9月27日(月)に衛星放送でトニー賞の中継を見る。コロナ騒ぎで2020年のトニー賞は中止されて、1年半ぶりに2020年分の表彰式が現地時間の9月26日の夜に行われた。日本では27日の午前中だ。ブロードウェイは2020年3月12日から閉鎖されて、1年半ぶりに開幕し始めているので、その宣伝を兼ねてのトニー賞となった。
しかし、コロナのため何もかも変則ずくめのトニー賞だった。最初に客席が映り、客席は100パーセントの収容だが、全員がマスクをしていて、ワクチンも接種済みだとの話。最前列にはバーナデット・ピータースの姿も見えたが、マスクをしていても何となく誰かわかるものだと、変な点で感心した。
今年のトニー賞は、現地の7~9時が授賞式で、9~11時が「ブロードウェイが帰ってきた」と題された、ブロードウェイ紹介のショーとなっていたようで、衛星放送で中継されてのは後半のショー部分のみ。現地では長年CBSテレビが全国中継していたが、今回のCBSテレビの放送はやはり後半部分だけで、前半部分はparamount+によるネットのストリーミング中継だったようだ。放送されなかった前半部分にもショーが少し入っていて、前半最後にジェニファー・ホリデイが歌ったのはすごい迫力だったので、これが放送されないのは、もったいない感じ。
どうせショー部分だけしか興味がないだろうから、後半だけでよいとのではといわれるとその通りかも知れないが、やはり、授賞式のスピーチもちょっと聞きたいという感じがして残念だった。昔のトニー賞では受賞者が長く話したために、途中のショー部分をカットせざるを得なくなる事態も発生して、近年はスピーチ時間に制限が設けられていたが、全然中継されないのも寂しい。
それでも、後半部分では、演劇作品賞と再演賞、ミュージカル作品賞が発表されて、ミュージカル作品賞のパフォーマンスが行われた。会場がラジオ・シティ・ミュージック・ホールからウィンター・ガーデン劇場に変更になり、準備が整わなかったためか、ミュージカルのパフォーマンスは、事前収録のビデオが流された。やはり生で演じる魅力を伝えたいのだろうから、きちんと生でやって欲しかった。
ミュージカルの作品賞は「ムーラン・ルージュ」だったが、今回はそもそも対象期間が例年の半分ぐらいしかなく、限られた作品の中での選択だったから、有難みも半分ぐらいという感じ。おまけに、「ムーラン」の録画品質が悪く、画面にブロックが出るような品質で、ちょっとどうかと思った。ブロードウェイの観客は今や2/3が観光客だから、早く観光客が戻ってこないと上演を維持できなくなってしまうだろう。
結局、「ムーラン」のほかは、「ティナ」と「ジャグド・リトル・ピル(傷ついた小さな錠剤)」がやはりビデオで流された。対象期間ではないが、最近試演が始まった「シックス」や「北国の娘」、また、過去の作品となるが「ヘイデス・タウン」をやらないかなと思ったが、そうしたサービスはなかった。
代わって上演されたのが、「ウィキッド」「レント」「ラグタイム」などのオリジナル・メンバーによるデュエット。これも衣装や装置があるわけではなく、出てきて歌うだけなので、ミュージカルらしい面白さが感じられない。それでも、「ウィキッド」でチェノウェスとメンゼルの二重唱はなかなかよかった。メンゼルは緑色の衣装かと思ったら黒の衣装で、その代わり、イアリング、指輪、ネイルは緑色にしていた。
プレゼンターではミュージカル作品賞は、88歳のチタ・リヴェラとアンドリュー・ロイド・ウェバーという豪華顔合わせ。チタ・リヴェラは、ちょうど65年前の9月26日にこの劇場で「ウエスト・サイド物語」の初日に出演したと語った。この伝統の重みと、チタ・リヴェラの驚異的な活動を改めて認識した。
「ウエスト・サイド物語」は、2020年初頭に再演されたのだが、残念ながら、今回の対象期間には入らなかった。意欲的な新振付、新演出だったのでちょっと見たかったのだが、演出家も振付家もベルギー人で、準備が難しいというので、公演の打ち切りが発表されている。
アメリカ政府は、ブロードウェイの作品の公演維持のため160億ドルを投じたので、トニー賞の授賞式には法案を通した院内総務の議員が招かれて挨拶をしていた。日本円にすると、1兆8千億円近い巨額の支援だ。公演維持のために、1作品当たり約11憶円が支払われたという。「ウエスト・サイド」の再演はこの補助金を受け取ったと報道されたので、どうなるのかと気にしていたら、上演再開しないので返却するとの報道があった。それにしてもすごい金額で、日本でもちょっと見習ってほしい感じ。
先日の「ハミルトン」の舞台中継もDiseny+のネット配信だったし、今回の授賞式もネット配信。サッカーの日本対中国戦のネット配信しかされなかったようで、衛星放送だけでは情報収集できない時代となってしまった。アメリカのネット中継を日本から視聴するのはいろいろと制約がかかる可能性があり、なかなか、難しい時代になったなあと感じた。
しかし、コロナのため何もかも変則ずくめのトニー賞だった。最初に客席が映り、客席は100パーセントの収容だが、全員がマスクをしていて、ワクチンも接種済みだとの話。最前列にはバーナデット・ピータースの姿も見えたが、マスクをしていても何となく誰かわかるものだと、変な点で感心した。
今年のトニー賞は、現地の7~9時が授賞式で、9~11時が「ブロードウェイが帰ってきた」と題された、ブロードウェイ紹介のショーとなっていたようで、衛星放送で中継されてのは後半のショー部分のみ。現地では長年CBSテレビが全国中継していたが、今回のCBSテレビの放送はやはり後半部分だけで、前半部分はparamount+によるネットのストリーミング中継だったようだ。放送されなかった前半部分にもショーが少し入っていて、前半最後にジェニファー・ホリデイが歌ったのはすごい迫力だったので、これが放送されないのは、もったいない感じ。
どうせショー部分だけしか興味がないだろうから、後半だけでよいとのではといわれるとその通りかも知れないが、やはり、授賞式のスピーチもちょっと聞きたいという感じがして残念だった。昔のトニー賞では受賞者が長く話したために、途中のショー部分をカットせざるを得なくなる事態も発生して、近年はスピーチ時間に制限が設けられていたが、全然中継されないのも寂しい。
それでも、後半部分では、演劇作品賞と再演賞、ミュージカル作品賞が発表されて、ミュージカル作品賞のパフォーマンスが行われた。会場がラジオ・シティ・ミュージック・ホールからウィンター・ガーデン劇場に変更になり、準備が整わなかったためか、ミュージカルのパフォーマンスは、事前収録のビデオが流された。やはり生で演じる魅力を伝えたいのだろうから、きちんと生でやって欲しかった。
ミュージカルの作品賞は「ムーラン・ルージュ」だったが、今回はそもそも対象期間が例年の半分ぐらいしかなく、限られた作品の中での選択だったから、有難みも半分ぐらいという感じ。おまけに、「ムーラン」の録画品質が悪く、画面にブロックが出るような品質で、ちょっとどうかと思った。ブロードウェイの観客は今や2/3が観光客だから、早く観光客が戻ってこないと上演を維持できなくなってしまうだろう。
結局、「ムーラン」のほかは、「ティナ」と「ジャグド・リトル・ピル(傷ついた小さな錠剤)」がやはりビデオで流された。対象期間ではないが、最近試演が始まった「シックス」や「北国の娘」、また、過去の作品となるが「ヘイデス・タウン」をやらないかなと思ったが、そうしたサービスはなかった。
代わって上演されたのが、「ウィキッド」「レント」「ラグタイム」などのオリジナル・メンバーによるデュエット。これも衣装や装置があるわけではなく、出てきて歌うだけなので、ミュージカルらしい面白さが感じられない。それでも、「ウィキッド」でチェノウェスとメンゼルの二重唱はなかなかよかった。メンゼルは緑色の衣装かと思ったら黒の衣装で、その代わり、イアリング、指輪、ネイルは緑色にしていた。
プレゼンターではミュージカル作品賞は、88歳のチタ・リヴェラとアンドリュー・ロイド・ウェバーという豪華顔合わせ。チタ・リヴェラは、ちょうど65年前の9月26日にこの劇場で「ウエスト・サイド物語」の初日に出演したと語った。この伝統の重みと、チタ・リヴェラの驚異的な活動を改めて認識した。
「ウエスト・サイド物語」は、2020年初頭に再演されたのだが、残念ながら、今回の対象期間には入らなかった。意欲的な新振付、新演出だったのでちょっと見たかったのだが、演出家も振付家もベルギー人で、準備が難しいというので、公演の打ち切りが発表されている。
アメリカ政府は、ブロードウェイの作品の公演維持のため160億ドルを投じたので、トニー賞の授賞式には法案を通した院内総務の議員が招かれて挨拶をしていた。日本円にすると、1兆8千億円近い巨額の支援だ。公演維持のために、1作品当たり約11憶円が支払われたという。「ウエスト・サイド」の再演はこの補助金を受け取ったと報道されたので、どうなるのかと気にしていたら、上演再開しないので返却するとの報道があった。それにしてもすごい金額で、日本でもちょっと見習ってほしい感じ。
先日の「ハミルトン」の舞台中継もDiseny+のネット配信だったし、今回の授賞式もネット配信。サッカーの日本対中国戦のネット配信しかされなかったようで、衛星放送だけでは情報収集できない時代となってしまった。アメリカのネット中継を日本から視聴するのはいろいろと制約がかかる可能性があり、なかなか、難しい時代になったなあと感じた。