かつての日本SF界の巨匠、小松左京の短篇集に取りかかりました。選者は大森望です。小松左京は日本沈没や復活の日という長編が有名で映画化されました。1970年前後は小松左京の他にも筒井康隆や豊田有恒などのSF作家の短編が数多く発表され、今読んでも引き込まれます。短篇集の最初の作品は「夜が明けたら」というもので、昭和48年頃の寒い冬のとある一家団らん中の夜、突然地震が起きます。そして大停電が発生。停電は送電だけではなく、電気と名のつく全てのものが使えなくなります。懐中電灯も自動車も動かなくなります。これは地球が突然自転を止めたことが原因のようですが、それにしては大津波も大暴風も起きません。冬の日本は深夜11時頃のまま凍てつくそして動かない星々を眺めながら3カ月を過ごすことになります。というもので、もしそうなったらと想像をたくましくすると楽しいです。
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