24都市のイタリアの話を読んだ後に22都市の話を読んだので、46都市の逸話を読むことができました。イタリアはローマ帝国のあと、中世から近世にかけては日本と同じ戦国時代(都市国家が割拠)でした。なので他国からの圧力に国をあげて抵抗することがありませんでしたが、1861年になって、明治維新(1868年)と同じく新生イタリアとなって近代国家として生まれ変わりました。でも今のイタリアは南北問題が大きく、未来への暗雲だそうです。個々の都市の逸話を聞いていると、(多分にこの本は美術史をベースに置いているので)深刻さは伝わってこないのですけどね。財政的にもイタリアは苦しい国ですが、なにか底のところに明るさが見えるのがイタリアらしいところなのでしょうか。
「美しきイタリア22の物語」池上英洋 光文社新書