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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

読響の三大協奏曲

2023-08-24 15:44:11 | 音楽
8月23日(水)の夜に東京芸術劇場で読響の夏恒例「三大協奏曲」を聴く。メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲、ドボルザークのチェロ協奏曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲をまとめて演奏する。若手の演奏家が弾くので、どんな演奏を聴かせるか、楽しみな演奏会。普段よりも演奏時間は長く、6時半開演で15分雄休憩を挟み、終演は9時。ほぼ満席だった。

昨年は開催されなかったので、企画そのものがなくなってしまったのかとか、スポンサーが降りてしまったのかとか心配したが、今年は例年通り大成建設がスポンサーとなって開催された。4月ごろに大成建設の札幌での工事に施工不良が見つかり、大きな損害が出たと新聞各紙に報じられたので、心配していたが、無事に開催されてよかった。来年以降もぜひ続けて欲しい。

今回はバイオリンは前田妃奈、チェロは鳥羽咲音、ピアノは亀井聖矢。指揮も若手の坂入健司郎だった。この夜のハイライトは、なんといっても亀井聖矢のピアノで、その素晴らしい演奏に、観客が熱狂してブラボーとスタンディング・オベイションの嵐となった。ピアノの音はクリアで、早く弾く部分にもニュアンスがあり、近年聞いたチャイコフスキーの協奏曲では一番面白い演奏だと感じた。また機会があったら聴きに行こうと思う。

バイオリンの前田は音で聴かせたが、特に低い音の響きに魅力があった。チェロの鳥羽はまだ十代のようだが、とても成熟した演奏で、詩情溢れる演奏だった。これからが期待できそう。

指揮の坂入は、協奏曲の伴奏なので、ソロ楽器を聴かせる部分とオーケストラだけの部分のメリハリをつけて、独奏楽器がよく聞こえるようにしていてよいと思ったが、まだ若く、完全にオーケストラをコントロールしきれないのか、時折、ぎこちなくたどたどしい演奏となる部分もあった。

総じて楽しめる演奏会で、特にピアノが素晴らしかったので、暑い中をわざわざ出かけ甲斐があった。帰りにエスニック料理店で軽い食事。イタリア産白ワインを飲みながら、豚肉・玉ねぎ・ピーマン・バジルの炒め物、ブロッコリーのカシューナッツ炒め、エビとニンニクの炒め物を食べる。