見て社会と音楽の関係から、どのような時代社会がどのような音楽を求めたかについて書かれている。
230ページほどの本で、1000年から第二次世界大戦後について書かれているので、まあ、簡潔な記述だ。
そうした中でも、古典派からロマン派へ移るベートーベンの位置づけと、ロマン派の解説が面白かった。つまり、ハイドンはパトロンを持ってそれに合わせて音楽を書き、モーツァルトはパトロンを持たずに好きに書いたが貧乏と苦労で早死にし、ベートーベンは緩やかなパトロンで音楽史上最初に自分の個性で書くことが許された人物だという総括だ。
ロマン派以降はベートーベンを踏まえて、個性合戦となってしまうので、いわゆる国民国家音楽や個性的な音楽がどんどんと誕生するが、ロマン派は古典派のアンチテーゼであり、科学の発達、つまり産業革命の進展から、逃避的な音楽だとしている。
なんとなくわかるような気がするが、とてもクリアな主張で、それなりに勉強になるし、フランス的な感性とドイツ的な理論主導の音楽との関係もわかりやすく解説されていた。
音楽史も、やはりいろいろな人の書いたものを読む必要がありそうだ。
原題は「アウトライン・ヒストリ―・オブ・ヨーロピアン・ミュージック」なので、直訳すると「欧州音楽の歴史概要」とでもなるか。原著は1968年の出版、日本語訳は福田昌作で音楽之友社から1974年に出版されている。最初に書いてあるが、作曲家の伝記みたいなものは一切なく、歴史的に見て社会と音楽の関係から、どのような時代社会がどのような音楽を求めたかについて書かれている。
230ページほどの本で、1000年から第二次世界大戦後について書かれているので、まあ、簡潔な記述だ。
そうした中でも、古典派からロマン派へ移るベートーベンの位置づけと、ロマン派の解説が面白かった。つまり、ハイドンはパトロンを持ってそれに合わせて音楽を書き、モーツァルトはパトロンを持たずに好きに書いたが貧乏と苦労で早死にし、ベートーベンは緩やかなパトロンで音楽史上最初に自分の個性で書くことが許された人物だという総括だ。
ロマン派以降はベートーベンを踏まえて、個性合戦となってしまうので、いわゆる国民国家音楽や個性的な音楽がどんどんと誕生するが、ロマン派は古典派のアンチテーゼであり、科学の発達、つまり産業革命の進展から、逃避的な音楽だとしている。
なんとなくわかるような気がするが、とてもクリアな主張で、それなりに勉強になるし、フランス的な感性とドイツ的な理論主導の音楽との関係もわかりやすく解説されていた。
音楽史も、やはりいろいろな人の書いたものを読む必要がありそうだ。