北とぴあで、11月29日(金)の夜にヘンデルのオペラ『リナルド』を観る。夕方18時に開演して、20分と10分の休憩を挟み、終演は21時30分頃だった。場内は8割程度の入り。やはり平日の夕方9時で王子だと、勤め人は難しいかも知れない。
ヘンデルが1711年に上演したバロックオペラで、一応オペラセリアとなっているが、内容は魔法合戦や色恋沙汰が中心で、ブッファとまではいかないが、結構エンターテインメントにできていた。セミ・ステージ形式での上演となっていて、古楽オケが舞台後方に陣取り、その前の空間で歌手たちが簡単な演技を交えて上演する。
魔法使いが化ける場面などもあり、うまく演じないと話が分かりにくくなると思われるが、佐藤美晴の演出は、なかなか工夫してあり、物語はよくわかった。演出は過剰ともいえるぐらいで、ちょっとやり過ぎではと思えるぐらいの演出が施されていたが、全体としては楽しめる内容。
物語は十字軍とイスラム勢力との戦いだが、十字軍側に白、イスラム側に黒の衣装を割り当て、衣装の面でも理解しやすい工夫があった。
歌手陣は外国人と日本人と半々ぐらいの混成だが、総じて女性陣が元気で、男性陣は物足りなかった。そう感じさせたのは、バロック期のオペラは、男性の主要な役は殆んどカストラート向けに書かれている。現在はカストラートはいないので、女性のアルトが歌うか男性のカウンター・テナーが歌うという選択しかなく、今回はカウンターテナーが3人出ていた。
カウンターテナーは、絶対的な人数が少ないこともあり、全体的にレベルが低いと思う。歌はきちんと歌うのだが、声に全く魅力が感じられない。何かこもったような声になってしまい、伸びやかな透明感がないのだ。男性としての力強さがあればまだよいのだが、今回のカウンターテナーはそうした迫力も欠いていると感じられた。これならば、無理してカウンターテナーに歌わせるのではなく、女性歌手に歌わせた方がよっぽど良いのではないかと考えた。
昔の楽器を再現したレ・ボレアード(寺神戸亮指揮)という管弦楽団も、昔風の音を出していて、これは結構楽しめた。
プログラムを読んでいたら、ヘンデル研究家の解説では、ヘンデルがイギリスへ渡ったのは、後にイギリス国王となったゲオルクが、事前に様子を探る目的で差し向けたと書いてあって、ちょっと驚いた。これまで読んだ本では、そんなことが書いてなかったような気がしたので、最新の研究ではそういうことになっているのかも知れないと思い、ちょっと最近出た伝記なども読んでみようという気になった。
遅くなり、レストランには遅いので、家に戻って軽い食事。サラダ、かぼちゃのスープ、コールド・ミート。ワインはボルドーの白。
ヘンデルが1711年に上演したバロックオペラで、一応オペラセリアとなっているが、内容は魔法合戦や色恋沙汰が中心で、ブッファとまではいかないが、結構エンターテインメントにできていた。セミ・ステージ形式での上演となっていて、古楽オケが舞台後方に陣取り、その前の空間で歌手たちが簡単な演技を交えて上演する。
魔法使いが化ける場面などもあり、うまく演じないと話が分かりにくくなると思われるが、佐藤美晴の演出は、なかなか工夫してあり、物語はよくわかった。演出は過剰ともいえるぐらいで、ちょっとやり過ぎではと思えるぐらいの演出が施されていたが、全体としては楽しめる内容。
物語は十字軍とイスラム勢力との戦いだが、十字軍側に白、イスラム側に黒の衣装を割り当て、衣装の面でも理解しやすい工夫があった。
歌手陣は外国人と日本人と半々ぐらいの混成だが、総じて女性陣が元気で、男性陣は物足りなかった。そう感じさせたのは、バロック期のオペラは、男性の主要な役は殆んどカストラート向けに書かれている。現在はカストラートはいないので、女性のアルトが歌うか男性のカウンター・テナーが歌うという選択しかなく、今回はカウンターテナーが3人出ていた。
カウンターテナーは、絶対的な人数が少ないこともあり、全体的にレベルが低いと思う。歌はきちんと歌うのだが、声に全く魅力が感じられない。何かこもったような声になってしまい、伸びやかな透明感がないのだ。男性としての力強さがあればまだよいのだが、今回のカウンターテナーはそうした迫力も欠いていると感じられた。これならば、無理してカウンターテナーに歌わせるのではなく、女性歌手に歌わせた方がよっぽど良いのではないかと考えた。
昔の楽器を再現したレ・ボレアード(寺神戸亮指揮)という管弦楽団も、昔風の音を出していて、これは結構楽しめた。
プログラムを読んでいたら、ヘンデル研究家の解説では、ヘンデルがイギリスへ渡ったのは、後にイギリス国王となったゲオルクが、事前に様子を探る目的で差し向けたと書いてあって、ちょっと驚いた。これまで読んだ本では、そんなことが書いてなかったような気がしたので、最新の研究ではそういうことになっているのかも知れないと思い、ちょっと最近出た伝記なども読んでみようという気になった。
遅くなり、レストランには遅いので、家に戻って軽い食事。サラダ、かぼちゃのスープ、コールド・ミート。ワインはボルドーの白。