2月24日の午前に国立小劇場で文楽「心中宵庚申」を観る。今月は三部制で、一部がこの「心中宵庚申」、二部が綱太夫の追善と織太夫の襲名披露、三部が「女殺油地獄」という、どれも主人公が亡くなる話。二部は人気が高く、売り切れたようだが、一部は土曜日だというのに7割程度の入りで空席も結構あった。
この作品は近松が書いた最後の心中物。普通だと心中というのは添い遂げられない男女が心中するという展開だが、夫婦が心中するという話で、ちょっと変わっている。二人が好き合っているのだが、意地悪な夫の姑に気に入られずに追い出されてしまう。夫は貧乏武士だったが、羽振りのよい商家に養子に入ったので、意地悪な母親に逆らえないという弱みがあり、心中を決心するという展開。
最初が姑に去れといわれて無理やり実家に戻された嫁の話で、上田村の段。文字久太夫が語る。出だしがちょっと躓く感じだが、そつなく語っていた。次が夫が戻った八百屋の段で、姑、夫、嫁の関係が描かれる山場となるがここを千歳太夫が語る。三味線は富助。いつもは全力投球で力いっぱい語る千歳太夫だが、今回は落ち着いた語り。最後に道行が付く。
去れと言われた不幸な嫁の千代を勘十郎が遣う。この人形が良い。実家でいやだいやだと言いながら、次の間に連れていかれる後ろ姿など、絶品だった。
この作品は近松が書いた最後の心中物。普通だと心中というのは添い遂げられない男女が心中するという展開だが、夫婦が心中するという話で、ちょっと変わっている。二人が好き合っているのだが、意地悪な夫の姑に気に入られずに追い出されてしまう。夫は貧乏武士だったが、羽振りのよい商家に養子に入ったので、意地悪な母親に逆らえないという弱みがあり、心中を決心するという展開。
最初が姑に去れといわれて無理やり実家に戻された嫁の話で、上田村の段。文字久太夫が語る。出だしがちょっと躓く感じだが、そつなく語っていた。次が夫が戻った八百屋の段で、姑、夫、嫁の関係が描かれる山場となるがここを千歳太夫が語る。三味線は富助。いつもは全力投球で力いっぱい語る千歳太夫だが、今回は落ち着いた語り。最後に道行が付く。
去れと言われた不幸な嫁の千代を勘十郎が遣う。この人形が良い。実家でいやだいやだと言いながら、次の間に連れていかれる後ろ姿など、絶品だった。