実業之日本社から出ている「古代ギリシャのリアル」を読む。2015年の発行で、著者の藤村シシンはアニメ「聖闘士星矢」を見てギリシャ神話好きとなり、ギリシャ神話研究家となったようだ。270ページほどの本だが、2/3ぐらいはギリシャの神々の紹介で、それ以外の話が1/3という構成。アニメから入っただけのことはあり、文章は軽くて読みやすい。
ギリシャ神話についてはいろいろな本が出てはいるが、この本ほどは大胆にわかりやすくまとめていないので、全体像を把握するのには便利な本だ。何しろ今から3千年とか4千年前の話なので、現在の常識が通じにくいため、いろいろと補足解説してあるところが良い。また、これまでは気が付かなかったのだが、ギリシャの歴史というのは古代から近代まで飛んでいて中世がないということに改めて気が付かされた。
神々の説明では伝令の神とされるヘルメス(マーキュリー)の項が勉強になった。ある伝統的な通信系電機メーカーの高層本社の上の方に豪華なコンファレンスルームがあり、そこにはヘルメスの像のレプリカが設置されている。通信系の会社だからヘルメスを置いてあるのはぴったりだと思ったのだが、この本を読むとヘルメスには伝令だけでなく、盗賊、詐欺などの良からぬ話もあるということで、そうしたことを知っていたら、本社のコンファレンスルームには置かなかっただろうなと思った。
丹念にいろいろな本からエピソードを拾っているので、これまでは知らなかったような神々の素顔が分かった。この本のタイトル「リアル」というのは何を意味するのだろうと思ったが、読んでいくと「実際の」古代ギリシャの世界を説明するということらしい。
簡単に読めて面白いが、あくまでも入門書であって、体系的な知識を得られるわけではない。しかし、最初のとっかかりには良いと思った。
ギリシャ神話についてはいろいろな本が出てはいるが、この本ほどは大胆にわかりやすくまとめていないので、全体像を把握するのには便利な本だ。何しろ今から3千年とか4千年前の話なので、現在の常識が通じにくいため、いろいろと補足解説してあるところが良い。また、これまでは気が付かなかったのだが、ギリシャの歴史というのは古代から近代まで飛んでいて中世がないということに改めて気が付かされた。
神々の説明では伝令の神とされるヘルメス(マーキュリー)の項が勉強になった。ある伝統的な通信系電機メーカーの高層本社の上の方に豪華なコンファレンスルームがあり、そこにはヘルメスの像のレプリカが設置されている。通信系の会社だからヘルメスを置いてあるのはぴったりだと思ったのだが、この本を読むとヘルメスには伝令だけでなく、盗賊、詐欺などの良からぬ話もあるということで、そうしたことを知っていたら、本社のコンファレンスルームには置かなかっただろうなと思った。
丹念にいろいろな本からエピソードを拾っているので、これまでは知らなかったような神々の素顔が分かった。この本のタイトル「リアル」というのは何を意味するのだろうと思ったが、読んでいくと「実際の」古代ギリシャの世界を説明するということらしい。
簡単に読めて面白いが、あくまでも入門書であって、体系的な知識を得られるわけではない。しかし、最初のとっかかりには良いと思った。